東国の視察

建内宿祢の自伝 2 わたくしが17歳のころのことでした。当時の景行天皇陛下からわたくしに北陸および東方諸国の視察を命じられました。 各地の地形、また人民の実情を視察して報告せよ、との命でした。 さっそくわたしは陸路、まず北陸の方へ,、さらに東海の方へ向かいました そして2年後、わたくしは帰朝いたしました。 わたくしは陛下のもとに参上し、視察の成果を奏上いたしました 「東国の土地は肥え、実り豊かであります。なのでこの国はぜひとも大和の朝廷の支配下に組み入れるべきであります。 しかし、東国の人々はに勇敢な民族です。なので征服には慎重を期すべきです。 その名は蝦夷（えみし）と申し、男も女も髪を独特の…

武内宿祢の自伝 プロローグ

武内宿祢の自伝 1 わたくしは武内宿祢（たけうちのすくね）と申します 第8代孝元天皇を祖父に持つわたくしが生まれたのは、もう300年も前のことになりますか・・・景行天皇の御代のことでした。 そしてわたくしはその300年の間に、景行・成務・仲哀・応神、そして今上天皇（仁徳天皇）と5代にわたって仕えてまいりました。 わたくしの長い人生の間、時の陛下に命じられて日本の各地を視察して回ったこともありますし、その視察の途中に陛下から謀反の疑いをかけられたこともありました。 また、神功皇后陛下に付き従って朝鮮半島まで遠征に出向いたこともありました。 そんなわたくしも今は年を取り、今上陛下（仁徳天皇）のもと…