chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
Mikakohh
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/07/19

  • ジャレド・ダイアモンド著、小川敏子・川上純子訳、『危機と人類 上・下』(日本経済新聞出版社)

    『危機と人類上・下』は上下巻合わせて1270ページを超える大作であるため、典型的な〈積読本〉となっていましたが、年末に手を付けて、1か月近く中断している期間の方が多かったですが、何とか読破しました。本書は一言で言えば、「危機の乗り越え方」についてのケーススタディです。まず、個人的危機とその克服のために必要となる要因と、国家的危機とその克服のために必要となる要因を明らかにし、両者の共通点・相違点を明確にします。その後に、著者がよく知る7か国の事例を詳細に見て、先に明らかにした要因にそれぞれ当てはめて分析・比較します。この類型化するのに必要な要素があれば、他の事例の分析にも応用でき、そこから学びを得ることも可能であろうと希望が持てる一方で、現在人類が直面している気候変動やそれによる資源枯渇・食糧不足やそれにま...ジャレド・ダイアモンド著、小川敏子・川上純子訳、『危機と人類上・下』(日本経済新聞出版社)

  • 五来重著、『山の宗教 修験道案内』(角川ソフィア文庫)2016/09/24

    『石の宗教』に続き、今度は『山の宗教』です。重なる部分もありますが、こちらは特に修験道に焦点を当て、世界遺産に登録された熊野や日光をはじめ、古来崇められてきた全国九箇所の代表的な霊地を巡って、それぞれの縁起や信仰・祭の他、各地に共通する信仰の根底にあるものについて考察します。平易な言葉で書き下ろされたものらしいですが、固有名詞だから仕方がないとはいえ、やはり漢字が多いですね。特殊な読みにはフリガナがふってありますが、それ以外にもちょっと私には読めないものがありました。目次第一講熊野信仰と熊野詣第二講羽黒修験の十界修行第三講日光修験の入峰修行第四講富士・箱根の修験道第五講越中立山の時刻と布橋第六講白山の泰澄と延年芸能第七講伯耆大山と地獄信仰と妙法経第八講四国の石鎚山と室戸岬第九講九州の彦山修験道と洞窟信仰ま...五来重著、『山の宗教修験道案内』(角川ソフィア文庫)2016/09/24

  • 書評:五来重著、『石の仏教』(講談社学術文庫)2017/03/03

    『石の仏教』は3年ちょっと積読本になっていましたが、ようやく手を付けて完読しました。賽の河原の積石やお地蔵さん、墓石に卒塔婆など仏教とは何の関係もないはずのものが日本では仏教の顔をして広く親しまれていますが、それがどこから来たのか、本書を読むことでその謎が解けます。目次謎の石—序にかえて第一章医師の崇拝第二章行道岩第三章積石信仰第四章列石信仰第五章道祖神信仰第六章庚申塔と青面金剛第七章馬頭観音石塔と庶民信仰第八章石造如意輪観音と女人講第九章地蔵石仏の諸信仰第十章磨崖仏と修験道全て、元は石に神霊が宿ると考えた古来からの庶民信仰に由来するのですね。辻に立つお地蔵さんは、実は元は道祖神で、その道祖神は元は祖霊が宿る石棒で、子孫を守ると信じられていたので、村の入り口などに立てて、悪いものが入って来ないように魔除け...書評:五来重著、『石の仏教』(講談社学術文庫)2017/03/03

