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なまずのねどこ https://nenjin.hatenablog.com

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか生き物捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

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2019/09/25

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  • 魚づくしの厳冬駿豆ドライブ

    (写真はイメージです) あけましておめでとうございます。 今年に入ってから休日出勤が続き、碌に釣りにも行けない日々… 1月最後の週末にようやく自由な時間が作れたので、静岡方面へドライブに行ってきました。 朝5時半に自宅を出発し、車を走らせること2時間弱。 東伊豆のとある漁港にやってきました。 ボウズ逃れの保険として胴突き仕掛けを垂らしながら、アカハタやウツボ狙いでサバの切り身をぶっこんでおきます。 胴突きの方には早速小刻みなアタリが。 しかし堤防の嫌われ者、キタマクラ。 しばらくキタマクラの猛攻が続き、いくつか仕掛けを失いながらも、ウミスズメ、カサゴの子供を追加。 ウミスズメは昨年式根島に行っ…

  • 晩秋の琵琶湖水系で紅紫の勇姿を追う

    11月下旬のある週末、関西出張ついでに、産卵のために琵琶湖流入河川を遡上するビワマスを観察しに行ってきました。 土日丸々時間がとれたので、土曜日は観光に徹することに。 ちょうど京大の学祭(NF)の時期だったので、お邪魔してきました。 鴨川界隈を軽くぶらつき、三条のイタリアンで昼食。 その後は琵琶湖博物館に移動。 展示水槽の破損事故の影響で、水が抜かれている状態の水槽もありちょっと寂しい感じでしたが、婚姻色のビワマスなどこの時期ならではの展示も。結局閉館近くまで展示を堪能することとなりました。ガチャポンでビワコオオナマズのキーホルダーを引き当て、琵琶博の神のご加護に感謝しながら京都に戻りました。…

  • 2023年度上半期の遠征を振り返る その2

    前回の続きです。 ■岐阜一周ドライブ 8/26(土)〜8/28(月) 湾岸弥富ICから岐阜県に入り、海津→岐阜→郡上→白川郷→高山→下呂→中津川のルートで県内を周遊した2泊3日ドライブ。どちらかというと観光要素の方が強めだったものの、合間に平野部でのガサガサ、長良川水系のアマゴ釣りなどもちゃっかり敢行。 白川郷に行くのは初めてでしたが、高山方面に抜ける国道360号線が想像以上の"酷道"でびっくりしました。高山は昔から好きな街で、今回は温泉旅館に泊まって街歩きを堪能。 最終日は中津川の川でトパーズを採取。愛知県の山奥で可愛いご当地魚・トウカイナガレホトケドジョウとの出会いを果たしてから帰路につき…

  • 2023年度上半期の遠征を振り返る その1

    1年4か月ぶりの更新です。 激務その他諸々のしがらみで、なかなかブログを更新する余裕もなく、放ったらかしになってしまっていました。申し訳ありません。 とはいえ、趣味の釣り・魚探しや旅行の方はちょくちょく(というか毎週のように)謳歌しています。東京の人波に揉まれてしおれてしまっているわけでもなく、至ってピンピンしております。 読者諸氏におかれましては、次に私の気が向くタイミングを気長にお待ちいただければと思います。 私生活の大きな変化として、横浜から湘南エリアに引っ越し、自家用車が使えるようになりました。職場から遠くはなりましたが、やはり毎週のように海や川へ繰り出す魚バカにとって車は大変便利な代…

  • 熱海の有人離島 初島日帰り旅

    お久しぶりです。 実に半年ぶりの更新となります…… 就職に伴って関東に転居しておりますが、相変わらず土日を中心に暇を見つけては釣りや旅行に繰り出す毎日です。 ブログに関しても、今までと同じようなテイストで綴っていくことになると思いますので、ご安心ください(?) 何卒よろしくお願いいたします。 さて、今回は上京後初めての島旅のお話です。 金曜の夜、仕事終わりに竹芝や横浜からさるびあ丸で伊豆諸島行き…なんてのもロマンがありますが、 なかなか機会が作れず… というわけで、熱海沖の相模湾に浮かぶ初島に日帰りで行ってまいりました。 伊豆諸島の多くの島々と同じく火山島で、静岡県唯一の有人離島でもあります。…

  • 近くて遠い秘境の島 黒島・薩摩硫黄島の旅 3日目

    1月10日。民宿の朝は早い。昨日と同じ6時半頃に起床。 健康的な朝食を済ませた後、昨日仲良くなった業者さんの車に同乗し、島の南東にある "究極の露天風呂" へと向かう。 集落から悪路を10分ほど走って到着。 名を東温泉といい、目の前の海を眺めながら岩盤をくり抜いただけの浴槽に浸かるという野趣溢れる温泉である。 城跡のような申し訳程度の脱衣所があるが、浴槽から少し距離があるのですぐ湯冷めしてしまいそうだ。浴槽の側で服を脱ぎ入浴する。 緑色がかった浴槽は3つに分かれており、源泉の弁をひねって流量を調節し、好みの温度のお湯にできるという仕組み。 少し時化ればそのまま波が入ってきそうな近さである。海水…

  • 近くて遠い秘境の島 黒島・薩摩硫黄島の旅 2日目

    1月9日。6時半に起床。朝食の前に、役場出張所へ乗船券の購入に向かう。 懐中電灯を携えて坂を登っていると、軽トラに乗った男性に声をかけられた。 この方も乗船券を買いに行くという。お言葉に甘えて乗せていただいた。 棚ぼたで離島カードの入手にも成功。 宿で朝食をいただいた後、みしまの乗船開始まで30分ほど釣り糸を垂らしたものの、朝マズメの時間帯に間に合わず坊主であった。 8時ちょうどに出港。同じ黒島の大里港を経由し、隣の硫黄島まで約2時間の船旅である。宿のお母さんがお弁当を持たせてくださった。 昨日とは打って変わって爽やかな冬晴れで、硫黄島の黄色い海面も色鮮やかに我々を出迎えてくれる。 船は予定よ…

  • 近くて遠い秘境の島 黒島・薩摩硫黄島の旅 1日目

    年明けムードも冷めやらぬ1月第2週の3連休。コロナが再び猖獗を極めないうちに行っておかねばと、薩摩半島の南方に浮かぶ三島村の2島をフェリーで旅した。 3つの有人島からなる三島村。実に単純明快なネーミングである。薩南諸島の北端にあたり、元来下七島(トカラ列島)とともに十島村を構成していた経緯から、上三島などとも呼ばれている。 人口は400人を少し超える程度。同じ鹿児島県の屋久島や奄美大島のように観光で賑わうわけでもなく、大きな産業もない。島を結ぶフェリーは週に4便のみ。南西諸島で最も九州に近い島々であると同時に、最も訪れにくい部類の島々でもある。 ただ、このような島にこそ魅きつけられるのは私だけ…

  • 県境探訪 天狗高原@高知県津野町/愛媛県久万高原町

    前回に引き続き四国の県境シリーズPart2です。 タイトルの天狗高原より、四国カルストという名称の方がピンとくる方が多いかもしれません。愛媛と高知の両県にまたがって広がる日本有数の石灰岩地帯を四国カルストと呼んでおり、ここが県境であると実感できるような構造物はほとんどありませんが、その東端にあたる天狗高原の一角に県境を示す線が引かれています。 高知県側からつづら折りの山道をひたすら辿り、ようやく四国カルストの尾根に登り詰めた場所にそれはありました。 場所は天狗高原唯一の宿泊施設『星ふるヴィレッジTENGU』の敷地内。文字の1辺が1mほどもあるため、Googleマップの航空写真にもガッツリ写って…

  • 県境探訪 雲辺寺@香川県観音寺市/徳島県三好市

    先日、丸々1週間かけて四国を巡ってきました。おでかけ頻度が減ると目に見えてネタ切れ感が否めなくなる当ブログですが、これでしばらくは間を持たせられるかも。 さて、今回はそれに関連して四国の県境をご紹介。四国八十八箇所、いわゆるお遍路の最高所にあたる雲辺寺(標高927m)です。 このお寺の鎮座する雲辺寺山の稜線が香川・徳島の県境となっているため、境内に県境が通っているという実に面白い状況になっています。四国で最もご利益のありそうな県境と評するほかありません。 香川県側の麓からロープウェイがありますが、車でもアクセスできます。僕もロープウェイ代をケチって車で登りました。ただ、ヘアピンカーブが幾重にも…

  • 鹿児島県最北端の島・獅子島を巡る

    八代海の一角、天草下島の南東方に浮かぶ獅子島。肥薩両県に跨がる天草諸島の中でも、鹿児島県側に属する有人島はそのほとんどが長島や九州本土と架橋されていますが、この獅子島は架橋で本土と繋がっていない純粋な離島となっています。 島へは天草下島や諸浦島(長島の属島)からのカーフェリーのほか、水俣港からの旅客船も利用できます。 獅子島の説明はそこそこに本題へ。先月友人と南九州を巡った際に獅子島に立ち寄った時のお話です。 九州本土から獅子島行きフェリーの出る諸浦島までの道中では、2つの海峡を渡ります。本土と長島との間の黒之瀬戸海峡が日本三大急潮の一つに数えられる壮大な海峡である一方、長島と諸浦島の間は幅ほ…

  • カワハギ求めて筏釣り@大隅半島・海潟

    錦江湾の大隅半島側、垂水市海潟で筏釣りをしてきました。 鹿児島市街の鴨池港から自転車で始発フェリーに乗り、45分で垂水港に着岸。そこから北へ20分ほど漕いで海潟漁港に到着です。 渡船は「フィッシング富士丸」さん。海潟集落の沖に浮かぶ無人島・江之島を横目に見ながら進み、5分ほどで筏に到着。 胴突仕掛けで大好物のカワハギを狙いながら魚種稼ぎをし、あわよくば釣れたアジなんかを泳がせて青物のワンチャンをも作ろうという目論見です。 1投目で小気味良いアタリ。 ワッペンサイズのカワハギちゃんが釣れてくれました。肝パンの大物への期待を込めてリリース。 水深が30mほどあるので、電動リールがあった方が便利かも…

