「キモノ☆ぱーすぺくてぃぶ」からアート分野を独立させました。美術展や演劇、音楽、本などについて、思ったことを備忘録的に書いていきます。
シロクマも、鳥も、イノシシも、みんな生きている!フランソワ・ポンポン展
佐倉市立美術館で開催中の「フランソワ・ポンポン展―動物を愛した彫刻家」展に行ってきました。 ポンポンといえば「シロクマ」。私たちも以前テレビで「シロクマ」を知り、その後、東京都庭園美術館で開催した「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」で本物を見ることができました。 また群馬県立舘林美術館にポンポンのアトリエを再現した部屋もあると聞き、いずれ行ってみたいと思ってはいましたが、今回、佐倉に巡回展が来るということで、(館林よりも佐倉のほうが近い!!)そりゃ、行かねば~!! 「シロクマ」の他にも、「モグラ」や飛ぶ「イノシシ」もいい。夫は前足をあげた「ヒョウ」がいいと言...
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で開催中の「フィリア ― 今 道子」展に行ってきました。 今道子さんの作品は、若いころに雑誌か何かで見たことがありましたが、その時は素通りしてしまい、2014年、板橋区立美術館で「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち」展で「種村季弘氏+鰯+帽子」を見て衝撃を受け!(笑)、個展をやったら絶対見に行こうと思っていました。 2019年にはFUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館*1で「蘇生するものたち」展というのを見ましたが、展示数がそれほど多くなかったので、今回、鎌倉別館でこの規模(作品数100点)の個展を見ることができてよかった。 ...
神奈川県立近代美術館 葉山館で開催中の「矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法」展に行ってきました。(1月30日まで開催) ご本人のメッセージに「視覚や触覚への関心を踏まえ、もし静止すれば死を意味する「眼振」に注目し、「この世に静止した視点は存在しない」という概念を引き上げ、そこから、新しく世界と関与する方法の重要なヒントを得ました。」とあるように「視点」--様々な見方、見え方--を探求された作品が会場を埋め尽くさんばかりの量で展開されています。 中でも私が一番面白いと思ったのはこの作品。 「仮想境界面/物体」(2005) 磨かれた金属で作られた立方体に、ところどこ...
「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」展
昨年末にDIC川村記念美術館で開催中の「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960–70年代美術」に行ってきました。 最近このあたりの現代アートが気になる~。でも説明がないと、何を目指した作品なのかわからない・・・、できれば事前に予習をしていければいいんだけどね~。せめて同館hpの説明をもとにミニマル、コンセプチュアルのおさらいーー ミニマル・アートは1960年代に主にアメリカで展開した美術の潮流。特徴としては・レンガや金属板、蛍光灯といった工業用素材や既製品の使用。・正方形や立方体などの単純で幾何学的な形態やその反復による構造・作家の感情の痕跡や身振り...
色彩も、アイデアもすごい!!「つくる・つながる・ポール・コックス展」
板橋区立美術館で「つくる・つながる・ポール・コックス展」が開催されています。(2022年1月10日(月曜日・祝日まで) 絵画、グラフィックデザイン、舞台美術をはじめ、多彩な活動をしているポール・コックスさんの個展です。https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001473/4001477.html 鮮やかな色に魅了されます。 また、ウィットに富んだ作品も興味深い。面白かったのは「えひらがな」。日本語の50音にポールさんが絵を当てて描いています。会場では壁面にずらーっと並んだ「えひらがな」の中から、好きな文字を...
2002年にスタートして今年20周年を迎える国際野外アート展「トロールの森2021」。JR西荻窪駅周辺から都立善福寺公園にかけてのエリアでアートや身体表現、まちの魅力を発見するプロジェクトなど、多彩なアートが展開されています。11.23 (火・祝)までですのでお見逃しなく!! >http://www.trollsinthepark.com/野外の空間表現(主に善福寺公園で展示)では池を周遊しながら、さまざまな立体作品が関連できるようになっています。今回は立体作品のなかでも動きがある作品に注目!! 栗田昇さん 「Water Laboratory 『リズム』」 池の水を利用して...
「色覚を考える展 ヒトと動物の色世界」生活工房ギャラリーにて 8月に入りましたね。このところ、東京周辺では台風のせいか、あまり天気が良くないかな。日が差しているのに雷が鳴っていたり、風が吹いていて少し涼しかったりします。でも残暑は厳しくなるんでしょうか? 暑いのやだな~。 さて、今回は、備忘録的に6-8月のおもしろかった展覧会をまとめてみました。●がついているものは、今後、説明や感想を書いていきたい・・・。(ちょっとがんばらねば・・・)〇赤文字は現在も開催されているものです。見に行かれる方は、日時を必ずhpでご確認くださいね。 <アンソロジー・キュレーション、他> ●ト...
