chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
今考え中だ https://tamami2922.hatenablog.com/entry/2019/10/25/203654?_ga=2.121906377.314381376.1572141525-895634030.1560422379

こじらせた中年の小説がメインのサイトです。恋愛市場引退と言いつつ恋愛する私。空虚はもう飽きた。ゆらゆら帝国のようにゆらゆら生きていきたい。メンヘラが大人になると?独り言「死にたい」も増え、空っぽな心、酒と音楽。primeと、スポティファイ。

空っぽを愛と責任で埋めようと頑張る毎日。

ラヴィル
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/10/27

arrow_drop_down
  • また新連載最終話:卒女生徒

    イラストbyユペたろ~ 「モデルルームにご案内します」 「あのね、その物件が、わたしがとっても気に入るものであってもね、わたしは絶対にあなたからは買わない。それは絶対なの。フィンガーボールの水を飲むその王女の崇高さ。あなたも見習った方がいい」 ムートンのコートを着ていない割には妙なウソをついたものだ。とっさに言った「作家」。それにわたしは奇妙に胸が打たれた。わたしが作家であったなら。最後まで読んで笑ってほしい。I can speak English.Can You speak English? Yes I can. とても美しい飲んだくれの弟が、どれだけの人を微笑ませようか? そして涙を流させ…

  • 卒女生徒:目次~

    イラストbyユペたろ~ tamami2922.hatenablog.com 11tamami2922.hatenablog.com 8tamami2922.hatenablog.com tamami2922.hatenablog.com 5tamami2922.hatenablog.com mami2922.hatenablog.com tamami2922.hatenablog.com

  • また新連載11:卒女生徒

    イラストbyユペたろ~ そしてこの前、中年の女性に罵声を浴びせられた。 「なんだい、この、愛想のない女は、受付のくせして笑いもしない。いやな女だ。わたしはスピッツを三匹も飼ってるんだよ。貧乏人じゃない。貧乏人扱いするんじゃないよ」 と。私はそれに対し、 「ご不快にさせてしまって、大変申し訳ございません」 と言った。そしてその後も通院しているその女性とわたしは、世間話や、エンタメ情報などを共有するほど親しくなった。それもうれしいトピックかもしれない。 でも誰にも秘密にしていることがあった。最近、病院が開いてしまうまでではないが、たまに数分の遅刻をするようになった。目当ての電車に乗れない時だ。ナイ…

  • また新連載10:卒女生徒

    イラストbyユペたろ~ 楽しい想像は止まらない。赤信号で立ち止まる。それと一緒にマンションの夢想からも少しだけ覚める。信号の向こうにはわたしが住む予定の、マンションがあるみたいだ。そして気づいた。信号の向こう側には、あの青年がいた。ふっと「忍耐」というワードが浮かんだ。信号が青になる。わたしの鼓動は早くなる。あの時と同じ格好をしている。違うのはこの前はボーイフレンドデニムで今は黒のクロップドパンツっていうマイナーチェンジに過ぎない。あの青年はきっと私に気づく。そして「ああ、この前の」って言うだろう。誰か同年代の男の人と笑って話しながら、わたしとの距離はどんどん縮まっていく。それは短い時間だった…

  • また新連載9:卒女生徒

    イラストbyユペたろ~ お風呂からでる。ショーツ一枚の姿で、体重計に乗る。そしてパジャマを着て、お手入れをする。わたしの心はどんどん小さくなっていく。そして石みたいに固まる。もう入れ物だってとっても小さい。点にしかそれは見えない。太っているくせに、とても小さく固まる何か。それが今のわたしだ。 さっき買えるはずがないと思ったマンションだったのに、今、温かいパジャマを着て、温かいコーンポタージュを飲む。すると、悔しくなる。わたしだけがみじめなんじゃないかっていう被害感。わたしを視界に入れず、透明人間だと思った人たち。わたしマンションを買うの。それって借りてるわけじゃない。わたしの物なの。わたしのマ…

  • 吉本隆明氏との、あれこれの想い出(S医師への手紙から)

    写真提供by知人I氏 ・吉本氏 亡くなって何年なんだろう。 わたしと吉本さんの出会いをかきます。まず今持ってないし、本の題名も覚えてないんだけど、なんか、吉本さんと、田原さんという精神療法の研究をやっている方の対談の本があって、それを読んで、「ふーん」とか思い、田原さんに手紙を出したんですよ。あんまり覚えてないけど、まあ多弁が高じてのお手紙だったんじゃないかと。そして内容は自分の病状について書いたんです。そしてその田原さんが、わたしを恵比寿まで呼んでくれて、お話を伺ったり、漢方薬をもらったりしてたんですけど、わたし毎回文章を書いて、恵比寿に行ってたんですね。そしたら田原さんが、わたしの文章はず…

  • また新連載8:卒女生徒

    やっぱり考えるまでもない。渋谷でのパーティーとかなんとかは断ろう。あの時はそう答えて、そう思った。確かに「進もうと思わなければ止まっている」というのは本当だ。日常のルーティンをおろそかにしたくはない。怠惰へ落ちていくのはいやだ。だからお弁当も作るのかもしれないし、掃除機をかけるのかもしれない。休みの日に本棚や棚に置かれた雑貨を雑巾で拭くのかもしれないし、手抜きではあっても休日のお昼だってお夕飯だって作るのかもしれない。 そうやって逃れてる。今のところ大きな失敗はない。逃れているつもりだ。でもわたしのしっぽを掴もうと、なにかに追われてる。だから隠れてる。それは父の実家、山形の押し入れの中かもしれ…