  • "100%絶景の島" 甑島列島を旅する 3日目

    前回の続き。甑島最終日です。 島で行きたいところも一通り行き尽くしたので、この日は日の出後からホテルのチェックアウトまで里港の堤防で釣り。 前日よりちょっと大き目のタカサゴが釣れました。2匹が同じポイントのほぼ同じタナで釣れたので、偶発的に釣れたというよりは居着いている可能性が高いと思われます。 それにしても、ほんと綺麗な魚ですよね。 小さめのイスズミやアジも釣れましたが、画像はなし… カワハギ仕掛けを使った小物狙いの胴突きの方も、画像のマツバスズメダイやハタタテダイに、ニシキベラ、オトメベラ、クマノミ、スズメダイ、オヤビッチャ、クロホシイシモチ、オオスジイシモチ……と、10目釣りを達成する勢…

  • "100%絶景の島" 甑島列島を旅する 2日目

    前回の続きです。 この日は主に採集・釣りパートです。未明3時頃に起床。 甑島固有の陸貝を求めて夜の林道を徘徊しますが、快晴続きだったこともあり思ったような成果が出ません。 それでも、草叢や東屋の軒下などのルッキングを中心に探していくと、コシキジマギセルやヒゼンオトメマイマイなどが採集できました。 夜明け前に貝探しを一旦切り上げ、釣りに移ります。 ハタでも釣れればいいなと思っていたブッコミ仕掛けには、 開始十数分でウツボがヒット。あまり釣り人に喜ばれる方の魚ではありませんが、地味に初めて釣る魚なので僕としては歓迎です。獰悪そうな顔つきがたまりませんしね。 日の出を挟んで3匹釣れました。 こちらは…

  • "100%絶景の島" 甑島列島を旅する 1日目

    先日東シナ海上の離島・甑島(こしきしま)列島に行った時のお話です。上甑島・中甑島・下甑島の3つの有人島を擁する島々で、現在は全域が合併により薩摩川内市域となっています。昨年夏に中甑島と下甑島を結ぶ甑大橋(鹿児島県内最長!)が開通して車での3島縦断が可能となって以来、是非行ってその絶景を堪能したいと考えていました。 甑島へのアクセスは ・川内港からの高速船 ・串木野新港からのカーフェリー の2通りです。1日に各2往復が運航されています。 早起きして鹿児島市内の自宅を出発し、川内駅を8時丁度に出発する高速船ターミナル行きのシャトルバスに乗車。川内駅のある薩摩川内市街がかなり内陸寄りに位置しているた…

  • 夏の道央周遊記2021 Part3 札幌→三笠→新十津川→千歳

    前回の続きです。 札幌から朝一で向かったのは三笠市のJR幌内線・萱野駅跡。前回も立ち寄ったのですが、その際は積雪のため足を踏み入れることすら困難な状態でした。幌内線は岩見沢から分岐していた二股の線で、北海道で最初に敷設された鉄道の一部区間でもあります。幌内炭鉱からの石炭の輸送を通じて沿線の発展に貢献しましたが、エネルギー転換と過疎化の波には勝てず、民営化後間もなく廃止となっています。 駅舎は廃止当時の姿を残したまま、ライダーハウスとして再利用されています。施錠されているため、駅跡を管理されている近隣の民家で鍵をお借りして見学しました。 同じ三笠市の三笠鉄道村。かなり山の方に入った立地ながら立派…

  • 夏の道央周遊記2021 Part2 真狩→岩内→積丹→札幌

    前回の続きです。 翌朝、真狩を出て隣町の京極へ。湧水の町として知られ、羊蹄山麓の湧水地を公園化したふきだし公園なるスポットがあります。セコマの2リットル水も京極の名水ですし、さしずめ関西人にとっての「六甲のおいしい水」のようなポジションなのでしょう。 ふきだし公園から尻別川を渡った京極町市街地の湧学館。町立の図書館と郷土資料室を併設した施設です。公式サイトでは開館は9時となっていましたが、その辺りはアバウトなのか8時半ごろでも入館させていただけました。 展示コーナーは1階と2階に分かれ、「農業」「教育」「駅」などカテゴリごとに小綺麗に整頓されている様子はさながら博物館です。廃線関連では町内を走…

  • 夏の道央周遊記2021 Part1 千歳→鵡川→苫小牧→真狩

    3ヶ月ぶりの更新記事はまたしても北海道旅行記です。就活で渡道する機会があり、折角ならということで4ヶ月前のようにレンタカーで道央界隈を巡ってきました。目ぼしい観光名所に立ち寄りつつ、前回積雪でまともに見物できなかった廃線遺構なども再訪しておこうという目論見です。 車を借りる前後で北海道の生き物オタクに世話になりつつカタツムリを拾ったり魚を捕ったりもしたのですが、そちらの方の成果はまた後日ダイジェスト形式で別記事にて紹介したいと思います。 7/5の夕方に千歳を出発。先ず向かったのは、今春の廃線で終着駅となった日高本線・鵡川駅。 駅舎はしっかりした造りですが無人駅です。持て余している長いホームは鉄…

  • 名松線と伊勢本街道の旅 (名張→敷津→奥津→松阪)

    2ヶ月近く前の旅の話になってしまいますが、今回は三重県と奈良県が舞台の記事です。 名松線未成区間にあたるルートをバスと徒歩で辿った時のお話です。時系列としては先日の北海道巡りの数日前になります。 名松線という路線名は名張と松阪の頭文字からで、当初は奈良県の桜井から名張を経由して松阪に至る路線として計画されました。しかし、現存区間末端の家城〜伊勢奥津間が開業した1935年の時点で既に参宮急行電鉄(現在の近鉄大阪線にあたる路線)が桜井〜名張〜松阪間を結んでいたために、道半ばで建設意義が失われた形となり、伊勢奥津から先に延びることのないまま三重県内で完結するローカルな盲腸線として今に至ります。沿線人…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 おまけ

    旅行記のおまけ。道中で出会った愉快な生き物たちを紹介していきます。 1日目、豊浦漁港で釣れたエゾメバル。地方名はガヤ。 北海道では非常によく釣れる魚です。竿を持って渡道したのはこれで3度目ですが、いずれも旅の道中で必ずこの子と出会っています。本州におけるメバル(アカメバル・クロメバル・シロメバル)のポジションですが、メバルよりずっと釣りやすいと思われます。「ガヤガヤうるさいくらい獲れる」が由来なくらいですしね… 2日目、海岸でのガサガサで採集したコクチクサウオ。ころころとしたフォルムで水族館の人気者になっているダンゴウオに近い仲間です。 この大きさでも成魚で、クサウオ科の中ではかなりの小型種。…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 7日目(3/11) 苫小牧→小樽

    前回の続きです。 この日は苫小牧でレンタカーを返して列車で小樽まで移動するだけなのですが、返却期限は12日までだったので、夕方まで魚捕りのための足として使うことにしました。成果は次の記事で。 車を返却した後、苫小牧からほしみ行きに乗り、小樽行きに乗り換えて小樽築港へ。そこから徒歩で小樽港フェリーターミナルへ向かいました。 小樽築港駅から20分ほど歩いて新日本海フェリーのターミナルビルに到着。中にはお土産屋もありますが、コンビニなどのある幹線道路沿いのエリアまで500mほど離れているので、食料品などは予め買っておいた方がいいと思います。 新造船はまゆうに乗って、舞鶴まで22時間の船旅です。露天風…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 6日目(3/10) 釧路→広尾→様似→苫小牧

    前回の続きです。 釧路の快活CLUBに泊まり、7時頃出発。幣舞公園から市街地を眺めてから、西に進路をとりました。 白糠町の庶路駅。使われなくなったホームに国鉄時代からの駅名標が残されています。 浦幌町より南西の太平洋沿いには鉄道もなく、断崖と砂浜が入り混じる人口希薄地帯が続きます。 この日の目玉、旭浜トーチカ群。大樹町付近の海岸には戦時中に使われたトーチカ跡が残されており、ちょっとした名所となっています。数百m離れた旭浜漁港に車を停め、歩いて向かいました。現地へ向かう道中では雪がまだかなり残っていたので、スノーシュー等あった方が楽にアプローチできるかもしれません。 道中にはこんな看板も。長閑で…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 5日目(3/9) 網走→美幌峠→根室→釧路

    前回の続きです。 この時期の網走でどうしても見たい生き物がおり、早起きして流氷の海を彷徨っていました。…結果は3つ後の記事で! 網走市街を後にして、西女満別駅に立ち寄ります。周囲に人家は殆ど見当たらず、秘境駅の類なのですが……なんとこの駅、女満別空港の(地図上の)最寄駅にあたるのです。とはいってもここから女満別空港までアクセスしようとすると2km弱歩くことになりますし、2時間に1本程度の普通列車しか止まらない小さな駅なので、空港最寄駅としてはまともに機能していません。この時期は雪で路面状況も悪いため、徒歩での乗り継ぎには割と勇気が要りそうです。 さらに内陸に入り、北見国と釧路国の境目となる美幌…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 4日目(3/8) 旭川→三股→湧別→網走

    前回の続きです。 7時に旭川を出発、セコマで朝飯を調達して国道39号線を東の方角に向かいます。 まずは、5日後に廃止を控えた上川町の石北本線・東雲駅に立ち寄り。簡素なホームだけの棒線駅で、少し離れた位置に物置のような待合室が設置されています。 旭川行きの列車が発車していきました。 上川町から先には、100km近く離れた北見市留辺蘂町に至るまでガソリンスタンドが一切ないため、しっかり給油してから挑みます。 上川町の中心部から20kmほどの層雲峡。温泉街の少し山側に銀河の滝と流星の滝があります。銀河の滝は完全に凍りついて氷瀑となっており、この時期ならではの景観を独り占めできました。 大雪ダムの手前…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 3日目(3/7) 札幌→歌志内→留萌→旭川

