はじめまして、わたしの名前はルー。 10歳の女の子だよ。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆真也は残業を終えて帰ろうとしていた。終電にギリギリ間に合うかという時刻で、オフィスにはもう他に誰もいない。窓から見える空も、真っ暗だった。「………ん?」ふと、真也は目を凝らした。何気なく見ていた窓に、見慣れない『何か』が写っていた。「ヒッ!」幽霊だった。血の気のない真っ白な皮膚に落ちくぼんだ目。骸骨に皮一枚被せただけのように痩せ細った男が、陰鬱そうに目を細め、窓の外からこちらを見ていたのだ。「ぎゃああああああ!」真也は悲鳴を上げ、オフィスから飛び出した。家に逃げ帰りながら真也は、そういえばうちの会社は、夜になると幽霊が出るという噂があったのを思い出した。「そ…
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ある日、友恵はとある神社におみくじを引きに行った。その神社には「恋愛運」を占う専用のおみくじがあり、これが百発百中と言えるほどよく当たるとSNSで話題だったのだ。友恵にはどうしてもこのおみくじを引きたい理由があった。それは、同じ職場の先輩である竹中さんと自分の相性を占いたかったからだ。友恵は前から竹中さんが好きだったが、かっこ良くて仕事もできる竹中さんは女性の間で競争率が高かった。噂では、友恵の同期でミスT大の美紀も、竹中さんが気になっているとの事だった。けれど、彼への想いは誰にも負けていない自信がある。友恵は竹中さんと結婚したいとまで思っていた。「……よし…
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆近頃、家のいたる所からきしむ音がする。築50年の木造建築である我が家では、もともと壁や床などがパキパキ音を立てることが多かったが、先日この地域で地震があってから、さらに多くなった気がする。「……この前の地震で倒壊してしまった家もあるみたいだし、うちも念のため、メンテナンスしようか」夫の提案で、我が家はひとまず耐震診断を受けることになった。結果によっては、大がかりな修繕工事をしなければならないだろう。費用の家計への負担を考えると、私は気が滅入った。しかし私の不安をよそに、診断をしてくれた業者の人はこう言った。「強度には全く問題ありません。そんなにきしむはず無い…
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆「ママ、はいこれ!」「まあ……綺麗な花かんむり。ゆきこちゃんが作ったの?」「そうだよ!きょうはママの誕生日でしょ?だからプレゼント」「ありがとう……大切にするわ。ゆきこちゃんは昔から器用ねぇ」「えへへ。裏山にたくさんお花が咲いてる場所があってね。すごく綺麗だったから、ママへのプレゼントに使おうって思ったの。今度、そこにも一緒に行こうよ!」「ええ、そうね。ゆきこちゃんは足が悪いし、次は必ず私も一緒に行くわ」「大丈夫だよ?ゆきこ、杖もってるから」「それでも心配よ。もし徘徊したまま帰ってこられなくなったら……」「……ママ?」「い、いえ。何でもないわ」「ふふ。ママ、…
こんにちは、ルーだよ。今日はもうすぐこどもの日ってことで、「子ども」をテーマにしたホラー映画を7つ紹介するよ!無邪気な子供たちが想像を絶する恐怖に出会ってしまう映画や、子供とは思えないおぞましい子供に戦慄させられる映画などなど、ホラー映画として完成度が高いだけじゃなく、親子の愛情や、子供視点ならではのワクワク感を楽しめるものもあるよ。 1「スケアリーストーリーズ 怖い本」 次の主人公【ぎせいしゃ】は、あなた。 作家志望の少女ステラはある日、友達たちと訪れた幽霊屋敷で、一冊の本を拾う。「スケアリーストーリーズ」と題されたそれは、現実の人間を主人公(犠牲者)に、ひとりでに物語を紡ぐ恐怖の本だった。…
意味が分かると怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「私さー、未来予知できるんだ」クラスメイトで友達の色葉にいきなり言われ、陽菜は面食らった。「何変なこと……」「ホントだよ。次の授業、国語のテスト返しだよね。陽菜の点数は72点だよ」そう言って色葉は自分の席に戻った。国語担当の山谷先生は先月、肺炎を移されて亡くなっていた。教頭先生に無理やり飲みに連れて行かれた1週間後だった。なので、代わりに陽菜達の担任の先生が国語の答案を返した。陽菜が自分の答案を見ると、色葉の言ったとおり72点。「ね?ホントだったでしょ」休み時間、陽菜の机に肘をついた色葉がしたり顔で言う。「いや、たまたまでしょ。てか急に何言い…
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ずっと雨が降っている。ずっと昔、わたしは小さな屋根裏に押し込まれて、そのままここで暮らしてる。屋根に一番近いここは、雨の音がよく聴こえる。パタパタ……バタバタバタバタ……最初は大きな音がこわくて、でも次第に慣れていった。今度はうるさいと思うようになって、それにもやがて慣れていった。それくらい、長いあいだここに居た。雨はきらい。雨の音は、わたしがここでひとりぼっちな現実を突きつけてくる。「わたしはどうして、ここに居るんだろう」自由になりたい。外に出たい。明るい太陽の光を見たいの。雨が多いこの辺じゃ無理かもしれないから、遠くの、天気のいい場所を探しに行く。「行…
意味が分かると怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆「あれ、聞こえない」3ヶ月しか使ってないイヤホンが、壊れて片方聞こえなくなってしまった。「まあコレ安物だしな…」諦めて片方だけ耳にかけて使う。バイトの給料入ったら買い換えよう。自分の部屋で音楽を聞いていた俺の元に、電話がかかってきた。「はい」『あ、悠斗?』「おう秀幸。何?」『……お前、音楽聴くの好きだよな』「おう!唯一の趣味だからな」『スッゲェおすすめの曲があるんだけど、聴く?』「ほんと?聴く聴く。教えて!」『サイトのURL送るから、そっからダウンロードして聴いて』「サンキュー」大学の友人の秀幸に言われて、俺はそのサイトを開いた。「曲のタイトル…
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆「着物の女の子?」中学生の紗和は、学校帰りに友達の良佳と話していた。「うん。あそこのお寺にいつもいるんだって。ここら辺じゃ見かけない子。でね、その子、いつもお面をつけてるらしいの」「何か気味悪いね」「……ちょっと見てみたいと思わない?」「………。暇だもんね」非常に些細な好奇心で、2人はお寺に向かった。「あ、いた」赤い着物を着た5歳くらいの少女が、本堂にちょんと腰掛けていた顔には確かに、黒と赤の奇妙なお面をつけている。「よし。じゃ行こっか」「え?何しに行くの」「何って……紗和も見たいって言ったじゃん。お面の下の顔」「そっち?」「何か怪談みたいでドキドキする」「…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている怖いお話を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆考えたことはあるだろうか。何気なくTVをつけると流れる朝のニュース。出演しているキャスターは、何時に家を出ている?「行ってきます」新人アナウンサーの明日美は、玄関を出る前に一応声をかけた。返事はない。当たり前だ。シングルマザーなので、この家には自分の他に、小1になったばかりの娘の今日子しかいない。そして、現在時刻は午前2:00。「まぁ寝てるよね……」『自分もまだ寝てたい』と頭の隅で思いながら、玄関の戸を閉め、タクシーで現場に向かう。約40分後に放送局に到着し、そこから一時間かけて今日の放送の打ち合わ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている怖いお話を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆「ここから出たい」それ以外に思考できなくなっていた。四方をコンクリートの壁に囲まれた暗い独房。寝床やトイレはおろか、窓や通気口さえもないのだから、殺風景どころの騒ぎじゃない。今は第二次世界大戦の最中。東側諸国陸軍の主戦力だった俺は、一週間前、下手を打って西側の奴らに捕まった。捕虜となった俺が連れて来られたのは、このコンクリート製の独房。ここには、生活する為の物が何もなかった。いや、厳密にはほんの僅かな食料がある。ここへ来て最初の数日、敵の兵士が一日一度、少量の食料をこの部屋へ運んで来てくれていた。そ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ジェニーの息子のベンはある日、交通事故で全身不随の怪我を負った。 