  • また新連載7:卒女生徒

    そうそんなことを考えながらムートンコートを着たわたしを誰もがステキ女子だと思っているだろうと思いながら通勤した。ステキ女子? ばかばかしい。わたしはただの冬ごもりをする前の、やけに鮭ばっかり食べているクマにしか過ぎないのだ。そう、昨日わたしだって鮭を食べた。ムートンコートっていうのは四五キロ未満の女子しか着るべきではないっていうことがやっとわかった。 「うん。クマさんみたいだけどね、これってとってもあったかいの。わたし寒がりだから」やっとそう言った。そして看護師さんたちとも共同のロッカールームでムートンのコートをハンガーにかけ、ロッカーにつるし、白いブラウスと黒いスカートを身につけた。別にカッ…

  • また新連載6:卒女生徒

    渋谷の貸し切りのレストラン。クリスマスパーティー。なにかを飲んだり食べたりしたら、パウダールームでコンパクトを開き、口紅を直す。それを羨ましいと思う。クリスマスを主張しすぎない、でもクリスマス仕様のマフラーを巻いてセブンで黒糖饅頭を買う私。それはやっぱり、美しいのだろうと思う。飾られている花、その花の固い葉に触れたら、手に傷がつくかもしれない。そんな生きていることを、わたしにたいしてビビッドに主張する花や葉がたくさんあるのかもしれない。それはわたしの手を傷つけ、血を出させるのだから、わたしにもわたし自身の生を思い知らさせるだろう。けれど、やっぱり参加したくない。それは絶対だ。初めて会った人と、…

  • また新連載5:卒女生徒

    そこまで思ったら、なんかシラッとした気分になった。そうね、確かにここまで育ったのはお父さんとお母さんのおかげ。それもある。でも途中からはお父さんお母さんに育てられながらも、たくさんの人や物ものに育ててもらった気がする。死んでしまおうかって思ったときに見たプロレスの名勝負とか。そう、そういうもの。死んでられない。生きてやる、その時はそう思ったような気もする。ありがとう、みなさん。ありがとう、弱さを見せてくれた人や物。それはわたしの、もしかしたらある「やさしさ」を育ててくれました。おしめだってありがとう。おまるだってありがとう。ご飯だってありがとう。あーーーー、つまらない。そういうことを考えてつま…

  • また新連載4:卒女生徒

    わたしは 「いつ?」 と尋ねる。意味がよくわからない質問かもしれない。けれど風のたてるビュービューという音のせいなのか、波のどすんどすんとテトラポットにぶつかる音のせいなのか、青年にはわたしの言葉が届かないみたいだ。そして今度は 「どこから?」 と尋ねる。これも意味がよくわからない質問だ。そして前回と同じく青年にその言葉は届かないみたいだ。 温い温度と湿気。波がぶつかる大きな音。風が行き止まりにあったようなとぐろを巻くようなうねり。その時高波が来た。一瞬のことだった。波は青年もわたしだってさらう。海中に沈んでいく。鼻と口からブクブクと泡が出る。青年も見当たらない。そしてまた上昇する。すると白い…

  • また新連載3:卒女生徒

    「まだ、アップルパイもホットココアも半分以上残ってる。もうちょっといてくれよ」 わたしは今度は「いてくれよ」と言われた。そう言われた。「いてくれよ」、と。わたしはその言葉に打たれた。深い安堵を感じた。そして座り、アップルパイを手に取った。まだ熱いくらいだ。そしてとうとう馬鹿笑いをしてしまって、 「あのね、このさ、ムートンのコートだけど、フェイクじゃないの。リアルなのよ。つまり羊一頭は死んだかもしれないわね。ご愁傷様だわ。気の毒にね。まあ、それはそれとして、今日買ったの。念願だったんだ。何年も前からそのブランドはムートンコートを出していて、毎年試着して、そのね、試着するのって、店内じゃない? そ…

  • また新連載2:卒女生徒

    でも「順調に進んでる」って言っていいのかなって思う時もそれはある。だって彼氏がいたことなど、人生のうち、一回もないのだから。それでいいのかなって思う。時々すっごく思う。誰にも言えないけれど三十のわたしはまだ処女だ。そういう女子っているのかなって考えたときに、ふっと前を向くとここいら辺では一番背の高い、タワーマンションが見える。このタワーマンションに知り合いなどいないし、中は知らないけれど、てっぺんについている、ピカピカ点滅する、その灯りが可愛いなっていつも思う。きっと広いリビングがあるんだろうなとか、やっぱり床暖なのかなとかも思うけど、そんなことより、やっぱりあの一番てっぺんにある赤い灯り、ピ…

  • また新連載1話:卒女生徒

    それにしてもあの話には驚いちゃったな。でもなあ、そういうの、もう当たり前なのかな? だってヒロコとわたしは同級生。だから来年三一才になるわけだ。そうして旦那さんがいて、ヒロコだって美容部員として百貨店で働いているのだから、そういうマンションの資料請求とか、マンションのモデルルームを見学するとか、そういうのってまあ、不思議でもないのかもしれないな。変な話、なんかヒロコの旦那さんって大手の出版社の編集って聞いているけど、いくらくらいとってるんだろう? だってマンションっていうのは、数千万とか、億を超えるとかそういうのもあるわけなんでしょう? ヒロコの話によれば、旦那さんはとんでもなく早いスピードで…

