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陽西三郎
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2019/10/04

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  • 右が左、左が右・・・

    カーブミラー 男は車を運転していた。 T字路の曲がり角にさしかかった。男は前方のカーブミラーを見ながら一時停止した。カーブミラーには前方道路の左側に車はなかった。男はT字路をスローで右折する。対向車はない。 その時だ、急に左側から高速スピードで一台の車が疾走してきた。男は急ブレーキをかけた。車はギーギッツと音を上げて止まる。左からの対向車はカーブミラーに写らずスッと消えた。 車は来なかった。男の見間違いだったのだろう。カーブミラーに写った影を車と見間違えたのだ。男はそう判断して、車を再び右折進行した。 男の運転した車は本通りに出た。男は車を運転しながら、さっきのカーブミラーに写っていた車の影の…

  • 赤バナーのレイに囲まれて

    赤いハイビスカス そこは三方を壁に囲まれた小さな広場だった。 その小さな広場は、私が友人・Kを訪れたO市にあった。 五年前に知り合ったKはこのO市に住んでいるはずだった。 1 東京で知り合ったKは三年前故郷に帰っていった。せっかく知り合って仲良くなったのに残念だ、もし、O市の近くに来るようなことがあれば、ぜひ立ち寄って欲しいとKは心を込めて言ってくれた。 Kと私は知り合ってすぐ仲良くなった。同じ趣味が起因したのだろうか、話す内容が多岐にわたっていても会話が途切れることはなかった。二人が行ったことのある場所もほとんど一緒で、まるで双子の兄弟のような親しさで接していた。 私とKは二日を開けず互いの…

  • ワイワイガヤガヤ

    グレムリングッズ 男はゲームセンターに足を運んだ。 何年ぶりのゲームセンターだろう。 昔のゲームセンターとは様子が違う。 小さな子供づれの家族や子供たちが多い。 なんだか健全な場所になっているようだ。 男は一つのゲーム機に目を止めた。 昔映画で見た宇宙怪獣のようなぬいぐるみがタクサン置かれている。それをどうするのだろう。 上の方にクレーン機のようなものが吊り下げられている。 もしかしたら、そのクレーンでぬいぐるみを釣り上げて空いている空間に落とせば、前の出口から出てくる仕組みなのか。 ボタンを押してクレーンを動かし、クレーンの先っぽ(アーム)でぬいぐるみを挟んで穴に落とせばいいのだろう。 男は…

  • 影の影響

    影を写す 男は影を写した。 影を写して、その形を保存すると光の部分、つまり本物の肉体が滅びないと古書にあった。 自分の影を写し続けると、その影が形を保ったまま肉体の老化を防ぐと言うのだ。 まるで「ドリアン・グレイの肖像」のようだ。 ドリアンの場合は、実際の肉体は老化しないが、絵の中の肖像画が年月にふさわしく老化していく小説である。 影の中の陰画は暗黒であるので老化することはない(いや、老化が影に吸収されて見えない)。 しかし、その代償として何かを要求されるのではないか。 ドリアンは若さを得てその傲慢さで悪に染まったが、老化した肖像画をナイフで切り裂いた後、自分に刃が跳ね返って自死することになる…

  • 架空座談

    三頭会談 A おう、ひさしぶり。 B そうだね。何年ぶりかな? C もう、3年はなるよ。 A もう、そんなになるのか。 C だいたい、そうだね。 B でも、ひさしぶりに会ってもお互いあまり変わらないね。 A いつもここで会って、この椅子にすわって喋っていたな。 B まあ、ここが一番安心するからね。 C というより、俺たちあまり金がないから、いつも手持ちの飲み物食い物を持って、この席を指定席にしているんだからね。 A まあ、そういわず、指定席なのだから、特別だと思って座ればかなりいけるんじゃない。 B つつと言うか。誰も座らない指定席は特別仕立てだよ。 C まあ、価値あるものと思えば何でも特別だ…

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