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きまぐれ読書記録ノート https://ameame0518.hatenablog.com/

読書好きの筆者が、本の感想や紹介を書き綴るブログ。怪奇小説から青春漫画まで、あらゆるジャンルを読んでいます。

Yuki
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2020/04/26

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  • 幻想的な水中の世界に酔う「やまなし(宮沢賢治)」

    宮沢賢治の「やまなし」を読了しました。 小学六年の教科書に採用されているそうですが、出版社が違ったのか、習った記憶が全くなく、図書館かどこかで読んだ記憶がうっすらとあるだけでした。 www.aozora.gr.jp あらすじ 「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。」と冒頭に書かれ、五月と十二月の二部で構成されています。 谷川の底で話している二匹の蟹の兄弟を中心に、魚が泳いだり、突如カワセミが来たり、川をやまなしが流れていく様子が水底から見上げた視点で描かれます。 クラムボンの魅力 物語序盤、五月の蟹の子供らは「クラムボン」という不可解な何かについて話しています。 「クラムボンはわらつたよ…

  • 軽妙に狂気を描く「毒もみのすきな署長さん(宮沢賢治)」

    青空文庫にて、「毒もみのすきな署長さん(宮沢賢治)」を読了しました。www.aozora.gr.jp 不穏なタイトル 小学校以来十数年振りに宮沢賢治熱が再来しているのですが、面白そうな短編はないかと探していると、なんとも興味をそそる不穏なタイトルが目に飛び込んできました。 毒もみとはなんぞや……。そしてそれを好きな署長さんとは? 警察署長、それとも消防署? 疑問を抱えて読むと、その意味がすぐに分かるとともに、言い知れぬ狂気を感じるのです。 架空の町、架空の法律の妙な生々しさ 冒頭に舞台設定が描かれています。カラコン山から出た谷川が合流する地「プハラの国」の町に流れる川が舞台です。 河原には沼の…

  • 愛らしい蟻の兵隊「ありときのこ(宮沢賢治)」

    www.aozora.gr.jp 宮沢賢治の「ありときのこ」を読みました。宮沢賢治はやはり詩人であり童話作家であるのだと、こういう短編を読むと思い知らされます。 地面のすぐ近く、蟻の視点を切り取った物語。苔むしたシダの前で、蟻の歩哨がスナイドル式銃剣を持って構えている、という擬人化がなんとも愛らしく、小さな蟻の世界に想像が飛んでいきます。 蟻の歩哨はいつもいかめしく構えています。他の兵隊が来ても、蟻の子供らが来ても、兵隊らしく厳しい対応をするのです。普段足元をちょろちょろと歩き回っている蟻、足が毛のように細くか弱い蟻だからこそ、いかめしい兵隊という擬人化に面白みがあります。 また蟻の視点から見…

  • 空想で思うままに旅行する。

    先日、一部の都道府県で緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ警戒が必要で、当分は外出を控えることになりそうです。 普段からあまり旅行には行きませんが、行けない状況に置かれると、なぜか無性に行きたくなってしまうのは僕だけでしょうか? するなと言われるとしたくなるーー人間の性分は厄介なものです。 そういう訳で、観光マップや旅行ブログ、グルメ系のサイトなどを漁っていたのですが、やはり大量の情報を流し見するには紙の本が最適ですね。カチカチと無数にクリックする必要がなく、手に取れば一秒もかからず情報が目に入る……。 紙の書籍が無くならない理由が、こういう一場面で分かるような気がします。 さて、旅行気分…

  • 実用性を突き詰める。「文房具漫談」(谷崎潤一郎)

    青空文庫にて、谷崎潤一郎の「文房具漫談」というエッセイを読了しました。 作家として、必要に迫られながら工夫を重ね、自分に最も合った道具を使用しているという話です。 www.aozora.gr.jp 作者について 谷崎 潤一郎(たにざき じゅんいちろう、1886年(明治19年)7月24日 - 1965年(昭和40年)7月30日)は、日本の小説家。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。現在においても近代日本文学を代表する小説家の一人として、評価は非常に高い。(Wikipedia「谷崎潤一郎」より引用)…

  • 心に焼き付いた記憶ー『忘れえぬ風景』(島木健作)

    久々に短編が読みたくなり、青空文庫を探していたところ、島木健作の『忘れえぬ風景』という随筆(エッセー)に目がとまりました。分量も少なく、時間があったので、すぐ読み始めることに。 余談ですが、青空文庫は、こういった短編をスッと選んで読めるのが良いですね。普段は新旧の書籍に関わらず紙派なのですが、やはり短編を一作だけ読みたいときは、青空文庫の便利さに気付きます。 まず島木健作とは誰なんだという疑問が渦巻いたので人物紹介を。 1903(明治36)年9月7日、北海道札幌市生まれ。本名朝倉菊雄。幼くして父と死別し、北海中学を卒業後、上京したが関東大震災により負傷して帰郷。北海道大学図書館、農学部に勤務し…

  • 自由を求めて。『スイッチを押すとき(山田悠介)』

    山田悠介『スイッチを押すとき』(2008)角川文庫 本棚漁りがまだまだ続いています。定期的に掃除はしていたので、埃の積もった本こそないものの、十年以上手に取っていなかった本の表紙に懐かしい記憶を呼び起こされています。 ここ2、3日で読み返したのが『スイッチを押すとき』です。僕が中学生の頃、朝に読書の時間が10分設けられていたんですが、知り合いが山田悠介を読んでいたため、気になって本屋で見つけたのがこの一冊です。 突拍子のない設定 山田悠介といえば、作品の舞台設定が特殊で、冒頭から度肝を抜かれる作品が多いように思います。『ライヴ』『ブレーキ』『Aコース』『キリン』――近未来的な要素を含んだ物語に…

  • のんびりと長編漫画を④『家庭教師ヒットマンREBORN!(天野明)』

    一話完結のギャグ漫画から、王道のバトルものへ転換を成功した『家庭教師ヒットマンREBORN!』。中学時代に友人から面白さを語られ、何気なく一巻を買ったところ、その個性的なキャラクター達の魅力に引き込まれて嵌ってしまいました。 "ダメツナ"沢田綱吉 典型的な落ちこぼれ型主人公の沢田綱吉(ツナ)は、何をやっても上手くいかず、「ダメツナ」と揶揄される始末。好きな女子に告白することもできず、学校をサボって家にこもっていると、突然スーツを着た赤ん坊が部屋に乗り込んできます。 "凄腕ヒットマン"リボーン ツナのもとにやってきたのは、赤ん坊の姿をしたリボーンという男でした。マフィアの血を引くツナの家庭教師と…

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