  • (お礼を込めて)赤鼻のトナカイさん

    今は2015年12月25日、0時29分だ。つまり今日はクリスマスであって、昨日はクリスマスイヴだったわけだ。イヴ。それを人は大いに祝う。誕生のわくわくに誰もがじっとしていられないのだ。 そう、わたしもだ。順ちゃんが買ってきたオードブルとチキン、ケーキをむしゃむしゃと食べて、順ちゃんが飲めない赤ワインを大いに飲んで、したたか酔っぱらい、今日はイヴであるからいいのだ、と病気のダイエット中のセキセイインコ、ポコちゃんに餌を多めにやったかと思うと、今度は、順ちゃんが来ないと刺す、と座った目で言ったそうで、ベッドに入った順ちゃんにしがみつき、 「誰が赤鼻のトナカイを笑えるってんだよお!」 と叫んだかと思…

  • 新連載の最終話:猫とベイビー

    俺はそこで深呼吸をした。話しながらブレスの瞬間がうまくつかめない。 「俺はデートの最中、いつもゆきの爪ばかり見ていただろう?それは爪が貝殻みたいできれいだっていうこともあるけれど、それは他にも理由があるんだ。つまり、君の目を見れなかった。顔も見れなかった。まぶしすぎたんだ。太陽を直視できないように、まぶしすぎて、まぶしすぎて、ゆきの顔が見れない。ずーっとそうだったんだ。まぶしいんだ。どうしよもないんだ、どうしようもない、俺は君が好きなんだ。どうしようもないんだ。変なことを言うようだけど、今はゆきのことを普通の髪の長い女性って言う風に見える。そして下の歯が少しがちゃ歯なのも知ってるし、奥歯に虫歯…

  • 新連載11話:猫とベイビー

    俺はやっとスマホを取り出し、少しいじってみる。そして電話帳を開けて、ただスクロールする。ダメだった。そんな心境で電話をしたら、俺の声はのどを狭められ、うまくしゃべれないだろう。そして泣きたい気持ちにもならない。終わりを見るときは他人は涙を見せず、ただふわふわ浮いているだけだってことを知った。そしてゆきに電話をする。呼び出し音が流れて、俺はすぐに電話を切った。やっぱりだめだ。おしまいは見ないで、ただの無職の24歳になってしまってもいい、そう思ったんだ。するとゆきから電話がかかってきた。出た。 「首尾はどう?」 「ゆき、聞いてくれ。俺はめんてぼを盗む子に失敗した。そしてさらに言えば、俺はさっき、ラ…

  • 新連載10話:猫とベイビー

    そして緞帳がまた開く。向かいのホームに赤いラインの走った電車が止まり、乗客を吐き出してから吸い込む、そう深呼吸するようにして、また走り出す。そうだ。俺の目の前の緞帳は開かれ、何かが走って行った。始まるのだ。俺の冒険の第2章が。俺は腕が震えるような気分で、そしてそれは本当に震えはじめ、両手をぎゅっと握り、ワクワクした気持ちはあの赤いラインの走った風景と同じように見えたんだ。つまり走っていく。そういうことだ。 ホームでゆきに電話をかけた。ゆきに電話するなんて久しぶりの様な気がする。ゆきが笑いながら 「なあに?」 と言う。 「何でもないんだけどさ」 そこで特急が走り、俺の声もゆきの声もしばしかき消さ…

  • 新連載9話:猫とベイビー

    俺はゆきにキスをした。居ても立っても居られないっていう風に。何度も角度を変えて、長く、長く、ゆきの唇にキスをした。 「苦しい、息ができないじゃない」 そう言ってゆきは笑うが俺は笑わない。 その時初めて知ったんだ。意志を持つ、人格のある、心のある女性を抱くということ。それはとても丁寧でとても優しい。壊しちゃいけない、そう思う。ただ愛しい。とても大事でとても愛しいという気持ちが湧いてくるんだ。そしてその愛しいという気持ちは何がどう変わろうと、空の色が何色になろうと、俺の身体がバラバラになろうと、続くんだ、そう思った。 そしてゆきは下着をつけたが、俺は真っ裸のまま、ゆきに 「ごめんね」 と言った。多…

  • 新連載8話:猫とベイビー

    ゆきはおれの話を聞きながら、マルボロのゴールドに火をつけ、ふーっと吐いた。そして俺の話が終わると、それだけ?とでもいうような表情をして、こう言うんだ。 「私の元にはそんな話はいくらでも転がってるの。大抵の男性が似たようなことを家の玄関で宣言するわ。私はスリッパも出さず、「入ってよ」なんて言うこともない。それなのに、そういった人たちは、玄関で大声でしゃべるのよ。いずれは売れまくる大作家であるとか、いずれは有名な外科医であるとか、アバンギャルドなアーティスト、そんなことも言う人がいる。果ては現在のエジプト情勢を俺が何とかおさめ、ノーベル平和賞をとると言う人もいたわ。そういうの、もう飽きてるの。だか…

