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  • 少年は天狗山で死んだ 193 鴉

    「ぴかるん」「………はい」光を呼ぶ天狗の声は、まだ『天狗』の声で、光は少し緊張した感じで返事をした。しかも、ちょっとちゃんと天ちゃんの方見て。なんて、結構な真…

  • 少年は天狗山で死んだ 192 光

    違う。鴉はそんな人じゃない。山をおりました。色んな人と出会いました。だから他の人、色んな人と付き合います。なんて、鴉はしない。って、思ってる。山をおりただけで…

  • 少年は天狗山で死んだ 192 鴉

    大きな声で言った後、光はまた俯いた。そして今度は小さく、消えそうな声で言った。違うよって。「………でも色んな人が居るじゃん。こんな僕なんかよりいい人が、それこ…

  • 少年は天狗山で死んだ 191 光

    たまたまじゃん。その思いはどうしてもあって、消しても消しても消えなくて、やっぱりぽこって出てきてどうしようってなる。鴉や天ちゃんが色々考えて、してくれようとし…

  • 少年は天狗山で死んだ 191 鴉

    「どったのふたり?ケンカでもした?」神社に行って、棘岩に行って、弁当を食べて帰って来ての、天狗の第一声がそれだった。「………いや」「してないよ?」台所。天狗は…

  • 少年は天狗山で死んだ 190 光

    少しの間フリーズしてた鴉が再起動していつも通りの鴉になって、僕はミサンガがはまる方の手を引かれて外に連れて行かれた。大きな木の、葉っぱと葉っぱの間からちょうど…

  • 少年は天狗山で死んだ 190 鴉

    建物の中だと日陰で少し寒い。光が風邪をひいたら困るって、本殿の外で話した。全部天狗がしてくれたことで、全部天狗がアドバイスくれたことだ、とも。俺ひとりじゃ考え…

  • 少年は天狗山で死んだ 189 光

    いただきますってさ、秒で終わってたんだよ。手を合わせて言ってって、秒でしょ?で、すぐ食べる、だった。でも、ここに、天狗山に来て鴉に拾われて、天ちゃんと鴉と暮ら…

  • 少年は天狗山で死んだ 189 鴉

    目を閉じてしばらく手を合わせてて、目を開けて一礼した。そこで気づく。隣からの視線に。光がじっと、俺を見てた。何で見てるのか。いつから見てたのか。「………?」「…

  • 少年は天狗山で死んだ 188 光

    鴉と台所に戻ったら、天ちゃんがコンロのとこでこっちを見てぐふふって笑った。お願い。その顔やめてって言ったら負けのような気がする。………言ってて意味分かんないけ…

  • 少年は天狗山で死んだ 188 鴉

    朝ご飯の後、天狗はいつものように部屋に行き、俺と光が、他小さいのと3人で残された。「光。今日はどうするんだ?」「あ、僕神社行きたい。その後棘岩行きたい」俺に答…

  • 少年は天狗山で死んだ 187 光

    刺さってない自分に、刺さってないって思って。それから。刺さってない⁉︎刺さってない‼︎刺さってないよ⁉︎って。「いっちゃん‼︎かーくん‼︎きーちゃん‼︎」まだ…

  • 少年は天狗山で死んだ 187 鴉

    「抜けたあああああっ‼︎抜けたよ‼︎もう刺さってないよおおおおおっ‼︎」ずどどどどどってすごい勢いの足音と、光の大きい声。ちょうど光の話をしてたからっていうの…

  • 少年は天狗山で死んだ 186 光

    いつもだけどね。鴉と居て、黙った時間がずっと続くのは。多いよ。よくある。あるある。普通。でもこれは、この沈黙はいつもと違う沈黙。痛い沈黙。僕が言った言葉に、黙…

  • 少年は天狗山で死んだ 186 鴉

    「………まあそうだよね。うん。ぴかるん言ってたしね」そう言いながら天狗は起き上がって、今度はコーヒーを飲んだ。自分を落ち着かせるために。の、ように見えた。それ…

  • 少年は天狗山で死んだ 185 光

    僕がお疲れさまって言ったら、鴉はうんって言ってからふうって息を吐いた。そして、僕が乗ってる身体から力が抜けた。そうか、僕が乗ってるから力が入ってたんじゃなくて…