「意識はまだ戻っていません。 しかし、意識が戻ったとしても、自分で動けるようになるかどうか……」 医者はそう言った。 「大丈夫。ベンはすぐに目を覚まして、動けるようにもなるわ」 ジェニーは自分にそう言い聞かせ、病室で植物人間となったベンの世話をした。 しかしそんな思いも虚しく、ベンが目を覚まさないまま半年の月日が流れた。 「そんな……まさか、一生このままだっていうの?」 ジェニーは急に不安になった。 運動神経がよく…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている怖いお話を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アンジーは高校からの友達のテレサと2人でクリスマスパーティをした。 「クリスマスに女2人だなんて泣けるわ」 「仕方ないわよ、他の友達はみんなお相手がいるもの。 いい加減、私達もいいパートナーを見つけないとね」 2人は持ち寄った料理を食べながらそんなおしゃべりをした。 「ねぇテレサ、何か面白い話でもしてよ」 「そうね……」 テレサは少し考えて言った。 「じゃあ、エイズメアリーって知ってる?」 「エイズ……?何それ」 テレサは話し始めた。 「都市伝説みたいなものよ。 ある国を訪れた男性が、行きずりの女…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ユキの家の近くにあるレストランは、シチューが絶品なことで有名だ。 レストランに来る人のほとんどがシチューを注文するほどだった。 ユキもそのシチューがお気に入りで、高校の帰りによく友達とそのお店に寄り道して食べていた。 ある日、ユキがいつものようにそのお店でシチューを食べていると、 近くの席に座っている男性が、シチューを食べるユキをうらやましそうに見つめていた。 「なんか、そんなに見られると食べづらいな……」 その男性は自分ではシチューを頼まず、他の料理を食べていた。 その男性はお…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ハナは、友達のトオル、セツナの2人に話をしていた。 「今から怖い話するね。 あるホームページで、怪我をした動物のための寄付を募っているものがあったの。 そのページには、傷だらけで今にも死にそうな犬や猫の写真が載せられてて、見た人は不安になったんだけど、 その動物たちが次第に回復していく写真も順を追って載ってたから、 みんな安心して、そのホームページで寄付をしたの。でもね……」 そこで、セツナが口を挟んだ。 「あ!それ分かる。 実は写真は日付が逆になってて、 次第に回復したと見せか…
リビングからニュースを伝える声が聞こえてきた。 『世界的な食糧危機の影響により、政府は市民の食料の購入を制限し、 食料を全て配給制にする方針を固めました』 シェイラのお父さんとお母さんは、不安そうに顔を見合わせた。 「食糧危機の話は聞いてたけど、こんな事になるなんて……」 「買い物ができないってこと?配給って、十分にもらえるのかしら……」 2人の様子を見てシェイラも心配になったが、 数日後、政府から届いたダンボール箱を見て、少し安心した。 大きくて重いダンボール箱が、10箱も届いたからだ。 ひと箱めを開けてみると、パンや肉、野菜、果物がたくさん入っている。 「これだけ食料があれば、買えなくても…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている怖いお話を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 人形の中の人形の中に、また人形。 「ふふ、これ面白いかも」 シェイラは、お父さんからもらったマトリョーシカという人形で遊んでいた。 外側の人形は大きいけれど、中にいくほど人形はどんどん小さくなっていく。 『「マトリョーシカ」には、「お母さん」という意味があるんだよ』 人形をくれた時、お父さんはそう言っていた。 シェイラは一番最後の人形を取り出した。シェイラの小指くらいの大きさだったが、 中が空洞になっていて、一応、入れ物として使えるみたいだ。 「こんなの、よっぽど小さいものしか入らないじゃない」 …
リビングからニュースを伝える声が聞こえてきた。 『妊婦のナターリヤ・キルホフさんを殺害し逃走していた犯人がたった今逮捕されました』 「え……ナターリヤ・キルホフ?」 シェイラのお母さんの名前だった。 お母さんが殺害された……? ニュースの声が続ける。 『逮捕されたのはナターリヤさんの夫のアーノルド・キルホフ容疑者であり、 遺体の場所について、 「娘にあげたら喜んでいた」などと意味不明な供述をしているとの事です』 シェイラは困惑した。 お父さんがお母さんを殺した? そんなわけない。 お父さんは優しいお父さんだもん。さっきだって、 私にお土産の人形をくれて…… シェイラは、自分の手の中にある人形を…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「……あ、雨!」 ナンシーは空を見上げて微笑んだ。 科学の発展により、人工的に雨を降らせることのできる機械が発明された。 その名も人工製雨機。 ケースの中に水を入れてセットすれば、それを特定の地域で空から降らせることができる。 この機械は干ばつの多い地域に導入され、多くの人々を水不足から救った。 ナンシーの住む地域もその一つだ。 「お母さんやったね!これで今年も、飲み水や作物に困らなくて済むね」 「ええ。それも、 人工製雨機の操縦者として働いてくれているお父さんのおかげだわ」 灰…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 今回のお話はちょっと長いよ! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ フィオナが目を覚ますと、見知らぬ部屋にいた。 「どこ……?」 一台のベッドとテーブルがあるだけの殺風景な部屋。 頭にもやがかかったようで、どうやってここへ来たのか覚えていない。 ふと、自分の服がコーンスープのような黄色い液体にまみれているのに気がついた。 「やだ、何これ……」 お気に入りの服だったのに。 いや、そんな場合じゃない。とにかくここから出て、家に帰らないと。 フィオナは、その部屋に固定電話があるのに気づき、 警察の番号へ電話をかけた。 『フ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげる。 今日のお話はちょっと長いよ! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「うわっ」 何か轢いた。 学校の帰り道、自転車を漕いでいたサトルは、 道端にうずくまっている変な生き物にぶつかってしまった。 見ると、一見人間のような見た目をしているが、 手足はありえないほど細く、瞳は今にも飛び出しそうなほどギョロリとしている。 皮膚は青白く、頭には髪の毛が一本も生えていない。 「何だこれ……?」 奇妙に思い、サトルが近づくと、 『宇宙人じゃよ』 生き物が喋った。 「わっ」 『全く、地球人は外部の者に対する礼儀も知らんのか』 宇宙人と…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ チエリの弟のツトムには、小さい頃から変わった癖がある。 それは、家族を「略称で呼ぶ」というものだ。 例えば、母さんは「かあさん」→「かん」 父さんは「とうさん」→「とん」 チエリのことは「ねえさん」→「ねん」 と呼んでいた。 なぜそんな呼び方をするのかとツトムに聞いたところ、 「全部言うのが面倒くさいから」だそうだ。 最初はなんて変な癖だと家族全員が思ったが、 次第に「面倒くさがりなツトムらしいな」と、かえって愛嬌があるように感じてきた。 なので今では家族の誰も、ツトムのその「変…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ カールの友人のダドリーは大規模農園の経営者をしており、 大金持ちとは言わないまでも、かなり裕福だった。 ダドリーはある日、一緒にお酒を飲もうとカールを家に招いた。 外観のいい大きな家の庭には馬が2頭、柵で囲まれていた。 応接室に案内され、黒人の召使い数人がカール達にお酒と食事を運んでくれた。 カールはこの日、とある算段をしていた。 それは、羽振りのいい友人であるダドリーに、自分の飼っている乳牛を買ってもらう事だ。 お酒の席でダドリーの気分がいい時を狙い、ビジネスを持ちかけようとい…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆あたし、ラッタ。 あたしは、とある物語の主人公。 平和な国の平和な町で、やさしいお父さんとお母さんに育てられて、 毎日、大好きな友だちと一緒に遊ぶ。 