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化学徒の備忘録 https://www.syero-chem.com/

化学に関することを記事にしています。大学レベルの内容が多いですが、高校や中学レベルの内容もあります。また化学であれば、無機化学、有機化学、生物化学、分析化学、物理化学、量子化学、電気化学など幅広い分野の内容の記事を書いています。

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2019/06/05

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  • 【錯体化学】錯体の配位数・内圏錯体と外圏錯体・結晶溶媒の解説

    錯体の配位数 配位子の数は中心金属の配位数という。固体の場合と同じように、化合物によって配位数はさまざまな値をとる。配位数の最大は12である。 錯体の配位数を決定する要素は、主に以下の3つである。 中心原子、中心イオンの大きさ 立体障害:配位子間の立体的な相互作用 中心原子、中心イオンと配位子、配位子間の電子的な相互作用 一般的に周期表の下の金属原子やイオンは半径が大きく、高い配位数をとる傾向がある。 立体的な観点では、かさ高い配位子は低い配位数をとる。また、電荷をもった、かさ高い配位子は、配位数に不利な静電的な相互作用の影響によって、特に低い配位数をとることが多い。 同一周期では、左側にある…

  • 【大学図書館活用術】 本を借りるだけの場所じゃない

    大学図書館活用術 大学に在籍している方は勉強やレポート、研究で利用しなければもったいないのが、大学の図書館です。図書館というと本を借りる場所というイメージがある人もいると思いますが、他にも活用方法があります。 大学によって、サービスが異なるので、自分の大学の図書館のサイトは確認して、どのようなサービスを提供しているかは、理解しておかないと損です。 本を読む・借りる これはどの図書館でも行われているサービスだと思います。大学レベルの教科書や専門書は値段が高いため、講義では指定されていない教科書まで買いそろえようと思うと、かなりの金銭がかかります。 講義でわからない点や、レポートで必要な事柄などピ…

  • 【電気化学】式量電位と電極電位とpH・錯形成の関係の解説

    式量電位 標準電極電位()は、標準状態における電位の値である。これは、化学種の活量が1の場合であることを意味している。一方で、半反応の電位は、溶液の条件によって変化する。 例えば の反応の標準電極電位は1.61 Vである。しかしながら、実際には溶液に加える酸の種類が異なると、電位も変化する。これは酸の解離によって生じる陰イオンのセリウムイオンとの錯形成のしやすさがとで異なるためである。これによって、遊離しているとの濃度比が酸の種類に影響されることになる。 錯体の構造がわかる場合には、酸の陰イオンを含めた反応式を記述することで、酸や化学種の活量を1にして、その反応の標準電極電位値を決定することが…

  • 【錯体化学】錯形成反応・生成定数と解離定数の解説

    錯形成反応 多くの金属イオンは、さまざまな配位子(錯形成剤)と平衡にある場合、ほとんど解離しない錯体を形成する。この錯形成を上手に利用し、ターゲットではない反応を遮蔽することで、錯体を分析化学に利用することができる。つまり、多くの金属イオン種は、錯滴定を利用することで正確に定量をすることができる。 多くの金属イオンは、配位数を満足させる非共有電子対をもつ多くの物質と溶液中で錯体を形成する。非共有電子対をもっている物質としては、例えばN、O、S原子などが挙げられる。金属イオンは電子対のアクセプターとなるルイス酸であり、錯形成剤は電子対のドナーとなるルイス塩基である。 配位子(リガンド)といわれる…

  • 【量子化学】調和振動子と分子振動(波動方程式・分子構造・振動の自由度)

    調和振動子 波動方程式を用いる例として有名なものに調和振動子がある。 調和振動子とは、バネを用いる際の実験や計算でよく使われるフックの法則に従って、位置エネルギーが上昇すると平衡点へ戻すような力が働き振動するものである。 化学では、二原子分子の二原子間の距離がバネにように振動する分子振動を考える場合には、この調和振動子を当てはめて考えることができるため、基礎的な分子振動の理解については調和振動子を使うことがある。 調和振動子の波動方程式 まず、バネの力の定数をとする。そして、バネに球が繋がれ、球の質量をとして、これが振動する場合を考える。 フックの法則とは、球を平衡点である、つりあっている位置…

  • 【熱力学】系に関する用語

    熱力学で重要な"系" 熱力学では、系と、その系を決める境界を正しく考えておくことが重用である。 熱力学の系とは、注目する物理空間の任意の3次元領域のことをいう。通常は一度に一つの系だけを考え、これを系と略して呼ぶことが多い。他の部分は系の周囲となる。 境界とは、系を囲み、周囲から切り離すための、閉じた3次元の空間である。 境界の具体例として、2つの相の界面や、フラスコなどの容器の内側と外側を分けるガラス壁面などである。そのため、境界と物理的な表面が一致することも多い。 また、境界によって決められた系の大きさや形は、時間によって変化することがある。 以上の点から、系は3次元領域の任意の領域を選択…