  • 少年は天狗山で死んだ 185 鴉

    光は知らない。本当はもう矢は抜けてるってこと。俺は知ってる。本当はもう矢は抜けてるってこと。そう。もう矢は抜けてる。ってことは。次、来週。俺が『杏奈さん』の店…

  • 少年は天狗山で死んだ 184 光

    手洗いして戻ったら、天ちゃんは着替えるために部屋に戻って行ってた。僕は鴉に味噌汁作るから切ってくれって、大根を渡された。うんって僕は、まだちょっとぎこちなく大…

  • 少年は天狗山で死んだ 184 鴉

    とりあえず光と一緒に味噌汁だけ先に作って、着替えて仕事に行く天狗を俺と光と小さいの3人で玄関まで見送った。行って来ま〜すって天狗が手を振って外。出たとこで、消…

  • 少年は天狗山で死んだ 183 光

    向こう行くぞって鴉に言われたけど、僕はごねてて、やだよー恥ずかしいよーって畳の上で丸くなってた。だって、どんな顔してけばいいの?最終的にもうすぐ天狗が仕事に行…

  • 少年は天狗山で死んだ 183 鴉

    「あれ?天ちゃん、何か目赤くない?」「え⁉︎うっそ、そんな分かる⁉︎」恥ずかしいって突っ伏してた光を何とか部屋から連れ出して台所に戻ったところで、仕事に行くた…

  • 少年は天狗山で死んだ 182 光

    落ち着いたのはいっちゃんの癒しのおかげもあるのかな。な、押し入れの中。逃げて来たのはいいけど、どうやって戻ろう。天ちゃんが多分もうちょっとしたら仕事に行くから…

  • うわ

    天狗山のお話を書き始めてあと10日で1年(笑)まだ終わらないなぁ。遅々としていてごめんなさい💧鴉と光の順番で書いちゃったりしたもんだから💧💧3月には終わ…

  • 少年は天狗山で死んだ 182 鴉

    じゃあ仕事行く準備するね〜って、3回派手にティッシュで鼻水を拭いてから天狗はいつものように支度を始めた。洗面所から、目やばっ‼︎って聞こえてくる。まさか天狗が…

  • 少年は天狗山で死んだ 181 光

    ありがとうって優しい声に鴉を見たら、僕が見てきたここ何ヶ月かの鴉の中で1番、いっちばん優しい顔の鴉がそこに居た。で、僕をじっと見てて、ね。わわってなった。慌て…

  • 少年は天狗山で死んだ 181 鴉

    「ぱんぱかぱーん‼︎鴉‼︎ぴかるん‼︎おめでとう‼︎これでますます両思い‼︎いえ〜い‼︎」夕飯何にするかって話しながら台所に入ったらそれだった。天狗の。入り口…

  • 少年は天狗山で死んだ 180 光

    全っ然ね、僕は寝る気なんてなかったんだよ。これっぽっちも寝るつもりかなかった。でも布団に転がっててさ、鴉がお腹らへんに顔埋めてるから動けなくてさ、鴉のすーすー…

  • 少年は天狗山で死んだ 180 鴉

    べしっっていう頭への衝撃で目が覚めた。一瞬の空白。頭の上が重い。そして暑い。………何だっけ。寝起きであんまりはっきりしない頭。何だっけ。ぼーっとしてたら、俺が…

  • 少年は天狗山で死んだ 179 光

    寝る部屋までダッシュで逃げて、大したダッシュでもないのに、僕はぜーぜーはーはーしてた。心臓ばっくんばっくん、顔や身体が熱くて汗もじわり。で、この状態で今から僕…

  • 少年は天狗山で死んだ 179 鴉

    光はすぐ敷布団を抱えて戻ってきた。そしてソファー前のローテーブルを退かして敷いてくれた。先に持って来てた掛け布団を半分に畳んで敷布団の上に置いて、いいよって。…

  • 少年は天狗山で死んだ 178 光

    僕リクエストのラーメンは、久しぶりのラーメンで普通に美味しかったけど、今日ふたりが行ったっていうお弁当屋さんのおかずが美味しくて、僕はひとつ食べるたびに美味し…

  • 少年は天狗山で死んだ 178 鴉

    「後片付けは僕がやるっ‼︎」光がそう言って、だから手伝おうと思ったのに、鴉も天ちゃんもあっち行ってて‼︎って台所を追い出された。「じゃあオレ部屋行って寝る〜。…

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