    前回の続きです。 無料モーニングのポテトを食べてから、7時頃に出発。 まず向かったのは三笠市の幌内線萱野駅跡…しかし積雪量が半端なく、まともに見学もできないまま次の目的地へ。 続いて北上して山間部に入り、上砂川町の上砂川駅跡。函館本線の支線の終着駅で、映画の撮影にも使われた名駅舎ですが、ここも積雪で中に入れず。この時期だと積雪の多い内陸部はまだみんなこんな感じなんでしょうね… 峠をひとつ越えると、日本一人口の少ない市として有名な歌志内市に入ります。かつて炭鉱で栄えた街ですが、人口は3000人ほどでお隣の上砂川町とほとんど変わらないという有様。ちなみに同じく隣町で炭鉱町の赤平市も人口1万人を割っ…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 2日目(3/6) 豊浦→瀬棚→長万部→札幌

    前回の続きです。 夜明け前に起床。寝袋とマットを持ってきていたので一応普通に眠れはしましたが、やはり寒い……防寒着で重武装して寝袋に潜り込む形になるので、身動きもあんまり取れない。もうやりたくないな。 豊浦の道の駅を6時丁度に出発し、日本海側の寿都方面に車を走らせます。 山深くなるにつれ雪の勢いは増し、内陸の函館本線熱郛駅に立ち寄る頃には、車の外で立っているのがきついくらいの猛吹雪になっていました。 豊浦から1時間半ほどで寿都に到着。この先大きな町が数十kmないため、セコマで朝飯を調達しつつガソリンを入れます。弁慶岬にも寄りましたが、やはり吹雪の勢いは止まらず、弁慶像の写真だけ撮ってすぐ車中に…

  • 啓蟄の北海道クルマ旅 1日目(3/5) 苫小牧→室蘭→豊浦

    3月上旬に北海道をレンタカーで旅してきました。 全体の旅程としては 2/28 鹿児島を出発 3/5 列車とフェリーを乗り継いで苫小牧西港に到着 3/5〜11 道内周遊 3/11 小樽港を出発 3/14 行きと同じくフェリーと列車で鹿児島に帰還 という、丸々2週間かけたかなり欲張ったスケジュールです。いかんせん全部を記事にするには長すぎるので、一旦は北海道パートだけで数回に分けて綴っていこうと思います。 北の大地の旅は苫小牧から。仙台からの船便で11時に上陸しました。 苫小牧港は市街地に近い西港と郊外(厚真町)にある東港に分かれていますが、今回乗った太平洋フェリーの着岸港は西港のほう。虫も這い出…

  • 限定公開(仮) part1

    パスは都道府県名のローマ字綴りです。そのうち全体向けに変更して公開します Decrypt U2FsdGVkX183yY1B8LOgr1k8wGryiEYdGwwl53xAFrEaPFAlkV1KW7bb+NxCBUWHmQsTAkeqobAU3zJ0QUpfgQWNg2Hp0tpTUJ8Fwt0w3b2kc5OZOGZmWekkMUWVH+Wdxv4fnTvWTnoPyi9Rot3aKP4Kx1HgTr4LwAz9zWEnjZXnRah+vryz8KBqkvNjMBOMun6U8wYjwfYWQLTSSVEF3L+j9J7iejb5px3EDkE1FLKY5iyYvb1//cT8RiGu+BL…

  • 諫早湾干拓堤防道路を徒歩で辿る

    先日、旅名人の九州満喫きっぷを使って釣り初めがてら佐賀・長崎方面を旅してきました。3日分で11000円、JR以外の鉄道も乗り放題、青春18きっぷのような利用時期の制約がない、と九州内で完結する貧乏旅行のお供に大変重宝するきっぷです。 特急列車には乗れない(18きっぷと同じく乗車券・特急券を追加で購入する必要がある)ため、基本的に普通列車縛りで旅程を組む必要があり、その際に制約となるのが普通列車の本数が極端に少ない区間です。九州では宗太郎越え(日豊本線・佐伯〜延岡間)を筆頭に、長崎本線の肥前鹿島〜諫早間などが有名ですね。 今回の旅程でも、諫早で島原鉄道から長崎本線に乗り換える際に2〜3時間のロス…

  • 2020旅納め@奄美大島・加計呂麻島 釣果編

    1〜3日目の旅行記とは別に、今回の奄美旅行での釣果をまとめました。 1日目。名瀬到着後にレンタカー屋が迎えに来るまでの時間で、フェリーターミナルから少し歩いた長浜緑地横の堤防にてウキ釣りと胴突きの二刀流。ここは前に来た時10目釣りを達成した良い思い出のあるポイントなのですが、今回は朝マズメにも関わらず生命反応が少なく微妙なコンディションでした。ウキの方に25cmくらいのイスズミがヒットし1時間半ほどでひとまず切り上げ。 南西部の景勝地を一通り巡ったあと、夕マズメに古仁屋の市街地から少し北に走った堤防にて。水深は浅めでしたが、魚影は見えていたのでトリックサビキを入れてやると熱帯魚が遊んでくれまし…

  • 2020旅納め@奄美大島・加計呂麻島 3日目

    前回の続きです。 朝マズメの堤防に寄り道したりしつつ、一夜を明かした住用の道の駅から58号線を北上して名瀬方面へ。名瀬の釣具屋で餌を調達してから更なる目的地へと向かいます。 市街を抜け、海岸沿いを大回りする県道に入ります。奄美市から龍郷町に差し掛かる手前あたりに、名瀬港の湾内を一望する展望広場がありました。こうやって見ると本当に天然の良港を体現したかのような地形ですね。 乗ってきたマリックスラインやマルエーフェリーの船が寄港する名瀬新港の埠頭は向こう岸です。手前左側の佐大熊(さだいくま)岸壁からは、トカラ列島経由で鹿児島に向かうフェリーとしまが発着します。 急カーブの続く峠を越えると龍郷町。途…

  • 2020旅納め@奄美大島・加計呂麻島 2日目

    前回の続きです。 起床後、せとうち海の駅の脇にある防波堤で釣り。 釣果に関しては後日別記事にてまとめる予定ですが、ここではブダイ類(奄美名:エラブチ)が面白いくらい釣れました。大型船が出入りする港なので水深があり、良いポイントです。 ちなみに、右の方で停泊中の船は請島・与路島行きのフェリーせとなみです。町営の航路であるため、ファンネルマークが瀬戸内町の町章になっています。 左の船はフェリーかけろま。ここ古仁屋と加計呂麻島の2港との間を交互にそれぞれ1日4回ずつ往復しており、釣りをしている間にも港を何回か出入りしている様子が見えました。こちらも町営航路で、船の構造はかなり違いますが船体には同じよ…

  • 2020旅納め@奄美大島・加計呂麻島 1日目

    避寒も兼ねて、2泊3日で奄美大島に旅納め・釣り納めに行ってきました。記事にするのは初めてですが、奄美大島に渡るのは今回で3度目です。 アクセスは毎度恒例の鹿児島〜那覇航路で。船はマリックスラインのクイーンコーラルプラスでした。 夕方6時に鹿児島を出航して11時間。追い風となる北風が吹いていたせいか、予定の5時より少し早く名瀬新港に到着。名瀬は離島の中ではかなり大きな街ではあるものの、フェリーターミナルは街の北の外れにあるので夜明け前のこの時間帯はほとんど真っ暗です。 名瀬新港待合所。年の瀬の週末ということもあり旅行客は多いですが、ひととおり乗り降りが済んでしまうと人もまばらになっていきました。…

  • 県境探訪 千歳川@神奈川県湯河原町/静岡県熱海市

    用事で関東に行ったついでにちょこっと県境探訪。ともに温泉地として知られる湯河原町と熱海市の間の県境です。 湯河原駅に降り立ち、県道を2kmほど山側に入った湯河原温泉の中心街の方面に向かいます。 住宅街の中に旅館や料亭が混じり始め、街並みにもだんだんと温泉街の風情が出てきました。 温泉街自体は県境を挟んで実質的に連続していますが、行政区域が異なるため静岡県側は便宜的に伊豆湯河原温泉と銘打たれています。 県境は千歳川という小河川をなぞる形で引かれています。通常山の尾根や峠、大きめの川に引かれることの多い県境ですが、京都と大津の府県境もごく細い水路だったりしましたしまぁそんなに不自然なことでもありま…

  • 桜島を望む湾奥の離島・新島を訪ねる 後編

    前の記事からかなり日が空いてしまいました……楽しみにして下さってた方がおられたらごめんなさい、続きます。 前回は行政連絡船で新島に上陸したところまででした。 引き続き、港から島の東側に向かって歩道を進みます。 この新島、基本的に画像のような礫混じりの砂浜が広がっており、海岸沿いに切り立った岩礁などはなく、航空写真でもなんとなく一周できそうな雰囲気に見えますが… 予想に反して途中から結構アップダウンが出てきます。笹の藪の垣間に錦江湾の水面を見ながら進むと、祠?のようなちょっとしたスペースに出ました。しかし先は藪が深く、そのまま進むのは憚られる雰囲気。 藪漕ぎして無理やり進もうかとも思ったのですが…

  • 桜島を望む湾奥の離島・新島を訪ねる 前編

    今回は鹿児島湾(錦江湾)に浮かぶ唯一の有人島、新島に行った時のお話です。 桜島の北東に浮かぶ、周囲2kmに満たない小さな島です。同字の島では伊豆諸島の新島(にいじま)が有名ですが、こちらの読みはしんじま。ちなみにどちらも火山活動によって形成された島という共通点があります。 鹿児島市街から公共交通機関を使う場合、桜島フェリー→市営バス→行政連絡船と乗り継いでアクセスすることになります(直通のバスが1日に1便しかないため実質3回の乗り継ぎ)。しかしこの行政連絡船、渡航者の少なさもあって週に3日(日、水、金)しか運航していないという代物であり、遠方からの訪問の際にはある程度綿密な計画が必要となりそう…

