中華圏の小説、ポーランドボール、SCP財団、作曲、描画などが好き。皆様のお役に立てる/楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指して、試行錯誤の日々です。
「金庸 セリフ&会話bot」は今年いっぱいで活動を終了します
「金庸 セリフ&会話bot」をフォローくださっている皆様、いつもありがとうございます。 突然のお知らせとなりますが、当botは2020年12月31日をもちまして、通常ツイート、企画を含む全ての活動を終了させていただきます。どうやらこのアカウントは6年8か月に亘って存在していたようです。 初期からフォローいただいていた方、最近存在を知ってフォローくださった方、一人ひとりに御礼を申し上げます。 これまで、ありがとうございました。 活動終了を決めた理由は、主な目的である「日本における武俠文化の活性化」に、このbotが貢献できていないと判断したからです。 より端的に言いますと、「RTが少ない」。これが…
「108星いいところチャレンジ」も、難なく3分の1を過ぎ、地煞星ゾーンに突入しました。 ……えっ、ここから段々難易度が上がってくるって? そう……かもしれませんね……。 ともあれ、今回も張り切って補足していきます。天罡星の後半、第19位から第36位までです。 @shuihu_related 108星いいところチャレンジ 索超!「永遠の二番手」としてネタにされるのが存在価値みたいになってますが、作中で生かされてない設定のうちに、光るものを持っています。この子は演出次第で伸びるはずです。その伸びしろこそ長所と言いたいです。#水滸キャラのココがスキ #索超 pic.twitter.com/VcFgD…
【金庸bot】8月の名セリフ・名会話に選ばれたツイートはこちら
www.youtube.com 金庸botをご覧の皆様、新企画「金庸 名セリフ&名会話 傑作選」にご協力ありがとうございます。皆様にいただいた「いいね」とRTの数を集計しましたところ、8月は6つのツイートが名セリフ・名会話に選ばれました。 1つ1つご紹介するとともに、動画づくりの際の裏話などをコメントさせていただきます。 謝煙客「なぜわしに銭がないと分かった?」子供「何日も市場にいたけど、巾着を長いこと手探りして、変な顔つきになる人は、きっと銭がないんだ。食い逃げするつもりの奴はそうだって、店の人が言ってた」謝煙客(こやつ、わしを食い逃げと一緒にしおる)【俠客行】— 金庸セリフ&会話bot (…
企画「#水滸キャラのココがスキ」に乗っかって「108星いいところチャレンジ」を始めて、はや3週間。こちらでは、画像の出典含め、Twitter上の字数制限に阻まれて言えなかったことを少しずつ補足していこうと思います。18人分ずつ、全6回の予定です。 それでは、さっそく参りましょう。 @shuihu_related 108星いいところチャレンジ まずは宋江!どこまでが素でどこからが計算なのか、読めないところが面白いです。個人的には「全員揃って招安されたい」というのが素の願いで、汚い手を使うのもその悲願達成のため、と思うのですがどうでしょう。#水滸キャラのココがスキ #宋江 pic.twitter.…
■鳥居久靖訳『水滸後伝』あらすじ 数回分のあらすじを見てみて、「好きになれそう」という気がしましたら、ぜひ図書館に行って探してみてください。たぶん「東洋文庫」の棚に並んでいます。読了後、「この物語を所有したい」と思われた方は、ちょっとお高めですが電子書籍が出ています。ぜひ、「水滸後伝 電子書籍」で検索してみてください。 第1回 阮統制 梁山泊に感旧し 張別駕 石碣邨に激変す 第2回 毛孔目 横に海貨を呑み 顧大嫂 直に豪家を斬る 第3回 病尉遅 閒住して余殃を受け 欒廷玉 機を失して同じく夥に入る 第4回 鬼臉児 書を寄せて重禍に罹り 趙玉娥 配を錯誤りて多情に遇う 第5回 老管営の少なき妾 …
『三体』の感想、3回目。本シリーズの最終回です。 第1回 第2回 今回もネタバレ全開のため、未読の方はお気をつけください。 それでは、参ります。 ★三体人からのメッセージと葉文潔の「応答」 太陽に向けて電磁波を照射してから8年後のある夜、紅岸基地で夜勤にあたっていた葉文潔は、三体世界からのメッセージを受信します。一番有名な「応答するな」の3回反復から始まるメッセージですね。このメッセージの忠告にもかかわらず、葉文潔は何の躊躇いもなく、「来て、我々の星を侵略してほしい」との応答を返します。 地球人類に対し、幾ばくかの愛着を持っている人であれば、ここで三体世界に向けて応答する前に、多少の逡巡は見せ…
【新企画】金庸 名セリフ・名会話 傑作選当botが1か月に呟いたなかから、皆様にいただいた「いいね」とRTの合計数が多かったセリフと会話をピックアップし、朗読と中国語の原文をつけて動画にします。このたび、7月分の動画を作成し、youtubeに掲載いたしました。動画→ https://t.co/mKUc6A3d8K pic.twitter.com/gGosxBOZ2X— 金庸セリフ&会話bot (@jinyong_riyu) 2020年8月14日 さて、予定していたよりもだいぶ遅くなってしまいました。 待っていた方はいらっしゃらないとは思いますが、当「金庸 セリフ&会話bot」の新企画の立ち上げ…
さて、先日予告した新企画についてです。 その名も、「#水滸キャラのココがスキ」!! 参加方法は簡単!皆様が普段つぶやかれている、『水滸伝』の登場人物や作品そのものについてのツイートに、このタグを添えていただくだけです。 タグをつけていただいたツイートを、定期的にtogetterでまとめます。 (対象は公開アカウントからのツイートのみ) 「好きな好漢の魅力をもっと知ってもらいたい」 「最近気づいた地味なキャラの魅力を伝えたい」 「たくさんの人と『水滸伝』の話をしたい」 という皆様、ぜひこのタグをご活用いただければ幸いです。 まとめの対象には、派生作品(小説、マンガ、ドラマ、ゲームetc)や、公式…
企画「水滸好きさんに質問」は、第20回の終了をもちまして、完了とさせていただきます。 これまで回答くださった方、募集記事や回答に「いいね」・RTをお寄せくださった方、まとめをご覧くださった方……、全ての好漢の皆様に感謝です。 本当は1年続けるつもりだったので、実質は「打ち切り」ということになりますが、あまりたくさんの皆様にご支持いただけなかったので、仕方のないことですね。 この企画に費やす時間と労力は、別のところに傾けるべきだと判断しました。 この企画の終了後も、当「水滸伝関連書籍bot」は、普通のbotには戻りません。 今後も、日本における『水滸伝』の普及、水滸クラスタの拡大に貢献できるよう…
一度書いた原稿が消えてしまったので、更新が遅くなりましたが、ともあれ、『三体』感想の第2回です。 第1回はこちら 気を取り直して、今回も全力投球でまいります。ネタバレ全開のため、未読の方はご注意ください。 ★紅岸基地の本当の目的 葉文潔は雷政治委員と楊チーフから、紅岸基地は実は宇宙にメッセージを送る目的のものだと聞かされます。 その前段階で雷政治委員が語ったフェイクストーリー、「資本主義国家の人工衛星にマイクロ波を照射して破壊する」というのも、これはこれで面白い構想ですよね。別の小説のタネになりそうです。 紅岸プロジェクトの関連文書のくだりは、SCP財団の報告書を読んでいるような気分になりまし…
企画「水滸好きさんに質問」は、第15回から18回の実施結果を踏まえ、20回で終了とさせていただきます。 テコ入れを目的として行った施策の数々が、完全に裏目裏目に出てしまったようで……応援してくださった皆様には、大変申し訳ない結果となりました。 この企画を開始した直接のきっかけは、流行り病による社会の危機でした。 緊急事態宣言も解除されて街に賑わいが戻りつつある今、本企画は役割を終えたということなのでしょう。 さて。 本企画の終わりに向けては、あと2回の開催が残されています。 可能ならば、これまでご参加くださった全ての皆様へのご恩返しのためにも、お葬式ムードのしめやかな終幕ではなく、でっかい花火…
企画「武俠好きさんに質問」は、第27回の終了をもちまして、完了とさせていただきます。 これまで回答くださった方、募集記事や回答に「いいね」・RTをお寄せくださった方、まとめをご覧くださった方……、全ての江湖の仲間たちに感謝です。 1年間、本当にありがとうございました。 これをもちまして、当「金庸 セリフ&会話bot」は普通のbotに戻ります。 ……嘘です。戻りません。 今後も何らかの形で、日本における武俠小説の普及、武俠クラスタの拡大に貢献できるようなコンテンツづくりを考え、実施していきたいと思っています。 ただ、フォロワーの皆様にこれほど多大なご協力をいただかなければ成り立たないような企画の…
