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2023年3月
田仕舞の煙に追はれ下校の子季語は「田仕舞」で秋。私は現在、広島県福山市の生まれ育った町に住んでいる。私が子どものときは、この町は一面多くの田圃に覆われていた。ところが最近は、その田が宅地となり、次々と新しい家が建っている。田仕舞の煙もなかな
築城の世を知る色を変へぬ松季語は「色変へぬ松」で秋。2022年。広島県福山市の福山城は築城400年を迎える。それに合わせて修繕工事が行われ、世にも珍しい「鉄板張り天守」が復活した。福山では今、築城400年の様々なイベントが行われている。そん
鉄色に揺らぐ寒鯉たたら村季語は「寒鯉」で冬。広島県庄原市の古代たたら工房を吟行したときの句。正確には、古代たたら工房へ行く途中の道の駅で作った。道の駅に溝があり、そこに鯉がいた。その鯉の色は気持ち茶色がかった黒に見えた。寒鯉だから「沈む寒鯉
茹でゐるを眺めつつ酒夜鳴蕎麦夜鳴蕎麦は冬の季語。屋台に坐ると、取り敢えず焼酎を頼み、しばらく考えてラーメンを頼む。酒を飲みつつラーメンができるのを待っている。笊のまま茹でている麺をじっと眺めているときの景。夜鳴蕎麦あるじと勤めの話など二十代
白障子家庭教師の声の漏れ障子は冬の季語。二十代、三十代のときに家庭教師をしていた。主に中学生を担当していた。ある家庭では生徒の部屋ではなく、客間で授業をした。障子で仕切られた部屋であった。白い障子が印象深い。この句はそのときを思い出して作っ
思い出の中の鞦韆まだ揺れて平成二十五年。地元福山市の野々口立圃顕彰俳句大会にて和田照海先生の入選をいただいた句。所属結社以外の先生の入選になったのは初めてで、思い出深い句である。鞦韆とはぶらんこのことで春の季語。幼い頃に乗ったぶらんこ。ぶら
手花火の落つる雫を慈しむ手花火とは線香花火のことで夏の季語。線香花火の火の玉が落ちる最後の様子。この句は余り深く考えずさらっとできた俳句だった。手花火の炎に命を重ねて詠んでいるのかもしれない。 馬の目に映る我あり茅花流し「茅花流し
『春の鴨』は、俳誌「狩」、その後継誌「香雨」での発表作品から316句を選んだものです。「香雨」同人になるまでの会員時代の作品を掲載年順にまとめています。 この句集は、2021年1月にAmazonのKindle版電子書籍として出版しました。
2023年3月
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