  • 秋の週末徳之島プチ旅 後編

    中編からの続きです。 夜明け前に起床し、車から降りて辺りを見回すと、埠頭の先端には既に先客がちらほら。 特に狙いなどはなかったので (初めて来る島で勝手が分からなかっただけともいう) 、とりあえず前日に購入したキビナゴ餌のぶっこみで当たりを待つことにしました。 1時間ほど経ってようやくヒット。勢いよく海面に食い込む竿先。 引きずり込まれそうな竿を足で押さえつけ事なきを得て、慎重に巻いて引き寄せます。ただ、鋭い引きではあるもののハタのような根魚とも青物とも違う妙な応酬。 理由はすぐにわかりました。 上がってきたのは、50cmは下らないであろうキヘリモンガラ。琉球列島のタマン(ハマフエフキ)釣りな…

  • 秋の週末徳之島プチ旅 中編

    前編からの続きです。 日が暮れた後、ひとまず釣りを切り上げ、島固有のカタツムリを観察すべく山の中へと車を走らせました。 倒木と枯れ葉の折り重なるよさげな林床。昼間に少し雨が降ったため、まだ乾き切っておらず良い感じです。 さっそく地面を這う大型のカタツムリを発見。徳之島固有種、チリメンマイマイです。殻には繊細な縮緬(ちりめん)状の肋があり、独特の雰囲気を醸し出しています。 若い貝は特徴である肋が目立たずオオシママイマイと見分けづらいですが、オオシママイマイの方が殻高が高くより丸っこい形をしています。徳之島の山地では両者が混生しているようです。 やはりいたアフリカマイマイ。南の島では必ずといってい…

  • 秋の週末徳之島プチ旅 前編

    鹿児島本土から奄美群島方面へは、2つのルートのフェリーが運航されています。 ・鹿児島-名瀬(奄美大島)-亀徳(徳之島)-和泊(沖永良部島)-与論(与論島)-本部(沖縄本島)-那覇の「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」「クイーンコーラル8」 ・鹿児島-湾(喜界島)-名瀬(奄美大島)-古仁屋(奄美大島)-平土野(徳之島)-知名(沖永良部島)の「フェリーきかい」「フェリーあまみ(平土野まで)」 この2経路がそれなのですが、鹿児島から最初の寄港地(名瀬・湾)までは航行距離が長くなるため、いずれの便も上下方面ともに夜行区間としてダイヤが組まれています。そのため、往復の移動を夜間に済ませることで、行きの…

  • 県境探訪 岡村大橋@広島県呉市/愛媛県今治市

    とある試験で大阪に行く用事ができたので、道すがら瀬戸内の島々をぶらぶらと巡ってきました。そんな中での海を跨いだ県境探訪記です。 竹原港から高速艇で大崎下島の御手洗(みたらい)港へ。大崎下島自体は安芸灘とびしま海道を通じて呉市へと繋がっていますが、竹原より東、三原・尾道方面からだとフェリーや高速艇の方が経路としては近道となります。 この航路の高速艇はご覧の通りかなり小さい船でした。寄港地が多い航路なので、フェリーと違って接岸や乗降に時間のかからない小型船の方が理に適っているのでしょうね。 途中で大崎上島のいくつかの港に寄港。本土からの架橋はないものの、造船が盛んで人口も7000人とそこそこ多い島…

  • 喜界島奇怪紀行 Part6

    ■8/22朝 喜界空港 最終日。お世話になった宿をチェックアウトし、丸4日借りた自転車を返しに喜界空港の売店へ。 島に来てから特に南国らしいものを口にしていなかったため、食堂でさとうきび生ジュースを注文しひと休憩。 意外とさっぱりした味わいなので、黒糖の甘ったるさが苦手な方にもおすすめです。 さらなる釣果を求め、空港からバスで島の東側、早町(そうまち)漁港に向かいました。 ■8/22昼 早町漁港 早町は喜界島では湾の次に大きな集落で、荒天で湾港にフェリーが着岸できない際は発着港となる場所でもあります。 港の先端部で竿を出し、フカセと小物狙いのサビキを並行して魚の反応を待ちます。 縦横無尽に駆け…

  • 喜界島奇怪紀行 Part5

    ■8/21朝 喜界島南西部 朝食を済ませた後、デジカメを持って蝶の観察へと出発。湾集落から南方向へ漕ぎ進め、目星をつけていた自然度の高い遊歩道へ。 リュウキュウアサギマダラ。「the 南国の蝶」といった感じの華やかさです。 色合いはアサギマダラに似ていますが模様の入り方は更に細かく、属も別らしい。 またまた出会ったオオゴマダラ。 割と島の至る所で飛び交っています。警戒心が薄く、飛翔も緩慢なので見失うことがあまりなく撮りやすいです。 ■8/21昼 湾漁港内 一旦宿に荷物を取りに戻り、湾港フェリーターミナルの集落側にある漁港の穏やかな港内で小物釣り。 ミツボシキュウセンやカンランハギなどが釣れます…

  • 喜界島奇怪紀行 Part4

    ■8/20昼 at小野津周辺 前日に急勾配の行程を漕ぎ続けた疲れからか、痛恨の寝過ごし。とはいっても島で行きたい場所はもう一通り回れていたので、昼から夕方にかけて小物釣りに興じることとしました。 竿とクーラーボックスを携え、バスと徒歩で小野津集落付近の海岸に向かいます。 道中で出会ったヤギさんたち。喜界島の農村部では至る所で見かけます。かわいいですね。 島内に野生のものはおらず、全て家畜として管理された個体らしいです。 小野津漁港。高めの防波堤から集落方向を俯瞰気味に撮ってみました。磯場は小さめのビーチに続いています。 仕掛けを投入するやいなや食いついてきたオジサン。奄美大島でも多かったですし…

  • 喜界島奇怪紀行 Part3

    ■8/19 この日は観光に徹することにしました。宿を出発し、島の東側にある丘陵地に向かって漕ぎ進めます。 ところどころ手押ししながら長い急坂を登り進める途中、 突如現れる名物看板。ポケモンGOのジムにもなっていました。 ちなみに描かれている蝶はアサギマダラ。渡り蝶として有名ですね。 看板の注意喚起に違わず蝶は本当に多く、オオゴマダラやツマムラサキマダラがカメラに収まってくれました。 丘を登り切り、ようやく頂上にある百之台公園に到着。 展望台もあり、眺めはすこぶる良好です。断崖の先の海岸にはサンゴ礁由来の岩礁地形が際限なく広がっています。 休憩もそこそこに、さらに北東の方角へ向かいます。 丘陵部…

  • 喜界島奇怪紀行 Part2

    ■8/18午前 atスギラビーチ 日の出後、湾の集落から海沿いに伸びる道を歩いて抜け、スギラビーチに向かいました。 うわ〜〜〜〜〜(発狂) さながら桃源郷の具現化のような景観でした。サンゴ礁の磯が侵食されてできた天然のビーチなんですが、ここまで綺麗だと泳ぐとか釣りとかじゃなく純粋にただただ眺めていたくなりますね。 とはいっても周辺には良さげな磯場が広がっているので、やっぱり釣りはしないともったいない。ひととおり堪能したあと竿を出します。 磯での釣果。写真はイシガキハタとミナベヒメジ。 他にはネズスズメダイ、オジサン、本土でもお馴染みのオヤビッチャやヤマブキベラなど。 スギラビーチは喜界空港の滑…

  • 喜界島奇怪紀行 Part1

    更新サボって放置してる間に、前の記事から4か月も開いてしまいました。申し訳ないです… この数か月間、コロナ禍と私生活の忙しさがあいまって碌に遠出やアウトドア系の活動ができていなかったんですが、先週やっと機会ができたのでここぞとばかりに喜界島に行ってきました。 ■Q. 喜界島って? A. 奄美大島の東側にある、足の裏のような形をした隆起サンゴ礁の島です。人口は6000人台。南の島らしくサトウキビの栽培が盛んです。 小さい島というほどでもないですが、端から端まで行っても15kmほどなので、その気になれば自転車でひととおり巡ることも可能な大きさ、といったところです。ただ、この手の島にしては意外と高低…

  • ヤンバルマイマイ

    沖縄本島北部・やんばるの森で採集したヤンバルマイマイ Satsuma atrata。殻径40mmほどに成長する沖縄最大の在来カタツムリです。警戒心が強く、なかなか軟体部の写真を撮らせてくれませんでした。環境省のレッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。 大きく重厚感のある貝です。 生態は典型的な地表性陸貝のもので、ヤンバルクイナの鳴き声がこだまする森で木の根本付近を這い回ってキノコなどを貪り食っています。湿度、風通しともに良好なやんばるの林道では餌となる菌類も豊富ですが、ヤンバルクイナが飛べない鳥ということもあり、彼らの格好の餌食になるというジレンマも抱えているようです。 こちらは沖縄本…

  • JR福塩線旧線 八田原駅跡

    八田原ダム建設に伴う福塩線・河佐〜備後三川間の経路切り替えの際、水底に沈む形で旧線ごとその使命を終えたという珍しい経緯をもつ廃駅です。1989年廃止。当時の駅名標が八田原郷土民俗資料館の脇に展示されています。 最寄り駅は隣の河佐駅ですが、バス路線などはないため、アップダウンの多い県道に沿って3km以上歩くことになります。列車の本数も1日6往復とかなり少ないので、余裕を持って訪問するにはレンタカーを使うしかないかも… 八田原ダム。かなり大規模なダムです。訪問したのが早朝だったため見学は叶わず。廃線跡の踏査も含め、改めて訪れたいと思います…

  • ヨスジシマイサキ

    沖縄本島東海岸で釣獲したヨスジシマイサキ Pelates quadrilineatus。 南方系の種で日本での個体数は少なく、稀種の部類に入ります。 とはいえ生息環境は同じシマイサキ科の他種と大きく異なるものではないのでしょう、写真の個体を釣ったのもミナミクロダイが魚影をちらつかせるような汽水寄りの漁港でした。 形態としては直線的に伸びる細い縦条が特徴的で、シマイサキやコトヒキと容易に識別できます。背鰭棘部の黒色斑の入り方も独特です。 本土の汽水域でよく見られるコトヒキは沖縄でも変わらず多いですが、逆にシマイサキはほとんどいないようですね。