密かに気になりつつ、ヘヴィーそうでなかなか手がでなかった、噂の中国産SF『三体』を、このたび読み終わりました。読んでよかった!ぜひ多くの方にお手にとっていただきたい!……というのがまず最初の感想ですね。SFを全く知らない方でも、中国の文化に興味があれば……逆に、中国の文化を全く知らない方でも、SFに興味があれば、きっと楽しめるはずだし、新しい世界への扉を開くきっかけにもなってくれる本だと思います。難しい言葉は色々出て来るけど、わかってなくても何とかなる(現に自分がそうだった)から……!分量もみんなが思ってるほど多くない(はずだ)から……!悪いことは言いません、もし1ミリでも興味があれば、今すぐ…
何と、テコ入れを狙ったにもかかわらず、過去最小の参加人数を更新してしまい、参加くださった方、参加できなかった方、双方に対し大変申し訳ない結果となった第14回でした。 もうこんなことを繰り返すわけにはいかない!…というわけで、今後、参加人数が初期の水準に戻らなければ、第20回を最終回とする旨、宣言させていただいております。 (この結論に関しましては、今週並行してとらせていただいていたアンケート結果のレビューの方も、ご参照いただければ幸いです。 「水滸好きさんに質問」アンケートのレビュー) これからの6回では、第14回の回答として皆様からお寄せいただいた質問を、少しだけ改変して、使用させていただき…
今週、「水滸好きさんに質問」に関するアンケートにご回答くださった皆様、ありがとうございました! これから結果のレビューをしていきますが、結論を先に申し上げます。 「あと5回だけやらせてください。今後は締切を設け、各回のまとめを作成していきます。それで参加者数が初期の水準に戻らなければ、これから6回目の第20回を最終回といたします。」 それでは、一つひとつのアンケート結果を見て参ります。 ■「水滸好きさんに質問」 アンケート企画「水滸好きさんに質問」、楽しんでいただけていますか?— 水滸伝関連書籍bot 「水滸好きさんに質問」実施中! (@shuihu_related) 2020年5月31日 あ…
【参考】「水滸好きさんに質問」で投下しようと思っていた質問のリスト
下記に、主催者が「水滸好きさんに質問」で将来投げかけようと思っていた質問のリストを表示します。 ごく簡単なメモなので、実際に投下する際にはこのとおりの表現にはならない可能性も多々ありますし、今後の皆様の回答状況を鑑み「これはあまり多くのご回答をいただけないだろうな」と予測できる質問については、リストから抹消していくつもりです。 こちらをご覧いただき、「これはぜひ自分も訊いてみたい!」と思うものがありましたら、第14回の回答として、ツイートいただけますと幸いです。 ご賛同いただけました質問は、時期を見計らっての投下が確定となります(できるだけ近い将来を考えています)。 「この質問は確かにアリだけ…
3連続で、江湖の好漢の皆様にあまり楽しんで回答いただけない質問を出してしまい、反省至極の主催者です。 もっとも、答えづらいなかでも素敵回答をお寄せくださった方もいらして、大変感謝しておりますし、全ての回答を楽しませていただいていますが…… 一般に公開する企画である以上は、やはり、たくさんの皆様にお楽しみいただけるものを目指していくべきと考えます。 一体、どこに原因があるのか。 ひとつには、「自分の考える質問が、皆様からの需要とズレている」という可能性が考えられます。 その状況を探るため、第14回は上記の質問とさせていただきました。 いただいた回答は、お約束できるものではありませんが、今後の質問…
タグに集まるツイートの大部分が主催者のものというのはさすがによろしくないので、以降、考えた「あるあるネタ」をこの記事に書き溜め、今週日曜まで随時更新していこうと思います。 5/31が終わった時点でのこの記事の状態が、現時点での自分の、この問いへの回答ということになりますね。 中には以前、このブログで語ったものもありますが、ここらで一度、まとめてみるのもアリかなと。 また、皆様が考えられたご回答が、この記事内の「あるある」とカブってしまうこともあるかもしれませんが、お気になさらず、ガンガンつぶやいていっていただければ幸いです。 それでは、参ります。 ・盛り上がったところで話を終えたいばかりに、回…
さて。 行ってみたい場所として「梁山とその周辺」「開封」「景陽岡」を挙げたところですが、自分がそれらの場所を訪問できる日は、いつになるやらわかりません。 と言うのも、私事なのですが、環境に対する強いアレルギーがあって、以前大陸中国に2泊3日で滞在したときに身体をボロボロにしてしまい、完全回復までに2年ほどかかっているんですね。 今度大陸を旅行するとしたら、飲食物は全て日本から持ち込みで、現地の水でシャワーなど浴びない覚悟で臨まなければなりませんが……そんな贅沢旅行、おいそれとできるわけもなく……。 中国にある水滸ファンあこがれの地は、自分にとっては最期まで、脳内にしか存在しえない場所なのかもし…
#最終回発情期おっと、『水滸後伝』さんの悪口はそこまでだ! pic.twitter.com/Ym9YAlW3bM— 水滸伝関連書籍bot 「水滸好きさんに質問」実施中! (@shuihu_related) 2020年5月11日 どうも最近、新しいブログ記事を立ち上げる頻度が低くなっています。 それもそのはず、これまでは出先でスマホをポチポチやって記事を作ることが多かったのですが、近頃はめっきり部屋に引きこもってしまっていますからね…… 近所の喫茶店にも長居しづらいし(そもそも閉まってるところが多いし)、困ったもんです。 近況はこのくらいにして、「最終回発情期(ファイナルファンタジー)」とかいう…
回答その2。好きなセリフ・会話です。 金庸15作の1作につき1箇所、これまでに当botがつぶやいたなかからピックアップしていきます。 ネタバレにはご容赦ください。それでは、参ります。 『飛狐外伝』 程霊素「毒にあたったら、助けるすべはないと仰ったけど、それは、この世に自分の命をなげうってまで、病人を助けようとする医者なんかひとりもいないと思っていらしたからなの。兄さん、師父はご存じなかったのよ。わたしが……わたしがあなたのためならそれができるということを……」【飛狐外伝】— 金庸セリフ&会話bot (@jinyong_riyu) 2019年7月31日 程霊素の亡くなる間際のセリフですね。自分の…
まずは「お気に入りのシーン」について。 セリフ・会話に関しては、また機会を改めて回答します。武俠の醍醐味は戦闘シーン……という方が大多数かと思うのですが、この点、自分はよほど好みが変わっていて、たくさんの人が集まってごちゃごちゃ話してるシーンが、とにかく好きなのです。 『飛狐外伝』は、掌門人大会が始まって24個の杯を奪い合う話をしてるところ。 『雪山飛狐』は、外界との連絡手段を断たれた人々が各々の秘密を打ち明ける場面。 『連城訣』は、水笙を迎えに来た人々が花鉄幹の言い分を信じてしまう場面。 『天龍八部』は、三十六島七十二洞の大会とか、少林寺の前でのやりとりなど。 『射鵰英雄伝』は、乞食党の大会…
大山大将のような働きをした人が凱旋すると、待ちかまえていたのは陸軍准尉への任官であったという。これは宋朝廷の賞罰が、どんなにでたらめであったかを皮肉ったのだが、それがそのまま著者の生きていた明代の状態にあてはまるものであることは言うまでもない。【虚実】— 水滸伝関連書籍bot 「水滸好きさんに質問」実施中! (@shuihu_related) 2020年4月30日 この文章を初めて読んだのは15年ほども前になりますが、当時は大山大将が誰かわからず、喩えがピンとこなかったのです。 今はわかります。『坂の上の雲』ちゃんと全巻読みましたから!(ドヤァ 日露戦争における大山大将の役割は、征遼戦において…
パッと思いついたのは、朱富か裴宣か、というところです。 ◆朱富 まず、「一度出来た縁は大切にする」という点がポイント高いです。 それから、「何の特技も持たない自分でも、朱富の手伝いならできることもありそう」というのがあります。朱富が買い出しで店を離れてる間、鍋を弱火にかけて掻き回しつづける、程度のことなら、多分……。酒は一滴も飲ま(め)ないんで、盗み飲みする心配もないですしね! ……って、もしこれが職人気質の好漢なら、あちらから「てやんでえ、俺の酒が飲めねえ奴なんざと付き合ってられっかい!」と断られそうなところですが、朱富はその点も寛容です。同じく下戸の李雲先生ともうまくやってます。自分は李雲…
#武俠好きさんに質問現代の日本が舞台でも抵抗がなければ、池井戸潤先生(半沢シリーズで有名)と横山秀夫先生(ロクヨン、半落ちなど)の小説をオススメしたいと思います。→https://t.co/UOWR283iB3 https://t.co/NA46KK5gOW pic.twitter.com/qkd3gEicVT— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年4月28日 このツイートについてなんですが…… 呟く前から、「まず間違いなく、誰の心にも響かないだろう」ということはわかっていました。 この質問に対してお寄せいただける回答は、(質問が分野を限定していないにも関わら…
