https://girlydrop.com/ 浮気ものな鷹男に気がついたあたしは悩んだ。 鷹男だけは他の貴族とは違って浮気なんてしないとそう思っていた。 女御さまが沢山いるのだけど他の女官にまで手をだすような プレイボーイとは思わなかったのに現実は手を出している。 これが当たり前なのだろうか? 一人の相手を生涯愛し続けるのが普通なんじゃないの? あたしの考え方の方がおかしいの? 気になったあたしは小萩に聞いてみようと思ったの。「ねえ~小萩、聞きたい事があるんだけど」 「瑠璃さま、何かごようがおありですか?」 「用ではないの。ただ聞きたい事があるの。 あのね。小萩は今恋人なんている?だれか通わせ…
https://girlydrop.com/ 眠れない一夜を過ごした後、あたしは鷹男に会うのが恐くて仕方がない。 自分以外に妻がいるのは仕方がない。 でも自分だけは他の女御さまとは違い鷹男に求められて入内した。 そんな想いがあったからこそ自分だけは特別だと思っていた。 それが間違っていただなんて あたしがこの後宮に入ってからのことをよく思いだして見る。 どれだけ考えてもあたしは鷹男から 「愛している」 その言葉を貰ったことがない事に気がつき心が傷んだ。 だったら鷹男はあたしの他に愛する人がいるのだろうか? 嫌な事しか思いつかないというのに 鷹男がこれからあたしに会いにくるという先触れが来てしま…
なんであたしはここにいるのかしら? こうなってしまうなんて予想もつかないことだったのに 段々ここが居心地が良いと感じるようになってきたの。 あたしは内大臣家の総領姫の瑠璃。 婚約者の高彬がいたというのに、今は藤壺の女御といわれる 皆が羨ましがる地位に登りつめてしまったの。 当然あたしはそんな身分嬉しくもない。 ただあれよあれよと強引に女御になってしまった。 1ヶ月前、大海の入道事件が起こったの。 偶然雑色の鷹男という男に協力してこの事件を暴いたんだけど その雑色だった鷹男がなんと東宮様だったの。 そうしていつのまにかあたしを気に入ってくれた鷹男は 病がちな帝に譲位され今上帝へと即位し、同時にあ…
https://girlydrop.com/flower 高彬がこない変りに鷹男はまめにやってくる。 帝という立場でありながら時間を作ってはあたしに会いに来る。 でもあたしはけして鷹男を妻戸の中には入れることはしなかった。 もし開けてしまったらどうなんてしまうのか あたしは分からなくなってしまうから、だから開けることが出来なかった。 鷹男は院御所に来れない時は必ず文をよこしてくれた。 いつも鷹男が訪れてくれるのをいつのまにか楽しみにしていたんだと思う。 でもこの気持ちを肯定するわけにはいかなかった。 あたしはこれでも人妻なんだから。ある日鷹男から今夜は来れないという文を頂くことになったの。 な…
https://girlydrop.com/flower あれからあたしは院御所で過ごしていた。 大皇の宮さまはあたしの気がすむまでここにいていいと そう仰せだからついついそのまま 何も気にせずにやっかいにならせていただいているの。 本当なら院御所なんだから、 あたしも出仕の形でここにいる以上、女房として働くのが筋なんだろうけど、 ここ院御所では古参のしっかりとした女房達が沢山見えるから あたしはただ大皇の宮さまと御一緒に貝合せや、 珍しい絵巻物や綺麗な絹をみたてたりとかなり優雅に 楽しく暮らすことになったの。 あたしが三条邸を抜け出して家出をしたことは最近高彬も知った様子。 やっと高彬は三条…
https://girlydrop.com/ あまりにも感情が収まることが出来なくて、 あたしはあれからすぐに小萩に御両紙と硯を用意させて あるお方に御文を届けたのよ。 三条邸にいたとしても高彬はすぐに来れるだろうし、 あたしがどれだけ悲しんでいるか分からせないと気がすまない。 だからあたしは家出をしようと思ったの。 そしてすぐにここからでて行ける様に小萩に準備を頼んだわ。 だからといって御文の相手が良いお返事をくださるかは全然分からない。 あたしみたいな一貴族が軽々しくいける場所ではないしね。 かといって簡単に見つかる場所に行ったとしても 高彬に連れ戻されるのが目に浮かぶから簡単に高彬もこれ…
https://girlydrop.com/ あたしはずっと待ち続けていたの。 あの人を・・・ なのになんであの人が迎えに来ないの。 あたしが待っている人じゃなくてなんであんたが来てしまったの どうして! どうしてあの人じゃなくてあんたが来てしまったのよ。 ずっと待っていたのに、あなたがこないで何故あんたが来てしまったの。 あたしは結局鷹男のあたしを求めすぎる気持ちに我慢しきれずについに 鷹男を受け入れてしまったの。 高彬・・・あなたが悪いのよ・・・・・・ 唯恵事件が終わり融も無事に三条邸に戻って やっとあたし達は無事に結婚することが出来たの。 あたしだけを一生愛し、あたしだけが北の方になる。…
https://girlydrop.com/ 瑠璃が東宮妃になった。 やっとわたしの元に来てくれて嬉しくて仕方が無い。 だが、新婚だというのに瑠璃はご機嫌ではない。 何故なら吉野と全く会えないからだ。 世間的に見れば東宮妃である瑠璃が他の殿方に会おうだなんて どれだけのリスクが生じるのか誰でも分かるだろう。 けれど瑠璃は吉野に執着している。 瑠璃は本当に吉野が好きなのだろう。 分かっていたことだ。 二人の仲を引き裂いたのはわたし。 瑠璃を東宮妃にしたらこうなることは簡単に予想が付いた。 だがわたしは吉野に対して負い目も感じていた。 だから吉野に会えるように私からも何度も吉野に伝えているのだが …
https://girlydrop.com/ わたしは瑠璃を妃にするために早めに動いた。 まずは瑠璃の父である大納言に内々の話だと言い、いづれ 瑠璃をわたしの妃にすることを仄めかした。 大納言はあまりの驚きで真っ蒼になっており最初は難色を示した。 瑠璃は妃にはふさわしくないと何度も言っていたが 吉野の里で出会ったことを伝えたらわたしの本気をくみ取ったのか やっと理解を示してくれた。 わたしが迎えるまでに違う殿方をあてがわないようにきつく伝えておいた。 瑠璃はお転婆であるが大貴族の姫君。 大納言はいづれ大臣になることは決まっている家柄。 その姫君がどんな姫であろうが後ろ盾を必要としている男が わ…
https://girlydrop.com/ わたしが初めて恋をしたのは自分より年下の裳着も済ませていない 幼い姫君だった。 わたし達の出会いは吉野の里でのこと。 わたしはショッチュウ体調を悪くし臥せっていることが多いことから 母上が心配して吉野の里に療養させたことで瑠璃と会った。 初めての出会いは吉野の里で木から降りれなくて 泣いているところから始まった。 最初は吉野の村娘だと思っていたがなんと大貴族の姫君だったから 驚きだ。 吉野の里には弟の宗唯も付いてきていてお互い京での 自分たちの立場からによる縛りが今は解き放たれて自由を謳歌して のびのびと楽しんでいた。 そこでの驚きの出会いで瑠璃も…
「ブログリーダー」を活用して、黎姫さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。