  • 片道7分の離島 佐伯湾・大入島の旅

    大分県佐伯市の大入島(おおにゅうじま)に行ってきました。佐伯市街からほど近い位置にあり、対岸の日豊本線の車窓からも間近に望むことができます。 市の玄関口・佐伯駅から港までは徒歩10分ほどでアクセスすることができます。島と本土とを繋ぐ航路はいくつかありますが、今回は本数が多く運行距離も短い「大入島観光フェリー」を使いました。石間港まで片道150円、航行時間7分というプチ船旅です。 甲板の大部分は車両甲板で、両側に設けられた旅客用のスペースは病院の待合室のような簡易なもの。 佐伯港側でレンタサイクルを借りられるので、これを使って島を一周することにしました。3時間300円 (1時間延長ごとに100円…

  • 大社駅(島根県・JR大社線) 使命を終えた荘厳な木造建築の終着駅

    かつて山陰本線の出雲市駅から分岐していた「大社線」の終着駅です。 多くの赤字ローカル線がその歴史に幕を下ろした国鉄民営化直前期から少し下った1990年の廃線ですが、外観・内装・サインシステムとも古の鉄道の残り香を色濃く残しています。 運賃表と時刻表。末期は線内で折り返す普通列車のみの運転でした。 出雲市駅での乗り換え列車に関しては、特急や急行を中心に詳細な案内がなされています。直通の優等列車が廃止されてもなお、出雲大社という全国的に有名な観光地の玄関口という性質上、長距離の乗客に対する便宜はやはり必要とされたのでしょう。 改札内の様子。ホーム長はかなり長く取られています。駅舎内屋に設けられた通…

  • アオミオカタニシ

    沖縄本島で採集したアオミオカタニシ Leptopoma nitidum。いかにも南国チックな色彩が映える非常に美しい陸貝です。 鮮やかな青緑色は殻の色ではなく、白く透明感のある殻越しに内臓が透けて見えることによるもの。眼は一般的なカタツムリとは違って触角の付け根についており(基眼)、陸棲でありながらタニシに近縁なこの仲間を特徴付けるものとなっています。くりっとしてかわいいお目々でしょ。 樹上性の種で、生息地ではこんな感じで葉っぱにへばりついていました。背丈の低い草本にはあまり見られなかったので、あくまである程度高さのある木を好むようですね。

  • 廃線遺構巡り JR鍛冶屋線

    訪問日:2015年12月30日 今回は比較的新しめの廃線です。といっても30年近く前ですが… 加古川線から分岐していた4つの枝線のうちのひとつ、鍛冶屋線。廃止された年が1990年なので、国鉄民営化後の数年間は存続していたことになります。 起点となっていた加古川線の西脇市駅にやってきました。廃止前は野村駅という名前でしたが、市街中心部にあった西脇駅に代わって西脇市の玄関口としての役割を受け継いで改名したという経緯をもっています。ここからかつての終着駅・鍛冶屋まで歩いていきます。 駅の西口から北方向へ、鍛冶屋線の路盤を活用した遊歩道が続いていました。200mほど進むと加古川線の線路と別れて進むこと…

  • タカベ

    伊豆大島で釣獲したタカベです。漢字で書くと「鰖」。 地元の関西ではなかなか見る機会に恵まれませんでしたが、伊豆諸島では特に多く見られるようです。鮮やかな色彩と端正な体型に惹かれ、釣ってみたかった魚の一つです。 伊豆大島の遊歩道にも他の名産品とともにタカベが描かれており、地魚として親しまれていることが伺えます。 分類については紆余曲折がありますが、イスズミ科の魚はかなり近縁にあたるようです。 確かに、明らかな体高の違いを除けば、体側の多数の縦条など、共通した特徴は多いようにも思えます。 知る人ぞ知る高級魚という側面も。大型になるわけではないので、数釣りで豪快に舌鼓を打ちたい魚です。

  • 岩国の石人形とニンギョウトビケラ

    山口県岩国市の錦帯橋周辺では、厄除けのお土産や郷土玩具として「石人形」なるものが売られています。 昔から城下町岩国を代表する伝統工芸品ですが、ひとつひとつの人形は人間が作ったものではなく、その正体はニンギョウトビケラという水生昆虫が川底の砂利を自らの吐く糸で縫い合わせて作った巣。流れの速い清流の岩に固着する形で、主に付着藻類を食べて生活しています。水中生活をするのは芋虫のような幼虫期のみで、羽化すると小さな蛾のような姿になります。 ニンギョウトビケラという昆虫自体は、良好な水質が保たれている川であればかなり普通に見られる生き物です。写真のように、錦帯橋の下を流れる錦川の河原でも簡単に見つけるこ…

  • 洋上の白煙・伊豆大島三原山

    明けましておめでとうございます。相変わらずイレギュラーな更新頻度とはなりそうですが、今年も当ブログをよろしくお願いします。 僕はというと元日朝の便で伊豆大島に渡って、離島でのスローな正月を味わってました。今回はその行程のメインディッシュともいえる三原山について。 伊豆大島は、他の伊豆諸島の島嶼と同じく火山島です。太古から続く大地の息吹は温泉や独自の景観など多くの恩恵を齎しますが、直近では1986年に大噴火を起こしていたりと牙を剥くことも多い気まぐれな島。 行政区分では東京都に属するため、境界標やマンホールの蓋などには東京都の紋章が刻まれているほか、島の車は全て品川ナンバーとなっています。 島の…

  • 日本一海に近い百名山・開聞岳を攻略する

    先月中旬に登ってきた薩摩富士こと開聞岳についてです。その美しい山容を買われ日本百名山のひとつとなっていますが、標高は1000mに満たない単独峰であり名声の割に登頂の敷居は低い山だと思います。 他の九州島内の百名山の例に漏れず火山活動によって生成された山で、周辺の至る所で温泉が湧き出たり麓の砂浜ではカンラン石(ペリドット)が産出したり…と産業や文化に齎す恩恵も多く、薩摩半島南部のシンボル的存在となっています。 登山口へのアクセスはJR指宿枕崎線の開聞駅から。簡素なホームに屋根だけが設けられた無人駅です。 運行本数はかなり少ないです。鹿児島中央方面からの直通列車があるのは魅力ですが、遠方からだと指…

  • 県境探訪 イオンモール高の原@京都府木津川市/奈良県奈良市

    今回は県境シリーズの中でもかなりメジャーな部類の物件。 京都と奈良の府県境にまたがる広大な敷地を持つイオンモールです。最寄駅の近鉄高の原駅は奈良市所在ですが、店舗全体に占める敷地の割合としてはむしろ京都側の面積の方が広く、正式な書類上の所在地も京都府木津川市となっています。 敷地内を横切る県境が利用客にも分かりやすいようにわざわざアピられている点が面白いですね。京都府側と奈良県側の店舗で最低時給違ったりするのかな? ショッピングフロアに比べるとあまり目立たないですが、駐車場にも県境を示す線が引かれています。画像のオレンジ色の点線がそれです。 ご丁寧にも、駐車場の柱に振ってある番号の下にはしっか…

  • 日田彦山線 災害運休区間(添田~夜明)の現状 Part2 筑前岩屋・彦山

    前回の続きです。 大行司駅の次に向かったのは筑前岩屋駅。日田彦山線の線路は彦山駅との間の山岳地帯を釈迦岳トンネルで貫いていますが、並行して峠を越える道路が低規格で大型車両の行き来が難しいため、代行バスは大きく西側に迂回するルートをとります。そのため、添田方面から筑前岩屋へのアクセスはかなり煩雑なものとなってしまっています。 筑前岩屋駅前のバス停から宝珠山川を跨いで駅舎側へ向かう道路のいくつかは(おそらく水害により)寸断されていました。2か月あまりが経った現在では橋は完成しているようです。ただ、この地に再び日田彦山線の汽笛が響くことになるか否かは未だ議論の最中であり、この橋が駅の利用客を渡すとい…

  • 日田彦山線 災害運休区間(添田~夜明)の現状 Part1 宝珠山・大行司

    訪問日:2019年8月27日 2か月前のお話です。 2017年夏の豪雨災害で線路が被災、以来2年にわたってバス代行輸送となっている日田彦山線の南側区間。不運にも列車運休の憂き目に遭った区間にあるいくつかの駅を巡ってきました。 ■夜明 よあけ -JR久大本線・日田彦山線 日田彦山線の路線名称上の終点。被災前から全列車が日田まで直通しており、代行バスの発着ターミナルも日田駅です。 右画像は久留米・小倉側のホーム端。左前方が久大本線、右前方が運休中の日田彦山線の線路となっています。 配線の構造上、日田彦山線の列車は島式ホームの外側・3番のりばからしか発着できません。駅舎側のホームとは跨線橋が繋いでい…

  • アマゴ

    渓流のアイドル、アマゴ。僕が一番好きな魚です。 神奈川県の酒匂川以西から九州の瀬戸内海側河川にかけて自然分布する陸封型のサケ科魚類で、同種内でも海に下るものはサツキマスと呼び分けられます。瓜二つのヤマメとは赤い斑点が散在する点で異なるとよく言われますが、個体や生息地ごとの変異も大きく、写真の神奈川県産個体も移入によるヤマメとの混血があるのか赤斑はかなり薄くなっています。 こちらは奈良県の山奥で釣り上げた個体。鮮やかな鰭の黄色が美しいです。 降海型サツキマスがダム建設による河川環境の変遷の影響をモロに受けてしまったり、分布域を顧みない無差別的な他地域産アマゴやヤマメの放流で遺伝子汚染が起きていた…

  • 九頭竜湖駅(福井県・JR越美北線) 夢と消えた越美線計画を偲ぶ

    福井県の内陸部を走るローカル線、越美北線(九頭竜線)の終着駅です。ログハウス調の三角屋根が素敵な駅舎。 1面1線の簡素なホームで福井行きの列車が発車を待ちます。 もともと、越美北線は福井(越前花堂)から岐阜県の美濃太田までを結ぶ国鉄越美線の一部として計画、敷設された路線です。対する岐阜県側は美濃太田から北濃までが現在の長良川鉄道となっていますが、県境の人口希薄な山岳地帯を跨ぐ北濃~九頭竜湖間は未成のまま現在に至ります。長良川鉄道の方の正式な路線名が「越美南線」であり、こちらも合わせて壮大な越美線計画の名残を残しています。 駅の裏手にはSLが展示されています。貨物輸送主体が主体だった旨が記されて…

  • 【お知らせ】オリジナルショップのご案内

    suzuri.jp suzuriオリジナルショップを開設しました! 魚や地名をモチーフとしたグッズを製作中。たまに更新してます。ご要望等あればお気軽にコメント等でお声掛けください!