池井戸潤先生(半沢シリーズで有名)や横山秀夫先生(ロクヨン、半落ちなど)の小説をオススメしたいと思います。 大きな権力や世渡りのうまい人々のために、真実や正義が歪められるというのは、何も武俠小説のなかだけのことではないんですよね。武俠の主人公たちが自分の運命を切り開いていく様子を「あれはファンタジーだから」と突き放して見るのは簡単ですが、現代の日本を舞台とした小説にでも、難しい現実のなかで、どうにか自分が考える正しいことを貫こうとして行動しているヒーローたちはいるのです。 (決してうまくいくことばかりではありませんが、最後の最後に判定勝ちくらいに持ち込める場合も多いようです。まあ、「小説の中だ…
実質、初めて読んだ『水滸伝』は、横光版だったので(厳密には違うんですが、まあ最初のは水滸にカウントできるか微妙なので……)横光版の中のシーンということになります。 まず横光で好きになっていなければ、原作に進んでいないはずです。 で、横光の中のどのシーンかといいますと…… 多分、次のようなシーンを読むたびに、段階的に少しずつ好きになっていったのだと思います。 ・洪太尉が龍虎山で牧童に出会い、後に牧童こそが張天師だったとわかる ・王進先生と史進が出会う ・史進と少華山の頭領たちが仲良くなる ・魯達が肉屋の鄭を殴る ・魯智深、五台山での大暴れ ・魯智深、史進と協力して崔道成らを倒す ・王倫、林冲に投…
面白いと思う人物は、例によってたくさんあるわけですが…… 気分で一人だけ挙げます。 『水滸伝』の視点人物、いわゆる「講釈師」ちゃんです。 水滸物語は南宋から元、明にかけて、講釈として語られることによって、中国の民衆の厳しい目にさらされ、鍛え抜かれてきました。小説として書かれた『水滸伝』も語り物の体裁を失っておらず、一人の講釈師が百回ないし百二十回にわたって聴衆に語って聞かせる物語という設定で書かれています。 この視点人物、講釈師ちゃんについてですが、近代の洗練された小説における「神の視点」とはだいぶ違っていて、要所要所で自分の存在を主張するほか、行動にも制限が見られます。 と言うのも彼は、今ま…
先週の「水滸好きさんに質問」第7回にご回答くださった皆様、ありがとうございました。様々な方面からの「水滸沼への引きずり込み方」が挙がり、主催者も大変勉強になりました。今後、何としても水滸沼に誘いたい友達ができたときには、 #水滸好きさんに質問07 のタグに集ったツイートを参考にしていただければ幸いです。 さて。 いただいたご意見をもとに、個人的にも少し考えてみたのですが、やはり「自分が水滸を楽しんでいる姿を見せるのが一番」というのは、あるのだろうと思います。 他ジャンル(自分の場合はポーランドボールとSCP)を見渡してみても、「〇〇が好きすぎて、自分でコンテンツ(イラスト、SS、動画など)を作…
気づかぬうちに桜が咲いて、そして散ってしまった今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。 首都圏に住んでいるため、強制的に在宅勤務が採用され、はや一週間が経ちました。 いやー、この年になって、 「あれ?自分、在宅の方が向いてるんじゃね?」 ということに気づくとは、思ってもみませんでした。 見る見るうちに部屋が綺麗になり(身の回りを整えることに意識が向いたため)、身体のラインが整っていきます(小まめに立ち上がって30秒くらいの筋トレを挟んでいるため)。 また自分の場合、成人する頃からこれまで、「暇」と「寂しい」という二つの感情を抱いたことがないんですよ。いつもやりたいこと、考えたいことがいっぱい…
これまでに21回の開催を数え、多くの武俠ファンの皆様にご愛顧いただきました「武俠好きさんに質問」ですが、開始から1年を迎える6月末で、終了させていただくはこびとなりました。 理由は、端的に言いますと「ネタ切れ」です。企画者一人が満足すればいいなら別ですが、多くの武俠ファンの皆様に楽しんで回答いただけるものとなると……あと1年続けられるだけのネタは、さすがに持っていません。 また、質問募集のシステムに設計不良があり、破綻が見え始めていたので、このあたりで区切りとさせていただくのが最善と判断しました。 参加くださった方、ご覧いただいていた方の中から、この企画の使いづらい部分を改善し、よりよい形で類…
青州軍の総指揮官だった黄信は、軍の長官だった秦明とは親しい仲で、その武芸は秦明から習い受けた。ただ、軍人らしく戦いを恐れることはなかったが、鎮三山と豪語するほどの腕前はなかった。〈中略〉だが、最後まで勇敢に戦い抜き、方臘討伐戦後まで生き残ったひとりとなった。【プロフ 黄信の項】— 水滸伝関連書籍bot 「水滸好きさんに質問」実施中! (@shuihu_related) 2020年4月2日 こいついっつも「鎮三山()」って言われてんな ……およそ人物紹介系の水滸関連書籍で、黄信のあだ名をいじっていない本というのは、おそらく存在しないと思います。 もし、このあだ名いじりが根も葉もないガセなら、黄…
……というわけで、はい! 今回は実験的に、「大喜利形式」での質問を投下させていただきました〜。 「武俠好きさんに質問」は隔週なので、なかなかこういう冒険ができないのですが、週1というのは小回りがきいていいですね。 その代わり、ネタ切れの恐怖とは常に向き合っていかなければならないわけですが……。 一回こうしてやってみて、あまり馴染まないようでしたら、今後は大喜利形式での質問は投げないようにします。 逆に、たくさんの方に楽しんでご回答いただいた感触が得られれば、ちょいちょい投下させていただくかもしれません。 はてさて、どちらに転ぶでしょうか。週明けまでのお楽しみ! …ということで、ひとつよろしくお…
質問に回答するのに、わざわざブログの記事をでっち上げてリンクを貼ったり、画像をでっち上げて添付したり。 こんなことをするのは、「こういう回答のしかたもあるんだよ」という可能性を、広く提示するためだったりします。 質問の出題者である一方で、回答のしかたは極めて異端。そういう存在を僕は目指したい。 ……とは言っても、「武俠好きさんに質問」の方ではこんな回答の仕方はいくらも持ちませんでしたし、「水滸好きさんに質問」でも、どれだけ続けられるかはわかりませんけどね。 まあ、思いつく限りは色んなことを試してみたいと思います。 それはさておき、回答の内容についてです。 他のことは全部諦めてるんですよ。身体能…
好きなエピソードを、思いついた端からこの記事内に書き込んでいこうと思います。3/22が終わる時点での記事の状態が、現段階でのこの問いへの回答ということになりますね。 なんか絨毯爆撃状態になりそうですが……とりあえず、やってみます。 ・史進の王進先生への弟子入り。史進のアホの子らしさがよく出ています。このくだり、講釈で聴いたら面白いでしょうね。 ・史進と少華山の頭領3人が仲良くなったくだり。朱武は「史進を計略にかける」と言ってますが、同年同月同日の誓いが本当に存在したなら、朱武のとった手は単なる正攻法だと思うんですよね。それをわざわざ「計略」と言うあたり、朱武は自分を策士と思いたがってる人なんだ…
「水滸好きさんに質問」が結べるかもしれない「お噂はかねがね」の関係性
3月からスタートした「水滸好きさんに質問」も、これで3回目を数えます。初回、第2回ともたくさんの水滸ファンの皆様にご参加いただき、感謝に堪えません。 特に、金庸botのフォロワーさんに多数ご参加いただけたのは、嬉しい想定外でした。募集のスパン等が違っていて紛らわしいですが(企画者自身、よくうっかり混乱しそうになっていますが)今後も、告知ツイートを目にされましたら、ぜひご参加のほど、よろしくお願いいたします。 さて。 下記、この企画が持つかもしれない可能性について、少し考察してみました。 各回のハッシュタグをクリックしますと、twitter上の水滸好きさんによる回答がずらりと並びます。 その中に…
#武俠好きさんに質問 【参考】現在、アマゾンで1分冊でも新品文庫の品切れが発生している金庸小説邦訳リスト天龍八部/射鵰英雄伝/神鵰俠侶/倚天屠龍記/連城訣/俠客行/碧血剣/鹿鼎記/書剣恩仇録/飛狐外伝/雪山飛狐/短編集つまり、笑傲江湖以外全部。版元に増刷の意向があるのかはわかりません。 pic.twitter.com/QrHdmYWRtv— 秦暁 Aguila Jata (@heki007reki) 2020年3月11日 ……はい、ちょっと気になったんで調べてみたら、えらいことになってました。 もしかすると「たまたまAmazonが切らしてるだけで、あるところにはある」のかもしれません。 ひょっ…