そんなしあわせな物語。 けれど、「作者」っていう人が物語を書くペンを止めると、 あたしたちの時間もそこで止まる。 そして「作者」が続きを書きはじめると、 また、あたしたちの時間は動くの。 自分が物語の登場人物だって気づいてから、あたしには、 たくさんの人が本のページをめくって、あたしたちの物語を見ているのもわかるようになった。 あたし…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アレックスは友人のダミアンに愚痴を言った。 「俺、毎日5時間は高速バスに乗るんだけどさ。 その途中、いっつも知り合いのおばあさんが俺に話しかけてくるんだ。 話しかけないでくれって言っても聞いてくれないし。ほんと迷惑だよ」 ダミアンはたしなめるように言った。 「それはちょっと酷いんじゃないか? 知らない人ならまだしも、 知り合いが話しかけてくれてるのに、邪険にするのは良くないよ」 「え......そうかな? 分かった。次からちゃんと話すようにする」 翌日、アレックスの乗ったバスは事…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 人気俳優のフョードルの浮気報道に、彼のファンであるマリヤはショックを受けた。 演技の実力はもちろん、仕事と家庭への思いやりを両立させる理想の父として有名だった彼が、 まさか妻や子を裏切る真似をするなんて。 部外者の自分が、他人であるフョードルの浮気に気をもんだ所で、何も出来ないのは分かっている。 しかし一人のファンとして、マリヤは悲しくなった。 部屋で一人沈んでいると、友人のリアナから電話がかかってきた。 「フョードル、浮気してたってね」 リアナは言った。 「ええ、本当にショック…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ シンディは友人のキャシーとパソコンの画面越しにお喋りをしていた。 手元にはお酒やおつまみ。いわゆるオンライン飲み会だ。 よく「オンライン飲み会って楽しいの?」なんて言われるが、 自宅でリラックスしながら離れた場所にいる友人と楽しくお喋りできるので、 シンディ達はわりとこれが気に入っていた。 「それにしてもキャシー、ちょっと飲み過ぎじゃない?」 「あはは、良いじゃない。ストレス発散よ」 会話もはずみお酒も進んでいた頃、 突然、シンディのパソコン画面が動かなくなった。 画面に映るキャ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ シモンとディーナは、同じ病院の、同じ病室に入院している、小学生の男の子と女の子。 それぞれ病気にかかり、長い間ずっと一緒の部屋にいた。 同い年の2人はすぐに仲良くなり、やがて、なんでも話し合える親友になった。 ディーナは、毎朝起きると、シモンにその日見た夢の話をするのだった。 お城のお姫様になって、素敵な王子さまにプロポーズされる夢。 世界中を旅してまわる夢。 あこがれのTVスターと握手をする夢。 夢の話をするディーナは本当に楽しそうで、 シモンは、そんなディーナの話を聞くのが好…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ レイコは最近、娘のミナの成績が心配だった。 小学校の低学年までは、学年で一番成績が良かったミナだけど、 どうも最近、勉強に集中出来ないみたいで、成績が下がってきていた。 何度訳を訊いても、ミナは何も答えない。 勉強が嫌いというわけではないのに、一体どうしたのだろう。 レイコは買い物帰りの道を歩きながら考えていた。 道端で遊んでいたわたしは、レイコが通りかかったので教えてあげた。 「ねぇ、ミナが誰かにいじめられてないか、確認した方がいいよ。」 突然声をかけられ、驚くレイコ。 「あな…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ リンマは、SNSを通じてボランティアをしている。 貧しい国の学校に通えない子ども達のために、 お金や衣類の寄付を集めたり、署名を募ったりするのが主な活動内容だ。 「学校に通えない子どもを1人でも減らすために、私にできることをしたいです」 リンマはそう言っていた。 そんなある日、「キフォー」というアカウントが、リンマの活動を支援してもいいかとメッセージを送ってきた。 リンマはお礼を伝え、活動への参加方法を教えた。 数日後、アフリカ大陸のある国で大量虐殺が起きた。 殺されたのは貧しい…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ あるところに、とても繁盛しているスーパーがあった。 そのスーパーのレジ係は非常に手際がよく優秀で、 いつも人で大賑わいのスーパーなのに、レジが滞ることは一切なかった。 しかし、その中で特に優秀なレジ係のマリッサのレジカウンターに、 変な客がやって来るようになった。 その客は、レジでの全ての動作がとにかくモタモタしていた。 前の客の清算が終わってもなかなか買い物かごをレジに置かない、 商品をスキャンする直前で「やっぱりこれは買わない」といくつかの商品を棚へ戻しに行く、 「小銭を出さ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ガタガタという音と揺れで目を覚ます。 「またか……」 布団から上体を起こし、トモハルは地震情報を一応スマホで確認するが、 日本のどこでも地震など起きていない。 そう、この家だけだ。 毎日毎日、真夜中に激しい揺れに襲われるのも、 食器がひとりでに棚から落ちたり、水道の水が勝手に流れたり、畳んでおいた衣類がめちゃくちゃになっているのも、 全部この家に来てからだ! トモハルは訳あって最近この一軒家に一人で越して来た。 そしてそれからというもの、ずっとこのポルターガイストのような現象に頭…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ サユリはロボット掃除機を買った。 円盤型で床を自動で動き回りゴミを吸いこんでくれる例のアレだ。 今までは部屋を掃除するときは手動で掃除機をかけていたが、 ロボット掃除機ならボタン一つで勝手に床掃除をしてくれる。 しかもサユリが買ったのは最新式のもので、 動き回れる範囲も広く、容量も大きい優れもの。 おかげで掃除がとても楽になり、サユリは満足していた。 そんなある日、 サユリが会社から帰宅すると、ロボット掃除機が床を動き回っていた。 どうやら電源をつけっぱなしで出かけてしまったらし…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 戦争中の敵国へのスパイ行為がばれたケビンは、 捕らえられ、電子爆弾とともに幽閉された。 あと3時間で爆弾は爆発。 最期の電話を許されたケビンは、恋人のメイベルに電話をかけた。 恋人とは言うが、メイベルは敵国の政府関係者であり、 ケビンは彼女から敵国の国家機密を聞き出す策略のためだけに、彼女に近づいたのだった。 しかし恋人として振る舞ううちに、 自分の国のために懸命に努力するメイベルの姿に、ケビンは本気で恋に落ちてしまっていた。 プロポーズをするための指輪も用意していた。 ここで死…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「......自転車?」 自宅の押し入れの中を見つめ、チトセは呟いた。 普段は使っていない、空の押し入れ。 なのに今日、ふと洋服を収納しようと思って開けてみると、 見知らぬ一台の自転車がそこにあったのだ。 チトセは一人暮らしなので、自分の知らない間に押し入れの中に自転車を入れる人などいない。 「ストーカーの仕業?いや、ストーカーは普通こんなことしないか……」 そう呟いて、チトセは自転車のベルに小さなキーホルダーがついているのに気づいた。 確かこれは、同じ大学の友達のユウリが持って…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「パパ!あっちに人魚姫がいたよ〜!」 娘を連れて海に遊びに来ていたヒロユキは、 『サメに注意!』と書かれた看板をここへ来る途中で見たことを思い出し、顔面蒼白になった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ……意味は分かったかな? ヒロユキの娘が見たのは、 サメに丸呑みにされている途中の人間だったの。 「人魚」は上半身が人間、下半身が魚という伝説上の生き物。 上半身だけをサメの口から出している人を見て、娘さんは「人魚姫」だと思ったみたいだね。
