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北欧語書籍翻訳者の会
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2020/04/05

  • 本の世界のために、北の果てからできること

    書店が閉まったり、国が支援すると言ったり ここ最近、「書店が危ない」関連の本が話題になったり、経産省が書店経営への書店振興プロジェクトチームを設置したりというようなことが出版業界で話題としてあがっていた。とはいえ、三十年前から基本的な構造は変わっていないという話もある。SNS上で、出版業界のどこがボトルネックなのか、という投稿のまとめでは、仕組み全体が旧態依然としていて誰が特に悪いというわけではないという主旨だった。けれど、硬直した仕組みをそのままにしてきた責任の一端は広く言えば声を上げてこなかった自分にも少しはあるのではないかと思っている。 私たちの会が昨年提案したこと 出版

  • スニッパ裁判終結 & スウェーデンと日本の刑法を読んでみた

    ************************************** 今回の執筆者 羽根 由 専門言語 スウェーデン語 居住地 スウェーデン ************************************** 2024年4月、「スニッパ裁判」が終結した。 2023年4月に私が書いたブログ記事があるので、興味のある方にはぜひ読んでいただきたい。↓ スニッパ裁判――スラングがわからないからと国語辞典に当たった裁判官たち|北欧語書籍翻訳者の会 (note.com) ******************** 経緯を簡単にまとめると 2021年6月13日 1

  • 偉大なる音楽家リーデルがスウェーデン文化に遺した功績

    表紙の写真 Swedish Jazz Musician Georg Riedel at Stockholm Jazz Festival, June 2010 Photo: Bengt Oberger ************************************** 今回の執筆者 久山葉子 専門言語 スウェーデン語 居住地 スウェーデン ************************************** 先週は雪が降った日もあったのに今週は昼間は25度と、スウェーデン中部も一気に初夏になりました。気付けば卒業シーズンまであと一ヵ月を切っています。あと

  • 児童文学のなかのお母さん

    ************************************** 今回の執筆者 中村冬美 専門言語 スウェーデン語 居住地 日本 **************************************   5月12日は「母の日」だった。老若男女問わず、多くの人が母親のことを想い、実家を離れて久しい大人の皆さんも母親のもとを訪ねたり、電話をかけたりしたのではないだろうか。私自身は先日娘に「お母さん、なにかほしいものある?」と聞かれたので、   文藝春秋社から出版されたモンゴメリ作松本侑子さん訳の『アンの夢の家』がほしいと答えておいた。

  • 「ああいう、交遊、EU文学」発足記念イベント講演・補遺

    昨年(2023年)11月の、EU文芸フェスティバル期間中に東京・青山で開かれた『変容することばたち』」(11月23日)に、参加者のひとりとして登壇しました。 この日、参加したいろいろな言語の翻訳者は20名超。それぞれが翻訳する原語の未邦訳作品や未紹介作家をピッチスタイルで紹介するというステージでした。フィンランドの文学作品は、日本ではまだ翻訳されているものが多くないので、フィンランド国内での人気や、他言語への翻訳の有無を参考に、ぜひ知っていただきたいと思う作品がある作家を11名に絞って駆け足でご紹介しました。 今回は、当日、時間が足りなくて“語りつくせなかった”作家や作品を加筆

  • アイスランド映画『ゴッドランド/GODLAND』と字幕ルール〈山括弧〉の話

    先月末に劇場公開されたアイスランド映画『ゴッドランド/GODLAND』を鑑賞してきました。 若きデンマーク人の牧師ルーカスが、植民地アイスランドへ布教の旅に出る。任務は、辺境の村に教会を建てること。しかしアイスランドの浜辺から馬に乗り、陸路ではるか遠い目的地をめざす旅は、想像を絶する厳しさだった。デンマーク嫌いでアイスランド人の年老いたガイド、ラグナルとは対立し、さらに予期せぬアクシデントに見舞われたルーカスは、やがて狂気の淵に落ちていく。瀕死の状態で村にたどり着くが… https://www.godland-jp.com フリーヌル・パルマソン監督の作品は、トーキョーノーザ