同じものを異なる光のなかで見る!! ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
寺田真由美「ロッキングチェアと窓」 東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「『ストーリーはいつも不完全……』『色を想像する』ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」に行ってきました!! 観ていない人はぜひ行ってみてください。特に3階の「ストーリーはいつも不完全……」。シンプルな仕掛けなのに、「『光』の扱い方が違うだけで、こんなに違うもんなの!?」「目からウロコがっ」ってな気持ちになること間違いなし!!(?) 収蔵品展なのですが、いわゆる通常の収蔵品展と何が違うかというと、明かりを落とした会場に作品が並べられていて、それを個人に貸し出されたペンライトで照らしながら見るというスタ...
安藤充さんの個展 ドグマ「Rebirth Alogrithm」が開催されます!!
前回のface展で紹介した安藤充さんが品川区戸越のギャラリー Hasu no hanaで個展を開きます。安藤さんはHasu no hana公募でも受賞され、この個展はその受賞者展なのだそう。 安藤さんの作品は透明感がある鮮やかな色彩とうねりのある力強い筆致が特徴的。(この作品はface展でのものです) 「Hasu no hanaの天井の高い壁面3面を包み込む、大きな作品を展示します。空間そのものが作品になればと思っています。」と語る安藤さん。 どのような作品が見れるのか楽しみです!! 安藤充展 ドグマ「Rebirth Alogrithm」予約不要会期日程:2021年4月16日(...
今回は「FACE展2021」で気になった作家さんを紹介します。 「FACE展2021」が終わってから1週間、しかも昨日「オーディエンス賞」も発表されているのに、今日、気になった作家さんを紹介するという、のんきな「アートぱーすぺくてぃぶ」のふじひろですが・・・。 それはさておき、「FACE展」の作品、どれもすごい作品ばかりで、数点に絞り込むのが大変でした。ここで紹介した方もそうで無い方も、皆さんのこれからの活躍を楽しみにしていきたいと思います。 さあ、それでは作品を見ていきましょう!!(タイトルの前の数字は展覧会で振られていた番号です。) 8.「感触は、ゆで卵の黄身」井...
ここのところ忙しくて、なかなかブログ更新ができていません(汗) もうすでに終了してしまいましたが、メイド・イン・フチュウで気になった作品をいくつか。 バンドウ ジロウさん ミュージシャンでタイポグラフィ作家でもあるバンドウさん。基本的人権をタイポグラフィで表現した作品。文字がしゃれているし、すごくカッコいい。松戸市在住・在勤の美術作家さんということで、ちょっと親近感。この写真はhttp://www.makiimasaru.com/mmfa/archive/2015/1016_1/index.htmlから借用しました。ありがとうございます。 池田光宏さん「Homemade ...
林田嶺一さんの作品(「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」東京国立近代美術館) さて前回に引き続き「2020年の良かった美術展」の<現代美術系><古典、近代作品と現代作家のアンソロジー系><写真系>で印象に残ったものをピックアップしています。(もしかしたら分類が違うという方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的なブログなのでご容赦を!) <現代美術系>(メディアアート以外の現代美術など) ●道草展(水戸芸術館) ●森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020—さまよえるニッポンの私(原美術館) ●「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」展 (ヴァンジ彫刻庭園美術館) 「セン...
「高橋士郎 古事記展 神話芸術テクノロジー」より 今日は2020年に見た美術展を一覧にしてみました。 昨年、年初では都内で開催されている展覧会等はできるだけ行きたいと意気込んでいたのですが、前半はコロナによる外出自粛で、美術館もかなり休館してしまい、見られなかったものが多くありましたね。私も事前にチケットを買ったのに行けなかったものがありました(涙) 結局中止になってしまった美術展もあり、準備していた作家さん、美術館の方々も残念なことだったと思います。 今また緊急事態宣言で休止になっている展覧会、イベント等がありますが、(今回も行けるはずだったイベント等が、中止になっ...
思わずうなり声が・・久保寛子さん「ハイヌウェレの彫像」 さいたま国際芸術祭2020①
10/18に「さいたま国際芸術祭2020」に行ってきました! 当初2020年3月14日に開催予定でしたが、コロナ感染拡大防止の観点から延期されていました。 2016年のさいたまトリエンナーレは結構おもしろかったし、家から一番近い国際芸術祭なので、2020もぜひ行きたいと楽しみにしてたんですが・・・ 今回、コロナで延期になってしまい、いつ、始まるんだろうと折に触れhpをチェックし続けていて、夏が終わり、正直、もうやらないんじゃないかと思っていたところに、10/17から開催(作品映像配信は10/3から)との告知。 早速行ってきました!!当初の規模よりは縮小してしまったようですが...
