『ジョヴァンニの部屋』ジェームズ・ボールドウィン|内面の葛藤や苦悩がほとばしる
『ジョヴァンニの部屋』ジェームズ・ボールドウィン 大橋吉之輔/訳 白水社[白水Uブックス] 2024.09.26読了 ボールドウィン生誕100年ということで、装い新たに帯が巻かれて書店の新刊コーナーにあった。読み終えた今、絶望感に苛まれてなかなか重たい気分になっている。ボールドウィンの作品は過去に1冊(おそらく一番有名な小説)しか読んでいなくこれが2作目であるが、やはりアメリカを代表する作家だと改めて感じた。 父親や伯母エレンとの確執からフランス・パリに住むアメリカ人青年デイヴィッドにはヘラという婚約者がいる。彼女がスペインに自分探しの旅に出た期間、ジョヴァンニと知り合い深い関係となる。 第一…
2024/09/30 07:51