  • 書評:横山和輝著、『日本史で学ぶ経済学』(東洋経済新報社)2018/09/21

    『日本史で学ぶ経済学』はタイトルから想像できるように日本の歴史上の経済現象を振り返り、今日のプラットフォーム経済や仮想通貨経済などの現象との本質的な共通点を探り、注意点や今後の展望のヒントを与えようとするものです。目次はじめに―経済学のレンズで歴史を学ぶとビジネスのヒントが見えてくる基礎編第1章貨幣の経済学(なぜ鎌倉・室町時代に中国千が流通したのか?他)第2章インセンティブの経済学(日光電気製銅所の「働き方改革」ー金銭的インセンティブ他)第3章株式会社の経済学(株主と経営者のインセンティブ関係ー所有と経営の分離他)応用編第4章銀行危機の経済学(なぜ銀行危機が起こるのか?ーゲーム理論による分析他)第5章取引コストの経済学(三井高利と荻生徂徠の共通点ー取引コストの正体他)第6章プラットフォームの経済学(商人と...書評:横山和輝著、『日本史で学ぶ経済学』(東洋経済新報社)2018/09/21

  • 武田晴人著、『日本人の経済観念 日本の50年 日本の200年』(岩波書店)1999/06/25

    この本は、十数年前、古本屋で買ったと記憶しています。ずいぶんと長いこと積読本のままでしたが、ついに手を付けて完読しました。本書の興味深いところは「日本人は勤勉」とか「日本型経済の特異性」だとか、そういったイメージを歴史的な資料を基に検証するところです。イメージはイメージに過ぎないことがよく分かります。江戸時代や明治時代初期の産業構造と明治時代後期ではすでに様相が違っているし、歴史的資料から明治初期の熟練職工たちは、たとえ工場で働いていても自立性を維持し、自分にとって十分な収入を得た後は出勤しないこともざらにあり、欠勤率が常時15パーセント前後だったというから驚きです。「おしん」などのドラマや文学作品で語られる女工たちの長時間労働は、勤勉だからというよりは、貧困ゆえにそうせざるを得なかったという外的要因によ...武田晴人著、『日本人の経済観念日本の50年日本の200年』(岩波書店)1999/06/25

  • 書評:高橋 敏著、『江戸の訴訟 御宿村一件顚末』 (岩波新書 新赤版)2010/01/20

    積読本の消化に当たり、民俗学の次は歴史かなと思い、本書を手に取りました。江戸時代の訴訟が実際にどう行われ、当事者たちにとって具体的にどういう意味があったのか、建前はともかく、実際にはどのようなことが行われたのか、そのようなことを「御宿村一件」を例にとって紐解くのが本書です。嘉永2年(1849)に御宿村で不法滞在していた無宿者が、同じく無宿者の集団二十二三人に襲われて殺されたことがことの発端で、この者を自宅に匿っていた農相兼業の村人源右衛門が本来なら検死の届出を出さなければいけないところ、無宿者を違法に泊めていたことを咎められたらまずいと思って、無住の寺の敷地に勝手に埋めてしまいます。しかし、隠しきれずに村全体で問題にされるものの、5人組の連帯責任や村長の管理責任に問われることを嫌って、内々に処理し、源右衛...書評:高橋敏著、『江戸の訴訟御宿村一件顚末』(岩波新書新赤版)2010/01/20

  • 読書メモ:岩下 宣子著、『図解 日本人なら知っておきたい しきたり大全』(講談社の実用BOOK)

    民俗学つながりで積読本を消化してきたので、内容的に近い本書『図解日本人なら知っておきたいしきたり大全』もついでに消化しようと手に取りました。ざっと全体に目を通し、興味を覚えた記事だけを読み込んだだけに留めました。というのは、本書はカラー図鑑百科事典のようなもので、通しで読めるような代物ではないからです。けれども一家に一冊置いておくべき本だと思います。挿絵もきれいで、レイアウトも見やすく、説明も分かりやすいです。まあ、昨今では誰でもスマートフォンを持ち、何か分からないことがあればググることで、冠婚葬祭等のやり方や作法、あらゆるものの金額の相場が調べられるので、一冊の本として本当に必要かというと、そこはちょっと自信を持って断言できないのですが、世の中にはネット検索が苦手な人もいるので、一定の需要はあるのかなと...読書メモ:岩下宣子著、『図解日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社の実用BOOK)

