あたしが間違っていたんだろうか? 本気で好きになりたい、愛したい、 そう思い自分も思われていると思ったら それが嘘だった。 あたしは騙されていたのよ。 あたしは悲しくて悲しくて高彬の胸を借りてずっと泣き続けた。 泣いて泣いて鷹男のことを忘れたかった。 そしてあたしは泣いたおかげで少しだけ気が楽になったの。 でも散々高彬に胸を借りた状態だったとはいえ、 先ほどの見っともない姿を高彬に見せ続けていた事が 段々恥ずかしくなって来てしまったの。 あたしは動揺を見せないように高彬にお礼の言葉をかけた。 「た、た、高彬、あの、あのね、胸を貸してくれてありがとうね。 まさかこんな時に高彬が現れるなんて思いも…
私の心は荒れていた。 何故なのだろうか? 瑠璃姫には高彬がいた。 だから今回は獲物を得ることが出来なかった。 ただそれだけのことなのに何故気持ちがざわつくのだ。 イラつく・・・・・・・・・・・・・・ あれから三条邸をでてすぐに東宮御所に戻った。 獲物を得る事が出来なかったのだから初めての失敗だ。 だからなのだろうか? 私の気持ちがおさまらないのは・・・・・・・ 「東宮様、お呼びでしょうか?」 急に自分の思いに耽っていたというのに、命婦の声で我にかえった。 「何を言っているのだ?」 私は誰も呼んだ覚えはなかった。 どうも私は無意識に扇を広げたり戻したりを繰り返ししていたらしい。 そうしていつの間…
私は一体どこで間違ってしまったのだろうか? 何故瑠璃姫をすぐに物にしないのだ。 いつもの私ならすぐにでも女性を手に入れることが出来たのに 今の状況が分からない。 私は今、いつのまにか瑠璃姫と友人関係だけを築いている。 接吻は一度したがそれ以外は一切手を出していない。 どうしてなのだろう? 私は自分の行動が自分自身の事なのに さっぱり分からなくなっていたのだ。 しかし今の状況のままでいいわけがない。 今夜、私は瑠璃姫をいただこう。 瑠璃姫・・・・・・・・あなたを今夜こそ我が胸に・・・・・・ 今夜の鷹男の雰囲気が違うように感じる。 いつもと変わらない言葉。優しいしぐさ、あたしを労わる態度。 どれを…
最近、瑠璃さんの様子がおかしいことに気がついた。 見た目は変わった様子はない。 でも、いつもと違って瑠璃さんのしぐさに ドキッとすることが多くなったような気がする。 瑠璃さんの態度は姫様らしさはないんだけど女らしさが上がった? そう、色っぽくなった? 今までは着るものは、いつも同じような色合いで 気にいった色ばかりを使っていたのに 最近は使わない色合いのものを纏うようになった。 いつもと衣が違うせいだろうか? なんだか瑠璃さんが可愛らしく見えて仕方がないんだ。 いや、僕は瑠璃さんが好きなんだから いつも可愛いな~と思うけど雰囲気が少し違うんだ。 まさか瑠璃さんに恋人が!? でもそんな噂全く立っ…
いつもと変わらない生活だった。 あたしは恋がしたかった。 本気で自分が惚れて、そしてそんな相手に愛されたかった。 それがあたしの今の立場で出来るわけがない事にも 薄々は気がついていたの。 あたしは大納言家の総領姫。 あたしが自分にあった身分のものと結ばれて大納言家を盛り上げていく。 そんなことは分かっていた。 でも少しでも夢が見たかったの。 自分だけを好きでいてくれる人。自分だけを愛してくれる人。 そんな人が必ず現れる。 あたしはそう物思いにふけていた。 今日は満月。 月明かりはとても美しい。 部屋から月を眺めてもこの美しさは分からない。 だからあたしは庭先に出て月を眺めていたの。 自分の邸は…
私の名は宗平。 東宮の地位にある者。 しかし私のこの地位は不動のものではない。 私は今上帝である父を持つものではあるが 母は身分だけはすこぶる良いが 後見人の力は弱かった。 そう、私達には財力が乏しかったのだ。 その私が東宮の地位を得る事が出来たのは 母上の力が大きいといえよう。 母上はまだ幼い私を不憫に思ったのだろう。 右大臣家の二の姫と早々に婚約を取り付けてくださったのだ。 これによりもし私が帝になり、 そして二の姫が親王を御生みしたら右大臣が外戚になって権力を掴む。 お互いの利害が一致した事で私達の婚約が決まったのだ。 そんなことは百も承知の上だった。 私は何としても次期帝になりたかった…
今回の作品は鷹男も瑠璃姫も高彬も少し 性格が違うかもしれません。 三角関係の3部作品となっております。 いつも読みに来てくださりありがとうございます。 あまりに拙すぎて申し訳ないと思っているのですが 来てくださる方がいらっしゃるので頑張って書いていこうと思います。 ヤフーブログで掲載していた話を少し編集しております。 あたしは願う。 いつかあたしだけを愛してくれる人が必ず現れるって・・・ そして、あたしはその人だけを愛するの。 その人をあたしが幸せにして上げる。 その誰かは一体誰? 早くあなたに会いたい・・・ そうあたしは本気の恋がしたかったの・・・僕はもの心つくころから一人の姫君に恋をしてい…
