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きまぐれ読書記録ノート https://ameame0518.hatenablog.com/

読書好きの筆者が、本の感想や紹介を書き綴るブログ。怪奇小説から青春漫画まで、あらゆるジャンルを読んでいます。

Yuki
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2020/04/26

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  • 「幽霊の自筆(田中貢太郎)」他二篇/恐ろしくも人間味のある怪

    先日、葉山嘉樹の『死屍を食う男』を紹介した際、田中貢太郎の同様の作品について触れたのですが、以来田中貢太郎に興味を持ち始め、青空文庫に収録されている多数の作品を雑読していました。その中から見つけた好きな短編を三つほど紹介したいと思います。 「幽霊の自筆」 「庭の怪」 「猫の踊」 「幽霊の自筆」 www.aozora.gr.jp ある初夏の晩、船上で船頭が冗談話を若い漕ぎ手に聞かせていると、突然、雲霧のような影が、船のそばへ下りてきました。影の中には蒼白な男の顔が。聞くと男は大しけで乗組員と共に死んでしまったのだそう。国許に知らせるため証拠として手紙を書くと消えてしまった男。男の頼み通り手紙を持…

  • 夏はホラーを④『黒い家(貴志祐介)』

    夏はホラーを、と題して書いてきた読了記事ですが、8月も終わり間近の今回で、一区切りがつきそうです。未読本のストックはまだ沢山あるので、秋からどの順に読もうか考え中ですが、ひとまず先日読み終えた貴志(きし)祐介さんの『黒い家』(角川ホラー文庫)について書き綴ります。 『黒い家』は1997年に発表された小説で、第4回日本ホラー小説大賞を受賞しています。シンプルな、しかし想像力を掻き立てられる恐ろしげなタイトルに惹かれて購入したのですが、どんな予想も遥かに超えた戦慄が、この本の中には閉じ込められていました。 ja.wikipedia.org ◇ 生命保険会社の京都支社に勤める青年若槻慎二。死亡保険金…

  • 夏はホラーを③『死屍を食う男(葉山嘉樹)』

    www.aozora.gr.jp (以降結末を含みますので未読の方は注意して下さい) 青空文庫にて『死屍(しかばね)を食う男』(葉山嘉樹)を読み終えました。この8月は平成以降の比較的新しい作品を中心に読んでいたので、昭和初期の怪奇小説にも触れねばと思い、見つけた作品です。 プロレタリア文学の先駆者として地位を築いた葉山嘉樹(よしき)。名前こそ知っていたものの著作に触れたことはなく、怪奇系の作品を残していたとは知りませんでした。本作『死屍を食う男』は1927年に発表された短編であり、1924年にデビューした葉山の比較的初期の作品です。 ja.wikipedia.org ◇ 見たため、知ったために…

  • 夏はホラーを②『東亰異聞(小野不由美)』

    ずっと読みたかった『東亰異聞(とうけいいぶん)』に手を付け始めて一週間、ようやく昨日読み終えることが出来ました。この遅読さは集中力不足か性分か……。時間はあっても、つい読書を後回しにしてしまうのは、美味しいものを最後まで取っておく、あの感情に似ている気がします。 ◇ 1993年第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり話題をよんだ『東亰異聞』。作者の初期にあたる作品でありながら、巧みで繊細な情景描写や、じわじわと得体のしれない恐怖を与える書き方は、現在に至るまで変わらない作風、信念を感じます。 www.shinchosha.co.jp ◇ 物語の舞台は東亰(とうけい)。江戸から明治へ発…

  • 夏はホラーを①『六番目の小夜子(恩田陸)』

    「六番目の小夜子」(新潮文庫) 今年も焼けるような暑い八月がやってきました。この時期になると読みたくなるのが『六番目の小夜子』です。小学生の頃にドラマを再放送を観たのが最初だったように思います。 六番目の小夜子 (新価格) [DVD] 発売日: 2019/02/22 メディア: DVD 高校三年の生徒たちの一年間を中心に描いた群像劇です。夏だけに焦点を当てた作品ではありませんが、汗ばみながらホラー小説を読む緊張感は、やはり夏に味わっておきたいものです。 ◇ 舞台となる高校では、三年に一度ある「行事」が行われていました。「サヨコ」と呼ばれる人間が選ばれ、秘密裏に学園祭の舞台を作り上げるというので…

