うの華4 56
「おい。」私の背後から声がした。やや怒った様な声だった。「お前何処へ行くつもりだ。」父が私に声を掛けて来た。私が振り返ると、父は私に不愉快そうな視線を送って来た。「そんな所へ何しに行くんだ。」何って、私は思った。家の中に、こんな奥まで知らない人が来て、お父さんは自分の家の事が気にならないのかしら?。そこで私は父に答えた。「変な人が家の中にいるみたいだから、何をしているのか見に行くんじゃないか。」すると父は何故かホッとした様に微笑した。この父の表情の変化は私には不思議な出来事だった。そこで私は父の心情について考え出した。『お父さんは私の事を怒っていた。』それは確かだ。怖い顔で睨んでいた。では、お父さんは私の何を怒っていたんだろう?。私にすると特に変な事をしたという気持ちは無かった。寧ろ父は私の事を自慢して良...うの華456
2022/09/22 14:40