  • 新連載7話:猫とベイビー

    「ゆき、今はそのタイミングかい?」 「タイミングってなんのこと?」 「ほら、さっきゆきが言ってたじゃないか、そのタイミングでって」 「忘れちゃったわ。忘れちゃったけど、きっと今はそのタイミングじゃない」 「そうか」 「ああ、豚ちゃんを見ながら言うのもあれかもしれないけど、そうね、チャーシューメンじゃなくとも、チャーシューとシナチクが大盛りのラーメンが食べたいなあ」 俺は俺の包丁さばきでもって、さっき、ゆきに色目を使った豚を、輪切りにしチャーシューにするさまを想像し、殺気立った。 俺たちは流れるピンクの豚を見ていることしかできなかった。豚たちは今までずっと走るということに憧れていたんじゃないだろ…

  • 新連載6:猫とベイビー

    俺の気に入っているディーゼルの黄色い腕時計を見ると今3時40分だ。分からない。よくわからない。間に合いそうにない。もし間に合わなかったら、何度も味わっている絶望だが、その時に世界で最も大きな絶望が俺を見舞うのだろう。そして俺は立っていられるのだろか。俺はラーメン屋で働いている。ゆきはつまり、ラーメン屋で働いているから、その特性のみで俺を選んだというのなら、俺は必ずラーメンを作らなくてはならないんだ。でも間に合いそうもない。 「ゆき、俺の当てにしていた、俺の働くラーメン屋の店主の3番弟子の親友のやっているラーメン屋でめんてぼを借りることは諦めざるを得ないんだ。時間的にね。どうすればいいだろう?」…

  • 新連載5:猫とベイビー

    俺は地雷を踏んでしまった。ゆきはめんてぼの描写を俺になおされたことが我慢ならなかったらしく、へそを曲げた。 「ゆき、覚えているかい?俺がゆきに差し出した花は、決して俺のへその緒なんかじゃない。シロツメクサだ」 「じゃあ、私も言わせてもらえば、シロツメクサはその一本で完成していないのよ。首飾りになって初めてシロツメクサって完成される」 どうもゆきは、もしかしたら本気で、無茶苦茶本気で、無茶苦茶腹が減っているのしれないと思うに至った。なぜならば、昨夜よりヘビースモーカーになっているし、コーヒーを何杯も飲むし、すっぴんで電気をつけているからだ。ゆきが吸うたばこはマルボロのゴールドだ。それほど多くの人…

  • 新連載4:猫とベイビー

    かなり長いことトイレに入っていたらしい。ゆきはタオルケットにくるまるようにして、寝息を立てていた。もちろん俺もその傍らに横になるつもりだった。そして寝ているゆきに異常に興奮を覚えたんだ。はじめは柔らかく背に腕を回して起こそうとしたが、次の瞬間少し乱暴にタンクトップをまくり上げ、ショートパンツも脱がせて 「何?」 というゆきの口をふさいだ。俺は結局柔らかく、キズなどつけないよう、丁寧に抱こうと思ってたんだけど、そうできなかったんだ。そして俺がトイレから出てきたとき、もしゆきの目がパッチリ開いていたら、そんな第2戦目はなかったんだと思う。もしゆきが目を開けていて、第2戦目を始めたとしたら、第1戦目…

  • 新連載3:猫とベイビー

    「ずいぶん長かったわね」 「うん、バスタブのある風呂って久しぶりだったんだよ。俺の部屋にはシャワーしかないんだ。けれど、いずれはバスタブのあるマンションに引っ越そうと思ってる。ちなみにそれは近々なんだ」 と俺も自分で言いながら、妙だな、と思えることを言った。 「私もシャワーを浴びるから、少し照明を暗くしていい?」 とゆきが言う。 「なんで?」 「まだすっぴんを見られるほど、そこまで親しいわけじゃないっていう風に、私には思えるの。健二君がどう考えるのかは分からなけど」 「OK。ゆきがそうしたいなら、それでいい。いつか太陽の下ですっぴんを見せてくれる日が来るって俺には確信があるから」 うそだ。そん…

  • 新連載2:猫とベイビー

    彼女の部屋は目黒の川沿いにあり、こじんまりしているが、新しそうな、きれいなマンションだった。ゆきの部屋にはグレーの毛足の長いカーペットが敷かれていて、その毛足が一糸乱れず同じ方向を向いている。ゆきに差し出されたスリッパを玄関で履いてみても、そのスリッパを履いて出さえ、そのカーペットの上に乗るのはためらわれるようだった。ゆきは 「入ってよ」 と笑顔を見せて言い、ゆきはコーヒーメーカーにスイッチを入れている。俺は恐る恐る入った。 ゆきの部屋はなんていうのか、俺はあまりそういうことに疎くて分からないが、、アンティークの家具が品よく並べられ、ホコリがどこにあるっていうんだっていう風に、掃除されている。…

  • 今生があるのならその生いっぱい、メロチを忘れることなかれ

    覚えていてほしい。忘れないでいてほしい。何世代にもわたって覚えていてほしい。忘れないでほしい。それが無理ならこの現在、生あるうちは、勇敢だったとらネコ「メロチュ」を覚えていてほしい。お願いだ。忘れないでおくれ。 メロチュはマンションについた小さな公園に住みついていた猫軍団のボスだった。当然オスで、その公園に住んでいる猫に指示し、命令し、猫たちが住みよい環境を作るそういうボスだった。例えばマンションに住んでいる猫好きの子供が、公園の端にドライフードをまき散らしても、武士は食わねど高楊枝といった風で澄ましてドライフードを極力見ないようにしているさまをわたしは何回も目撃している。 そうかといってただ…