  • 砂漠から氷河まで『世界がわかる地理学入門(水野一晴)』

    この七月中、小説と同時並行で『世界がわかる地理学入門(水野一晴)』(ちくま新書)を読んでいました。地理は学生時代にあまり触れてこなかったため、十分理解できるか心配で時間を掛けて読み始めたのですが、これが驚くほど面白く、毎回「へぇー」「ほぉー」「なるほどなるほど」と声をあげながら感動していました。 本書の構成は明快で、気候ごとに章立てされています。 第一章 熱帯気候 第二章 乾燥・半乾燥気候 第三章 寒帯・冷帯気候 第四章 温帯気候 それぞれの章ごとに、自然・気候メカニズム・動植物・住民生活などが説明され、写真もあちこちに掲載されています。著者は50か国以上を訪問しているとのことで、実際に調査し…

  • 変化しつつ語り継がれる物語/昔話は面白い『日本の昔話(柳田国男)』

    先日、ブックオフオンラインの店舗受け取りを利用しました。県内には2店舗しか対象店舗がなかったのですが、3店舗目がまさかの最寄りのブックオフで驚いています。 現状、人混みの中で本を探し回る必要がない「店舗受け取りサービス」は、非常に有用なものだと思います。オンラインショップでの購入から実店舗での受け取りまで簡単に出来たので、またいずれ記事にするつもりです。 さて、今回入手した本の一つが、柳田国男の『日本の昔話』です。以前から民間の伝承や昔話に興味があり、地元の郷土史などを読んでいたのですが、そろそろ柳田作品を読んで、日本全国に伝わる昔話を広く知りたいと思い、購入した次第です。 柳田国男とは…… …

  • 「栞(しおり)」を作ってみました。

    読書には「しおり」が欠かせません。元々付いているスピン(ひも)や、各出版社のしおりを利用しても良いのですが、自作のしおりを使うと、読書が少し楽しくなるような気がしませんか? カラフルに凝ってもよし、シンプルに実用性を重視してもよし。自分だけのしおりを作って、読書に華やぎを添えてみるのもいいかもしれません。 ラミネーターや羊毛フェルトなど、凝ったものを作ることもできるのですが、今回は簡単な素材で手軽に作れるものだけを集めてみました。 1.単語帳とマスキングテープ 2.小さめの折り紙 3.折り紙(パンダとウサギ) 4.好きな紙で作る(イヌとネコ) 作ってみました…… 1.単語帳とマスキングテープ …

  • 好きな学問の道をひた走る「若き日の思い出(牧野富太郎)」

    www.aozora.gr.jp 青空文庫にて、牧野富太郎の「若き日の思い出」を読了しました。作中の記述より、93歳の時に書いたエッセーのようで、短編ながら彼の歩んできた人生の熱量に圧倒される文章でした。 牧野富太郎(まきのとみたろう)は、「日本の植物学の父」と称される植物学者です。その生涯で50万点もの標本や観察記録を残し、1500種類の植物を命名しました。 ja.wikipedia.org 牧野は裕福な家に生まれたものの、幼い頃に父母祖父を亡くし、学問で身を立てるつもりもなかったため小学校を中退しました。その後江戸時代の学者小野蘭山の「本草網目啓蒙」に出会い、植物学へと傾倒しましたが、学歴…

  • 無慈悲で鮮やかな連続殺人『獄門島(横溝正史)』

    横溝正史の代表作の一つ『獄門島』を読了しました。 本作は、金田一耕助シリーズとして『本陣殺人事件』に次ぐ二作目で、推理作家や推理小説愛好家にも非常に高い評価を受けている作品です。 獄門島に行く金田一耕助 「獄門島」――忌々しく不穏な島の名の由来が淡々と説明される場面から、この物語は始まります。伊予海賊が北の固めとしていたことから北門島と呼ばれ、それが転じて獄門島となった説や、大男の伝説から五右衛門島と呼ばれていた説があるようですが、どうやら罪人の流刑地であったことは確かだといいます。 海賊と罪人の子孫の島。閉鎖的な孤島に金田一耕助が向かう姿は、さながら地獄に向かうようで、読者も不安を抱えながら…