素敵なホテル! 湯河原のラ クラッセ ドゥ シェネガ アートを巡る旅2020④
朝、レストランからの眺め。晴れた日にまた訪れたい。 今回泊まったホテルは湯河原のラ クラッセ ドゥ シェネガ。 実は、このホテルのことはよく知らなかったのですが、検索サイトで悪いコメントがまったく無かったので選びました。 実際に泊まってみた感想は、ホントに良いホテルでした。 2日目は午前中に佐野美術館に行く予定だったんだけど、それを取りやめ、チェックアウトを11時にしたほど。 ホテルステイがこんなにもいいものだとは、知らなかった~ 「何もしない贅沢なひとときを。」と案内にありましたが、まさにそんな過ごし方ができるホテルです。 今回は海を見たかったことも...
「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」展 アートを巡る旅2020③
川内倫子さんの作品。 今日は今回の旅行の発端となった「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」展です。レイチェル・カーソンの遺作『センス・オブ・ワンダー』をキーとして、7名の作家さんが自然とのかかわりについて制作した作品が展示されています。 私は川内倫子さんの作品が見たくて、行ってきました。(会場内は原則、撮影禁止だったので、各作家さんの写真はhp、展覧会カタログより拝借しました。ありがとうございました。) 川内さんの作品は写真が8点、動画が1点。動画は2012年のものだから、ちょっと前になるけれど、とてもファンタスティックなものでした。今年の作品群も、特にクモ...
円形石舞台からみた冬至光遥拝隧道。 1日目は今回の旅行のもう一つの目玉、小田原の「江之浦測候所」。 杉本博司さんが構想から20年の歳月をかけて開館されました。HPにはコンセプトとして以下のように語られています。 “アートは人類の精神史上において、その時代時代の人間の意識の最先端を提示し続けてきた。(中略)今、時代は成長の臨界点に至り、アートはその表現すべき対象を見失ってしまった。私達に出来る事、それはもう一度人類意識の発生現場に立ち戻って、意識のよってたつ由来を反芻してみる事ではないだろうか。小田原文化財団「江之浦測候所」はそのような意識のもとに設計された。“ 石舞台。...
雨のヴァンジ彫刻庭園美術館 10月8・9日でアートを巡る旅に行ってきました。 6~8月に六本木で開催された「古典×現代2020」で、川内倫子さんの作品を観て、その世界観に強く惹かれ、ほかの作品も観てみたい!そこで、彼女の作品が展開されている美術展がないか探したところ、静岡のクレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館で「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」に出品されているという情報を入手。 クレマチスの丘もゆっくり散策してみたいし、せっかくなのでGO TO トラベルも利用して1泊することに。 初日はコチラもかねてから行ってみたかった「江之浦測候所」。 ・・・・...
東京都現代美術館で開催していた「おさなごころを、きみに」展。ハイテクアートの縁日みたいな感じでオモシロかったです。 一番良かったのは「8kworks screening」。MADD、サカナクションの「aoi」、TOKYO VICTORYなど、8k技術を駆使したCG作品たち。隅々までくっきりはっきりで、しかも美しい。惹き込まれます。2回も観てしまいました。特にサカナクション、よかった~ 時間があればずっと見ていたい・・。(撮影禁止なので写真はないのですが) 展覧会の意図についてhpには次のような説明があります。 “かつてこどもだった私たち―大人が忘れてしまったクリ...
東京都写真美術館の「あしたのひかり 日本の新進作家 vol.17」(9/22まで開催中)に行ってきました。写真・映像の可能性に挑戦する将来性のある作家の発掘、そして新たな創造活動を紹介する場として2002年より「日本の新進作家」が開催されています。今年は「象徴としての光」と「いまここを超えていく力」をテーマに5組6名の作家さんが紹介されています。今回はその中でも一番気になった岩根愛さんの作品をpickupしてみました。 「あたらしい川」は2020年春に郡山、一関、北上、遠野、八戸などで撮影した桜の風景、家族の記憶、これまでの旅で体験した数々の場面を重ね合わせてつづる写真と映像のイ...
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」に行ってきました!
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」に行ってきました!(行ったのは7/27なので3週間前ですね・・・) 実はヨコトリに行くのは初めて。前回も気になっていたんだけど、熱中症になってしまったため、結局取りやめたのです。今年はコロナ禍でもあり、今後、また行動が制限されるかもという懸念と、梅雨が長引いている今、まだ涼しいうちに行ってしまおうという考えで、開幕後1週間目の訪問という、私にしては非常に迅速な行動をとりました。 まあそれはともかく、いくつか興味深かった作品をご紹介したいと思います。(基本的には敬称略) 1.体験型作品を体験する! ...