  • 悲劇のロックシンガーの墓参り

    ・お墓参り ある悲劇のロックシンガーが死に、わたしたちはその数年後墓を参った。ダーリンの強い勧めがあったからだった。思ったよりもこじんまりした墓で、墓には花が供えられていたけど、その花たちはしおれていた。 このいま、そこにいたのはわたしとダーリンと悲劇のロックシンガーだけだった。とても静かだ。メロチュのこと、生前のお礼、そして冥福も祈ったのち、ダーリンにも打ち明けないある約束をその悲劇のロックシンガーと結んだ。それは絶対の約束だった。 なにか音が響いた。空のおけが何かにぶつかったような明るく乾いた音で、それは山の斜面にある、その悲劇のロックシンガーのお墓の静寂を際立たせる。天気は曇天だ。雨は多…

  • 愛ってなんだろう(とドリは考える)

    俺を拾ってくたのは、紀子ちゃんっていう大学生だった。紀子ちゃんはバイトの帰りだった。 紀子ちゃんは古本や、中古のゲームなんかを売る店で働いていて、値段をつけることも店長に任されていて、すごくかっこよく見えたから、俺はつい、ついて行ってしまった。だけど、紀子ちゃんちでは、翌日犬を飼いに行くことになっていることなんて俺はその時知らなかった。そして紀子ちゃんが、そういう理由もあって、俺をついてくるなと、わざとこぶしを振り上げたそのアクションに、俺は少しビビってしまって、道路を後退した。そしたら走っていた車にぶつかっちゃったんだ。 紀子ちゃんは、俺を抱いて泣いていた。俺は済まないことをしたと思った。紀…

  • 玉蘭坂

    玉蘭坂 彼はもともとブラウン管の中にいた そういえばそうだった わたしの客席から、彼のステージは遠かった そういえばそうだった 彼は今もブラウン管の中にいるし ユーチューブなんてある今、 彼に会うことは当時より頻繁で 簡単なことなのさ そう、CDだっていっぱい持っている そう気づいて 玉蘭坂で立ち止まり ぽんと膝を打つ それなのに それなのに こんなに悲しいのは何故なんだろうと 玉蘭坂で しゃがみ込む 何故なんだろう? 玉蘭坂の途中で しゃがみ込む

  • 新連載1:猫とベイビー

    都内、某所にきれいでスタイルも抜群でお尻も大きく、才媛の物腰が優しい女性がいた。名を「ゆき」といい、誰もがその「ゆき」は雪の降る夜、雪のように真っ白く生まれてきたのだと想像するのである。そして実際のところはというと、なに、その通りで、ゆきは1月の雪がぼたぼた降る日に、真っ白く生まれたから、ゆきの両親はとても力強く、ゆきと名付け、その名前から喚起される、誰もが思うその直截なイメージは、父親のその文学的才の故だったのだ。 ゆきには大挙して男性どもが押し寄せ、群がり、それぞれが選び抜いた花を持っていた。ありきたりではあるかもしれない。そうバラを持った男性は心に思い、心細くなる。その他のバラを選んだ男…

  • わたしの方が才能があるのです

    先生こんばんは。現在7月21日、AM2時26分 又吉が芥川賞を取りました。 わたしの方が才能があるのです。わたし自身、生涯に本を何冊読んだかなんて、自身わかりませんし、わかっている人の方を不思議に思ってしまいます。 そして今、腹を立てている最中なのです。 わたしには才能があります。絶対に才能があります。わたしは光沢のあるジュエリーボックスを持っています。その中に大きなダイアモンドが入っています。又吉はそのわたしのジュエリーボックスを開けてみて、「なんだ、河原に落ちている白い石ころじゃないか」と思うかもしれません。でもわたしはそのジュエリーボックスを持って、ひたすら薬を飲みながら、生きて、居場所…

  • メロチュの死について

    メロチュの死について メロは最初にマンションに住みついた「にゃんさん」という母猫の直系の息子だ。にゃんさんはある程度子供たちが大きくなったころ、わらわらと子猫たちを家に連れてきた。ある子猫はレースのカーテンにぶら下がり、ある猫はクッションの上に頭を置きくつろいでいて、そう、その中にきっとメロもいたはずだ。 メロは昨年あたり、もしくは昨年のちょっと前の冬から、順ちゃんの自転車のかごに住みつくようになり、わたしたちはその自転車を「メロちゃん号」と名付けた。そしていつからか家に入ってくるようになり、(玄関からも窓からも)、そしてうちの玄関のドアが開かないと、それはそれは「にゃおーん、にゃおーん」と絶…

  • Ⅰダンチョネ

    Ⅰ ダンチョネ 「あんた、あたい、肴はあぶったイカでいいよ」 寡黙にダーリンはするめをストーブの上に置く。わたしの身に着けている深いスリットの入った、ひざ下のタイトスカートは紫のベルベットで、アイシャドウも紫だ。そしてマスカラをこれでもかと言うほど塗り重ね、そしてわたしはなぜか割烹着を着ている。 ストーブを納戸から出しておいてよかったと心から思う。宿命。そんな言葉すら頭をよぎる。ダーリンは少し丸まったするめを菜箸でとり、空中で右に左にとぶんぶん振り回している。その行為が何を意味するのかわたしはダーリンに尋ねない。思慮深いダーリンのことだ。何かしらの創意工夫なのだろう。ダーリンは冷蔵庫からマヨネ…