  • 恐怖の白昼夢「山男の四月(宮沢賢治)」

    www.aozora.gr.jp 青空文庫にて、宮沢賢治の短編「山男の四月」を読了しました。賢治作品の中では評価が芳しくないようですが、山男の性格や、六神丸という「小道具」が、読後に深い味わいを残す作品でした。 自然に生きる山男 物語は冒頭、山男が狩りをする場面から始まります。自らの身一つで山鳥を取り、捕れた獲物を放り出して、芝の上にごろんと寝転がる様子は、まさに「山男」と表現するにふさわしい豪胆さが感じられます。 一方で、日のつくる光の様子を飴に見立て、飴はうまいと言ったり、天道(さま)はなかなかおれにはくれないといじけるような口ぶりをするのは、子供らしく無邪気な感じです。 豪胆さにしろ子供…

  • 記憶喪失の男女 激動のラスト『レベル7(宮部みゆき)』

    先日、ようやく宮部みゆきさんの『レベル7』を読み終えました。「ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作」と銘打たれた通り、非常に読み応えのある作品でした。 文庫では760頁を超える長編でしたので、どんな内容だったか、自分でも思い出しながら振り返ってみたいと思います。 記憶を失った若い男女 失踪した少女 地道な聞き込み、判明する過去 目まぐるしく展開するラスト 記憶喪失と人間らしさ 作者:宮部みゆき 記憶を失った若い男女 意味深なプロローグを経て、物語は、ある男が目覚めるシーンから始まります。 白く殺風景な部屋のベッドと、隣に横たわっている女性。全く見知らぬ室内で、彼は昨夜の記憶だけでなく…

  • 久々にBOOK OFFへ行きました。

    久し振りにブックオフへ行ってきました。 日曜ということもあり、客の数は多かったのですが、買う本をリストアップしていたので、さっと買い終えることが出来ました。今日は10%オフの日だったので小さくガッツポーズ……!!。 それにしても、立ち読みしている人が多いのはどうしたものか……。店内放送で立ち読みしないように喚起しているのに、我関せずという風に堂々と読んでいるのを見ると、よくこの時期に長居してられるな、と呆れてしまいます。 さてさて、今回の収穫です。 まずは横溝正史。以前『悪魔の降誕祭』を読んたので、膨大な著書の中から、いくつか直感で選びました。極上のミステリーに浸れそうです。 ameame05…

  • 新時代の生と死『砂の器(松本清張)』

    四月か五月の頭ごろに、松本清張の名作『砂の器』を読了しました。 映画版はちらっと観たことがあって、ストーリーの流れは知っていたのですが、やはり小説をじっくり読むと、文章ならではの構図や詳細な描写が、映画とはまた違って見えてきます。 推理小説なので、極力物語の内容については書かないようにしました。 あらすじ 国電蒲田駅の操車場で、男の死体が発見されます。死体の顔はめちゃくちゃにつぶされ、身元は全く判明しません。手掛かりになるのは、前夜、付近のトリスバーで被害者らしい男と、連れの若い男が話していたという目撃情報だけ。 捜査本部で苦悩する刑事の今西栄太郎は、被害者の東北訛りと、「カメダ」という発言か…

  • ブログのタイトルを考えてみる。

    読書ブログを再開して、気付けば一ヶ月が過ぎていました。 読書関連のグループにもいくつか参加し、毎日空いた時間に色んな方のブログを拝見させていただくのですが、どの皆さんも、個性的かつ見やすいブログで感服しています。 僕も記事を推敲し直したり、デザインをマイナーチェンジしたりしているのですが、プログラミングには疎く、下のようなサイトでコピペさせてもらっています。 saruwakakun.com とはいえ、デザインは後からいくらでも修正できるとして、問題はブログタイトルです。 元々のタイトルは「きまぐれ読書記録ノート」でしたが 記録とノートの重なりがしつこいので、最近「きまぐれ読書ノート」に変更しま…