『普及版 世界文学全集 第1期』著:清水義範 この本に収められた短編のうち一つに『水滸伝』というタイトルのものがあります。 内容は、現代(と言っても90年代初頭頃)の日本で、「宋本保義」という名の顔の広いゴロツキの男が、親戚から「梁山ビル」という建物と莫大な資産を譲り受け、これを「水滸殿」という結婚式場につくり変えて、107人の同志たちと共に、かねてから不満を持っていた結婚業界に殴り込みをかけるというものです。 自分はこれを読んで、名前だけは聞き及んでいた『水滸伝』という物語に興味を寄せるようになり(←色々間違ってますねw)、横光先生のマンガ→吉川・清水訳へと進んで、沼から抜け出せなくなりまし…
割と派手めなミスを見つけた……引用時はしれっと蕭譲と裴宣の記述を逆にして、戦死のくだりを削っておきますね pic.twitter.com/JqqU0T8Iu6— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年3月5日 『水滸伝 108星のプロフィール』は大変に分厚い本で、パソコンの支援ソフト等も今ほど充実していなかった時分にこれだけの情報をまとめ上げるのは、さぞかしハードな仕事だったろうと思います。 誤字も散見されるのですが、とにかく文章量が多いので、そこまで大した割合ではありません。まあ、確かに今回ツイートしたような派手なミスも、あるにはあるんですが、決して「校正仕事し…
人の身分や職業の上に「花」がつけば、「それとしての分際からはみ出した」「できそこない」の意である。「花公子(ホアコンツ)」は不良息子であり、「花姑娘(ホアクーニャン)」はあばずれである。したがって「花和尚」は「ならずもの坊主」でもある。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年3月5日 ……ということですが、「花栄」は「ならず者の栄」という意味ではありません。また花栄の妹も、結婚前は「花姑娘」と呼ばれたこともあったのでしょうが、別にあばずれというわけではないのです。 花夫人の崔氏も、夫人としてあるべき枠をはみ出してはおらず、また花栄の息子も、後伝では長じて…
マトモに列挙しだすと72人とかは簡単に越えてしまうので、今の気分で一人だけピックアップします。 蕭譲です。 むかし一回流し読みした程度で、あまり馴染みのなかった王慶の段。今年の初めに思い立って、よくよく読んでみますと、そこにはまぶしくて直視できないほどの輝きを放つ、蕭譲がいました。 王慶の段の作者は、方臘戦に連れて行ってもらえない蕭譲のために、派手な引退の花道を用意してあげたってことなんでしょうかね。だったら皇甫端にもちょっとは出番を分けてあげようよ……などと思ったりもするんですが、まあそれはそれとして。 王慶戦のなかで蕭譲の見せ場は、二つあります。 一つは、都から遣わされた高官の陳安撫ととも…
さて。 皆様、突然ではございますが、ここでひとつ、新しい企画を開始したいと思います。 その名も「水滸好きさんに質問」!! 1週間に1回、twitter上で、水滸伝ファンの皆様に向けた質問を発表しますので、タグを添付の上で回答を自由につぶやいていただく、という企画です。 タグで検索すれば、他の水滸ファンの皆様の回答が一同に集まります!気になる回答を見つけましたら、ぜひ、つぶやいた方のプロフィールを見に行ってみてください。 回答は、原作に対するものに限りません。『水滸』と名のつく、昔の中国で梁山泊に集まった好漢たちについての物語であれば、全て対象に含みます。 (この辺りのご判断は、回答者の皆様にお…
今日は旧暦2月6日。百二十回本で、盧俊義軍が田虎の将・孫安と初めて会戦した日にあたります[-(97)]。孫安はこの日、秦明と五六十合あまりもわたりあい、勇猛ぶりを存分に発揮しました。孫安はこの後、盧俊義の義気に感じて投降し、喬道清を説得し投降させたほか、王慶戦においても大活躍しました。 pic.twitter.com/QUqUyfRVIm— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月27日 今日は、既に空気と化している「記念日リマインダー」が久々に発動しました。少しでも目立つように、先回から画像をつけています。TLから見つけ出してリツイートしてくださった皆様、誠に…
宋清は宋江の弟だから頭領になっているだけで、なんのとりえもない平和な人である。梁山泊にまぎれこんだ凡人だ。それでも頭領である以上、なにか役についていないとぐあい悪いので、宴席がかりにしてある。【事典 宋清の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月24日 何の能力もないのに、兄が宋江だからというだけで梁山泊に迎えられ、頭領にされてしまった宋清。 何かにつけて「役立たず」だの「パンピー」だの「異物混入」だのとバカにされる彼ですが、多分、梁山の頭領たちのなかで一番、「普通」の感覚を持っていた人だと思います。 珍獣だらけの動物園のような梁山泊の片隅から、パッとし…
索超は気がみじかい気がみじかいというが、たたかいのときには秦明のほうがよくとびだすので、梁山泊ではなんとなくカゲがうすい。ほかにも林冲やら徐寧やら気のみじかいのがでてくるので、よけいにうすくなる。【事典 索超の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月23日 どうもこんにちは。実は昨日、別アカで目に余る勘違いをやんわり指摘したところ、暴言を吐かれてしまい、丸一日落ち込んでいました。 まあ、向こうは今頃そんなことはコロリと忘れてパフェとか食べてらっしゃるでしょうから、こちらも忘れるために、楽しいことを考えましょう。 たとえば索超のこととかね。 さて。 梁山泊…
孫立「東京へ行くんなら、持って行ってもらいたい手紙があるんだが、そっちの、つごうはどうだろう」杜興「どうせついでだ。誰に届けるのかね」孫立「わしの女房の弟楽和なんだ。女房が長いこと会わんもんで心配している。わしも、ちと相談したい大事なことがある」【鳥居後伝04】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月20日 ※シリーズの途中ではありますが、内容とタイトルの乖離が甚だしいため、「ひとこと感想」→「連想語り」にタイトルを改めさせていただきました。あ、バナーも作り変えないといけませんね。ぼちぼちやります。 ……ふと思ったんですが、「おら東京さ〜行ぐだ〜♪」っていう…
たいしたとりえはない。不思議なのは、王慶討伐で二回でてきて二度とも功をたてているところ。ただし敵の畢先を殺したあたりは話が変で、畢先は二度も死んでいる。あるいは、とりえのすくない好青年に手柄をたてさせてやるためのあとからの加筆だろうか。【事典 王定六の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月14日 泣かず飛ばずのさだろくに手柄を立てさせてやった田虎・王慶の作者、GJ! しかしそのために2回も死ななければならなかった敵将はかわいそうですね。1回死ぬだけでも、本人にとっては大変なことなのに。 さだろくと言えば思い出すのは、初登場時のことです。 宋江が病気で、…
「摩雲金翅」欧鵬――これは想像上の動物である。「摩雲」は雲に触れる、つまり空高く飛ぶ、の意、「金翅」は仏説で龍を食う怪鳥である。「井木犴」郝思文――星宿の名である。母がこの星を夢みてみごもったという。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月13日 「井木犴」という綽名、そしてこの出生にまつわるエピソード。 すごい奴が出てきたぞ!!と、ワクワク感を掻き立てられるわけですが…… 特に井木犴に関する何かがあるわけでもなく、郝思文は普通に軍人として戦い、普通に死んでいきます。 「劣勢に立たされて戦線を離脱したところで井木犴に出会い、追いかけていくと、そこに傷…
【中国語ボカロ】好漢歌を歌ってもらった【洛天依】動画→ https://t.co/0MpJAGPUju @Youtube歌ってもらいました pic.twitter.com/7zSHcdjGX5— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月12日 さて。 この動画をつくろうと思い立ってから、苦節……3か月くらい。 いやー、実に様々なトラブルに見舞われました。 「うちのボカロが増えてしまう」 「笑い声の編集に頭を抱える」 「音割れに絶望する」 「パソコンが壊れてイラストが描けなくなる」 「イラストの下手さに絶望する」 「パソコンが壊れて動画編集ができなくなる」 「一旦…
今日は旧暦1月15日、元宵節。水滸伝の作中では、灯籠祭りの喧噪に乗じ、よく事件が起こる日です。宋江が清風寨で劉高に捕まる[33]、梁山泊軍が盧俊義を救出する[66]、宋江・燕青らが李師師に会う[72]、燕青と李逵が方臘鎮圧の挙兵が行われることを知る[90(110)]といった出来事がこの日に起きています。— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月7日 早いものでこの「ひとこと感想」も、我々の業界における2番目のキリ番、第72回を迎えました。 botのプロモーションのためにしているこの企画、目的を果たしているとは言えず、どうしたものかと考えあぐねてはいますが、 水…
