アンソニー様を失ったレイクウッドは、 陽の光が消え失せたようだった。 エルロイ奥さまはキャンディス嬢を責め、 幼い彼女は、悲しみに沈んだ。 私も含めて、皆が暗たんたる気持ちだった。 (キツネ狩りさえ開催させなければ・・・。) ウィリアム様は、そんな気持ちでいたに違いない。 数日間は、屋敷奥にある自室に閉じこもっていた。 食事もろくに喉を通らない有様だった。 だが彼は、やつれた顔を上げた。…
初期案のキャンディ・キャンディって、アンソニーが亡くなる第一部までで、完結する予定だったそうです。 それって具体的に、どんな構成だったんでしょう? アンソニーの事故までは同じで、その後、大おじさまは、どのように登場するのか。 たぶん事故の後、泣き明かすキャンディの前に現れるシーンだったと思います。 場所はレイクウッドでした。 実際の最終回で、ウィリアム大おじさまは、レイクウッドにいました。…
あの日のパーティは、そもそも ウィリアム様のためのもの。 養女お披露目の名目で 招待された一族の前に 当主として正体を現わすはずだった。 それが予定通りに行われていたら どうなっていただろうか、と 私は時折、夢想する。 狩りのイベントの後の夜は、 はなやかな宴の席で キャンディス嬢は、美しいドレスを着せられ、 幸せな笑顔を振りまいたはずだ。 アンソニー様とアリステア様、アーチボルド様が 彼女…
お披露目準備の一方で、養子縁組の件に エルロイ奥様は、頭を悩ませた。 私自身も案じていた。 長老たちと急きょ相談の上、 キャンディス嬢は ウィリアム・アルフレッド・アードレー家の養女とすることに決めた。 ウィリアム・アルフレッドさまは先々代の弟であり ウィリアム・アルバート様の大叔父様である。 つまり同じアードレーでも、分家の娘にしたのだ。 それでも、アードレー家には違いない。 大変な幸運では…
レイクウッドに着く前に、私は部下と接触した。 そしてウィリアム様がエルロイ奥様にあてた命令書を受け取った。 屋敷に戻ると、車の到着に気付いたらしいアードレーの少年たちが門の傍に集まった。 キャンディス嬢の姿を見つけると、大喜びだった。 エルロイ奥様も出て来られたので 私は養女の件を伝え、 ウィリアム様の命令書を手渡した。 孫たちの前で、一族の大総長 「ウィリアム大おじ様」 の命令をくつがえ…
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