  • 幻想的な水中の世界に酔う「やまなし(宮沢賢治)」

    宮沢賢治の「やまなし」を読了しました。 小学六年の教科書に採用されているそうですが、出版社が違ったのか、習った記憶が全くなく、図書館かどこかで読んだ記憶がうっすらとあるだけでした。 www.aozora.gr.jp あらすじ 「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。」と冒頭に書かれ、五月と十二月の二部で構成されています。 谷川の底で話している二匹の蟹の兄弟を中心に、魚が泳いだり、突如カワセミが来たり、川をやまなしが流れていく様子が水底から見上げた視点で描かれます。 クラムボンの魅力 物語序盤、五月の蟹の子供らは「クラムボン」という不可解な何かについて話しています。 「クラムボンはわらつたよ…

  • 軽妙に狂気を描く「毒もみのすきな署長さん(宮沢賢治)」

    青空文庫にて、「毒もみのすきな署長さん(宮沢賢治)」を読了しました。www.aozora.gr.jp 不穏なタイトル 小学校以来十数年振りに宮沢賢治熱が再来しているのですが、面白そうな短編はないかと探していると、なんとも興味をそそる不穏なタイトルが目に飛び込んできました。 毒もみとはなんぞや……。そしてそれを好きな署長さんとは? 警察署長、それとも消防署? 疑問を抱えて読むと、その意味がすぐに分かるとともに、言い知れぬ狂気を感じるのです。 架空の町、架空の法律の妙な生々しさ 冒頭に舞台設定が描かれています。カラコン山から出た谷川が合流する地「プハラの国」の町に流れる川が舞台です。 河原には沼の…

  • 愛らしい蟻の兵隊「ありときのこ(宮沢賢治)」

    www.aozora.gr.jp 宮沢賢治の「ありときのこ」を読みました。宮沢賢治はやはり詩人であり童話作家であるのだと、こういう短編を読むと思い知らされます。 地面のすぐ近く、蟻の視点を切り取った物語。苔むしたシダの前で、蟻の歩哨がスナイドル式銃剣を持って構えている、という擬人化がなんとも愛らしく、小さな蟻の世界に想像が飛んでいきます。 蟻の歩哨はいつもいかめしく構えています。他の兵隊が来ても、蟻の子供らが来ても、兵隊らしく厳しい対応をするのです。普段足元をちょろちょろと歩き回っている蟻、足が毛のように細くか弱い蟻だからこそ、いかめしい兵隊という擬人化に面白みがあります。 また蟻の視点から見…

  • 空想で思うままに旅行する。

    先日、一部の都道府県で緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ警戒が必要で、当分は外出を控えることになりそうです。 普段からあまり旅行には行きませんが、行けない状況に置かれると、なぜか無性に行きたくなってしまうのは僕だけでしょうか? するなと言われるとしたくなるーー人間の性分は厄介なものです。 そういう訳で、観光マップや旅行ブログ、グルメ系のサイトなどを漁っていたのですが、やはり大量の情報を流し見するには紙の本が最適ですね。カチカチと無数にクリックする必要がなく、手に取れば一秒もかからず情報が目に入る……。 紙の書籍が無くならない理由が、こういう一場面で分かるような気がします。 さて、旅行気分…

  • 実用性を突き詰める。「文房具漫談」(谷崎潤一郎)

    青空文庫にて、谷崎潤一郎の「文房具漫談」というエッセイを読了しました。 作家として、必要に迫られながら工夫を重ね、自分に最も合った道具を使用しているという話です。 www.aozora.gr.jp 作者について 谷崎 潤一郎(たにざき じゅんいちろう、1886年(明治19年)7月24日 - 1965年(昭和40年)7月30日)は、日本の小説家。明治末期から第二次世界大戦後の昭和中期まで、戦中・戦後の一時期を除き終生旺盛な執筆活動を続け、国内外でその作品の芸術性が高い評価を得た。現在においても近代日本文学を代表する小説家の一人として、評価は非常に高い。(Wikipedia「谷崎潤一郎」より引用)…

  • 心に焼き付いた記憶ー『忘れえぬ風景』(島木健作)