  • 書評:常光 徹著、『魔除けの民俗学 家・道具・災害の俗信』(角川選書)

    積読本を消化しようと先月から民俗学関係の本を読み出しましたが、『魔除けの民俗学』はその4冊目となります。前回読んだ『しぐさの民俗学』と一部重複するところはありますが、〈魔除け〉や〈厄除け〉に焦点を当てているところが違います。個々のエピソードは非常に興味をそそられますが、やや事典的な羅列で、類似する各地の俗信の根底にある心意に関する考察が弱いような印象をぬぐえません。目次はじめに―俗信と魔除けI家屋敷と俗信第一章生死と境界の空間ー屋根と床下第二章植物と家の盛衰ー庭木の吉凶第三章他界への出入り口ー井戸II生活道具と俗信第一章人生の節目を象徴ー箒第二章祓う・拒む・鎮めるー蓑第三章禁忌と魔除けの呪具ー鍋第四章欺く・招く・乞うー柄杓III災害と俗信第一章地震と唱え言第二章幕末土佐の人と動物ー『真覚寺日記』より第II...書評:常光徹著、『魔除けの民俗学家・道具・災害の俗信』(角川選書)

  • 書評:常光 徹著、『しぐさの民俗学』(角川ソフィア文庫)

    積読本の消化にあたり、各分野バラバラではなくなるべく同じ分野の本を続けて読もうと思い、『おじぎの日本文化』に続いて本書『しぐさの民俗学』を手に取りました。ちょっとずつしか読み進められませんでしたが、なんとか完読しました。『しぐさの民俗学』とはいっても、前編しぐさについて考察しているわけではなく、日常的な忌事やお呪いの類もテーマごとに取り上げられ、それらの根底に横たわる論理や発想が何か考察されています。表紙になっている絵は《狐の窓》と呼ばれるしぐさで、特殊な指の組み方をして、その穴から覗くと狐狸妖怪などの異界のモノの正体を見破れるのだとか。これは他にも《股のぞき》や《袖の下覗き》のしぐさとも共通し、いずれも隙間から覗くことに呪的な意味があり、それによって怪異を見る、正体を見破ることで脅威を無効化するなどの働...書評:常光徹著、『しぐさの民俗学』(角川ソフィア文庫)

  • 書評:神崎 宣武著、『「おじぎ」の日本文化』(角川ソフィア文庫)

    たかが「おじぎ」、されど「おじぎ」。正直、「おじぎ」だけでここまで深掘りできるものとは思いませんでした。この「おじぎ」はどんな文化の脈絡ではじまり、いつどんな変容をとげてきたのか。著者・神崎宣武氏が「三三九度」をはじめ、日本人のしぐさに根付いている習俗儀礼や日本文化について、民俗学的な解明を行います。目次第一章外国人が見た日本の「おじぎ」第二章古典・絵巻物から「おじぎ」を探る第三章中世の武家礼法と「おじぎ」第四章畳と着物による近世の「おじぎ」変革第五章現代へと変転する「おじぎ」のかたち結論から言うと、現在、「道」のつく武芸や芸事の作法や学校教育などで知られる様々な礼は明治時代に完成・厳格化して普及し(始め)たものです。作法としての体系化への萌芽は室町期にあり、江戸時代の武家社会で発展していったようです。た...書評:神崎宣武著、『「おじぎ」の日本文化』(角川ソフィア文庫)

  • 書評:三橋健著、『カラー図解 イチから知りたい! 日本の神々と神社』(西東社)

