『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ|樹のように穏やかに生きて一緒に朽ち果てる
『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ ★★ 河出書房新社 2024.10.23読了 なにこれ、めちゃくちゃ好き。わかりみが強すぎる。 まさかさんが優しすぎて、おいおい泣きたくなる。 主人公の文乃みたいな人、日本にはたくさんいるだろうなと思う。年齢が近いから親近感を覚えるし、そもそも自分とシンクロするところが結構あるから、他人事とは思えず感情移入しまくり。 ルーティーンを愛する労務課の浜野文乃(はまのあやの)は、幸せではないがかといって不幸でもなく、波風を立てずにひっそりと生きている。文乃は「皆多かれ少なかれ、三十代後半くらいになってくると楽しいことがちょっと重くなってくる」「心が動かない平穏な…
2024/10/31 07:47