水滸伝関連書籍botをご利用の皆様、いつもありがとうございます。 そして、大変お待たせいたしました。 旧暦の1月15日、元宵節にあたる本日、以前から告知していた「記念日リマインダー機能」を、ようやくbotに実装することができました。 記念すべき(?)最初の記念日告知ツイートは、何だかギチギチでせわしない感じになりましたが、次からはもう少し情緒ある感じに、『水滸伝』作中の記念日をお知らせできると思います。 (ちなみに、特筆する必要もないとは思いますが、カッコ内の数字はその出来事が起こった回をあらわしています。[90(110)]は、百回本の第90回、百二十回本の第110回という意味です) 『水滸伝…
田虎・王慶は、梁山泊軍と強力な盗賊軍との戦争の話であって〈中略〉敵の有力な大将がたくさん討死するのに、味方が一人も死なないというのもおかしい。そこで、田虎討伐の際に敵の豪傑がぞくぞくと降参して味方に加わり、その連中がつぎの王慶討伐の際にあっぱれ戦死するということにした。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月7日 「あっぱれ戦死」と言えば聞こえはいいんですけどね…うん……。 どうやら、章回小説の作者にとって「ぴったりの回数までに物語をひと段落させねばならない」という強迫観念は、かなりのものだったようです。 王慶の段の作者にとって、「百十回までに王慶討…
総大将なのだから、どんなに強いやつかと思うと、これがちっとも強くない。たぶん百八人のなかで一番弱いのではないか。いやもっとも、百八人のなかには、医者だとか習字の先生だとかの専門技術者もいるから、まさかビリということはないだろうが、うんと弱いほうであることはたしかである。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年2月3日 この「総大将」というのは宋江のことです。 わかりますかね?わ…わかりますよね?どうか忖度をお願いいたします。 この「宋江が弱い」という話になると思い出すのは(大体の水滸クラスタの方には同意いただけると思いますが)、孔明・孔亮兄弟のことです。…
「金庸 セリフ&会話bot」をご利用の皆様、いつもありがとうございます。 そして、大変お待たせしました。 『射鵰英雄伝』から引用したセリフや会話が、今日から徐々に、botに復活してまいります。 以前の記事で、 「天→射→神→倚→連→笑→俠→白→碧→鹿→鴛→書→飛→雪→越の順でツイート登録を実施します」 とお話したところですが、『天龍八部』第1巻からの登録作業に思いのほか時間がかかってしまったので、 「このまま『天龍八部』を進めるよりも、より多くの作品からの引用を充実させる方が先決だろう」 と考え、方針を一部変更することにいたしました。 『天龍八部』1巻→『射鵰英雄伝』1巻→『神鵰俠侶』1巻→……
たしか中学にはいったばかりのころ、吉川英治の『三国志』を愛読し、関羽や張飛の活躍に胸おどらせた。関羽が死んだ時には、目の前がモウロウとして腰が抜けたようになり、翌日学校へ行って一番仲のよかった友だちに、「関羽が死んだ……」と言ったのをおぼえている。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月30日 高島先生に握手を求めに行きたい気持ちでいっぱいです。この感覚、実によくわかります。 自分が初めて中国白話小説らしき本に触れたのは高1の頃、『封神演義(安能版)』でした。 大変面白く読み進めていたわけですが、あるとき、颯爽と戦っていた黄天化(←重要人物。重要度は…
顧大嫂「かやつを、そのままにしておいたら、あたしたちに仇をするのがおち。草を刈るなら根まで抜けって言います。まず、あいつをやっつけて、その荷物を扈さんの手へもどしてあげなくちゃ。そしたら、なくなられた扈三娘への義理もたとうというものですよ」【鳥居後伝02】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月30日 『水滸伝』本伝に書かれているわけではないので、完全にイメージで語る話なんですが…… 顧大嫂って、「梁山泊の女性頭領の最年長者」としての自覚がハンパなさそうな感じしますよね。 山寨での生活のなかで、いつも孫二娘や扈三娘の面倒を見ていそうです。正直言うと若干鬱陶し…
わが国でかたきうちといえば忠臣蔵だが、四十七士が吉良上野を討ちはたして、車座になってこれを食ったりしては、到底人に受け入れられるはずがないし、だいいちそんな話にすることを思いつく人もいないだろう。つまりわが国ではそれは「オハナシにならぬ」のである。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月27日 ……これは、朝からアレなツイートが出てしまいましたね。まあ、星の数ほどあるエンタメ作品の中からわざわざ『水滸伝』を選んで深読みされている皆様であれば、この程度は許容範囲でいらっしゃるとは思いますが。 『水滸伝の世界』中の「人を食った話」の章は、大変興味深い内容…
世間の評価とは全く関係なく、「個人的に好き」な終わり方の作品はと言いますと、『雪山飛狐』『俠客行』『笑傲江湖』『鴛鴦刀』(全て原作小説)です。 では、一つひとつ見ていきましょう。 …の前に、話題の特性上、ここからはネタバレ全開フルスロットルですので、上記作品の中に未読があって、ネタバレを見たくない方は、どうかここで回れ右をお願いいたします。 よろしいでしょうか。では始めます。 『俠客行』 石くん(仮)(←狗雑種の少年のことですが、ここではこう呼びます)が、「ぼくは一体誰なんだ!」と混乱に陥ったところで幕が降ります。 なかなかに衝撃的なラストですが、実は石くん(仮)の正体が判断できる材料は、それ…
以前、「ひとこと感想」のコーナーで、張横の渾名「船火児」に対する高島俊男先生の「船に火をつけるわけではない」というツッコミにかこつけて、 「朝廷と戦ってるときに船を火攻めすればよかったのに」 という話をしたことがあります。 今回、通し読みしてみましたら、思いっきりやってましたね、火攻め。それもモロに、高俅軍と戦ってるときに、劉夢竜と牛邦喜の艦隊に対して……。 自分の記憶のあてにならなさに愕然としました。はい。 言い訳をさせていただきますと、『水滸伝』のリメイクとして後世につくられたマンガ、小説、ドラマ等を見ていると、七十回までの内容は、結構きちんと取り上げられるのに対し、勢揃い以降の話はおざな…
楊志は、水滸伝のなかで「洒家(サーチャ)」という一人称を用いる数すくない人物の一人である。「洒家」とは陝西方言の「おれ」である。つまり楊志という男はどこから眺めても東方の梁山泊とは縁のうすい人物で、どうしても、河北、山西、陝西あたりを活躍の場とする男だ。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月22日 上記は、botさんが呟くたびにたくさんの方々から「いいね」やRTを集める、大人気のツイートです。 まあ確かに、「へぇ〜」(←古い)と思ったから引用した文言ではあるのですが、これが突出して人気、というのは些か不思議ですね。 「楊志さん」だけ、あるいは「陝西…
およそ人のなす行為のなかで、最も重大なものは、人を殺す、という行為であろう。あらゆる動物のうちで、同じ種類に属するものを殺害するのは人間のみである、ということを聞いたことがある。人が人に殺され得る、ということは、人間が神から受けた最大の呪いであるかもしれない。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月21日 高島俊男先生の『水滸伝の世界』には「人の殺し方について」という章があり、魯達、武松、林冲、李逵が各々人を殺す場面を比較しながら、殺伐な小説『水滸伝』の魅力に迫っています。このツイートは、その章の冒頭にある一節を引用したものです。 昨今、多くのSNS…
さて、今回は、前回の「詩と美文不要論」の続きとなります。 前回の記事を未読の方、よろしければ下記リンク先も読んでみてくださいね!! 十数回目の『水滸伝』通し読み記録 009 - 梁山から来ました さて、前回は、百回本と百二十回本の随所に散りばめられた詩や美文が、いかに現代の読者にとって用をなさないものであるかを、長々と論じたわけですが…… 自分の考えは、飽くまで「展開上は何の意味もないのに、文中に突如出現して話の流れをぶった切る詩と美文が邪魔」というもので、 「詩と美文などこの世界から滅亡してしまえばいい」と思っているわけではありません。 詩と美文には、物語の中ではない場所で、まだ使い道がある…