  • フィンランド大統領選と『エジプト人シヌヘ』

    北の果てのこの地では、目に見えて日が長くなり、朝は小鳥のさえずりが冴え冴えと響き、心浮き立つ季節の兆しが感じられるようになりました。 大統領選が終わった… 前回、私はヘルシンキ・ブックフェアに関した投稿をしましたが、今日は徒然に話を進めてみたいと思います。果たして着地点は見つかるか...。 ではまずフィンランドで六年に一度の大統領選が戦われたお話から始めますね。 昨年秋から翌年一月の国民投票に向け、選挙戦がスタートし、各候補者は実に様々なイベントに登壇し、全国を縦断して有権者と雑談し握手をし、セルフィ―を撮る……。 選挙戦中に勇気出して話しかけてみた新たな大統領となった

  • 女性形がある言葉のむずかしさ

    スウェーデン語に初めてふれたとき、名詞に「両性」と「中性」があると読み、「なんのこっちゃ、どういうこと?」と、頭の中がはてなでいっぱいになりました。どれが両性で、どれが中性か、は覚えるしかないのですが、両性名詞(「共性名詞」とも)は、もともと、男性名詞と女性名詞とに分けられていたものを「共性」としていっしょにしたものであると、あとになって知りました。 この「両性(共性)」「中性」という区分とはまったく別ですが、職業などを指す名詞には、女性形が存在するものがあります。日本語や英語でも、「俳優(actor)」という言葉に女性形の「女優(actress)」があるような感じです。たとえば

  • 北欧の文学団体が現在募集している出版社向けフェローシップ・プログラム

     北欧の文学団体が現在募集している出版社向けフェローシップ・プログラムを紹介させてください。 ノルウェー NORLA Fellowship in Oslo 2024: Adult fiction - Call for applications - NORLA NORLA invites foreign publishers, editors, and scouts of adul norla.no 応募締め切り:2024年2月25日 中央ヨーロッパ時間12時(日本時間20時) 開催日:2024年6月4~7日 開催地:ノルウェー、オスロ 主催者、ス

  • サウナにはいくつもの顔がある--『至福の北欧サウナ』

    1月10日、グラフィック社から『至福の北欧サウナ』が発売されました。 上の写真の右側がスウェーデン語原著です。Bastu というのはスウェーデン語でサウナのこと。もともとは badstuga で、これは bad と stuga の合成語、「風呂小屋」という意味でした。 「スウェーデン発のサウナ本? サウナと言えばフィンランドでしょ」とお感じになったそこのあなた。私も同感です! 私の周りのスウェーデン人数人にサウナについて聞いてみたところ、「あんなの熱いだけだから嫌」との答えばかり。唯一、サウナ好きの方はフィンランド系でした。 人口550万のフィンランドには300万個ものサ

  • Tove’s Perspective トーベ・ヤンソンの視点

    東京都現代美術館 昨年11月に東京都現代美術館で開かれたTOKYO ART BOOK FAIR(TABF)。前回の投稿でよこのさんが詳しくレポートしてくれたとおり、北欧がゲストカントリーでした。私も会場でスウェーデン児童文学プロモーションのプログラムに参加し、各出版社の絵本の原書をたくさん拝見させていただきました。 大学で絵本制作を指導するヨンス・メルグレンさんによるプレゼン。 娘が幼かった頃、彼の絵本が大好きでした。 会場では「Tove’s Perspective トーベ・ヤンソンの視点」という特別展示も行われており、今日はそのレポートをしたいと思います。 特別展示「Tove’s

  • スウェーデン児童文学プロモーションチームが来日しました

    新しい年が始まりました。 各地で続く内戦や戦争、攻撃などは、よい見通しがまったくないままに年が明けてしまった、と思っていたら、元日には非常に大きな地震が能登半島で起こりました。今も大きな余震が続いているようで、本当に心配です。一刻も早く状況が落ち着き、救助活動などが進むことを祈るばかりです。 少しでもよい年になりますようにと願いつつ、よい年にするべく、何ができるのかを考え続けねばと思います。 TOKYO ART BOOK FAIRにて もう2ヶ月近く前のことになってしまいましたが、11月下旬には東京では出版関連のイベントが多数開催されました。 恒例となったEU文芸フェステ