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 鍵をかけた自室で1人、レミは呟いた。 「学校なんか大きらい。みんな死んじゃえ......!!」 彼女は自分の身に迫る危険を知らなかった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? レミは、「学校なんか大きらい。みんな死んじゃえ」と、 SNSで「呟いた」。 レミが学校になじめていないことは、レミ自身の言葉から分かるよね。 そんな子が、学校の人たちについて悪く言っていたなんて、 学校の人たちに知られたら、レミの立場は一体どうなるのかな。 いくら鍵をかけた部屋に1人でいた…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ドッペルゲンガーとは、自分と瓜二つの姿をした分身で、 自分のドッペルゲンガーに会うと死んでしまうらしい。 「そんなの迷信でしょ」 学校の友達からそんな話を聞いた帰り道、シホは独り言を言った。 その時、前方にシホの双子の妹、リホが歩いているのが見えた。 シホは元気よく声をかけた。 「リホ!一緒に帰ろう」 「え......誰ですか?」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? シホが声をかけてしまったのは、双子の妹じゃなくて、 自分のドッペルゲンガーだったの。 リホだっ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ トムの乗っていた飛行機が、真夜中に荒野に不時着した。 「助けが来るまで行き延びないと......」 暗く視界が悪い中、トムは枯れた草木をかき分け、食料になりそうなものを探した。 すると、信じられないものを見つけた。 なんと道端に、立派な鳥の丸焼きが落ちているのだ。 「天の助けだ!」 トムはすぐにそれを拾い上げ、口にした。 肉は蒸し焼きのようで、とても美味い。 多少土がついていたものの、空腹で遭難しているトムは気にならなかった。 「しかし、辺りに人もいないのに、何でこんなご馳走がこ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アレックスはがん検診を受けることにした。 病院でさまざまな検査をしてから一ヶ月後、結果が届いた。 【検査の結果】 悪性腫瘍の数.........0! 「よかった。異常なしか。 それにしても『0!』って......やけに勢いよく教えてくれるんだな」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 「0!」は、「0の階乗」という意味。 「階乗」っていうのは、「その数までのすべての数をかけた値」のこと。 たとえば、「3の階乗」なら、3×2×1=6。 それなら「0の階乗」は、0に…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「ほんとだって!見たんだ。 夜、病院横の墓地のところで、 誰もいないところに向かってお辞儀した人がいたんだよ!」 タカユキは興奮ぎみに話す友達のサトシの話を聞いていた。 サトシいわく、昨日たまたま夜に病院横の墓地の前を通りかかった時、 前を歩いていた人が、誰もいない前方に向かって頭を下げたのだという。 「見間違いじゃないのか?」 「違う!確かに見たよ。 それに俺だけじゃない。クラスのみんなに聞いたら、 他にもあそこの道で、誰もいないところに向かって頭を下げる人を見たってやつが何人…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「口裂け女」は、言わずと知れた日本の都市伝説。 子どもに『私、綺麗?』と声をかけ、綺麗だと答えるとマスクを取り、 『これでも綺麗か』と、耳まで裂けた口を見せ、そして殺してしまうという妖怪だ。 「口裂け女とか、私が子どもの頃はものすごい話題だったわね......」 サトミは公園のベンチに腰かけながら、昔を振り返った。 今でこそ「ありがちな嘘っぽい都市伝説」のようになっているが、 口裂け女は当時、社会問題となるくらい話題で、 多くの子ども達に恐怖を与えたものだった。 一説によると口裂…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ナオヤは、友人のミナトと映画を観に来ていた。 劇場に入る前、2人ともポップコーンを買った。 「やっぱ映画と言えばポップコーンだよな」 「あぁ。そういやナオヤ、サブリミナル効果って知ってる?事故」 「何それ?」 「アメリカの映画館で、 映画フィルムに【ポップコーンを食べろ】っていうメッセージを一瞬映すっていうのを何回もやったら、 その後、ポップコーンの売り上げが上がったんだって。事故。 そこから、映像に一瞬、本題と関係ないメッセージを混入させると、 それが映像を見た人の潜在意識に影…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ケントは売れっ子の漫画家。 デビューして5年間ずっとうだつが上がらなかったが、 去年から描き始めたゾンビ漫画のショッキングな描写がうけ、一躍人気となった。 ショッキングなものは、いやでも印象に残る。 ゾンビの飛び出す内臓、大量の血、残忍な殺害の描写は、 読む人に強烈な印象を与え、そのぶんファンも急増したのだ。 中でも、ゾンビが殺されてバラバラに解体され浴槽に詰められるというシーンは、 作品中で一番ショッキングで面白いと話題を呼んだ。 一部から厳しい批判もあったが、ケントは特に気に…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ユナの住んでいる地域は昨夜、台風に見舞われた。 風がものすごく、ニュースでは風圧で木が倒れたり窓ガラスが割れたりする被害が出ていると言っていた。 1人でいるのが怖かったので、ユナは昨夜は2階の自室ではなく、 お父さんとお母さんがいる1階の部屋で寝た。 台風が通りすぎた朝、ユナの家族は家の周辺に異変がないか見回ることにした。 ユナのお父さんが先に家を出て、辺りを見回すと、一言こう言った。 「うちの家はかわらないよ」 うちの家は変わらないらしい。安心してユナは外に出た。 ◆◆◆◆◆◆…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 就職浪人をしている息子が心配で電話をかけた。 「あんた、大丈夫なの?」 「大丈夫だよ。ちゃんと就活してるから」 一ヶ月後、息子は死んだ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 息子は「就活してる」じゃなくて「終活してる」、 つまり、死ぬ準備をしてるって言ってたの。 仕事に就けなくて嫌になっちゃったのかな。 そんなに思いつめなくても、同じような境遇の人はたくさんいるのにね。
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ある旅人が森の中を通ったときに看板を見つけた。 『●●にご注意』 『熊に注意』や『落石注意』ならともかく、 『●●にご注意』では、何に気を付ければいいのか分からない。 しかし、この森に何かが出ることは分かったので、旅人は怖くなり足を速めた。 すると、前方に集落らしき家々が見えてきた。 旅人は安心し、集落の人にあの看板の意味を尋ねようと思った。 「あの、すみません...」 旅人が村人の1人に声をかけた次の瞬間、 集落の人間が全員、一斉に顔をあげてこちらを見た。 正確には「人間」では…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「あそこの家の人形、髪がのびるんだって」 「へぇ......」 「それだけじゃなくて、その人形が動き回ってるのを見た人がいるらしいの。 証拠の動画もネットに上がってるよ」 「ほんとに?」 「しかも、不気味な声がするのを聴いた人もいるんだって。 『助けて』『助けて』って......」 「こっわ......何か乗り移ってんのかな」 「もう幽霊しか考えられないよね......」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 「髪がのびて」、「動き回って」、「しゃべる」。 ..…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ トモヤは、友人のヨウスケと電話をしていた。 「そういやヨウスケ、新しいピアス欲しいって言ってたよな」 「うん。赤いやつか青いやつか迷ってさ、結局赤いやつ買ったんだ。 ほんとは青の方が好きなんだけどさ、赤色って、異性にモテる色らしいぜ」 「へー、ほんとに? 色くらいでそんなに違いがあるなんて思えないけど」 「それがさ、テレビで言ってたんだけど、 色が人の意識に与える効果って、けっこう大きいんだって。 他にも、赤色の多い部屋にいると時間が実際より長く感じるとか、 緑の多い場所に住んで…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「お兄ちゃんは、前世の記憶って信じる?」 