金聖嘆が編纂した「七十回本」には、いくつか大きな特徴があります。 最大の特徴は、言わずもがな「百八星勢揃い以降の物語をなかったことにしたこと」。高島俊男先生が「腰折」と評するほどの思い切った改変で、今日でも賛否両論があり、議論はそう簡単には、収束しそうもありません。 ただ、自分が今回、百回本を通し読みするにあたり、折に触れ「七十回本は思い切ったことをしたなあ……」としみじみ思ったのは、「物語の腰折」ではなく、もう一つの改変についてです。 それは「詩と美文を全削除したこと」。 「物語の腰折」の方には思うところが色々あり、手放しで称賛とはいかない自分も、「詩と美文全削除」は確かに改善であったと認め…
晁蓋は、水滸伝のなかでやや特殊な位置を占める男で、〈中略〉勢ぞろいのすこし前に戦死してしまった。で、勢ぞろいの際には、第一位の宋江よりもう一つ上の神様として祭られることになる。梁山泊の主要メンバーであって百八人以外というのはこの晁蓋一人だけである。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月16日 晁蓋についても、今後考えていきたいことはたくさんあるのですが、今回注目するのはツイートの後半部分の「梁山泊の主要メンバーであって百八人以外というのは……」というくだりです。 梁山泊には当初から何百、最終的には何万という規模の兵力があるわけですが、頭領以外は完全…
さて。 何年かぶりに(まっさら、とは言えませんが、まあそれなりに)新しい気持ちで原作をひもといてみますと、時折、「あれ?こんな展開だっけ?思ってたんと違う……」という気持ちになることがあります。 無意識のうちに、記憶を都合のよいように捻じ曲げて、捏造してしまっていたわけですね。 その最たるものが、索超の梁山泊入りでありまして。 索超の初登場は十回台の前半と、かなり早い方です。北京で軍人をやっていて、流されてきた楊志さんと武を競い合ったわけですね。 ですが、生辰綱を運ぶ楊志さんを追って、語り手の講釈師と聴衆が北京を離れると、その後、索超の消息は全くわからなくなります。再登場は実に六十回台、盧俊義…
梁山泊の総大将、〈中略〉二つのアダ名を持つ宋江が登場した。水滸伝第十八回である。もっとも実際に総大将になるまでにはまだまだ紆余曲折があるので、宋江が梁山泊入りするのは第四十一回、この時はまだ晁蓋が健在だから第二位、正式に総大将の地位がかたまるのは第七十一回である。【世界】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月14日 『水滸伝』に限らず、中国の白話小説というのは一般に、物語の展開において最重要のポジションを占める人物が登場するのが遅い傾向にありますね。 『西遊記』では、後に孫悟空の名を賜わる石ザルこそ早く登場するものの、三蔵がこの世に生まれ落ちるのは、ずっと…
さて。 1度目、2度目の通し読みのときは、目まぐるしく変わる戦局、雪崩を打って入山してくる仲間たちに翻弄されて、細部があまり気にならなかった(…と思う…なにぶん、15年以上前のことなので)わけですが、十数回目ともなれば、一つ一つの表現にツッコミを入れたり、重箱の隅をつっついてみる余裕もできてくるわけです。三山が梁山泊に合流したあとの話。魯智深が史進を迎えに少華山へ行ったら、悪い太守に捕まってて、腹を立てた魯智深が一人で太守のところに出かけて行って自分も捕まってしまったエピソード、あったじゃないですか。あの悪役の賀太守、どんな風にやられたか、憶えていますか?……そう、宋江たちは西岳にお参りに来た…
「金庸セリフ&会話bot」と「水滸伝関連書籍bot」をフォローいただいている皆様、いつもお世話になっております。 このたびは、中の人のPC故障という事態により通常のbot運用ができなくなり、大変ご迷惑をおかけしております。 さて、botの編集環境の方は、まだ捨てていなかった旧PCを再び繋ぎなおして、何とか確保することができましたが、問題は何年もかかって入力してきたツイートのデータの方です。 データを保存したファイルをデスクトップに置いてあったせいで、どう足掻いても戻って来なさそうということがわかりましたので、このたび、新しく1からツイートの入力をやり直すことになりました。 (短い人生、こんな事…
#敵だったけど味方になる系で好きなキャラあっ…それ訊いちゃう?話し出すと長くなるんだけどね(ドヤ顔— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2020年1月7日 最近、twitterの検索画面に出てくる人気のタグで、『水滸伝』関係に使えそうなものがあれば、積極的に使うようにしています(積極的すぎてちょっと無理をしてしまったこともありますが……反省)。 理由としては、主に3つありまして… 「botとは言えども、たまには意外性のあることをしてみた方が面白いようだから」というのがひとつ。 それから、「水滸伝ファンの皆様に、人気のタグを紹介したい(あわよくば使ってもらいたい)」という…
祝家荘戦が終わり、頭領たちが多数の新しい仲間たちを引き連れて、意気揚々と梁山泊に戻ってくる頃になると、十数回目の読者としては、ちょっと憂鬱な気分になります。そう、『水滸伝』史上最悪のエピソード、「朱仝の仲間入り」が近づいていることがわかっているからでして……。 このエピソードについてですが、「知府の坊っちゃんを殺してまで朱仝に仲間入りを強要する」という梁山泊側の手口が悪辣であることには、今更、異論はないと思います。現代の評論家の先生方も、口を揃えて「ひどすぎる」とおっしゃっています。ただ、今回読んでいて気になったのは、梁山泊側ではなく、朱仝さんの方のリアクションなんですね。どうも、現代の日本人…
さて、2020年がやってまいりました。全国一千五百万人…はちょっと大げさですが、まあ恐らく数千人はいるかと思われる水滸伝ファンの皆様、あけましておめでとうございます。 今年、水滸伝関連書籍botは、皆様のお役に立てるアカウントになるべく、つぶやいてみたいツイート、つくりたいコンテンツ、やってみたい実験がたくさんある……のですが……昨年末、PCが立ち上がらなくなるという未曾有の事態に見舞われ、全ての計画が崩れ去りましたとさ。おしまい。……いやいや、こんなことでは終わりませんとも。 PCが使えないというのは大変不便なことではありますが、全てのデジタルデバイスが逝ってしまったわけではありません。スマ…
燕青は暹羅国の良家の子女と、宋からやってきた兄弟や兵士、その娘たちとの婚姻を結ばせて、両者の間の屈託を取り除こうと提唱し、受け入れられる。 家柄の娘を選ぶにあたっては顧大嫂が協力し、多くの婚姻が取り結ばれるが、楊林は白石島の攻略に功績のあった方明の娘を娶る。花逢春は潮州出身の玉芝公主の侍女・呉采仙を楽和の嫁に推薦し、彼女を楽和のいる孫立の家へと送り届ける。鄆哥は呼延鈺の提案で、共濤の娘を娶る。 ある日、高麗王李俁が暹羅国を訪れ、公孫勝は羅天大醮を行う。満願の日には、宋江ら亡くなった兄弟たちと、前国王馬賽真が姿を現す。高麗王は「息子の執政ぶりを確認した後、こちらに戻って公孫勝に弟子入りしたい」と…
高宗に冊封されて正式に暹羅国王となった李俊は、国内の秩序を中土のやり方に基づいて整えさせる。公孫勝、樊瑞、朱武は丹霞山に隠棲する。 燕青は李俊に、「夫人を娶って後宮に入れるべきだ」と奏上する。李俊は断るが、兄弟たちが聞煥章の娘を再三勧めるに至って承諾し、婚礼が執り行われる。呼延灼は徐晟を娘に、呼延鈺を呂の娘御にめあわせるため、聞煥章に仲人を依頼する。蕭譲に結婚誓約書の作成を依頼したところ、彼もまた「娘を宋安平に嫁がせたい」と考えていた。呼延灼が宋清親子に打診したところ、快諾を得られる。 李俊は燕青と盧二郎の娘をめあわせたいと提案し、燕青は固辞するが、兄弟たちの説得の前に折れる。 呼延鈺、徐晟、…
高宗の一団は無事、臨安に入る。 柴進ら暹羅国の使者たちは勅書がくだるまで数日暇になり、杭州の名所を巡るが、宋の領土が東南半分となってしまったことには、感傷を禁じえない。 一行は六和塔で武松と再会し、これまでのことを話してきかせる。呼延灼は武松を暹羅国に誘うが、彼は魯智深や林冲の墓を守るため残ると言う。翌日、一同は墓参りをして武松と別れ、湧金門の張順の廟を訪れる。 夜、柴進、燕青、楽和は、湖のほとりで客相手に歌を披露する李師師を見かける。次の日、李師師の使いの男が宿所に来たため、一同は太湖船を雇って李師師を迎える。 李師師が一人ひとりに茶を献じると、徐晟は緊張で茶をこぼしてしまう。李師師は燕青に…
李俊は各島を回って、駐留している頭領たちと住民を慰撫する。 その後、帰って酒盛りをしていると、以前馬国王の大難を予言したあの道士がやってくる。道士は李俊の行く末を予言し、衝立に詩を書きつける。また茘枝と牡丹の枝を献上して、一人ひとりに一杯ずつ酒を差し出した後、鶴に乗って去る。 次の日、牡蠣灘で宋の高宗が阿黒麻の船に追われていると聞いた李俊は、皇帝を助けに向かう。李俊たちが金兵を追い払って高宗に挨拶すると、高宗は梁山泊の頭領たちの名誉を回復する意志を示す。 李俊らは高宗を暹羅城に招く。高宗は道士が書いた詩に目を留め、「以前同じ詩を道士から教わったことがある」と言う。また燕青が徽宗の筆跡のある団扇…