  • 2023年北欧語書籍翻訳者の会的まとめ

    本年、みなさまはどのような本読み時間を楽しまれましたか。 私たち「北欧語書籍翻訳者の会」メンバーが手がけた翻訳書も手に取っていただけていれば幸いです。今年も会のメンバーは、興味深い本を日本語読者のみなさま向けに出しました。 本年最後のNOTE記事は、2023年総括とうたい2023年に発行となったメンバーの手がけた翻訳書籍を発行月別にご案内します。 書籍名に出版社WEBサイトへリンクをはりましたので、書籍内容の詳細は、そちらでご確認ください。なお、文芸誌等に掲載されたものは対象外としました。翻訳を手掛けた本人が、その書籍について「語った」NOTE記事もございますので、そちらとあわせてお

  • 書店員さんに賞を――デンマークの事例

    ブリクセン賞とは? https://blixenprisen.dk/prismodtagere/prismodtagere-2023/ デンマークにはブリクセン賞という文学賞がある。ブリクセンとは、お察しの通り、『アフリカの日々』や『バベットの晩餐会』などで知られるデンマークを代表する作家、カレン・ブリクセン(イサク・ディーネセン)が由来となっており、デンマーク文学に寄与する人、団体、機関等の功績をたたえるため、2015年から、デンマーク作家協会、デンマーク文学協会、デンマークの出版業界により与えられる賞だ。 ブリクセン賞には、「今年の本」「今年の小説」「今年の伝記」「今年の

  • 「やっと会えたね」ある10月の午後、書籍見本市にて

    さて、勿体ぶったのはタイトルだけ、余韻も0.5秒で消えたでしょうか、今回はフィンランドからお届けします。   毎年、各国でブックフェア(書籍見本市)が開催され、フィンランドで最大規模を誇るのはその名もヘルシンキ・ブックフェア(Helsingin Kirjamessut)、実は初回は2001年ですので、500年以上の歴史を誇る世界最大規模のフランクフルト等とは比べるべくもありませんが、フィンランドの書籍や文学に関心を持つ人にとっては大切なイベントです。   公式サイト Helsingin Kirjamessut   ちなみに、北欧で最大規模の書籍見

  • 『サウナをつくる スウェーデン式の小屋づくりのすべて』出版されました!

      この11月9日にリーサ・イェルホルム・ルハンコ作『サウナをつくる スウェーデン式小屋づくりのすべて』という本がグラフィック社より出版されました。 中村冬美と安達七佳が翻訳を担当し、太田由佳里さんというスウェーデンで家具職人をしている方が監修を致しました。また柚井ウルリカさんが、中村と安達のスウェーデン語表現に関する相談に載ってくれました。この本の編集はFermentbooks社の和田義彦さんとグラフィック社の南條 涼子さんがご担当くださいました。皆様に心からの感謝を申し上げます。   こちらでこの本を少々ご紹介させてください。   本書の作者、リー

  • 「私たちのエコロジー」展

    六本木ヒルズ内にある森美術館で開催中の「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」より、2人のアーティストと作品を紹介したいと思います。 森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために 森美術館 - MORI ART MUSEUM 現代アートを中心にファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの展覧会を開催。 www.mori.art.museum 第1章 全ては繋がっている 本展が定義する「エコロジー」は、「環境」だけに留まりません。この地球上の生物、非生物を含む森羅万象は、何らかの循環の一部であり、

  • 氷河の裾を歩いてきました

    今回は画像だけです。 天井の融けた氷の洞窟氷舌に整えられた道氷河の川がはじまる場所復路は晴れていた。氷河が融けた細流が流れていく。 撮影者:朱位昌併

  • 「手に負えない者たち」のこと

    少し前、女性史について発信するインスタグラムアカウントで、スウェーデンで近々公開されるという映画が紹介されていた。映画はデンマークのものだったが、同じようなことがスウェーデンでも起きていた、と書かれている。なんのことだろう、と思ったら、女子収容所と強制不妊手術のことだった。 デンマークでは、女子収容所が1923年から1961年まで存在し、500人以上の女性が、低能である、あるいは、性的に奔放であるとして収容された。スウェーデンの配給元サイトにある資料には、そう書かれている。少し調べてみると、女性たちは期限のないままに収容され、強制不妊手術を施されることもあったことがわかった。