  • 【量子化学】二粒子系の波動方程式の扱い方の解説

    二粒子系の波動方程式 二粒子系の波動方程式は次のように考えることで、粒子1個の問題として取り扱うことができるようになり、簡単になる。 二粒子系 質量がとの2個の粒子が、それぞれ速度とをもっている。そして、位置エネルギーで運動しているとする。 この時のエネルギーは次の式で求めることができる。 各粒子( )の座標を( )とする。このとき重心の座標()は次の式のように表すことができる。 各粒子の速度を表すベクトル[texV_i]は、各座標成分の時間微分となる。つまり次の式のようになる。 重心の速度をとする。重心の速度は各座標成分を時間で微分して求めることができるため、次のように表すことができる。 こ…

  • 【電気化学】ネルンストの式・平衡電位・セル電圧の解説

    ネルンストの式 電気化学や分析化学において、電極電位を考えることが必要になることが多い。 標準電極電位は酸化体と還元体などの、全ての化学種の活量が1の場合である。標準電極電位は記号はで表されることが多い。 この標準電極電位が決められた後、ネルンストが、より実用的なものを、電位と濃度の定量的な関係を使って作成した。ネルンストは、電位が化学種の濃度に依存するものとして、その関係を式に表した。これが、ネルンストの式である。 以下の酸化還元反応式を考える。酸化体が、還元体がである。は反応電子数である。とは定数である。 この時、ネルンストの式は以下のようになる。 はある濃度における電位であり、単位はVで…

  • 研究者のモチベーションを上げる5つの提案

    この記事はChemistry worldの記事を参考に執筆しております。ご興味のある方は、そちらの記事も御覧ください。 研究は終了までに長い時間がかかります。また、実験は期待通りの結果がでなかったり、失敗することも多いものです。また日本でも競争が激しくなっているため、研究者が目標のポジションに就くまでに、多くの苦労が必要となります。 この記事がそういった日々の研究や雑用に追われ、研究へのモチベーションが低下している人への5つの提案になります。 新しい研究領域を開拓してみる 最近は複合領域など、専門を別の分野や領域と組み合わせることで、オンリーワンの研究に取り組んでいる方が多くいます。今の専門分…

  • 生体内の錯体反応:血液中のヘムと酸素

    生体内の錯体反応 生体内の反応でも、錯体に関する反応が起こっている。特に血液中のヘムに関しては、よく知られている。 血液中のヘムは鉄を強く保持している。これはヘムの窒素原子が鉄と強い配位結合を形成するためである。 鉄(鉄(II))は、酸素分子と結合し、肺から体内のほかの場所へ運搬して放出する。これは、酸素分子はドナー原子や錯形成剤としては弱いからである。 一酸化炭素は中毒などが起こるや一酸化炭素は死ぬ危険性があるという話を聞いたことがある人もいると思う。 これは、一酸化炭素は強い錯形成剤であり、ヘムに結合した酸素を置換するためである。一酸化炭素は酸素と比較すると200倍の強さでヘムと結合するた…

  • 【理系研究】論文投稿は査読ガチャってホントなの?

    査読ガチャ 査読ガチャって聞いたことはありますか? 厳密な定義は無いと思われますが、論文投稿の査読のプロセスにおいて、どのような査読者(reviewer) が査読するかが、論文の掲載受理(accept)のされやすさに影響することだといえると思います。 正確な起源を断定することはおそらく不可能だと思いますが、比較的ここ最近、大学の学生、特に研究室に所属している大学院生が中心に使っている言葉だと認識しています。いわゆるガチャやガチャポンは昔からあり、ガラケーのゲームでもガチャといわれた抽選がありましたが、最近はスマートフォンアプリのゲームなどでガチャといわれる抽選が、より身近に普及してきた影響だと…

  • 【卒業研究】過去の文献や論文を検索して調べても見つからない時のコツ

    研究活動において、過去の文献を読むということは非常に重要です。 理系の研究であれば、過去に出版されている論文を適切に検索し、実験や考察の参考にし、必要に応じて、論文でも引用することが求められます。 でも、その"過去の論文を探しても見つけられない"という特に学生向けの内容です。 過去の論文・文献がないわけない 今は、日本のみならず、世界中の論文を検索して、読むことができます。そして、世界中には非常に多くの研究者がいます。 また卒業研究などは、ある程度の限られた時間で研究を行うためにも、参考文献が全く存在しないような新規性の高い研究を任せることは、まれです。 検索をして、過去の論文や文献が見つから…

  • 選ぶと危険!? 研究室配属の新入生が避けるべき研究テーマ5選

    理系であれば、大学の3年後期や4年生から研究室に配属され、卒業研究に従事する学生が多いです。研究室に配属されると、研究テーマを決め、その研究に集中して取り組むことになりますが、この研究テーマの中には、研究室に配属されたての学生が避けたほうがいい研究テーマがありますので、その特徴をここで紹介します。特に自分で研究テーマを決定するタイプの研究室の方は参考にしてください。 あくまで、初めて研究に取り組む学生にとって避けたほうがいいテーマですので、修士課程や博士課程の学生、もちろんポスドクなどには当てはまらないので、ご理解ください。 また、"なぜ避けるべき研究テーマがあるのか"という話は、後半に書いて…

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