    久々に短編が読みたくなり、青空文庫を探していたところ、島木健作の『忘れえぬ風景』という随筆(エッセー)に目がとまりました。分量も少なく、時間があったので、すぐ読み始めることに。 余談ですが、青空文庫は、こういった短編をスッと選んで読めるのが良いですね。普段は新旧の書籍に関わらず紙派なのですが、やはり短編を一作だけ読みたいときは、青空文庫の便利さに気付きます。 まず島木健作とは誰なんだという疑問が渦巻いたので人物紹介を。 1903(明治36)年9月7日、北海道札幌市生まれ。本名朝倉菊雄。幼くして父と死別し、北海中学を卒業後、上京したが関東大震災により負傷して帰郷。北海道大学図書館、農学部に勤務し…

  • 自由を求めて。『スイッチを押すとき(山田悠介)』

    山田悠介『スイッチを押すとき』(2008)角川文庫 本棚漁りがまだまだ続いています。定期的に掃除はしていたので、埃の積もった本こそないものの、十年以上手に取っていなかった本の表紙に懐かしい記憶を呼び起こされています。 ここ2、3日で読み返したのが『スイッチを押すとき』です。僕が中学生の頃、朝に読書の時間が10分設けられていたんですが、知り合いが山田悠介を読んでいたため、気になって本屋で見つけたのがこの一冊です。 突拍子のない設定 山田悠介といえば、作品の舞台設定が特殊で、冒頭から度肝を抜かれる作品が多いように思います。『ライヴ』『ブレーキ』『Aコース』『キリン』――近未来的な要素を含んだ物語に…

  • のんびりと長編漫画を④『家庭教師ヒットマンREBORN!(天野明)』

    一話完結のギャグ漫画から、王道のバトルものへ転換を成功した『家庭教師ヒットマンREBORN!』。中学時代に友人から面白さを語られ、何気なく一巻を買ったところ、その個性的なキャラクター達の魅力に引き込まれて嵌ってしまいました。 "ダメツナ"沢田綱吉 典型的な落ちこぼれ型主人公の沢田綱吉(ツナ)は、何をやっても上手くいかず、「ダメツナ」と揶揄される始末。好きな女子に告白することもできず、学校をサボって家にこもっていると、突然スーツを着た赤ん坊が部屋に乗り込んできます。 "凄腕ヒットマン"リボーン ツナのもとにやってきたのは、赤ん坊の姿をしたリボーンという男でした。マフィアの血を引くツナの家庭教師と…

  • のんびりと長編漫画を③『おおきく振りかぶって(ひぐちアサ)』

    長編漫画、第3回目は『おおきく振りかぶって』です。 前回の『結界師』同様、学生時代にアニメを観ていたため、原作の内容が気になり単行本を集め始めました。 おおきく振りかぶってとは 略称は「おお振り」。月刊アフタヌーン(講談社)にて2003年から連載が開始され、2007年にアニメ化しました。 2020年4月現在、既刊は32巻です。 高校野球を題材にしたスポーツマンガですが、野球の内容は至極現実的で、主要な試合に至ってはほとんどの打席の結果や配球が説明されています。 また、高校生活の描写も細かく、思春期の男子高校生の人間関係を絶妙に描いており、むず痒くも光る青春時代を思い起こす作品です。 あらすじ/…

  • のんびりと長編漫画を②『結界師(田辺イエロウ)』

    本棚漁りが止まりません。 このまま部屋中の本を全て再読するんじゃないだろうか……。 前回のBLEACHに引き続き、今回も僕の青春時代を象徴する作品について少し書きたいと思います。タイトルの通り、ずばり『結界師』です。 家族で観ていたアニメ版 コミックスを買う あらすじ ハマった理由 ①結界術ーシンプルで奥深い戦闘方法 ②人間関係・兄弟の確執・嫉妬・劣等感 ③死を描く まとめ 家族で観ていたアニメ版 2003年から連載が始まった結界師は、2006年からアニメが放送を開始しました。 月曜19:00~19:30枠で、ちょうどうちの家では夕飯を食べ終わってくつろいでいる時間です。19時! ゴールデンタ…

  • のんびりと長編漫画を『BLEACH(久保帯人)』

    新型コロナの影響もあり、最近はのんびりと家で過ごす時間が増えたように思います。ラジオを聴いたり、小説を読んだり、本棚の奥に埋もれていたマンガを発掘したり……。とにかく外出は控えたいので本屋に行くのも憚られ、家にある書籍を漁っているところです。 本棚のマンガを漁りながら、「そういえばブリーチの千年血戦篇がアニメ化するとか言ってたな……」と思い出し、1巻から読み直しています。一応学生時代からずっと集めており、コミックスは全巻持っているのです。 BLEACHは青春時代の思ひ出 伏線の周到さ、回収の鮮やかさ コミックス表紙のオサレさ BLEACH 20th ANNIVERSARY PROJECT BL…