  • フィンランド・ヴァーサ周辺の旅--フィンランドのスウェーデン語と日本庭園

    2023年8月上旬にフィンランドを旅行してきた。 22:39 ストックホルム発ウメオ(Umeå)行の夜行コンパートメント内。2段ベッド。右端にトイレ・シャワーあり。 翌朝8時、ウメオ到着。そして12:00、船に乗ってフィンランドへ! ウメオのターミナルにて 4時間の船旅のあと、着いたのはフィンランドのヴァーサ(Vaasa)。 1)フィンランドのスウェーデン語の発音 ヴァーサ周辺はフィンランドでスウェーデン語話者の多い地域。 実は同様の別の地域に行ったことがあり、その時は「それほどスウェーデン語は通じないな」と思ったので、ヴァーサもそうかと思いきや。 通じます、通じます! 若い人

  • 北欧発の脳科学本が続々と

    ここ数年、スウェーデンでは脳科学が大流行しています。なぜかというと(私見ですが)、まず第一にストレスで燃え尽き、うつなどの精神的不健康が激増していること。特にデジタル系はその弊害がやっと部分的に分かってきた状態で、よく知りたいと思うのは当然の心理でしょう。 「科学」がこれだけ注目を集めるもう1つの理由は、コロナ禍にもあると思います。感情的な意見や噂が飛び交うなか、公衆衛生局の主席疫学官(当時)アンデシュ・テグネルが、どれほど国内外から批判を浴びても科学的根拠に基づいた姿勢を崩さなかったのを見て、多くのスウェーデン人が「これぞあるべき姿!」と改めて心に誓ったように思います。それ以来、以

  • ソフィ・フォン・フェルセンと彼女の過ごしたロフスタッド城

    皆さんはフランス王妃マリー・アントワネットの愛人と言われる、アクセル・フォン・フェルセンに妹がいたのはご存じでしょうか? 彼女の名前はソフィ・フォン・フェルセン。アクセルがマリー・アントワネットの他に心から愛した女性がいたとすれば、このソフィでしょう。私はこの夏、スウェーデンのノルチェーピングにあるロフスタッド城を訪れました。ロフスタッド城はソフィ・フォン・フェルセンが晩年を過ごした城なのです。 Eva Sophie von Fersen (婚姻後:Sophie Piper) スウェーデン国立美術館所蔵 今回のNoteでは、ソフィ・フォン・フェルセンをご紹介したいと思います

  • フィンランドの旗日は平日にもあります~国旗掲揚の日いろいろ~

    この記事公開を公開日する8月9日は、日本では長崎の原爆忌(長崎原爆の日)です。平和への祈りと、戦争が無くなることを願う日の一つ。その8月9日、フィンランドでは、『トーヴェ・ヤンソンの日 フィンランド芸術(アート)の日』と定められ国旗掲揚が推奨されています。この日が「トーヴェ・ヤンソンの日」と言われるようになったのは、8月9日がヤンソンの誕生日だったため。トーヴェ・ヤンソンの誕生日を記念日にするにあたり、絵・イラストだけでなく文学作品も手がけ広く芸術分野で活躍したヤンソンにちなみ「フィンランドの芸術の日」と定められました。また、日本では「ムーミンの日」と記念日登録されています。 202

  • 訳書刊行イベントはやるべき?――翻訳者の悩み

    皆プレゼンが怖い 先週の土曜日(2023年7月8日)に、銀座ナルニア国さんで『デジタルおしゃぶりを外せない子どもたち』の講演会を開いていただきました。 枇谷玲子さん講演会 “デジタル世界と どう付き合えばいいの? ~デジタル中毒克服のために~” 教文館ナルニア国 『デジタルおしゃぶりを外せない子どもたち』翻訳者 枇谷玲子さん講演会 “デジタル世界と どう付き合えばいいの? www.kyobunkwan.co.jp 参加者には子どものデジタル中毒に危機感を持っている方、強い関心をお持ちの方が多く、そういう方々と直接対話をし、ご意見をうかがえて本当に

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