  • ソラスズメダイ

    鹿児島県本土の磯で採集したソラスズメダイです。南方系のスズメダイ類の中では割とよく見られる部類の魚ですが、やはりその手の例に漏れず北に行くほど死滅回遊的な側面は強くなるようです。 青く美しく輝く魚体は水面上からでもかなり映え、夏の紀伊半島沿岸なんかではソラスズメダイが漁港のへりに群れで居ついている光景をよく目にします。 尾鰭は透明感のある黄色で、これまた爽やかな配色。 ところがどっこい、ストレスには敏感な魚らしく、綺麗な青色を褪せさせずにキープするのがなかなか難しいのです。水面から上げた途端みるみるうちに写真のようなモノトーン調に変色してしまい、本来の体色をカメラに収めるには神業的な手際の良さ…

  • 秋晴れの霧島を往く えびの高原→韓国岳→大浪池

    週末休みを使って、日帰りで霧島登山に行ってきました。 登山口へのアクセスには、日豊本線の国分駅・霧島神宮駅または肥薩線の霧島温泉駅から丸尾というバス停まで乗車。そこから登山客向けの周遊バスに乗り換えることになります。 バスの本数は少ないので下調べが肝心です。 今回は降りたことのなかった霧島神宮駅から。その地名を体現するかのように薄く霧が出ていました。 霧島最高峰・韓国岳(からくにだけ)への登山口へは「えびの高原」バス停が近いです。宮崎と鹿児島の県境に近接していて、バス停やビジターセンターは宮崎県側。 手始めに、えびの高原北側にある白紫池や不動池を巡ろうと思ったのですが…どうやら最近になって近く…

  • 桂川駅(北海道・JR函館本線) 京都?福岡?いいえ、北海道です

    2017年に廃止された、函館本線の無人駅です。噴火湾岸のちょっとした高台にあり、ホームからも海を見ることのできる駅でした。周囲は道南の中ではそこそこ大きな町である森町近郊の漁村であり、特段に寂れた地域というわけでもありません。それでも1日の平均乗客数は1人を割っており、利用者僅少を理由に廃止となってしまいました。訪れた駅が一つまた一つ鉄路の露と化していくのは寂しいですが、北海道の公共交通事情がそれほど厳しい状況に置かれていることの証左にほかならないのでしょう… 駅舎と構内踏切。海岸沿いの道路とホームに標高差があるので、崖にへばりつくように階段が設けられていました。西側にさらに崖を挟んだ向こう側…

  • 廃線遺構巡り JR鍛冶屋線

    訪問日:2015年12月30日 今回は比較的新しめの廃線です。といっても30年近く前ですが… 加古川線から分岐していた4つの枝線のうちのひとつ、鍛冶屋線。廃止された年が1990年なので、国鉄民営化後の数年間は存続していたことになります。 起点となっていた加古川線の西脇市駅にやってきました。廃止前は野村駅という名前でしたが、市街中心部にあった西脇駅に代わって西脇市の玄関口としての役割を受け継いで改名したという経緯をもっています。ここからかつての終着駅・鍛冶屋まで歩いていきます。 駅の西口から北方向へ、鍛冶屋線の路盤を活用した遊歩道が続いていました。200mほど進むと加古川線の線路と別れて進むこと…

  • 意外とお得?関西↔︎九州間長距離フェリーのススメ

    公共交通を用いた関西から九州へのアクセス方法は新幹線・在来線・飛行機・高速バス・フェリーの5種類。選択肢の多さは魅力ですが、では各々のメリットはどうなんでしょう。僕もよく使うルートなのでちょっとまとめてみました。 大阪・神戸→鹿児島間移動手段の比較 普通運賃・料金(自由席) 所要時間 新幹線 21780円(新大阪→鹿児島中央) 3時間44分~(新大阪→鹿児島中央) 在来線 12650円(大阪→肥薩線経由鹿児島中央) 14時間~(大阪→熊本) 大阪→鹿児島当日移動は不可能 2350円/日(青春18きっぷ) 飛行機 30000円~(関西→鹿児島,JAL) 1時間10分~(関西・神戸~鹿児島) 45…

  • ブラーミニメクラヘビ

    鹿児島県某所で採集したブラーミニメクラヘビ Ramphotyphlops braminus。大きなものでもせいぜい20cm前後、目が小さく退化した独特の風貌など、一見爬虫類らしからぬ容姿をしていますがれっきとした有鱗目(ヘビ・トカゲの仲間)の生き物です。ヘビというよりミミズに近い雰囲気ですね。 メクラ〇〇というネーミングは進化の過程で視力を失った(放棄した)生き物に対して与えられ(メクラウナギ→ヌタウナギなど、差別的ニュアンスを含むとの懸念から改称される例もありますが)、このヘビの目もまたミミズのそれのように明暗を感知することしかできません。また、性別が雌しか存在せず単為生殖することでも知られ…

  • 大白川駅(新潟県・JR只見線) 廃駅に挟まれた山里の駅

    新潟県魚沼地方と福島県会津地方を結ぶローカル線、只見線の新潟県側にある駅。県境を隔てた只見駅までの駅間距離は1駅にして20.8kmと、国内の在来線でも屈指の長さです。 駅舎。無人駅ですが、地元の案内所や蕎麦屋さんが併設された二階建ての立派な建物です。 田子倉・柿ノ木という2つの廃駅に挟まれていた関係で、両隣の駅名はステッカーで上から訂正されています。柿ノ木駅の駅名標も駅舎内に。2015年廃止の比較的新しい廃駅です。 駅東側の線路。1日3本しか列車の来ない県境の閑散区間です。 只見以東の区間は2011年の豪雨災害により未だ運休中ですが、2021年度中の再開を目指して復旧工事が進められています。雄…

  • ツマリテングハギ

    奄美大島名瀬の港で捕獲(釣獲)したツマリテングハギ Naso brevirostris。頭部に大きな角(状の突起)をもつ、非常にカッコいい魚です。近縁のテングハギやヒメテングハギとは尾鰭の後半部が淡色に彩られることで識別できます。 ハギと名の付く魚にはカワハギ類(フグ目)とニザダイ科(スズキ目)の2グループあり、このツマリテングハギは後者に属します。目と吻部が離れている独特の風貌と側扁(横に平べったい)した体型が共通点として見いだされた故の混称でしょう。 南西諸島ではサンゴ礁域を好むようですが、港湾部にも現れます。名瀬港は入り組んだ海岸線の奥部に造られた地形の険しい港のため、岩礁性の魚も多く集…

  • 廃線遺構巡り 国鉄宮原線(肥後小国~町田)

    訪問日:2019年8月29日 大分・熊本県境のくじゅう連山を貫くように走っていた26.6kmの盲腸線です。1984年廃止。 末端区間のみ熊本県域を走っていたものの、終点の肥後小国では他路線との接続がなく「熊本県の駅なのに一度大分県側へ出ないと県内の主要駅に行くことができない」という珍しい路線でした。ちなみに、初見殺しのような読み辛い路線名(「みやのはるせん」と読みます)は肥後小国駅の所在地名(大字宮原)に由来しています。 小国町へは豊肥本線の阿蘇駅からバスが出ています。より熊本市街寄りの肥後大津駅からの便もありますが、曜日限定運行のうえ1日2往復という本数の少なさから観光での使い勝手はよくない…

  • 超赤字ローカル線から特急街道へ JR四国・内子線の転身

    高松と宇和島を結ぶ四国の最重要幹線・予讃線。松山から西側の区間は2手に分かれていますが、特急列車などは山側の「内子線」区間を通ります。図のように速達列車の通らない伊予長浜経由の海側(通称「愛ある伊予灘線」)が予讃線の本線、向井原~内子と新谷~伊予大洲間が支線、両端を支線に挟まれた内子~新谷間が内子線…というネーミングの煩雑さ。 このややこしい線路名称の縛りには歴史的な経緯が関係しています。 松山と宇和島を結ぶ鉄路は伊予長浜経由で引かれ、途中の五郎駅で内陸の内子へと結ぶ盲腸線の内子線が分岐する形をとっていました。幹線のルートから外れた地方の閑散路線という宿命を負った内子線。一時は廃止も取りざたさ…

  • エゾホトケドジョウ

    道央の細流にて採集したエゾホトケドジョウ Lefua nikkonis。ヤチウグイなどとともに、種数は少ないながらも個性豊かな北海道独自の純淡水魚相を特徴づける面白い魚です。 画像の個体は雄。頭部から尾鰭基底まで一つながりの明瞭な暗色縦帯を持ちます。 分類学的にはドジョウ科ではなくタニノボリ科に振り分けられています。同じく北海道を日本における主分布域とするフクドジョウとも同じグループです。 生息環境。寒冷な気候故に泥炭由来の湿地帯が多く形成された石狩平野ですが、そのような環境がまさにこの魚の楽園となっているようです。底に堆積する枯葉に紛れて身を隠す愛らしい魚体は、さながら泥炭地のムードメーカー…

  • 廃線遺構巡り 国鉄妻線(妻~穂北)