  • 運命を変える。少年の不屈の覚悟『ブレイブ・ストーリー(宮部みゆき)』

    先日本棚周りを整理していました。案の定読書に没頭してしまったわけですが、読んでいないまま机に積まれた本はたくさんあるのに、ふと本棚から抜き出して数年振りにページをめくり始めた小説、それが『ブレイブ・ストーリー』でした。実は僕が人生で最初に読んだ長編小説が、このブレイブ・ストーリーなのです。

  • 鬼畜性という人間味『悪魔の降誕祭(横溝正史)』

    久々の更新です。 今年の一月、中国でコロナウイルスが流行り始めた報道がされ始めた頃、今のうちに買っておくか……と古本をまとめ買いしていました。そのうちの一冊が、横溝正史の『悪魔の降誕祭』です。 作者について あらすじ 注目ポイント ○いびつな人間関係 ○事情聴取で深みにはまる謎 ○突如判明する犯人 まとめ・感想 参考書籍 恥ずかしながら、横溝正史作品を読むのはこれが初めてでした。 金田一耕助はもちろん知っていましたし、映画版の『犬神家の一族』も観ていましたが、何故か小説には手を付けていなかったのです。 しかし本屋で舐めるように棚を物色していると、横溝正史のコーナーに、なんとも興味をそそるタイト…

  • 走る!!!『一瞬の風になれ(佐藤多佳子著)』

    こんばんは。 数週間振りに更新出来てホッとしています。 決してサボっていたわけではなく、色々と平行して読みすぎて、なかなか書きたいことが纏まらなかったんです。本末転倒ですね(^-^; 今回は2007年に本屋大賞を受賞したことでも一層話題となった、佐藤多佳子さんの人気作『一瞬の風になれ』(全三部作)について、感想等を書き綴っていきたいと思います。 作者について あらすじ・構成 注目ポイント ①臨場感あふれるリアルな設定・描写 ②陸上中心に展開される構成の美しさ 終わりに 作者について 佐藤 多佳子(さとう たかこ、1962年11月16日 - )は日本の小説家。児童文学・童話から一般小説まで幅広く…

  • 野球はやっぱり面白い!『晩夏のプレイボール(あさのあつこ著)』ゆるめの感想

    寒い!! とにかく寒い! 連日ニュースで報道されている通り、福井では大変なことになっているようで心配です。春よ来い… こんな時期なんですが、図書館で借りた『晩夏のプレイボール』を読み終えたので、今回はゆる~く感想等を書いていきたいと思います。 まずは作者のあさのあつこさんについて… あさの あつこ (アサノ アツコ) 岡山県生まれ。大学在学中から児童文学を書き始める。『ほたる館物語』で作家デビュー。『バッテリー』およびその続編で野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 晩夏のプレイボール/あさのあつこ/〔著〕…

  • スポーツ×親子×成長『ここからはじまる(はらだみずき著)』

    こんにちは。 連日の大寒波により、冷え性で手が凍りそうになりながら打っていますw 昨日ようやく『ここからはじまる』を読み終えることが出来ました(;´д`) 先週、図書館で借りた3冊のうちの1冊なんですが、読むのに丸1週間かけました(笑)。早い方なら数時間もあれば余裕かと思いますが、今回はじっくり読みたかったので時間をかけました。 それでは感想等をギュッとまとめてみたので、お付き合いくださいm(__)m 著者:はらだみずき あらすじ 注目ワード 喘息に立ち向かうとき お風呂という空間 まとめ 著者:はらだみずき 千葉県生まれ。2006年『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』でデビュー。この「サッ…