  • セキセイインコ、君に啓す

    セキセイインコ、君に敬す セキセイインコは被捕獲動物である。ゆえに病気になっても元気がなさそうに、どこかを病んでいますっていう風にはふるまうわけにはゆかぬ。そういう風にもしふるまってしまったら、捕獲動物たちの格好の標的になるからだ。 以前飼っていたセキセイインコのプーチンちゃんもそうだった。元気だったころと病にむしばまれていた時期をはっきりと区別できるわけでもないけれど、つまりおそらくは元気だったころ、昼寝はよくしていたが、休憩をとっているような様はあとから考えてみると見たことがないような気がするのだ。 プーチンちゃんは元気いっぱいにケージ内を暴れ、少し覇気がないような様子を見せたのち、ことり…

  • ウルトラ夫婦の人類愛について

    ウルトラ夫婦の人類愛について - 今考え中だ

  • ウルトラ夫婦の人類愛について

    ウルトラ夫婦の人類愛について ウルトラの父は今日もご機嫌だ。 しかし、わたくしことウルトラの母はそうでもない。 意外にもウルトラ兄弟6人を出産した母だが、性格は意外にネガ。 口癖は「あーあ、やんなっちゃうな」 で やなことがないとしてもそう言うのである。 父が絶好調であることには理由がある。 それは・・・ゾフィから誕生日プレゼントとして「肩もみ券が」が送られてきたのだ。 しかしそれにしても・・・と母は思う。 というのも父の誕生日は3月だ。 そして今は9月。 我が息子ながら、アホではないのかと疑念を抱く。 まあ、そんなことは枝葉末節であるのであるのだろうか? 人に、そして子に、寛大であらねばと少…

  • 重要なお知らせ:これからもラヴィルの小説、読んでやってもいいぜという方に。

    あなたを愛してる 好評連載中でありました、「もう何も考えられなくなった」になりますが、note(無料)にお引越しいたします。続けて読んでみたいなという方、明日2020年2月14日には次話(10話)を更新済みとしておきますので、続けてご愛顧のほど、よろしくお願いいたします❤❤❤もちろん、無料配布ですよ~。 また、「もう何も考えられなくなった」以後の自作も、もう腹案はできております。よろしければ続けて、 check it out!!!!!!!!!!!!

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった9

    もしかしたら地球は回っているのかもしれないし、丸いのかもしれないと徐々に気が付く この、非常に、非常に、何もない、なーーーんにもない日々。昔々、それは遠い昔、そのころ、もしかすると、ベルリンには壁があったかもしれないが、そんな昔は私だって、少し目を血走らせてみたり、ときに瞳孔を小さくしてみたりして、「こんなもんかよ、こんなもんじゃねえだろ、この世の暮らしは~(宮本浩次氏無許可)」と、この世にはきっと、「なにか」あるだろう、私がまだ、見つけていないだけできっと巡り合うだろう、そう信じていた。そして少し経てば、私の資質的問題が大いに関係しているのではないかと疑った。つまり「この世には、もちろん、『…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった8

    第8話 考えたいという欲求も特にない。散歩に出よう。 ひろしさんは特にどうといった表情もせずに、そこに立っていた。ひろしさんは、大きい、デカい、改めるように、そう感じる。ひろしさんの背にする私のアパートの白い扉は少しメルヘンにできていて、それでいてとてつもなく平凡でもある。「当たり前」という言葉もあるけれど、「当たり前」をドアで表現するならば、このドアで表現可能ではないだろうか………、などとふっと思う。 ヒロシさんは玄関にかがんで、黒くてごついブーツを脱ぎ始めた。一見して、とても高価なものなのだろうとわかるブーツであって、しかし高貴ではないというか、「ほうら、とても値の貼る、成功者にふさわしい…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった7-今考え中だ

    第7話:ハゲデブキモのはずんだ。私はたかがメンヘラおばさん。私たちはそうだった。 ひろしさんという人は、どこか不思議な人で、もう会うこともないだろう、もう声を聞くこともないだろう、ラインにアカウントは残っていても、もう連絡もこないだろう、そんなことを少しだけ、ほんの少しだけ感じさせるようなそんな人なのです。きっと、必ずもう会えっこない、声も聞けない、連絡すら来ない、そう確信するほどではないのです。何か、かすかにかすかに、虫の音が部屋の中から聞こえてくるような胸騒ぎ、そう表現したらよいのでしょうか? そんな風にそんな風にひそやかに、かすかにそんな予感は感じられるのでした。 日差しこそ暖かい。けれ…

  • 第7話:ハゲデブキモのはずんだ。私はたかがメンヘラおばさん。私たちはそうだった。 ひろしさんという人は、どこか不思議な人で、もう会うこともないだろう、もう声を聞くこともないだろう、ラインにアカウントは残っていても、もう連絡もこないだろう、そんなことを少しだけ、ほんの少しだけ感じさせるようなそんな人なのです。きっと、必ずもう会えっこない、声も聞けない、連絡すら来ない、そう確信するほどではないのです。何か、かすかにかすかに、虫の音が部屋の中から聞こえてくるような胸騒ぎ、そう表現したらよいのでしょうか? そんな風にそんな風にひそやかに、かすかにそんな予感は感じられるのでした。 日差しこそ暖かい。けれ…