    訪問日:2019年8月26日 1984年に廃止となった国鉄妻線(つません)。日豊本線佐土原駅から分岐し、西進して内陸の杉安駅へと至る20km足らずの盲腸線でした。ただ県庁所在地の近郊ということもあって列車は宮崎駅まで乗り入れており、一定の通勤・通学需要もあったようです。やはり本線のルートから外れた盲腸線という路線の性格が廃止のトリガーとなった面は大きいのでしょう。 さて、佐土原駅からバスで西都(さいと)バスセンターへ。西都市の中心駅としての機能を担っていたのが、現在のバスセンターのすぐ近くにあった妻駅です。 この辺りの路盤はそのまま遊歩道となっています。並行する道路と道路に挟まれる形で幅の広い…

  • 隣駅表示のおかしな駅名標たち JR東日本編

    いわき駅5番線。新津や吉田といった駅でも見ることのできる「X字型」矢印の駅名標です。 新津駅などと違って線路は3方向にしか伸びていないため、4又の矢印のうち一方には次駅が記されておらず、かなり変則的な書式となっています。設計ミスでしょうか。 盛岡駅4番線(左)、6番線(右)。 盛岡を終点とする東北本線用のホームなので右が正しい表記なのですが、逆側にも矢印が向けられているものが混在しています。三セク転換とともに終着駅となったゴタゴタは絡んでるとみて間違いなさそう。 青森駅4番線。現行のLED型駅名標に差し替えられる2015年頃まで使用されていたものです。 矢印はあるのにもかかわらず次駅の表記がな…

  • ヌノサラシ

    屋久島の磯で釣獲したヌノサラシ Grammistes sexlineatusです。日本では西南日本以南の黒潮沿岸域に分布する典型的な南方系魚種。 けばけばしい模様に違わず、皮膚に強い粘液毒(グラミスチン)を持つ代表的な魚種として知られています。実際、釣り上げて写真を撮っている数十秒の間にも分泌され続ける独特の質感の粘液にはかなり魚っとギョっとします。海水で手を洗ってもなかなか粘りは取れず、石鹸のように泡立ち始める始末。「soapfish」の英名も伊達じゃないな~と妙に納得させられてしまいました。 人間が触るだけであれば特に健康への影響はないこの毒の粘液ですが、水の生き物に対してとなれば話が別で…

  • 県境探訪 柳生の三県境@埼玉県加須市/群馬県板倉町/栃木県栃木市

    国内に48か所存在する「三県境」。そのほとんどは山地や水域に位置し、容易に到達できるものではありませんが、日本で唯一平地にいながら三県の土を跨げる場所が首都圏にあります。 東武日光線の柳生駅から北東へ徒歩約10分と、公共交通機関でのアクセスも容易な親切仕様。 ちなみに、かの渡良瀬遊水地の最寄り駅でもあります。この「平地の三県境」が成立したそもそもの経緯も遊水地の整備に伴って周辺の河川の流路が大きく変更され、河川上に引かれていた県境はそのままの位置で残されたというものであり、水害と公害に振り回された苦難の歴史を感じさせます。 ロケーション自体は至って普通の田園地帯という感じで、三県境をなぞる形で…

  • "地方病"と共にした命運… 山梨県 ミヤイリガイの今を訪ねる

    人間社会の発展、そしてそれに伴う自然環境の悪化とともに姿を消す生物種は近代以降もはや枚挙に暇がない。多くの場合は乱獲や生息地の破壊により図らずも血筋が途絶えるというものであるが、真骨頂として "人為的に存在を抹消された" 生き物というのが少ないながらも存在する。今回はそんな "文明の功罪" の象徴ともいえる小さな命たちの今を追った。 ミヤイリガイ(カタヤマガイ) Onchomelania hupensis nosophora。生物に関心のある人々であれば、頭の片隅にあるという方も多いことだろう。 川の貝としてお馴染みの顔・カワニナに似た、殻高1cmに満たない小さく地味な巻貝である。しかし、その…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part7 北の白鳥は海峡を往く

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 8日目、9月8日。北東パス(北海道&東日本パス)での行程はこの日まで。旅程組みの柔軟性では青春18きっぷに劣るが、7日間(連続)で10850円という18きっぷ以上の破格なので是非とも上手に活用されたい切符のひとつである。 東室蘭の宿を出て普通列車で長万部へ。苫小牧・東室蘭方面からの室蘭本線が函館本線と合流する古くからの要衝である。北海道新幹線の停車駅にも内定しているが、駅前は閑散そのものでありお世辞にも賑わいとは程遠い。最近ではKioskも潰れてしまったという噂である。 函館への道すがら、北海道駒ヶ岳(渡島富士)や大沼・小沼といった景勝地を突…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part6 魚の視線で楽しむ水族館

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 引き続き北東パスを使って旅を続ける。札幌を発ち、次に向かうはサケのふるさと千歳水族館。 外観だけならよくある地方の淡水魚水族館といった感じだが、ここの真髄は中で見られる魚の "展示方法" にある。 館内を一通り眺め終えて奥に進むと千歳川に面した観察窓があり、産卵のため遡上するサケたちを間近に見ることができた。そう、"野生の川魚" を横から観察できる日本でも有数の激アツ水族館なのである。 もちろん普通の水族展示も必見であるし、それも軒並みトラウト好きには垂涎ものといって差し支えないのだが、いかんせん野生のサケを見られる水族館というインパクトが強…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part5 三つの海

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 夜行列車全廃を控えた北海道を巡る旅も後半に差し掛かってきた6日目、9月6日。 夜明けの釧路の街を東へ急いだ。薄くかかった雲が水の鏡に姿を映し、シックな街並みも手伝ってさながら北欧の水郷のような雰囲気を醸し出す。名物の朝霧こそ出ていないが、「日本のロンドン」という異称にもなんとなく合点がいく。 この日の出発駅は東釧路駅。釧路市街から釧路川を挟んだ東側にある。閑静な住宅街に囲まれて倉庫のような煉瓦積みの駅舎が建ち、やはり欧風の情緒をほの感じられる。 中に入ろうとすると、建物の趣に反して味気ない引き戸の内側からバタバタと物音がする。薄明も手伝って流…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part4 みどりの平野を駆けて

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 9月5日。道東エリアを東西に横断する。この日も懲りずに鈍行列車での大移動である。 旭川から南下する富良野線の始発に乗車。ラベンダー畑をイメージした薄紫色をあしらった車体だ。 前日に雨が降ったせいもあって、車窓からは虹を拝むことができた。 この富良野線界隈、特に美瑛から富良野にかけての地区では、ラベンダーに限らず数多の花畑が見る者を楽しませてくれる。さながら彩りの大地といったところである。 終点富良野では、山脈の狭窄部を越える根室本線帯広行き列車に乗り換える。道央内陸の諸都市から帯広・釧路方面へ向かう際の中継地点の役割を果たす駅だったが、東行き…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part3 最果ての鉄路を辿る

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 9月4日。宗谷本線を完乗すべく旭川の宿を発つが、引き続き空模様は芳しくない。大粒の雨も降り始め、川は濁流となって岸を削る。そんな中でも列車は宗谷路を北へ北へと駆ける。 鉄路は名寄辺りから天塩川と並走。灰汁色の水面を横目に、最果ての地へ思いを巡らせる。恵みの大地には牛たちが遊ぶ。 牧草地と、牛。 サロベツ原野と、牛。この道北だけでもいったい何頭の牛たちが命を繋いでいるのだろう。下手すれば人口より多いんじゃないか、などと考えているうちに早朝からの雨は次第に勢いを弱めていった。 抜海(ばっかい)を過ぎると、宗谷丘陵の高台から日本海のパノラマが左手に…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part2 札沼線と留萌本線

    nenjin.hatenablog.com ↑前回 明朝6時。目を覚ますと最後の停車駅である新札幌を出たところであった。北の大地に踏み入るときめきは何度訪れても褪せないものだが、陸上交通で「朝目を覚ませば北海道」という理想的なシチュエーションに身を置くのは最初で最後の経験だろう。 7時間半に及ぶ夜汽車の旅は道都札幌で幕を閉じる。先頭の機関車が出発時と違うのは途中の函館でのスイッチバックのため。海峡を跨いで旅人たちを送り届けた青い雄姿もどこか誇らしげに見えた。 ホームに降り立ったその足でさらに北を目指す。乗り換える先は函館本線でもいいが、乗った経験のなかった札沼線(学園都市線)を選ぶことにした。…

  • 急行はまなす最後の夏 北海道放浪記 - Part1 みちのくを往く

    2016年春。北海道新幹線の開業は、本州と北海道を結ぶ各交通網にとって大きな転機となった。首都圏や仙台方面から道南へのアクセスが飛躍的に向上した一方で、かつて隆盛を誇っていた夜行列車群は全て消滅する運びとなり、長く一大ターミナル駅として旅人を送り出してきた青森駅は本州の北の玄関口としての役目を新青森駅に明け渡した。昭和の残り香とともにあったブルートレイン時代の終焉である。 今回はそんな節目を間近に控えた2015年晩夏の旅のお話。 9月1日。地元の京都を朝一で旅立ち、日が変わる頃に杜の都仙台に到着。例のごとく青春18きっぷのみを用いての行程だったが、正直いくら安上がりとはいえ健全な旅の在り方とは…

  • 廃線遺構巡り JR上山田線(真崎〜熊ヶ畑)

    訪問日:2019年6月27日 炭鉱輸送を主目的として網の目のように敷設された、筑豊地方の国鉄路線のひとつです。いわゆる「枝線」ではなく、筑豊本線(飯塚)と日田彦山線(豊前川崎)を短絡する今でいう後藤寺線のような立ち位置の路線でしたが、炭田の衰退後は大きな旅客需要もなく、分割民営化後ほどなくして廃止に至りました。 日田彦山線側のターミナルとなっていた豊前川崎駅で下車。 駅周辺に目立った遺構はありません。川崎町のコミュニティバスで真崎(まさき)へ向かいます。 真崎駅跡。ホームや当時の駅名標、果ては構内の車止めまでもが残され、鉄道のあった時代の面影を偲ぶことができます。 駅名標。字が掠れてしまっては…

