音
部屋の外で人が喋っている声は、いつもろくな音ではないから、どきどきとしてくる。 課題でこのような機構の作品を作った時に、嫌な音に聞こえないと批評がついた。もともと私のことが気に入らない先生だったが、部屋のしきりが厚い良い家に住んでいたか、穏やかな家庭だったかのどちらかだと思った。 そして"嫌な音"になるまでにはもっとわかりやすい激しさなどが必要なのだろう。 憎み合っているもの同士住んでいると、普通の音も嫌な音に聞こえる。嫌な者の出す音ということだから。 私にとっては嫌な者ではなく怖い者だけれど。 そう書いてみて、音の種類の方を考えるべきだったと思う。 この夜は音が終わるまで、達観したおだやかな…
2024/05/15 23:28