山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
夢の記述みたいな超短編のフィクションを掲載しています。
非現実ですがどこか思い当たるフシがある世界を書きたいと思っています。シュール系とでも言いましょうか。なおイラストや写真はフリー素材を組み合わせて作ったものです。
暑い日 誰でもこんな経験があると思う。 たとえば夏の暑い日に、どうしても寝られなくて、何度も何度も寝返りを打ち、頭の角度を変え、足を引き寄せ、また戻す。もういちど反対に寝返りを打つ。 布団が汗で湿って ...
彼の半面 彼の半面はとても善良だ べつの半面は語りたくないが 彼の半面は家族を愛し仕事を愛し 世界を愛し常識を愛し 動物を愛し植物を愛し 同僚や他人をも まったく愛さないわけではない &nbs ...
風船に乗って その国の人々は大きな風船に乗り 全員で旅立った その国には鉄道もあり ビルや道路もあったのに 家や車を捨て 公園も捨てて その国の人々は旅立った 高い空の上からは 自分たちの国が見えた 町並み ...
サーカス もう誰も来なくなった空き地に 穴だらけのテントがある テントの中では 夜な夜なサーカスだ 高い天幕の近くで 体の透けた少女がロープを渡り 円形広場の真ん中では 腐った象に乗った 骨だらけのピエロが ...
砲弾の落ちる街 そのころ いたる所に砲弾が落ちる街に住んでいた 橋の上にもマンホールの上にも 学校にも病院にも砲弾は降ってきた 砲弾は落ちた場所で爆発し そこここで大きな土煙を上げていた 爆発 ...
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山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
泥だらけの海 泥だらけの海を行こう 泥だらけの海には 見渡す限り 小さな目が浮かんでる ぼくらの行く手には ほら 布に描かれた星空が これ見よがしに揺れているし 銀紙の三日月だって 光っているじゃないか & ...
束になって 束になってかかって来いと言ったら ほんとうに束になって来た 薄っぺらい紙状に 何枚も何枚も重なって 束になってかかってくるから 数えるのに大わらわだ 雑魚めと言ったら ほんとうに雑 ...
窓をたたく人 窓の中の人がガラスをたたく その口が何か言っている ボクには声が聞こえない 窓の中の人が何か訴えている 目が真剣だ きっと重要なことなのだ しきりに何か言っている ボクに知ってもらいたいことが ...
坂本君 友人の坂本君はある朝ネクタイを結んでいて 首がどこまでも締まるのに気がついた ネクタイを引けば引くほど首は細くなり しまいに 親指と人差指の先でつまめるほどになった 襟の周りは波打ち ネクタイは膝の ...
鋼鉄の巨人 鋼鉄の巨人が出来たと聞いたので 行ってみることにした そいつは巻き上げ式金属シャッターのある ガレージみたいな部屋に据えられていた テラテラと黒光りする体躯を 暗闇に横たえ 咳き込むような音をた ...
まどのないまち まどのないまちがある 人は目にコインをはめ てさぐりで歩いている まどのないまちだから。 まどのないまちなので 総ての物に匂いがない 花が咲きまた散っても 気づく人は誰もいない ...
あいつら あいつらは 上からまっすぐ引かれた棒や 時には丸く湾曲した線や 何度も折れ曲がってみたり 重なり合ってみたり 突き出たり出なかったり 下のほうで小粋に跳ねてみたり ぐねぐねと波打ったり ひょいと飛 ...
密航者 こんな夢を見た。 私は、船に続く細く長い渡し板の上を歩いていた。あたりはとても暗く、真夜中のようだった。 渡し板は不安定で、一歩踏み出すたびに大きく上下にしなった。周囲に人影は無く、船と岸壁の ...
♪ドッペルゲンガー♪ 【1番】 ドッペルゲンガー教えてよ ほんとうの私 ドッペルゲンガーどうしても 君の背中に届かない 君をそれほど好きじゃないはず 私は私よいつだって 君が誰 ...
♪みんな丸かったらいいのに♪ 【1番】 三角形も四角形も みんな丸かったらいいのに 自転車だってバスだって みんな丸かったらいいのに 私の心も丸ければ 私はどこへでも行ける 誰と ...
♪君へ♪ 校庭の土にまみれて 走り続けてる そんな君 私に 輝いてる今 悔しいことがあったときも 独り走ってた そんな君 みんなは 知らないんだ ああ 君が あの娘 ...
♪もしも地球が止まったら♪ 【1番】 もしも地球が止まったら 君の涙を止められる もしも地球が止まったら 山の向こうへ飛びたって 大きな雲をかき集め 君の帽子にするだろう &nb ...
踏み絵 踏み絵をやっていると聞いて 出掛けてみた 寺の境内らしき所に 大勢集まっている 羽子板を持つ人 破魔矢を持つ人 マフラーを巻く人 厚手のコートに中折れ帽の人 正月みたいだった みな高揚した顔だ 人ご ...
山森サトコの修行の日々 山森サトコは三年前に女学校を卒業し、今はハンカチ工場に勤めている。彼女は他の仕事をしたことがない……。 もちろんサトコも、世の中に色々な仕事が存在しているのは知って ...
泥だらけの海 泥だらけの海を行こう 泥だらけの海には 見渡す限り 小さな目が浮かんでる ぼくらの行く手には ほら 布に描かれた星空が これ見よがしに揺れているし 銀紙の三日月だって 光っているじゃないか & ...
束になって 束になってかかって来いと言ったら ほんとうに束になって来た 薄っぺらい紙状に 何枚も何枚も重なって 束になってかかってくるから 数えるのに大わらわだ 雑魚めと言ったら ほんとうに雑 ...
窓をたたく人 窓の中の人がガラスをたたく その口が何か言っている ボクには声が聞こえない 窓の中の人が何か訴えている 目が真剣だ きっと重要なことなのだ しきりに何か言っている ボクに知ってもらいたいことが ...
坂本君 友人の坂本君はある朝ネクタイを結んでいて 首がどこまでも締まるのに気がついた ネクタイを引けば引くほど首は細くなり しまいに 親指と人差指の先でつまめるほどになった 襟の周りは波打ち ネクタイは膝の ...
鋼鉄の巨人 鋼鉄の巨人が出来たと聞いたので 行ってみることにした そいつは巻き上げ式金属シャッターのある ガレージみたいな部屋に据えられていた テラテラと黒光りする体躯を 暗闇に横たえ 咳き込むような音をた ...
まどのないまち まどのないまちがある 人は目にコインをはめ てさぐりで歩いている まどのないまちだから。 まどのないまちなので 総ての物に匂いがない 花が咲きまた散っても 気づく人は誰もいない ...
あいつら あいつらは 上からまっすぐ引かれた棒や 時には丸く湾曲した線や 何度も折れ曲がってみたり 重なり合ってみたり 突き出たり出なかったり 下のほうで小粋に跳ねてみたり ぐねぐねと波打ったり ひょいと飛 ...