  • 奄美大島のトウガタカワニナ類

    トウガタカワニナ科。主に純淡水域から汽水域までに生息する南方性の巻貝です。 雰囲気こそ本土の川でおなじみのカワニナと似通っているものの、完全な卵胎生のカワニナ科に対しこちらは卵生の種を含むなど生態面で差異が認められます。 国内の主産地は専ら西南日本以南、それも南西諸島に偏っていますが、他地域への移入事例もしばしば報告されています。 奄美大島の河川中流域。本土であればカワニナやその近縁種が好んで生息していそうな環境ですが、イボアヤカワニナやカノコガイ類が優占していました。 これがそのイボアヤカワニナ Tarebia granifera。 左が純淡水域、右が汽水域下部での採集個体。環境による形態の…

  • 大志田駅(岩手県・JR山田線) 雪と共に消えた山中の秘境駅

    2016年3月に廃止された、今は亡き東北屈指の秘境駅。 盛岡市街から距離的にはそう遠くない位置にあるものの、つづら折りの細い山道が数キロ続く道路状況の悪さから限界集落と化してしまっており、深い雪に閉ざされる冬季は全便通過という有様でした。 駅名標。隣の浅岸駅も、同じような立地条件から時を同じくして廃止となっています。

  • イチモンジタナゴ

    熊本県の水路で採集(釣獲)したイチモンジタナゴ Acheilognathus cyanostigmaです。 元来の分布域ではなく、移入された個体群が定着したもの。原産地である近畿や東海で急速に生息地を減らしている一方で、移入先の熊本ではセボシタビラをはじめとする在来タナゴ類のニッチを脅かす懸念要因として挙げられるという皮肉な状況になってしまっています。 「希少種だから」という安易な考えの放流がこのような不測の事態を招いてしまう典型例であるといえるでしょう。 薄く婚姻色を纏った繁殖期の雄。名前の由来でもある緑の縦条が映えます。本当に美しい魚です。 こちらは原産地(兵庫県)で2012年に採集した雌…

  • ありし日の三江線全駅めぐり Part4 因原〜江津

    前回の続き。三江線編はラストです。 因原駅。川本町のインフォメーションセンターを兼ねた道の駅が隣接しています。風格ある木造の駅舎。 それなりに大きな集落で、川本の方にはないコンビニ(ローソン)も。 鹿賀駅。 石見川越駅。 田津駅。石垣の積まれた盛土上にホームが設けられています。 川戸駅。江津市桜江地区(旧桜江町)の中心にあたる駅で、利用者も多かったようです。 川平駅。市街地や住宅街からはそれなりに離れますが、駅舎は木造の由緒あるものです。 千金駅。江の川が蛇行する谷沿いの小さな集落にあります。災害で不通となった際の代行バスが利用者僅少と車でのアクセスの悪さにより通過していたという経緯もあり、個…

  • ありし日の三江線全駅めぐり Part3 粕淵〜石見川本

    前回の続きです。 浜原駅では乗り換えの際に時間があったので、行って戻って歩いて…をせずに済みました。次に向かったのは粕淵駅。 三次と江津のちょうど中ほどにある美郷町邑智地区の中心駅です。三江線沿線では、口羽、川本、川戸と並ぶそれなりの規模の集落でした。駅舎は美郷町商工会館と併設されています。 明塚駅。 石見簗瀬駅。そこそこちゃんとした駅舎です。駅名標には「簗」の字を訂正した跡が。梁と誤記したんでしょうか。 乙原駅。 竹駅。 木路原駅。島根県側にはこのような簡易的なコンクリブロックの駅舎が多いですね。「駅舎すら設けられていない無人駅」というのも少なくはないものですが、三江線はその辺りは案外しっか…

  • ありし日の三江線全駅めぐり Part2 作木口〜浜原

    前回の続きです。 三次側から見て島根県最初の駅が作木口。駅名の由来となった三次市作木地区(旧作木村)は江の川を挟んだ対岸の広島県にあります。道路に沿ったホームと屋根だけの簡素な駅。 江平駅。作木口駅と似た構造ですが、駅入口の階段はホームと直角に設けられています。 クチバシティ口羽駅。所在地の旧羽須美村は合成地名。「羽」は口羽の地名から取られています。浜原以南では一番大きな集落で、この駅止まりの列車が設定されていました。ホームも列車の行き違いが可能な1面2線です。 伊賀和志駅。作木口から続いてきた島根県側の区間の中で、この駅だけ飛び地のように広島県所在となっています。前後で渡る江の川が県境になっ…

  • ありし日の三江線全駅めぐり Part1 三次〜香淀

    三江線廃止から遡ること1年半。既に廃止が決定していた2016年12月に、列車と徒歩で全駅を巡りました。駅数は奇しくも35(さんこう)です。覚えやすいでしょ。 起点(正式には江津が起点でこちらは終点)の広島県三次駅に昼過ぎに到着。ここから徒歩と上下方向の列車を効率よく駆使して4日をかけて全駅を巡ろうという寸法です。そのため実際には2駅進んで1駅戻って2駅進んで1駅歩いて…のようにジグザグの行程でしたが、記事を書くにあたってかなりややこしいので三次から順に一駅ずつ記していきます。 三次を出て最初の駅、尾関山。実は三次駅よりこちらの方が三次市街地に近いです。 そのため三次~尾関山間のみ芸備線の支線と…

  • アマミサソリモドキ

    奄美大島西部の森で撮影したアマミサソリモドキ Typopeltis stimpsonii です。 南方系の生き物。ムチサソリという別名もありますが、クモ綱の中でサソリとはまた別のカテゴリとされています。 下手に触れると酢のような強烈な臭いの液体を噴射する独自の生態をもち、英名のビネガロン(vinegaroon)もここに由来します。 奄美での個体数は多く、転石や倒木をひっくり返せばかなりの確率で這い出してきました。 奄美諸島や大隅諸島だけでなく南九州の一部にも分布しています。こちらは薩摩半島某所で建物の外壁にへばりついて夜間這い回るアマミサソリモドキ。ゴキブリみたい… 繁殖行動。左が雌です。この…

  • らめん食べある記 麺歩バガボンド 本店(鹿児島市)

    新コーナー(?)としてラーメン食レポを掲載していくことにしました。いつものポンコツ博物誌や限界旅行記とローテーションのような形で書いていこうと思います。よろしくです。 第1回は鹿児島市は市役所前電停前の『麺歩バガボンド』さん。鹿児島一のラーメン店という呼び声も少なくない(僕もそう思ってます)名店です。繁華街の天文館からは少し離れていますが、電車通りに面しており駐車料金のサービスもありとアクセス面もさほど悪くありません。 上ははりきって開店前に来てしまったの図、、、 営業時間は昼が11:15から15:00、夜は17:00(不定期で17:30)から21:00までとなっています。昼の部は近隣の他店よ…

  • 錦江湾岸石拾い 黒曜石・大隅石

    先日のお話。 鹿児島は錦江湾岸へ鉱物採集に行ってきた。この日はもともと霧島の内陸部で魚卵状珪石(温泉地から産出するオパールの一種)を採取するという寸法だったが、現地に向かうバスが平日しか運行されていないことが判明し、やむなく別の予定に変更することとなった。 鹿児島駅の隣駅である竜ヶ水で下車。薩摩・大隅国境の長い断崖絶壁に無理やり作られたような立地のため、両隣の駅まではかなりの距離がある。利用者が極端に少なく約半数の普通列車が通過(!)し、SUGOCAもエリア内でこの駅だけ利用できない。桜島の眺望はすこぶる良い。 駅の目の前の国道に出て、適当な場所から海岸へアプローチする。程なくして黒くゴツゴツ…

  • 廃線遺構巡り 熊延鉄道(釈迦院〜佐俣)

    訪問日:2019年6月28日 現在は鉄道空白地帯となっている熊本県中東部ですが、国鉄南熊本駅から砥用(ともち。現在の下益城郡美里町)を経て宮崎県の延岡までを結ぶ壮大な構想がなされた時代もありました。その名も「熊延鉄道(ゆうえんてつどう)」。現在の熊本バスの前身でもあります。 山間部の砥用までが開業に漕ぎ着けましたが、九州横断鉄道としての計画は頓挫し、南熊本〜砥用間も1964年に全線廃止となってしまいます。そんな熊延鉄道の遺構を巡ってきました。 南熊本駅から1時間ほどバスに揺られて目磨(めとぎ)で下車。この辺りがかつての釈迦院駅の近辺です。ここから川沿いに下っていきます。 駅舎などは跡形もないで…

  • 船尾駅(福岡県・JR後藤寺線) 炭鉱町に聳える鉄の砦

    筑豊炭田の採掘とともに栄え、現代でもセメント鉱業を基幹産業のひとつとする鉱業の町、田川。そんな田川市内の駅でもひときわ異彩を放つのがこの船尾駅です。 市中心部の田川後藤寺から新飯塚方面へ向かって1駅。1面1線のホームにバス停のような屋根が設けられているだけの簡素な駅です。構造そのものは至って普通の無人駅といえますが、特筆すべき点は駅の周囲に広がる景観。 ホームを両側から取り囲むように並ぶ麻生セメントの巨大な工場群。貧相な無人駅とその背後に聳える無骨な構造物という対比には、終末世界のような只ならぬ威厳すら覚えます。たまらん。 炭鉱全盛期、筑豊は日本有数の鉄道密集地帯でした。あらゆる鉱山から貨物線…

  • 県境探訪 府県境界踏切@京都市山科区/滋賀県大津市

    久々の県境シリーズ。京阪京津線の四宮〜追分間、その名も『府県境界踏切』に行ってきました。 四宮駅から旧東海道に沿って東へ歩くこと約5分、京都と滋賀の府県境を跨ぎます。境界線上をなぞる形で細い水路が流れているというなかなか面白い場所です。ある程度規模の大きい川と重なるように県境が引かれるケースは多いですけどね。 県境から2つ目の角を左に曲がると善福寺というお寺が見え、その裏の細い路地を進むと踏切です。ちなみに地図に載っていません。 この踏切を越えた先は個人宅で、実質的に住民の方専用の生活道路のようになっているため、渡ることはできません。間違っても地元の方々に迷惑をかけるようなことのないように県境…

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