  • 第7話:ハゲデブキモのはずんだ。私はたかがメンヘラおばさん。私たちはそうだった。 ひろしさんという人は、どこか不思議な人で、もう会うこともないだろう、もう声を聞くこともないだろう、ラインにアカウントは残っていても、もう連絡もこないだろう、そんなことを少しだけ、ほんの少しだけ感じさせるようなそんな人なのです。きっと、必ずもう会えっこない、声も聞けない、連絡すら来ない、そう確信するほどではないのです。何か、かすかにかすかに、虫の音が部屋の中から聞こえてくるような胸騒ぎ、そう表現したらよいのでしょうか? そんな風にそんな風にひそやかに、かすかにそんな予感は感じられるのでした。 日差しこそ暖かい。けれ…

  • <連載>1、嗅ぎまわれ駄犬・真夏の夜のホラー

    にほんブログ村 嗅ぎまわれ駄犬・真夏の夜のホラー1 その日はAスタジオで収録があった。映画のシンポジウムだ。雰囲気はとても砕けたもので、その中にはお笑い芸人も交じっていから、冗談も入り混じるような、そんなシンポジウムだった。シンポジウムは学生代表とか、社会人代表とか、先も言ったようにお笑い芸人代表とか、音楽家代表、そして文化人代表は小説を書いている俺だった。俺の座る席、その前の簡易デスクに、「作家 二宮崇」と書かれている。俺のペンネームだ。俺はそのペンネームを思う。本名ではないということだ。本当の俺とニセモノの俺がいて、本当の俺が思っていることを、ニセモノの俺は決して口外しない。その卑怯さ、狡…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった6

    にほんブログ村 もう何も考えられなくなった6 パート6:迫りくる冬と元カレあっちゃんの台頭と性とはいかに!? 冬はきっと秋の次だろう 秋が来て 次に冬がやってきたのだのだろう。それはそうなのだろうが、私がそのことに気が付いたのは、冬になってからのことだった。景色の移り変わりにもまったくもって、今年は鈍感だったし、空気の匂いや、乾き、そういったものにも、今年はやけに鈍感で、夏に買ってみたアコレのかき氷のアイスバー、これには練乳がたっぷりかかっているという優れモノなんだが………、これは8本入りのボックスが税抜き108円という素晴らしいもので、あくまでも私の推しでありましたが、そのアイスがいつの間に…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった5

    明るいは滅びの姿である 翌朝、貧しい、いや、間違えた、まぶしい朝陽に照らされて、起きた。雨戸を閉め忘れていたのだ。ひろしさんとのロング戦。よもやま話から始まって………。雨戸を閉める余裕さえなかったのだ。ベッド上で、明るい光の中で考える。昨夜、私は、オナニーを撮影し、人に見せるという行為を行った。そこにはなにも+も-もないはずだ。いや? もしかしたら、人に影響を与えた、つまり、ひろしさんにという意味になるけれど、そんな+さえあったかもしれないのだ。影響と言っては大げさかもしれない。正確に言おうと頑張ると、ひろしさんの心に多少のアメンボが作るような波紋、さざ波を起こした可能性はあるという意味だ。 …

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった2

    もう何も考えられなくなった2 パート2:キモひろしさんの要求のエスカレーションと愛ちゃん わたしなんぞがひろしさんの新たなヒマつぶしなどにはならないのだろうが、ひろしさんってば、事業の合間を縫っては私にラインだの、電話だのをしてくのである。私ももっぱら暇であるし、なおかつ構ってな部分などもあり、それらに喜んで呼応する………のだが、ひろおさんの私へのいじめかたは相当なものがあった。容姿に関してもそう、活舌に関してもそう、性格についてもそう、人生に対してもそう、なにもかもちくちくちくちくちくちくといじめてくるのだ。 「さゆりさん、今、飴玉を口中に含み、舐めまわしながらしゃべっていますね?」 むろん…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった4

    もう何も考えられなくなった4 台風一過。そしてつまりは汁。 それほど、暑いわけじゃない、かといって、寒いわけでももちろんない。熱があるような気がするけれど、たいがいそういうのって気のせいだ。何かがあって、何かのせいにしたいとき、私は、私って今熱があるんじゃないかなぁと思うのだ。というのも、これには少々わけがあるのです。中学一年生で、自律神経失調症を発症した。症状は主に、朝熱が出るというものだった。入院もした。入院は小児科だったけれど、パジャマのエロティシズムもあった。ある少年は私の腰にまたがって、股間を私の股間にこすりつけ大声で笑い続けた。夜中にナースステーションの前を低空歩行で、通り過ぎ、霊…

  • エッセイ:ガン見vs引いた目‐ズンドコ節の考察~って言ったらウソだけどw

    ガン見vs引いた目‐人がズンドコの時とるべき目線 納豆食べるとツイートしといて、目玉焼きを食べた、軽く裏切りがちなたまみです。 人ってが幸か不幸化の渦中のどちらかにいるかを決めるのは、己の主観によるものである………、ま、多少そんなところもあるでしょう。しかしね、いちゃらぶな恋愛中と、失恋した………との幸不幸の違い、昨日の夜は香港で軽ーくご飯してきた―――という方と、ど、どしよ、給料日までカップ麺で我慢か。。。という方の違い、これは明らかで、絶対的に、どちらのケースにせよ、価値観の違いはあるにせよ、前者のほうが幸福であり、後者のほうが、不幸であるとはいえるわけです。 この前、女子の友人がうちに遊…

