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  • うの華4 56

    「おい。」私の背後から声がした。やや怒った様な声だった。「お前何処へ行くつもりだ。」父が私に声を掛けて来た。私が振り返ると、父は私に不愉快そうな視線を送って来た。「そんな所へ何しに行くんだ。」何って、私は思った。家の中に、こんな奥まで知らない人が来て、お父さんは自分の家の事が気にならないのかしら?。そこで私は父に答えた。「変な人が家の中にいるみたいだから、何をしているのか見に行くんじゃないか。」すると父は何故かホッとした様に微笑した。この父の表情の変化は私には不思議な出来事だった。そこで私は父の心情について考え出した。『お父さんは私の事を怒っていた。』それは確かだ。怖い顔で睨んでいた。では、お父さんは私の何を怒っていたんだろう?。私にすると特に変な事をしたという気持ちは無かった。寧ろ父は私の事を自慢して良...うの華456

  • うの華4 55

    私は思った。幾ら客といっても、家の奥の奥に当たるこんな裏口に迄遣って来るなんて、妙な客だな。と。それで家内にいる声の人物達に不審感を持った。又、家内にいる筈の自分の家族、祖父母の身を案じた。そうして母の事も、私には少しは気に掛かった。年寄りの祖父母はか弱く、今いる侵入者に対して力負けしたとしても、若い母はもう少し抵抗出来たのではないか。家の奥に迄侵入者を許すなんて…、と、私は家族では若い身の母の事を不甲斐無く感じた。それが自分の女親と思うと尚更に口惜しく思えた。すると、ポソポソと小声で話すらしい声が家から聞こえて来た。彼等は何の話をしているのだろう?。興味を持った私は彼等の話に自分の耳を傾けた。彼等の話がよく聞こえるには、と、私は家に近付く事を考え、裏口に向けて自分の歩を踏み出そうとした。すると、私の前方...うの華455

  • うの華4 54

    あれの事で思い煩うのはお止め。夫はパシっとした声で妻に命じた。この声に妻は言葉も無く夫を見詰めた。彼女は何か言いたくてモゴモゴと口を動かした。が、彼女の口から何かしらの言葉は出てこず、頭にさえ、どんな考えもさっぱり浮かんでは来なかった。『今日は如何してこんなにも頭が働かないものか?。』彼女自身、自ら不思議に思った。「本当に嫌な奴だ。人の嫌気の壺を心得ているとしか思えない。」彼は言った。「あの言葉を聞くとね、私はカッと頭に血が昇って来てね、目の前さえ赤く見える位なんだよ。」神経を境撫でされる様な気持ちとは、この事なんだね。正にそう言う気持ちになっているんだよ、私は。この時夫は普段と語調を変えていた。彼が商売等で各地に出歩く時の、如何にも他所行きの声音と口調であった。彼の妻は思った。夫は彼等の孫の智に、彼等の...うの華454

  • 敬老の日

    今年の敬老の日は、母にフラワーバスケットを送りました。16日にはもう届いた様です。年寄りの目には色が濃いめに映る、暗い色に映る様だ。と以前聞いた、お花屋さんのアドバイスを受けて、明るく薄い色目の花材の物を選びました。喜んでくれるといいのですが。さて、母ももう高齢です。食べられる物も限られて来ました。食品は安易に送れないと思うと、あとは衣類か小物等ですが、今年は花だけにしました。夏にはアイスクリームが喜ばれた様子でしたが、又アイスクリームを送って良いかどうか、母の食事ペースが分からないので、アイスクリーム店のウインドウも眺めていたのですが、今回はアイスクリームは取り止めにしました。他にも、母への敬老の日プレゼントが届いていると、大変ありがたいです。敬老の日

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