https://girlydrop.com/ 戌の刻 外は降りしきる雨音はやまない この場所では御所と変わらないほどの警備は物々しく 不審者は絶対に入れない。 その場所にある姫君が中に入って行く。 あるお方の力を借りて、自分の愛するもののため、 そして自分のためにも決着をつけなくては ならなかったのだから。御帳台には高貴なお方の姿があった。 「宮さま今日はお疲れでしたでしょう。お早めに体をお休めください。」 「絵式部、今日は藤の宮が来てくれたから明日は何をしようか。 あの子は何でもできるお方だから 楽でも弾き皆で楽しみましょうか」 「はい、明日は楽しみでございますね」 「ここ院御所では華やかな…
https://girlydrop.com/ あまりにも沢山のことを知りすぎて混乱してしまった。 小萩はかなり前から鷹男があたしに 愛の言葉を囁いているのを見かけたらしい。 あれは唐から送られてきた貴重な香。 それは鷹男があたしのためにと贈り物としてくれたものだった。 小萩が聞いた話では 体をリラックスさせるのと眠りを深くしてくれる作用を持つ。 あたしはあの香を焚いて眠りにつくと いつも幸せな気分になっていたのは香の作用と 鷹男があたしが眠りについたのを見て寝顔を毎晩見に来ていた。 あの幸せな夢。 鷹男から愛の言葉をもらえた夢は現実だったと言うの? 信じられない・・・・・・・・ 直接言われたわ…
https://girlydrop.com/ あたしは登香殿に向かった。 いつもなら藤の宮さまがおみえになる時は もっとざわざわしているはずなのに、何故か静かだった。 もしかしたら人払いをしている最中かも知れない。 御連絡もせず思わずきてしまったのだけれど 一度藤壺に戻った方がいい、そう思ったの。 回れ右をしようと思った時、 かすかにあたしの名前が出てきたような気がしたの。 どうしても我慢が出来なくなりあたしは声のするほうに近づいていった。 そうしたら小萩と藤の宮さまが険しい表情で何かを話して見えたの。 まさかあたしが傍で聞いているとも知らずに・・・・・ 「小萩さん・・・・このままでよろしいの…
https://girlydrop.com/ お腹は段々大きくなっていく 元々父さまは出世意欲がなかった人だから あたしが女御になるとは思っていなかったみたいだけど 女御になってしまったからあたしの後見はしっかりとしてくれていた。 その上御子様まで授かってしまい、始め父さまは戸惑ったみたい。 でも喜んでくれてこの藤壺も騒がしくなっていたの。 あたしは周りが喜んでくれるのをしり目に、全く気持ちは晴れなかった。 御子さまを授かったおかげで、最近あたしの後宮での生活にも 支障をきたすようにもなっていた。 大げさではあるけれども今まで何も妨害がなかったのに 御子さまを身篭ってからは他の女御さまの女房達…
https://girlydrop.com/ 「瑠璃さま~~~~~瑠璃さま~~~~~ううううう・・・・・」 「小萩・・・・・・」 「あまりにも酷い仕打ちではありませんか? 私はお主上に高彬さまを瑠璃さまが見える 寝所に誘導するのを命じられてお傍にいたのでございますわ。 ですから・・・ですから・・・うううっ・・・・・」 「ね~小萩。鷹男は一体どうしたいんだろう・・・・」 「それは・・・そんなの主上にしかお分かりになりませんわ。 自分は沢山の妃や愛人も作っていらっしゃるのに、 ほんとに殿方は一体どう言うおつもりなのでしょう」 「小萩・・・・疲れたわ・・・・・もう・・・」 「申し訳ございません。 お…
申し訳ありませんが 18歳未満の方はは読まないでください。 ぬるすぎますが下手くそで語彙力が欲しいくらいです⇒涙 シチュエーションがそんな風になるわけないと思われるでしょうが フィクションだと思ってお許しください。 高彬は最近藤壺に顔を出してくれる。 一人で来る事は少なく、よく融を引き連れてはこの藤壺に来るの。 だから前よりも活気に満ちているような気がする。 高彬が一人で来る事もあるけど小萩が上手い事 他の女房達や命婦たちに取り計らってくれるから 下世話な考えを他の人間がすることは、今の所表立ってはなかった。 ただ、これだけ頻回にくる高彬に 鷹男はどう思っているのかすごく気にはなった。 少しは…
https://girlydrop.com/ あれから鷹男の本心を聞いてから毎日のように藤壺にやってくる鷹男。 もう鷹男と会いたくはない。 女は子供を産む道具としか思っていない男に体を許すだなんて絶対に嫌。 そう心では思っているのに体は鷹男を求めていく。 今まで鷹男は時間通りにいろいろな女性を渡っていった筈。 だから今日は来ないと思っているのに何故かやってくる。 なんで・・・なんでよ・・・・・ もうあたしの前では仮面をはらなくてもいいからやってくるというの? 早く跡継ぎを作らせるべく通ってくるの? 苦しいよ~鷹男・・・・ あんたの本心を知りたくはあったけど こんな本心が知りたかったわけじゃない…
「ブログリーダー」を活用して、黎姫さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。