李俊は朱武の進言に従い、自らの島に逃げ帰った鉄羅漢、佘漏天、屠崆にそれぞれ討伐軍を差し向ける。 横暴な鉄羅漢は青霓島の住民を無理やり兵に仕立てて欒廷玉、扈成、童威を迎え撃つ。暹羅軍の兵たちは淵の水を飲んで猛毒にあたるが、安道全の処方で回復する。鉄羅漢が洞窟に逃げ込むと、欒廷玉は入口で火を焚いて燻し殺す。 朱仝、黄信、穆春は釣魚島を攻める。やぐらから弓を射かけてくる佘漏天の守りには隙がないように見えたが、島の裏側から木々を切り開くと島内に侵入できた。背後の敵に気づいてやぐらを降りた佘漏天を黄信が斬り捨てると、住民たちは感謝を込めて、巴豕という珍しい大蛇を頭領たちに献上する。 関勝、楊林、童猛は白…
呉用は〈中略〉三つの条件を出しました。李逵がこれに同意したので、二人はさっそく北京へと旅立ちました。黒熊のような、むくつけき巨漢である李逵が、よりにもよって可愛らしげな稚児姿に身をやつし、ひょこひょこ歩いてお供するとは、これまた哄笑を誘う喜劇的な場面にほかなりません。【五大】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月25日 98年のドラマ(いわゆる旧版)のこのシーンが好きなんですよ。 稚児姿の李逵は、髪を2つのわげに結い…… 要するに、14歳当時の徐倫と言いますか…… 昨今のプリキュアとか萌えヒロインによくある…… なんて言うんですかね、アレ?ハーフアップダ…
李俊は国王に就任し、兄弟たちはいずれも暹羅国の重要な職位に任命される。 暹羅の二十四島のうち、青霓島の鉄羅漢、白石島の屠崆、釣魚島の佘漏天は李俊の統治に不服であった。彼らが王位を奪ってやろうと画策しているところに、戦を逃げ延びた革鵬が現れる。 革鵬は日本に兵を借りに行き、関白の率いる一万人の兵を連れ帰って、鉄羅漢らとともに反旗を翻す。 関白らが設けた水寨の軍勢と対峙した関勝らの船は、下から穴を開けられて浸水し、陸に撤退する。関白と革鵬は上陸して城を包囲するが、革鵬は蔡慶を追い詰めるうち、後ろから花逢春に喉を貫かれる。 関勝らは穴のあいていない船を使って鉄羅漢らを夜襲し、水寨を潰すが、陸にはまだ…
公孫勝は薩頭陀の妖術を破り、革鵾は関勝に斬られる。劣勢に立たされた薩頭陀たちが逃げ出した後、李俊は仲間たちを島へ迎え入れて盛大な宴会を催し、これまでの経緯を語り合った。 薩頭陀と革鵬は、暹羅城に戻る。城は童威らの軍勢から攻撃を受けており、不安がる共濤を、薩頭陀は「娘を嫁にくれるなら今後も働くが、そうでなければこの国を去る」と脅しつけて、共濤の娘を無理やり手に入れる。 宮中に潜む高青は和合児に手紙を届けさせ、外の李俊らと呼応して決起する。花逢春は共濤を捕らえた後、宮中で母や嫁たちと再会する。李俊らは革鵰を討ち取り、国の秩序を整え直して、改めて宴席を設ける。 燕青は楽和らとともに薩頭陀の消息を探す…
〈武器の注文・売買〉魯智深が注文した錫杖と戒刀(第4回)銀子5両→5万円。楊志の宝刀の売値(第12回)3000貫→3000万円。【図解 「水滸伝の家計簿」の項より】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月22日 先日に引き続き、『水滸伝』作中に出てくる金銭の規模感の話です。 楊志さんが状元橋のたもとで売った伝家の宝刀、その価値は、ざっと3000万円くらい。 これには、ツイートを入力している最中、思わず「おぉっとぉ!」とのけ反りました。 何千万という規模の品物を往来で売るって……どうなんでしょうね?少なくとも現代の日本ではちょっと、考えにくい状況です。 もし…
李俊たちは暹羅城にやってくるが、革鵰が固く守っており入ることができない。数日間の睨み合いの後、楽和は「敵は金鼇島を攻略するため、密かに大きな兵力を差し向けたのでは」と気付く。引き返そうとする一行を、革鵾が明珠峡で足止めし、薩頭陀は魔術を使って悩ませる。 突然の雷雨により薩頭陀の魔術が破れた隙に、李俊たちは金鼇島に戻る。しかし薩頭陀は金鼇島から外海に出る関口を包囲し、乱暴狼藉のやりたい放題である。 李俊らは夜討ちをかけようとしたが、混戦になって童威たちとはぐれてしまう。幸い、薩頭陀も金鼇島にはおいそれと入って来られず、睨み合いが続く。 童威たちは薩頭陀が兵力の多くを金鼇島に向けている隙に暹羅城を…
ここ一日くらい、 「YouTubeの動画をTwitterでシェアするには、どんな方法が一番効果的か?」 ということで頭を悩ませておりました。 なぜって、おそらくここ1、2年のうちにあった仕様変更のせいだと思うのですが、普通にスマホ上で「共有」しただけでは、サムネはおろか、タイトルすら表示されないんですよ。 単にツイートの編集欄にゴロッとリンクが入るだけ、という。 これをこのままツイートするとどうなるかというと、 「何の説明もなしに謎のリンクが表示されるだけ」 です。 怪しい…いや、それ以前の問題です。 これではそもそも、TLをナナメ読みしている皆様の目に留まりません。何の動画か知ってもらう機会…
彼は仲間たちにも良民として生きてほしいと願ったわ。きれいごとばっかり言う偽善者みたいに見えるけど、たぶん宋江って素でこういう人なのよ。何もかも心の底から良かれと思ってやってるのよね。きっと、この底なしの善意が好漢たちの荒んだ心を虜(とりこ)にしたんだわ。【女子 宋江の項】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月19日 宋江の人格については、おそらく読者の数だけ意見があるのだろうと思います。日本国内で出版されている書籍だけでも、著者の先生方の考え方は十人十色、見ていて全く飽きが来ません。 自分はと言えば、上記の『女子読み水滸伝』の著者様の考え方に概ね同意して…
花逢春は端午節が李俊の四十歳の誕生日にあたるため、金鼇島に祝いに行くと言う。このため共濤は、思いがけず李俊の生年月日を知ることができた。 薩頭陀はさっそくいのり殺しの術を始めるが、強い福運に守られた李俊と花逢春には効き目がなく、馬賽真の場合には本人ではなく、世継ぎの王子が亡くなってしまう。 薩頭陀は共濤に、花逢春が李俊の誕生祝いで王宮を離れているうちに、国王を毒殺しようと提案する。 共濤は、端午節に国王を自宅に招いて、自分の娘を後宮に入れたいと進言する。その後、薩頭陀を国王に引き合わせた共濤は、長生の妙薬と偽り毒薬を飲ませて、国王を殺してしまう。薩頭陀は義兄弟の革三兄弟を招き、共濤の王位簒奪に…
話はしばらく前に遡る。 暹羅国王馬賽真は、家族や婿の花逢春を連れて祖宗の墓参りをする。堂に参って幣帛(ぬさ)を燃やしたところ、火のかたまりが国王の竜袍に落ちて、焼け穴を残してしまう。 その後、丹霞山に遊んだ国王は、古洞のほとりで一人の道士に出会う。道士は国王が大難に遭うことを予言し、「これを避けたければ俗世の富貴から離れて出家することだ」と言うが、国王は聞き入れず、家族もまた「道士の言うことなどあてにならない」と言って、国王を慰める。 さて、宰相の共濤は、密かに王位の簒奪を企てていた。 ある日、彼のもとに西から薩頭陀という妖僧がやってくる。薩頭陀がもたらした回春の薬や鬼神を駆使する術の効果が覿…
John Frusciante will REJOIN the Red Hot Chili Peppers! 😍https://t.co/ehypX30MwD#RedHotChiliPeppers #JohnFrusciante pic.twitter.com/EyugpWw2Rj— RedHOT ChiliPeppers (@RHCPFansite) 2019年12月15日 上記は、このたびレッチリことRed Hot Chili Peppersがインスタグラムに掲載したメッセージです。 ファンサイトのアカウントがtwitterに転載していたので、そのツイートを引用させていただきました。 自分…
曽世雄が宋清の夫人を連れて鄆城県に戻ると、飲馬川の頭領たちは曽を捕らえ、郭京と並べてさらし首にする。 樊瑞は燕青の計略で曽世雄に扮装し、金兵の服を着た手下たちを連れて済州に向かい、朱仝、宋清、皇甫端を馬小屋から連れ出す。 朱仝が銭歪嘴の家に向かうと、銭夫妻は彼を密告して得た金の使い道を話しているところだった。朱仝は夫妻を殺し、雷横の母を連れ戻す。 一行は後始末をして登雲山に向かい、仲間たちとの再会を果たすが、三日間の宴会の後、阿黒麻が登雲山を掃蕩しようとしていることがわかる。安道全が金鼇島にいる李俊たちのことを話すと、一同は寨を引き払ってそこへ行こうと決める。 阿黒麻は登州で劉夢龍の弟・劉夢蛟…
呼延灼「父子三人進退に窮し、このうえは飲馬川に行こうと、ひたすらやって来ると、なんとまのいいことに朱の兄ごに出っくわし、そこへまた思いもよらず楊君にも会えるとは!」【後伝第20回】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月14日 後伝のこのシーンで呼延灼が「父子三人」と言っているのは、自身と実子の呼延鈺、それに徐寧の息子の徐晟のことです。 これより少し前、呼延灼は徐晟を街中で見かけて声をかけ、身寄りがなくなったことを知って引き取り、義理の息子として育ててきたんですね。 窮地を脱した後に朱仝、楊林と立て続けに再会し、ほっと一息ついたところで口から飛び出た、何気…