    古事記・日本書紀の分かりやすい解説は数多くありますが、本書のように神話から始まって、ご神体や神社の分類、鳥居・本殿・拝殿などの建築様式の分類、神社の仕組みや神職の区分、お札・お守り・破魔矢・お神酒などの由来や意味、神社と人生との関わり、有名神社とその祭祀など包括的に図解してくれるものはあまりないのではないでしょうか。おそらく、細かいところでは正しいとは言い難い所が含まれているのでしょうが、門外漢または普段なんとなく関わっているけれど、そもそもの意味を知らないといった人にとっては非常に分かりやすい図解入門書です。目次【1章】日本神話と神々の系譜【2章】神社に祀られる神々【3章】全国展開した神社信仰の分布【4章】神社の仕組み【5章】全国の有名な神社【6章】暮らしの中の神々と神社【付録】全国の主な神社一覧Ama...書評:三橋健著、『カラー図解イチから知りたい!日本の神々と神社』(西東社)

  • 書評:下地 寛也著、『プレゼンの語彙力 おもしろいほど聞いてもらえる「言い回し」大全』(KADOKAWA)

    『プレゼンの語彙力おもしろいほど聞いてもらえる「言い回し」大全』は、2年ほど前に話し方や語彙力、プレゼン力関係の本を買いあさった際に購入したものですが、残念ながらそのまま今まで積読本リストの一角を占め続けていました。今月は、志を新たに、積読本を消化することにし、本書を手に取った次第です。読んでみて思いましたが、実は「積読」しとくほどのものではありませんでした。実に読みやすく、1つの言い回しに見開きを使い、左ページにイラストと標語などがあり、右ページに具体例と簡単な解説があります。目次第1章「自信を示す」言い回し第2章「興味を引く」言い回し第3章「驚きを与える」言い回し第4章「納得感を高める」言い回し第5章「信頼させる」言い回し第6章「共感を得る」言い回し第7章「決断を促す」言い回し他の類似書で取り上げられ...書評:下地寛也著、『プレゼンの語彙力おもしろいほど聞いてもらえる「言い回し」大全』(KADOKAWA)

  • 書評:アルベール・カミュ著、窪田啓作訳、『異邦人』(新潮文庫)2021/12/28

    『異邦人』(新潮文庫)は4か月ほど前に『ペスト』と一緒に安売りしていたので購入したのですが、そのまま積読本と化していました。しかし、2年前の積読本リストが思い出としてFacebookのフィードに上がって来て、「そうだ、積読本を消化しなくては」と思い立ち、手始めにカミュのデビュー作『異邦人』を片付けることにしました。1942年に刊行された本作は著者の出身地でもあるフランス領アルジェリアのアルジェを舞台としており、当時の「今時の若者」だったムルソーの母が養老院で亡くなったという知らせを受けるところから始まります。休みを取って養老院へ行き、母の埋葬を済ませ、翌日は日曜日ですることもなかったので海水浴に行き、そこで元同僚マリイに偶然再会する。二人とも同僚であった時は憎からず思っていたので、その再会を機に付き合いだ...書評:アルベール・カミュ著、窪田啓作訳、『異邦人』(新潮文庫)2021/12/28

  • 書評:川端康成著、『雪国』(角川文庫)

    「国境のトンネルを抜けると雪国だった」という出だしで有名な川端康成の『雪国』。正直、タイトルのこの出だししか知らなかったので、期間限定セールになっていたのを機に新仮名遣いの本書を購入し、読んでみました。情景描写や人物描写に力があり、描かれた状況がくっきりと立ち上がってくるような印象を受けるのはさすが著名な文学作品と感心するあまりですが、ストーリーはというと、ちょっとしたことで知り合った芸者に会いに新潟県の温泉街まで東京から通い、長逗留する無為徒食の男・島村の目線から描かれた芸者・駒子の自分に対する思いや、それにどうとも答えられない自身の情けなさや、雪国へ向かう列車の中で目を惹いた若い娘・葉子に対する曖昧な情など、あまり面白くない、というのが正直な感想です。島村に対する感想は、「なんだこのふらふらしたどうし...書評:川端康成著、『雪国』(角川文庫)

ブログリーダー」を活用して、Mikakohhさんをフォローしませんか?

ハンドル名
Mikakohhさん
ブログタイトル
徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ
フォロー
徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用