  • 2017下半期芥川・直木賞発表&2018本屋大賞ノミネート&雑記等々

    皆さんこんにちは。たかです。 先日16日、2017年下半期の第158回芥川賞・直木賞が発表されました。 芥川賞は、 石井遊佳さんの『百年泥』と 若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』 www.bunshun.co.jp 直木賞は、 門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』 ということです。 www.bunshun.co.jp 候補作については、事前に公式サイトであらすじを一通り読んでおいたんですが、「銀河鉄道の父」が特に面白そうだから買おうかな思っていました。(後付けじゃないですよw) 銀河鉄道の父 作者: 門井慶喜 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/13 メディア: 単行本 こ…

  • 最後の仇討ち-『蒼天見ゆ』に描かれる男の生き様

    皆様、明けましておめでとうございます。 2018年が始まりましたが、気持ちを引き締めて今年も平穏無事に過ごしていきましょう! さて年末に届いた葉室麟さんの『蒼天見ゆ』(文庫版)をようやく読み終えることが出来たので、感想等を書き綴っていこうかと思います。 『蒼天見ゆ』ようやく読み終えました。臼井六郎の最後の仇討を描いた小説としては一番新しいものかと思いますが、後半は特に言葉を失うような作品でした。良い意味でも悪い意味でもなく。またブログに書ければいいなと。 pic.twitter.com/QOEIRWhvMZ — たかゆき (@boonebooone) 2018年1月9日 葉室麟ってどんな人? …

  • 2017年はコレで締めくくる!私的4大タイトル戦を制したのは…

    2017年がもう終わろうとしています。 早い… 毎年この時期になると、あれをしとけば良かった、何故これをしなかった、と後悔ばかりしています(´;ω; まあそうは言っても結局2018年が風のように来てしまう訳で、 今年の最後はこれで締めくくろう!というものを小説・マンガ・音楽・映画の4ジャンルから決めてみました。 2017年の締め括りはこれでいきます。蒼天見ゆ、明日あたりには届いて欲しい… pic.twitter.com/jGsMimDIXK — たかゆき (@boonebooone) 2017年12月28日 まずは小説。 蒼天見ゆ (角川文庫) 作者: 葉室麟 出版社/メーカー: KADOKA…

  • 『十二国記』シリーズ新刊に向けて復習する回③

    三回目を書き始めて今更なんですが、ペース配分を間違えた気がする(笑) 今回で終わりにするにも、短編が4、5話まとめられているものが二冊あって、 さらに十二国記史上の傑作と名高い『図南の翼』を挟み、 本編メインストーリー長編一冊が待ち構えている… これだけで3回くらいにわけても良かった気がしますが、 あくまでもサラッと、かつ重要点を復習する目的で書き始めたので、勢いでいってしまいます! 『丕緒の鳥』あらすじ 注目ポイント その他短編3編について 『図南の翼』あらすじ 注目ポイント 『華胥の幽夢』あらすじ 注目ポイント その他短編4編について 『黄昏の岸 暁の天』あらすじ 注目ポイント 最後に 参…

  • 「今年買ってよかったもの」から一年を振り返る

    今週のお題「今年買ってよかったもの」 ということで、今年は何を買ったっけなーと思い返してみると、想像以上に大したものを買っていないことが明らかになりました笑それでも、これからも買いたい!と思うものもあったので、いくつかピックアップします。楊令伝 文庫版 全15巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫)作者: 北方謙三出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/10/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るまずは本から、北方謙三さんの『楊令伝』です。水滸伝を読み終え、楊令伝を買い始めたのですが、まだ読み終えられていません(-_-;)今はちょうど三部作の最後『岳飛伝』が着々と文…

  • もう12月。今年は何を聴こう。

    年が経つのは早いもので、もう12月に入りました。まだ去年食べたおせちの記憶が鮮明なんだけどなー…おかしいなあ…。 さてタイトルの通り、読書と同じくらい好きな音楽について少し。 毎年クリスマスに向けて、洋楽アルバムを一つ買うことに決めてるんですが、今年は何にしようか悩んでます。 もう12月に入ってるし、そろそろクリスマスアルバムも出揃っているところだと思ったんですが、意外に今年は出ていない印象。気のせいかも? エブリデイ・イズ・クリスマス アーティスト: シーア 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン 発売日: 2017/11/17 メディア: CD この商品を含むブログを見る 少し…