宋安平の家に着いてみると、屋敷は焼け、宋清夫婦は行方知れずになっていた。 宋夫妻を連行したのは鄆城県の知事と、団練使の職を得た曽塗の息子・曽世雄とのこと。呼延鈺と徐晟がとりあえず登雲山へ行こうと出発しかけたところへ、飲馬川の頭領たちが続々とやって来る。 頭領たちは役所になだれ込んで、知事になっていた郭京を縛り上げるが、そこに宋清の姿はない。既に曽世雄によって済州へ連行されたあとだという。 戴宗らは済州へ偵察に行くが、その途中で、家族を連れに出たまま戻らない朱仝の消息を探る。朱夫人によると「雷横の母親が甥の銭歪嘴によって済州に連れ去られたため、主人は様子を見に行き、そのまま戻らない」とのこと。 …
戴宗は、以前登雲山の穆春に出会ったことを思い出し、彼らのもとへ身を寄せようと提案する。一行はその提案に乗って登州へと向かうが、途中、金の兀朮の軍に遭遇し、混乱のうちに呼延鈺と徐晟が行方不明となる。呼延鈺と徐晟は金の阿黒麻に出会い、斉国の軍人のフリをして武芸の腕を披露する。特攻隊小飛騎に抜擢された二人は、金に捉えられて隊員となっていた宋清の息子・宋安平と再会する。 軍営には踢雪烏騅と照夜玉獅子の二頭の馬が揃っており、三人は馬を奪って逃走する。 宋安平の提案で鄆城県に向かった三人は、途中の居酒屋でしびれ薬を盛られるが、店で働いていた武松の昔なじみ・鄆哥のとりなしで救われる。 三人が鄆哥に素性を明か…
宋江が父を梁山泊に向かえ、公孫勝が母に会うために山寨を離れた後、李逵は自分も母に会いたいと大騒ぎします。 「自分ばっかり家族を迎えに行ってずるい」と責められて困り果てた宋江は、「李逵が3つの条件を守れるなら、行ってもよい」と言うわけですが、さて、その3つの条件はと見てみれば……。 1.郷里にはまっすぐ帰り、酒を飲んではならない。 2.一人でこっそり帰り、お母さんを連れてすぐに戻ってくること。 ここまでは、まあわかる。 1つの条件の中に2つも3つも要素をぶっ込んでるせいで、厳密に見ればこの時点で3つを超えてるじゃねーか!と思わないでもないですが、 李逵が道中、トラブルを起こさないための条件として…
姚環「夜もふけた、休みましょう」穆春「わしが勝ったらもう一番やろうと言ったくせに、あんたが勝ったら、もうやろうとしないんだな」姚環「あっしは山をかけたんだ。もう一番やりたきゃ、金を出しなされ」【後伝第16回】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月8日 穆春は、『水滸伝』本伝でも兄がいないと何も成し遂げられないダメな子でしたが、『水滸後伝』においてもそのダメっぷりは健在で、あれほど栄えた家を人に明け渡し、無一文でゴロゴロしています。 蒋敬を助けたことでまとまった金を手にし、家を取り戻そうと勇んで出かけたはいいが、 あわれ、賭け事の引き際を見誤り、賭けた金を…
一行は黄河の渡しを南に渡ろうとするが、渡し場は金の烏祿と逆臣汪豹の軍に守られ、船は見当たらない。燕青はまたしても木札を使って金の使者になりすまし、烏祿が汪豹を疑うように仕向ける。 烏祿が汪豹を出撃させると、頭領たちが襲いかかって軍勢を追い散らし、呼延灼らは汪豹を捕らえる。頭領たちは隠してあった船を使って黄河を渡った後、汪豹を吊るし上げ、下から大勢で矢を射かけて殺す。 一行は旅を続けるうち、燕青の知り合いの葉茂という者に会い、彼が今、蔡京、蔡攸、高俅、童貫を流刑地へ護送していくところだと知る。頭領たちは蔡京らの宿泊所を訪れて「一献差し上げたい」と申し出、ひとしきり宴会を行なった後で、自らの正体を…
今回の通し読みは、「日付」に注視しながら進めているので、今まであまり考えてこなかった『水滸伝』世界の時間の流れを、割とはっきり見通すことができます。 「武十回」というのは、概ね一年の間に起きた出来事なんです。武松さんが嫂の態度に切れて武大の家を飛び出したのは雪の降る日。その後開封に行って帰って来たら、嫂は西門慶と出来上がり、兄は死んでしまっていました。その敵討ちは春の出来事で、流刑地に向けて旅をするうちに暑くなり、快活林で大暴れをして、張都監の屋敷に呼ばれて過ごすうちに秋が来て、泥棒の濡れ衣を着せられたのは中秋節の宴の後。鴛鴦楼での大虐殺の後、張青のところで行者の装いとなり、孔家で宋江と再会し…
燕青はさらにもう一度木札を使って関勝の夫人を大名府から連れ出し、飲馬川へ向かう。 野狐舗にあった王進の野営は既に打ち壊されており、一行は落ち延びていた王進、凌振と再会する。野狐舗を攻めたのは劉予の子・劉猊と畢豊らであった。一行は劉予の遊撃兵に見つかるが、李応が迎えに遣わした呼延灼らに救われる。 大名府の劉予は、燕青が三度も木札で役人たちを騙していたと知って怒り、また劉猊からの要請もあって、兵を飲馬川に差し向ける。 張信と畢豊は飲馬川を攻めるが敵わず、劉猊は寨に使者を遣わして、斉国への帰順を説く。飲馬川は使者の張保を引き留めて劉猊を苛立たせ、自らかかってくるように仕向けた上で、進撃してきた兵たち…
武松さんの鴛鴦楼での大量殺戮を見るにつけ、思い出すのは、犠牲者の数が多い事件です。 鴛鴦楼のくだりは相当にハードで、武松さんは最終的に、張青の手下のチンピラどもをあしらう力も出ないほど、ぐったり疲れ切ってしまいます。喋っている講釈師も聞いている聴衆も、話を読んでいるだけの我々も、魂を削られるような不思議な疲労感を覚える場面でありますが(えっ、そうでもないですかね……?)、 実際に殺された人数は、と見ると、 飛雲浦で護送役人と蒋門神の弟子、合計4人、 鴛鴦楼では張都監、張団練、蒋門神、玉蘭らを含む総計15人。 合わせて19人です。 意外と少ないような気がしてしまうのは、昨今の恐ろしい事件を見聞き…
張順は武松のエピソードを思い出し、着物の襟を割き、それを血にひたして白壁に、――人を殺せし者は安道全也と書きつけた。酔いのさめた安道全は、壁の字と死骸とを見て、ため息をついた。――「ひどいことをなすったねえ」【ものがたり】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月2日 この引用箇所にはツッコミどころが2つありまして、 一つは張順が人を殺した際に、ふと武松の武勇伝を思い出した、というところ。 百二十回本を確認しましたところ、原作にはそういう記述はありませんでした。でも、壁に血で字を書くにあたって、張順のアタマの中でそういう連想が起こっていたとしても、何の不思議…
宦官童貫は徽宗の内意を受けて杭州方面へ書画骨董を探しに出かけた。そこで彼はゆくりなくも失意の政治家、蔡京を見出した。当時蔡京は反対派の旧法党から弾劾を受けて実職を奪われ、杭州に逼塞していわば恩給暮しの細々とした生活を続けていたのであった。【虚実】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年12月2日 このツイートをパッと見たとき、なぜか「徽宗」を「戴宗」と空目して、 「…なんで童貫が戴宗に使われてんの?逆じゃね?」 と、ぼんやり思ってしまいました……。 よく見ると「徽」の字と「戴」の字って、全然似てないですよね?共通点は線がたくさんあることくらいです。 それにそもそ…
大名府へと急ぐ燕青らは、道中、彼らの財産を奪った追い剥ぎたちに出食わす。一行は追い剥ぎを殺して荷物を取り戻し、捕らえられていた女を救い出す。 しばらくして、一行は野狐舗という土地にたどりつく。そこには宋の陣屋があった。三人は金のスパイと誤認され、宋兵たちに襲われる。 三人は老将の前に突き出されて責められるが、燕青は「宋の一般人が金に投降するのは、彼らを守れない軍人にも責任がある」と言って老将をやりこめ、感心させる。老将は史進の師の王進で、轟天雷凌振もまた、同じ軍営に逗留していた。 大名府では、金に帰順した劉予が斉帝に封じられたが、正兵馬総管の関勝はこれに反発し、官職の返上を申し出る。劉予の怒り…
名場面の一つ、「武松、虎を打つ」が始まる。原本では第二十三回のところである。――水滸、書をひらけば第二十三。といわれる。そこが面白くてなんども読む。だから、ページがなずんで、なにげなくページをひらいても、しぜんに第二十三回のところをひろげている、というのだ。【ものがたり】— 水滸伝関連書籍bot (@shuihu_related) 2019年11月30日 これは、シャレオツな言い回しですね。着眼点がナイスです。 こんな言い回しが存在したということから、書かれた形の『水滸伝』が、中国前近代の人々の暮らしに浸透し、生活の一部になっていたことがわかりますね。 ただし、「第23回が一番面白い場面かどう…
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