リビングで本を読んでいたカズキに、妹のカナが突然そんなことを言った。 「いや......どうだろう。 もし仮にそれらしい記憶があったとしても、それって夢や想像と区別がつかないだろ? 本当に前世があるのかなんて、分からないよ」 「でも、わたしには前世の記憶があるよ。思い出したの、突然。」 変な冗談だと思ったが、そう言ったカナの表情は真剣だった。 「へぇ。カナは前世でどんな人だったんだ?」 からかい半分にカズキが訊くと、カナは意外なことを言っ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「私が家に1人でいたときの話ね。 部屋で勉強してたら、下の階から足音がするの。 パタパタ......って。 親が帰ってきたのかな?と思ったけど、 私の家はお父さんもお母さんも足がないし、変だなぁって思ってさ。 もしかして不審者かもって思って、 私、部屋にあったバールを持って1階に確かめに行ったのよ。 でも誰もいなくて、そしたら今度は、すぐ近くでパタパタ......って、また足音が聞こえるの。 その足音っていうのが、明らかに小さい子どもの足音なの。 私怖くなっちゃって、お母さんを掘…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『今日の気温は37度、熱中症に注意してください』 テレビから流れてくる気象予報を聞きながら、マナミは布団の中で寝返りを打った。 今日は会社を休んだ。朝から微熱があり、身体がだるかった。 体温を計ると、37.0℃。 風邪かと思ったが、こんな時代だし検温をしっかりして様子を見なければ。 次の日、朝起きて体温を計ると、38.0℃。 「うわ、上がってる......」 ふと、部屋が暑いことに気づく。 身体を冷やさない方がいいと思って、クーラーをつけていなかったが、 そういえば今は8月中旬だ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ヨシエの家に、アメリカからの留学生のメアリーがやって来た。 英語は少ししか喋れないヨシエだったが、辞書を片手になんとかメアリーと会話ができるよう努力した。 と、ヨシエの家で飼っているシロという犬が、しっぽを振ってメアリーのもとに駆け寄ってきた。 「シロったら、メアリーと仲良くなりたいみたいね」 ヨシエはメアリーにそう伝えようとした。その時、 「I like dog.」 メアリーが笑顔で言った。 良かった。メアリーも犬が好きなら、シロと仲良くできそうだ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ..…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 気がついたら、トオルは恋人のヒトミとともに見知らぬ部屋にいた。 暗い部屋の天井に設置されたスピーカーから、不気味な声が聞こえてくる。 「お前たち2人のどちらか一方に、死ぬほど強烈な『痛み』を与える。 『痛み』を与えられる方を、犠牲として目の前の祭壇に差し出せ。 ただし、『痛み』を与えられた後、犠牲として差し出された者が生きていれば、 もう一方の者にも同じ『痛み』を与える。」 トオルは恐ろしくてパニックになり、 とっさにヒトミの腕をつかんで祭壇の前に差し出してしまった。 「『犠牲』…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「来週の日曜、釣りに行こうと思ってるんだけどお前も来ないか?」 会社の同僚のマモルに言われ、釣りが趣味のヒロキは乗り気で答えた。 「いいな。どこでするんだ?」 「色々考えたけど、××海岸にしようかと思ってる。 あそこの木の下が多分、一番いい。」 「へぇ、××海岸ねぇ。そこってよく釣れるんだ?」 「ああ、釣った人の話とかよく聞くよ。」 「そっか。道具は何持ってけばいい?」 「太い長いロープだけ持ってきてくれ。それで十分だ」 「オッケー。ていうか、ロープで釣りなんて出来るんだ。 初め…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ハガルとカイの2人は砂漠を旅していた。 その時、近くで雷が激しく鳴り出した。 「どうしよう、ハガル。周りは一面の砂で高いものなんてないし、 このままじゃ俺たち、雷に打たれるぞ。」 「大丈夫だ。こんな事もあろうかと、背の高いものを用意しておいた」 ハガルに言われ、カイは安心した。 数分後、カイが雷に打たれて死んだ。 カイの方が、ハガルより10センチほど背が高かった。 ハガルの言った「背の高いもの」とは、カイのことだったのだ。 ところで、雷はまだ激しく鳴り続いている。 ◆◆◆◆◆◆◆…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ スティーブの住んでいるマンションの玄関には、宅配ボックスがついており、 家主の不在時に宅急便が届いたら、不在表と一緒に入れておくようになっている。 宅配ボックスに荷物が入っているときは、ボックス横のモニターに、 届け先の部屋番号が表示される。 ボックスから荷物を取ると、部屋番号の表示が消える仕組みだ。 ある日、スティーブが大学から戻ってくると、 宅配ボックスの横のモニターに、スティーブの部屋番号が表示してあった。 モニターの部屋番号をタッチすると、宅配ボックスが開く。 しかし、中…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アヤの友人のハルカが、ガンの検査入院をすることになった。 お見舞いに行くと、ハルカは、 「昨日、看護師さんが話してるの聞いちゃったんだけどね」と前置きしてから、 神妙な面持ちでアヤにこんな話をした。 「3人で写真を撮ると、真ん中に写った人は早死にするって言うじゃない? この病院で写真を撮るとホントに「そうなる」らしいの。 真ん中で写った人が、みんな病気や事故で死んでるんだって。 昨日も隣の病室で、3人で写真を撮って真ん中に写った人が死んだらしいの。 だから、もしここに他の友達を連…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ケイスケは会社の後輩のマナに呼び出されて、昼休みにカフェにやって来ていた。 「お疲れ様です先輩、調子はいかがですか?」 マナはケイスケの向かいに座ると、挨拶をした。 「いやぁ、それが今朝は災難なことがあったよ。 会社に来る途中、後ろから歩いてきた人に思いきり人にぶつかられたんだ。 あんまり勢いよくぶつかられたから、危うく車道に飛び出して車に轢かれるところだった。 急いでいたのかもしれないが、注意してほしいよな。」 「それは大変でしたね......。」 「それより、わざわざカフェな…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ノリコは、高校生の娘の帰りを家で待っていた。 もう7時半。いつもならとっくに帰ってきている時間だ。 夕食の仕度もとっくにできている。 何かあったのだろうか? そう思っていると、玄関の扉が開き、娘が入ってきた。 「エリ、遅かったわね。何かあったの?」 「うん。実は今日、帰り道の踏み切りで人身事故が起きて......」 よく見ると、エリの制服には所々、血がついていた。 跳ねられた人の血だろう。エリの目の前で、事故は起きたのだ。 エリの表情は、いつになく虚ろだ。 間近でそんな場面を見て…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ユウイチは仕事を終えて、帰途についた。 電車の踏み切りを通りがかったところ、 「カンカンカン......」 と、踏み切りの音が鳴り出した。 踏み切りが降りたので、ユウイチはそこで立ち止まった。 しかし、線路の向こう側の踏み切りが半分くらい降りたとき、 一人の女子高生が、歩きスマホをしながら線路に入ってきた。 女子高生はスマホに夢中で、踏み切りが降りていたことに全く気づいていない。 そして女子高生は、両方の踏み切りが完全に降りたことに気づかないまま、 線路を渡り終えようとしていた。…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 日本がまだ戦争をしていた頃の話。 サトウ大尉は、敵国の巡察に回らせた部隊の帰還を待っていた。 ただの巡察にしては随分時間がかかっている。 心配をしたサトウ大尉は、巡察中の部隊に無線で連絡を取った。 「こちら、サトウ大尉。状況を報告せよ。」 『大尉、大尉』 「何だ?」 『大尉、大尉、大尉、大尉』 「え?」 『大尉、大尉、大尉、 大尉、大尉、大尉、大尉..................。』 