  • 目次です。「もう何も考えられなくなった」

    ただいま絶賛頑張り中の、「もう何も考えられなくなった」の目次作りました。余りも右往左往なんで。随時更新していきますね。 連載スタート。タイトル:もう何も考えられなくなった - 今考え中だ 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった2 - 今考え中だ 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった3 - 今考え中だ 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった4 - 今考え中だ よろしくですっ!!!! ハンガーラック 木製 ポールハンガー コートハンガー ハンガースタンド 収納 衣類収納 棚 ハンガー シンプル 北欧 ナチュラル 家具 アイアン 風 おしゃれ ハンガーラック Suqule 〔シュクレ〕…

  • 連載。タイトル:もう何も考えられなくなった3

    もうな何も考えられなくなった3 死にたいっの新たなバージョン死にたーい。 まあ、だからといって、自ら、ひろしさん、オマンコお見せしましょう❤‼と申し出るのもいかがなものかという心中もお察しいただけると思う。それは大人が持っていては、少々みっともない、自意識というものからではない気がするの。もしかしたら、私はひろしさんを思いやるココロを持っていたのかもしれない。つまりひろしさんの督促を待っていたというわけ。督促もないのに、オマンコ見せる!という決意表明をされたとき、ひとはどうおもうだろうという、人への思いやり、というわけよ。駆け引きでもないし、計算でもない。恋愛至上主義女子に質問してみたわけでも…

  • 短編シリーズ 題:鶏がらスープとキムチと恋

    鶏がらスープとキムチと恋 虚構とは、ときに真実を凌駕する。この事実を実感したことのある人は、案外、多いのではないだろうか。だって、私たちは常にフィクションに囲まれて生きている。いや、育ってきた。生まれて一番に与えられるものは、ミルクや母乳、食べ物、そして衣食住に関する様々なものだろう。そのうちにでんでん太鼓的なものを、ばばあに与えられるかもしれない。ほらみろ、どうやら、人は「衣食住」という、生命を守るものだけでは生きていけないという、もしかしたら不幸な暗示が、訪れるのだ。生後0歳にして、だ。そしてたいていの人は、次に生命の存続に何ら関係のないと思われる、そう、フィクションに触れることになる。そ…

  • 短編シリーズ 題:いさむくん

    いさむくん いさむくん いさむくんは、ラインの中、会社に行く。ラインの中、いさむくんは起き、朝ご飯なんては少なめに、忙がし気に髪を直して、会社へ行く。毎日会社へ行く模様。 俺の部署にはおとこしかいないよ。いさむくんは、おのが言葉に少々のウソを混ぜてみた。確かに、いるにはいるのだ。女も。けれども、そいつは34で、その割には営業をやけにしきりたがり、そのくせ営業に煙たがられたり、嫌みを言われれば、めそめそと泣き出しそうな雰囲気がなぜか漂う、いやな女だ。だから、俺は、同僚としてとしてももちろん、友人はおろか、恋人などにしたくないし、セフレにしたって、お相手できない。俺は、仕切りたがりの女より、年増で…

  • バレないように!泣いたこと

    近所にできたバーに、早速行ってみたのは、先週の土曜日のこと。 マスターは23歳の好青年であった。 客は私一人。 「もう飲めるの?」 「いいっすよ」 「あっそ。」 勝手に座る私にマスターはこうおっしゃった。 「いとうっす」 見るとネームプレートに「いとうゆうすけ」と書かれている。 「あっそ。ゆうすけくん。じゃ、ハイボールね」 「何がいいっすか?」 実は私、1杯目は無料という立て看板の文字に惹かれたのと、お昼の2時から飲めるあたりに惹かれたのだった。 さすがに…戸惑う私。1杯目でタリスカ―10年を頼むのは気が引ける。 「あの、ジャックダニエルいいっすか?」 「はい!」 音楽はヒップホップが好きなん…

  • 連載スタート。タイトル:もう何も考えられなくなった

    もう何も考えられなくなった パート1:独り言。そしてキモひろしさん 歳のせいなのか、最近独り言が増えたなと感じる。そういえば、子どこものころ、隣には小堀さんというお宅が住んでいたが、奥さんとお子さんがこぞって広島に帰省した折、ご主人が、台所で大きく両手を挙げて、伸びをしながら、 「あーーーーあ、さてと」 という、少々、哀しみを含んだ、掛け声を独りごちたのを目撃したとき、大人とは、大人の男性とはという、新鮮な述懐を覚えたのを覚えている。それはおそらく、私が小学4年生くらいの時だったと思いだすのだが。 さて、「さて」、という言葉には、何の意味もない接続詞のようでもあるが、ところで、と言い換えてもい…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ラヴィルさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ラヴィルさん
ブログタイトル
今考え中だ
フォロー
今考え中だ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用
今考え中だ

フォローできる上限に達しました。

新規登録/ログインすることで
フォロー上限を増やすことができます。

フォローしました

リーダーで読む

フォロー