  • 『十二国記』シリーズ新刊に向けて復習する回②

    今回は十二国記シリーズ中盤にあたる四冊のストーリーを追っていきたいと思います。 今回から十二国の歴史を感じさせる内容になっているので、年表などがあると分かりやすいなと思って探したところ、こちらのサイトが詳しく書かれていたので、参考までにリンクを貼らせていただきます↓ 十二国記データベース 前回の『月の影 影の海』では陽子の目線で苦難の旅を連ね、王として即位するところまでを描いていました。 今回は『風の海 迷宮の岸』と『東の海神 西の滄海』が麒麟の視点から描かれており、十二国世界の仕組みが徐々に明らかにされていきます。 また『風の万里 黎明の空』では慶国の王として登極した陽子が、一筋縄ではいかな…

  • 来年こそは…。『十二国記』シリーズ新刊に向けて復習する回①

    何年も待ちわびている十二国記シリーズの新刊。 やはりこれほどの大作ともなると、何年も時間がかかってしまうものなんですね… 小野不由美先生の体調不良が長引いていると言われていることが心配ですが、新作の原稿は1000枚を超えておりじっくりと話を煮詰めていただけているということで、ますます期待して待っております。 シリーズ長編ものは、時々読み返さないと伏線を忘れてしまっていたり、登場人物すら記憶から抜け落ちることもあるので、これから大きく三つのパートに分けて、あらすじや個人的に思うキーポイントをまとめていきたいと思います。 今回はその①です。 この作品との出会い 「魔性の子」~「月の影 影の海(上・…

  • 現在制作中の記事・これからの見通し等々

    こんばんはm(__)m 現在色々と書きたいことを書いては下書き保存しているのですが、いろいろなことを同時進行でやると頭の中がごちゃごちゃになってしまうタイプなので、ここに書いて整理していこうかなと思います。マルチタスク、苦手です(´д` ) まず、今読んでいる本はこんな感じ… ・『楊令伝(5)』北方謙三 ・『一瞬の風になれ』佐藤多佳子 ・『村上海賊の娘』和田竜 ・『ドミノ』恩田陸 ・『坂の上の雲』司馬遼太郎 どれだけいっぱい本を読んでも、まだまだ有名なやつを読みきることは出来ないですね(-_-;) 次から次へと新しい本が出版されるので、正直全てに目が行き届かず、話題になったのに知らない本も…

  • 『ばらかもん』高校生の自分に読ませたいマンガ

    お題「高校生の自分に読ませたい本」 お題から色々と想像が膨らんだので書きます。 高校を卒業してから出会った本で、これはすごい!と思うようなものはいくつもありましたが、高校時代に読んでおけば何か変わったかもしれない…と少し後悔しているのはこれしかありません。 ばらかもん 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE) 作者: ヨシノサツキ 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス 発売日: 2012/04/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る マンガになるんですが、ばらかもんです。 ヨシノ先生、この漫画を描いてくれてありがとうーーー!!という感じです。感謝感激雨嵐で…

  • 旅こそ人生-『おくのほそ道』を存分に味わいたい

    今回は松尾芭蕉『おくのほそ道』。名作です。 色々と付箋が貼ってあるのは気にしないでくださいm(__)m はじめに 本書の概要 注目ポイント&感想 最後に 参考文献、サイト はじめに 以前、本屋で角川ソフィア文庫からビギナーズ・クラシックスシリーズとして出版されているものがずらっと並べてあるのを眺めていたとき、「そういえば『おくのほそ道』を全部読んだことはないな…」と思い、買ってみました。 他にも何冊か平行して読んでいたので、結局読み終えるのに1ヶ月弱かかってしまったんですが、やはり旅の話はそれくらいゆっくり読んだ方が時間の流れを感じられていいですね。 おくのほそ道と言えば、中学の国語の時間に冒…

  • 久し振りのブログ

    久し振りにブログを書いてみました。 もう1年くらい更新をサボっていたのと、そもそもはてなブログでするのが初めてなので、ちゃんと続けられるか心配(-_-;) 以前は他ブログで音楽・映画・本・ゲーム等をバラバラに書き綴っていたのですが、ここでは読書記録を中心に不定期に投下していこうと考えています。 読書して感じたことを独断と偏見で書き並べる…そんなブログになる予定です。基本的に自分の覚え書きみたいなもんですが、ゆるーい感じで見ていただければとても嬉しいです。

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