無線はそこで途切れた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 「大尉、大尉…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ジョージは、ハイキングに来た山で道に迷ってしまった。 スマホは圏外で地図もないので、 進めば進むほど迷ってしまい、自分がどこにいるか分からなくなった。 と、前方にひとつの看板が立っていた。 ジョージが看板をひっくり返してみると、 「立ち入り禁止!猛獣が出ます」 と書かれていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 今回のお話はすっごく単純。 ジョージが「看板をひっくり返してみると」、 そこには『立ち入り禁止!猛獣が出ます』と書かれてた。 つまりこの看板は、ジョ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アリシアの祖母ローズは最近、 認知症が進み、夕方になると町を徘徊するようになった。 アリシアが慌てて連れ戻すと、いつもローズは、 「エドにマフラーを巻いてあげなきゃ」 と言った。 「エド」とはローズの夫で、アリシアの祖父であるエドワードのことだった。 縫い物が好きだったローズは、 寒い日にはよく、自分で編んだマフラーをエドワードに巻いてあげていたのだった。 しかし、2人は10年も前に離婚しており、 今ではエドワードは遠くに住んでいるため、アリシア達の家に来ることはない。 だからア…
こんにちは、ルーだよ。 いつもわたしの怖いお話を聞いてくれてありがとう。 今日は、これまで紹介したお話の中で、長編のお話だけを選りすぐって見ていくよ! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【長編傑作まとめ】 1『人を殺してみたい方へ』s01ei1.hatenablog.com [あらすじ]歪んだ欲求から「人を殺してみたい」と思っている青年・オリガはある日、「絶対に罪に問われることなく人を殺させてくれる」というサイトを見つける。自身のかねてからの望みを叶えるため、オリガはすぐにそのサイトに必要事項を書き込むが......。 [意味怖クエスチョン]このあとオリガは、確かに罪に問われることなく殺人を犯すことに成…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ナオはある日、友人のサキから電話で相談を受けた。 「ねぇ......整形って、悪いことだと思う?」 思っていたより繊細な悩みを友人が抱えていたと知り、ナオは優しく励ますように言った。 「全然そんなことないと思うよ。 綺麗になりたいって思うのは悪いことなんかじゃないし、 私はサキは今のままで十分素敵だと思うけど、サキが納得できるようにするのが一番だから」 サキはそれ以来、行方をくらました。 彼女には殺人の疑いがかかっていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? …
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ トモミとユキエは、娘同士が同級生という繋がりで最近仲良くなった、いわゆるママ友だ。 トモミは今日、ユキエを家に招いてお茶をしながらおしゃべりしていた。 「そういえばユキエ、読書にはまってるって言ってたわよね」 「そうなの。それで最近、新しい栞がほしくなって、 本で読んだやり方で作ってみたのよ」 「へぇ、手作りの栞なんて素敵。見せてくれる?」 「いいわよ」 そう言うとユキエは、隣の部屋から1人の女の子を連れてきた。 ユキエが読んでいたのは、人体錬成に関する本だった。 ちなみに、「古…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 歴史マニアのコウヘイはある日、祖父の残した蔵で1つの巻物を見つけた。 巻物の表にはこう書いてあった。 『よんたらしこくゆき』 意味は分からない。しかし興味深かったので、スマホで読み方を調べながら読んでみることにした。 読み方を調べながらだと、けっこう簡単に読むことができた。 この巻物は平安時代の姫が書いたものらしく、自身の悲恋を語った手記のようだった。 「なるほどな......それにしても、平安時代は書き言葉に濁点を使わなかったのか。 知らなかったなぁ。」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ …
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ マリアは息子を探していた。 「ねぇ貴方、ジョアンはどこへ行ったか知らない?」 「あんたの息子さんならスペイン製の長靴を履いているよ」 マリアは悲痛な叫び声を上げた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 息子さんが「長靴を履いてる」って言われただけで、どうしてマリアは悲鳴を上げたのかな。 実は、 「スペインの長靴」っていうのは、中世ヨーロッパで異端審問の時に使われた拷問器具の名前で、 鉄製のブーツの中に楔を入れていって、足の骨を砕くものなんだって。 つまり息子の…
わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ A「『切る』って10回言って」 B「切る、切る、切る......切る」 A「じゃあ問題。英語で『殺人』は何と言うでしょう?」 B「KILL(キル)」 A「ブッブー、正解は『MURDER(マーダー)』でした!」 B「......。じゃあ、『切れ』って10回言って。」 A「いいよー。切れ、切れ、切れ......切れ!」 BはAを10回刺して殺した。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? Aが「切れ」って10回言ったから、BはAを10回刺して殺した。…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ その子は、皆から「汚い子」と呼ばれていた。 その子の髪や服が、いつも汚れていたからだ。 小学校でも、そのせいでずっと一人ぼっち。 見かねた担任が、その子の親と相談するために家を訪れると、 親までもその子を「汚い子」と呼んでいた。 「汚いと思うなら、なぜお子さんの身なりを綺麗にしないのですか?」 担任はその子の親に聞いた。 「だって、その子が汚い子であることに変わりはないもの」 まさかと思い、担任は名簿を確認した。 担任はその子を名字でしか呼んだことがなかったのだ。 ◆◆◆◆◆◆◆…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ エイミーは小さい頃から動物の言葉が分かり、会話をすることができた。 それはエイミーのお母さんから受け継いだ力だった。 家の周りの小鳥や犬、猫、ウサギたちは、いつも無邪気にエイミーに語りかけてきた。 『今日もいい天気だね』 『お話ししよう!』 『一緒に遊ぼう』 言葉が分かると、エイミーは動物たちのことがより可愛く見えて、 動物と話すのがとても楽しかった。この日までは。 その日、エイミーは家族で動物園に出かけた。 普段見られないような大きな動物や変わっ…
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「お母さん、お腹がすいた」 「そんなにお腹が膨れているなら大丈夫でしょ」 次の日、子どもは死んだ。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 極度の飢餓状態になると、お腹に水がたまって膨れた状態になるの。 この「お母さん」は子どもの膨れたお腹を見て、本当はお腹がいっぱいだと思ったのかな。 それとも自分も同じような状況で、 どうしようもないから見過ごしてしまったのかな。 ※このお話を無断で転用したら、 あなたもわたしの怖いお話の登場人物にしてあげる。
わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 誰もがまだ、地球は平面であると信じていた時代の話。 テオの父は船乗りで、よくテオを一緒に船に乗せて旅をしていた。 目的地は特にない。ただ、地平線を真っ直ぐに進むだけ。長旅になることが多かったので、水や食料が足りなくなることも多かった。それでもテオの父は、構わず旅を続けた。 父はよほど、船での旅に魅了されているんだとテオは思った。 ある日のこと。その日はテオと父が船旅に出て480日目のことだった。 長旅になるのはいつものことだが、こんなに長くなるのは初めてだ、とテオは思っていた。 …
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 今回は、夏だけどモミジにまつわる怖いお話だよ! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「すごーい!綺麗!」 鮮やかな秋の紅葉にはしゃぐ姪っ子のハナの様子を見て、マキノは微笑ましくなった。 シングルマザーのハナの母親が仕事で出張の間、マキノがハナの面倒を見ることになり、 ちょうど休みの日だったので、近くの山にハイキングに連れて来たのだった。 「ハナちゃん、紅葉を見るのは初めて?」 「うん!こんなに綺麗な色のは初めて。 私の家でも、お母さんが鉢植えでモミジを育ててるけど、色はずっと緑のまま…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ジゼルの友人のヴィクトリアには、変なクセがある。 それは、「握った拳を何回も縦に振る」というものだ。 ジゼルの前でも、ヴィクトリアはしばしばそのクセを見せた。 何となくだがヴィクトリアは、ジゼルと、ヴィクトリアの恋人のサイモンと3人でいる時に、よくそのクセを見せるように思えた。 彼女はもうすぐサイモンと結婚を控えているのに、 変なクセを彼に嫌がられたりしないのだろうか。 そう思い、ジゼルはヴィクトリアの家に遊びに行った時、思いきって彼女に言ってみた…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『これは人生リセットボタン。 このボタンを押すとあなたは、人生をリセットすることができるよ。』 そう言って、死神はヤマトに1つの押しボタン装置を差し出した。 ヤマトは死ぬつもりだった。 親に言われた大学、会社に入り、やりがいを見出だせない仕事をする日々。 会社ではいつもパワハラを受け、今日は耐えきれず早退してきてしまった。 やりたいこととか夢とか、そんなものは随分昔に忘れてしまった。 こんな人生はもうこりごりだ。できるなら人生1からやり直したい。 …
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 水泳部のワタルは、練習を終えてプールから上がった。 結構遅くなったので、プールに残っているのは自分だけかと思ったら、まだ他に1人残っていた。 同じ水泳部のミカだ。 「あれ、ワタルもまだ残ってたんだ。」 「おう。ミカも練習熱心だな」 「来月は大会あるからね。でも、飛び込みがどうしても上手くできなくて......」 飛び込みというのは、水泳でスタート台の上からプールの中へ飛ぶこと。 ミカは飛び込みが苦手で、いつも厳しい先輩や顧問にダメ出しされていた。 …
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「......あれ?何だこれ」 ユウキは、道端に1つの紙コップが落ちているのを見つけた。 紙コップの底にはセロテープで糸が貼り付けられている。 「糸電話ってやつかな。今どき?」 興味本位で拾い上げてみる。糸がとても長くて、 道の先まで続いていて、もう片方の端は見えない。 「ん?」 紙コップから、なにやら音が聞こえる。 『たすけて』 ユウキは思わず、「えっ」と声を上げた。 女の子の声で、確かに「たすけて」と聞こえた。 一体何があったんだ?ユウキは気に…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ジョゼフの住む街では、殺人事件が多発していた。 犯人は毎回、死体の横に綺麗な花束を添えて、まるで作品のように見立てていた。 「こんなことするのは相当、頭のおかしな奴に違いないな......」 そう言いながらジョゼフは、仕事が長引き暗くなった帰路を不安な気持ちで歩いていた。 すると、ふと自分の背後から聞こえる足音に気づいた。 チラリと見ると、コートを着た女だ。 右手には、綺麗な花束を持っている。 「まさか......」 ジョゼフは恐ろしくなった。しか…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ エリックが目を覚ますと、猫の姿になってしまっていた。 しかも周りを見ると、なぜか生き物が猫しかいない。 「ここは猫の国さ。 ゆっくりして行くといい。のんびりしていれば自然に元の世界に帰れるから」 通りすがりの猫に事情を聞くと、そういうことだった。 ずいぶん呑気なものだと思ったが、日ごろ仕事に忙殺されているサラリーマンだったエリックは、 言われた通りのんびりと、猫の国で過ごすことにした。 そんなこんなで、エリックは5年も猫の国にいたが、 ある日気がつ…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ハルとアキは仲良しのいとこで、いつも一緒に遊んでいた。 「アキってば、家でずっとハルくんの話ばかりしてるのよ」 アキのお母さんからそう聞いて、ハルは嬉しかった。 ある冬の日、アキの家に遊びにいくと、 窓に雪の結晶がついているのを見つけた。 ハルは以前にも雪の結晶を見たことがあったが、 アキの部屋の窓についていたのは、以前見たのとは全然違った。 それ以来、ハルはアキと疎遠になった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? 雪の結晶はき…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ タケルはスマホゲームが大好きだ。 とくに、ガチャを回すのはいつもワクワクする。まあ、たいていレアキャラが来るまで課金するのだが。 ところが今日はものすごく運がいい。 なんと7回も連続でレアキャラが出た! 課金せずにこんなにキャラが手に入るなんて、本当についてる。 その時、近くで雷の鳴る音がした。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? スマホゲームのガチャで最高レアが出る確率は、高くて3%。 それが7連続ということは約0.00000…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ クレイグはふと、リビングのソファで携帯をいじっている息子のコリーを見た。 携帯の画面には、内臓の飛び出た血まみれの人間が写っていた。 「何てものを見てるんだ!」と、慌てて携帯を取り上げるクレイグ。 「よく見て、パパ。ただの広告だよ」 コリーはびっくりして言った。クレイグが画面をよく見ると、 コリーが見ていたのは、ただの映画のレビューだった。 その途中に、恐怖映画のバナー広告が挟まっていたのだった。 「何だ、よかった。ごめんなコリー」 クレイグは安心…
はじめまして、わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 仙三郎の妻、お道は非常に良き妻だ。 家のことと子育てを1人でよくこなし、決して仙三郎に口答えしたりしない。 いつも仙三郎より一歩下がって、かいがいしく仕えている。 「女人は嫁(か)しては夫に従い、老いては子に従えと言いますもの。 私は当然の事をしているだけなのです」 そう言ってお道は、着物の裾で口を覆い、控えめに笑った。 仙三郎は非常に満足だった。けれどある日、 お道の友人の梨央に「見ていられない」と言われ、2人は別れさせられてしまった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ..…
はじめまして、わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「森の奥の廃墟には、幽霊が出るのよ」 ジェーンは友人のリンダからその話を聞いて、喜んでここへやって来た。 ホラー系の動画配信者をやっているジェーンにとって、幽霊が出る廃墟というのは、 ありがちだけど良いネタだった。 人気のない森の奥に1人で行くのはさすがに怖いので、リンダにも一緒に来てもらった。 「雰囲気があるわね......ここに出るのは、いったいどんな幽霊なの?」 ジェーンが聞くとリンダは、「女の子の霊よ」と言った。 「その子は動画配信をやっているんだけど、ある…
はじめまして、わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ミオは、生活習慣を整えるためにウォーキングをすることにした。 万歩計アプリをインストールし、ウォーキングする前にスタートボタンを押す。 ウォーキングが終わりアプリの表示を見てみると、今日は3500歩。 ノルマの一万歩までは遠い。 けれど運動したから、今日はぐっすり眠れそうだ。 ミオは最近よく眠れなかったりする。生活習慣を気にし出したのもそのせいだった。 ベッドに入り、眠りにつく。 翌朝、万歩計の表示を見ると、一万歩を越えていた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意…
はじめまして、わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 凶悪な殺人犯が捕まった。 エゴールという名のその殺人犯は、捕まるまでに10人以上もの命を奪っており、 さらに自分の裁判中ずっと、 「殺し足りない、殺させろ」 などと叫んでいた。 死刑が決定し、牢屋に入れられてからもエゴールは、毎日のように「殺し足りない」と呟き、 他の囚人を怖がらせていた。 しかし、そんな反省の色など全く見えなかったエゴールが、ある日、意外な申し出をした。 「俺が死んだら、俺の臓器を全部ドナーに出してくれ」 牢屋の看守は驚いて言った。 「今さら何をし…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 暑い夏の日。 マイクは、3歳になる娘のリタに、大きなクマの氷彫刻をプレゼントした。 冷たくてかわいらしいクマの氷彫刻に、リタは大はしゃぎだった。 置いておく場所がないので、クマの氷彫刻は庭のビニールプールに入れておいた。 しばらくして、マイクはお出かけしようと車を出したが、 リタは氷のクマがよほど気に入ったようで、そばを離れなかった。 仕方ないのでマイクは自分だけ車に乗り、デパートへ出かけた。 数時間後、あのビニールプールが6歳児以上用だったことを…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アカネの親友のリナが交通事故に遭って入院した。 頭を強く打ってなかなか意識が戻らず、アカネがお見舞いに行けたのは事故から3週間後のことだった。 リナの意識が戻らない間に、リナとアカネの小学校で演劇の発表会があった。 リナはその劇でシンデレラの役をするはずだったが、 結局、劇に出られなかったので、代わりの子がシンデレラをやることになった。 アカネは、きっとリナがそのことを残念がっていると思い、 お見舞いの時に、シンデレラの劇で主役を演じるリナの絵を描…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ グレゴリーは催眠術にハマっていた。 催眠術の本を買って読み、自分も催眠術が出来るようになりたいと思っていた。 ある日グレゴリーは、自分にも催眠術が出来るかどうか、友達のアントンで試してみることにした。 「いいか、アントン。この振り子をよく見て。君は、 好物のミートボールが、大嫌いなカエルに見えるようになる!」 アントンは椅子に座り、グレゴリーが持っている振り子をじっと見つめた。 そして、うわあぁ!と悲鳴を上げた。 「机!机の上にカエル......!…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ セシリーはある日、部活の先輩にビデオをもらった。 「見たら死ぬビデオだってさ。部室を整理してたら出てきたんだ。 君こういうの好きだろ」 怖い話が好きなセシリーは喜んだが、一緒にいた友達のダリアは怖がった。 次の日、セシリー、ダリア、先輩の3人とも死んだ。 誰一人、ビデオを再生してはいなかった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は分かったかな? セシリーが先輩にもらったビデオは、怖い話でよくある「見たら死ぬビデオ」。 ただひとつ他の怖い話と違う…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 小学生のヨシフの一家は、夏休みを利用して海へ旅行に来ていた。 海は水色に澄んで、イルカがたくさん泳いでいた。 海を満喫し、夕方になってヨシフ達が海辺で休憩していると、 ヨシフの妹のゾーヤがスケッチブックと鉛筆を手に、日が沈む地平線を眺めて絵を描いていた。夕焼けの海で、イルカがジャンプしている。 「今日見たものを、形に残しておきたいから」 ゾーヤは言った。ヨシフは、 「すっごく上手だね!」と楽しそうに言った。 一家が旅行から帰ってくると、あの海で少女…
はじめまして、わたしの名前はルー。 今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ あるところに、とても繁盛しているスーパーがあった。 そのスーパーのレジ係は非常に手際がよく優秀で、 いつも人で大賑わいのスーパーなのに、レジが滞ることは一切なかった。 しかし、その中で特に優秀なレジ係のマリッサのレジカウンターに、 少し変な客がやって来るようになった。 その客は、レジでの全ての動作がとにかくモタモタしていた。 前の客の清算が終わってもなかなか買い物かごをレジに置かない、 商品をスキャンする直前で「やっぱりこれは買わない」といくつかの商品を棚へ戻しに行…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ エワの住む町に、有名な占い師がやって来た。 何でもその占い師は、人がいつ、どんな風に死ぬのかを占うことができるという。 占いが大好きなエワは、さっそく次の休日に占ってもらいに行くことにした。 そして当日。 エワは占い師の店の前の行列に並び、やがて名前を呼ばれて占い師のいる部屋に入った。 マントを羽織った暗い表情の老婆が、部屋の真ん中の椅子に腰かけている。 エワはわくわくしながら訊いた。 「私はどんな風に死ぬんですか?」 老婆はじっとエワをねめつけ、…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 日本のお話。 医者の青年が、祖母に戦争の時代の話を聞いていた。 「当時、女性は従軍看護婦として野戦病院で兵士の治療をさせられたのよ。 病院には毎日たくさんの兵士が担ぎ込まれて、私たち看護婦は必死に治療に当たったわ。 戦争地にある病院だから、食べ物は毎日支給されるお豆腐だけ。 ひどい環境だったけれど、食べ物があるだけまだマシだったわ。 他の病院で働いていた友達は、2週間は飲まず食わずだったと言っていたから。」 少し懐かしむように、祖母は振り返った。 …
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ リョウのもとにある日、差出人不明のメールが届いた。 「○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○」 何のことやら分からない。 次の日も、その次の日も、同じメールが届いた。 リョウはさすがに鬱陶しくなり、返信をした。 「うぜぇ!死ね」 すると、使っている携帯の機能で、その文章に自動的に規制が入ったものが表示された。 『うぜぇ!○ね』 リョウは、自分がずっと呪われていたことに気づいた。 (解説) 意味は分かったかな? 「うぜ…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆テレンティアは最近、娘のアンフィサの成績が心配だった。 小学校の低学年までは、学年で一番成績が良かったアンフィサだけど、 どうも最近、勉強に集中出来ないみたいで、成績が下がってきていた。 何度訳を訊いても、アンフィサは何も答えない。 勉強が嫌いというわけではないのに、一体どうしたのだろう。 テレンティアは買い物帰りの道を歩きながら考えていた。 道端で遊んでいたわたしは、テレンティアが通りかかったので教えてあげた。 「ねぇ、アンフィサが誰かにいじめられ…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ リンマは、SNSを通じてボランティアをしている。 貧しい国の学校に通えない子ども達のために、 お金や衣類の寄付を集めたり、署名を募ったりするのが主な活動内容だ。 「学校に通えない子どもを1人でも減らすために、私にできることをしたいです」 リンマはフォロワーたちにそう言っていた。 ある日、「キフォー」というアカウントが、リンマの活動を支援してもいいかとメッセージを送ってきた。 リンマはお礼を伝え、活動への参加方法を教えた。 数日後、アフリカ大陸のある…
はじめまして、わたしの名前はルー。10歳の女の子だよ。今日は、わたしの知っている『意味が分かると怖いお話』を教えてあげるね。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ヘナの第一児は、体の小さいいわゆる未熟児だった。 体に異常がないか調べるため、生まれたばかりのヘナの赤ちゃんは保育器に入れられ、 しばらく病院で様子を見ることになった。 赤ちゃんはそのまま10か月も病院にいたが、無事に退院した。 退院の日、ヘナは夫と共に病院へ行き、10か月ぶりに赤ちゃんをこの手に抱いた。 すると、生後10か月になった赤ちゃんは言葉を発した。 無邪気な笑顔でこう言ったのだ。 「しねくそガキ」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ......意味は…
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