「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」に行ってきました。
菅木志雄さんの作品 「現代美術といにしえの美術を組み合わせ、日本のアートの魅力を新たな視点で見つめ直します」とあるように古典作品と現代作家のコラボレーション?? です。古典側は曾我蕭白、尾形乾山、円空、仙厓義梵、葛飾北斎をはじめ、鎌倉時代の仏像、江戸時代の花鳥画、刀剣の名品など。対する現代側は、川内倫子さん、鴻池朋子さん、しりあがり寿さん、菅木志雄さん、棚田康司さん、田根剛さん、皆川明さん、横尾忠則さん。 特に川内倫子さんの映像作品がとてもよかった。細かい粒子状のもの、光を反射するものの動きをとらえたような作品。 美しいというか、何か小さいものたちの持つ潜在的な力のようなも...
イタビの「狩野派学習帳 今こそ江戸絵画の正統に学ぼう」に行ってきました!
またまたイタビ(板橋区立美術館)です。8月10日まで「館蔵品展 狩野派学習帳 今こそ江戸絵画の正統に学ぼう」を開催中。 >https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001385/4001387.html 狩野派って形式主義的な感じがしていて、私はちょっと苦手で、今まであまり真剣に見ることはなかったのですが、イタビでやる、しかも無料!!ということで、散歩がてら、行ってきました。 観た感想としては、「狩野派」といっても、ずいぶんいろんな絵があるんだな、ということ。 「狩野派」って聞くと私はまずこんな絵↓を思い...
イタビ近所であの!ヤギの「ばす君」?に出会う。板橋美術館は動物との出会いも多い!?
新型コロナウイルスにより罹患された皆さま、ご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。 先週、板橋美術館に「深井隆 -物語の庭-」を見に行ったところ、バス停の小屋のところに、なんと!!「ばす君」らしきヤギがいるではありませんか!! カメラを向けるとちゃんと目線をくれます。 「ばす君」とは・・?コチラ↓をどうぞ >http://cool-kimono.cocolog-nifty.com/artperspective/2019/10/post-33de5e.html くるんくるんした前髪が、きっと「ばす君」だと思う。今回は少し雨が降っていたせいもあっ...
1月も後半になってしまいましたが、今回は「2019年に行ったアート展でオモシロかったもの大特集!!」 12月は仕事が忙しく、アート展には出かけていたものの、なかなかブログupまでは至らず。 でも19年はたくさんのアート展に行ったのでここで一度整理も兼ねて、印象深かった、オモシロかった展覧会・イベント等をセレクトしました。 <2019年に行ったアート展でオモシロかったもの大特集!!>栄えある1位は なんと!9個も あります(笑)(相変わらず、優柔不断だわね~) 1番を選べなかったので、見に行った順です。 それから、美術館名の後に緑文字で記載してある...
問われる私たちの空間認識「FALSE SPACES 虚現空間」
TOKAS本郷で開催していた「FALSE SPACES 虚現空間」に行ってきました。「FALSE SPACES 虚現空間」は香港と東京のアーティストが、メディアアートの手法を通して「空間」の概念を探ることを狙いとしたコラボレーション企画。キュレーターはイップ・ユック=ユー(IP Yuk-Yiu)。 ハンドアウトには「物理空間と概念空間の境界がどんどんあいまいになっていく一方で、現代社会は「現実」を脅かす新たな課題に直面しています。」とあり、私たちの空間に対する認識を揺るがすような作品もありました。 実は私も美大を卒業していまして、卒制はなんと!!メディアアート(風の作品)だったの...
小林エリカさんの描く「待つ」について 「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」展 <感想・メモ>
「わたしの手の中のプロメテウスの火」 「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」展に行ってきました。本展に参加する6人の作家に共通するのは、作品のうちに文学の要素が色濃く反映されていること。 ”古代ローマの詩人ホラティウスが『詩論』で記した「詩は絵のごとく」という一節は、詩と絵画という芸術ジャンルに密接な関係を認める拠り所として頻繁に援用されてきました。以来、詩や文学のような言語芸術と、絵画や彫刻のような視覚芸術との類縁関係を巡る議論は、さまざまな時代と場所で繰り広げられてきました。”とあります。近年では美術館で詩人の吉増剛造さんの個展が開かれたり、文学とビジュアルアートの関係...
見てはいけないものを見てしまった感じ。 やなぎみわ「神話機械」展
神奈川県民ホールで開催中のやなぎみわさんの「神話機械」展に行ってきました。やなぎさんの作品は今回初めて見たのですが、とても引っかかる(興味深い)作品ばかり。 今日は作品を見た感想などを少し。 <神話機械> ・足がうねうねとうごめく、のたうちマシーン(メルポメネー)が不気味で良い。 ヨッシー(アソシエイトフォトグラファー)は江戸川乱歩的な気味悪さといって受けてた。・各機械を回る機械(タレイア)の存在、私は好き。 触媒?的な存在?? 時空のキワのアダ花、狂言回しというか。・デュシャンのオブジェを模した音&光を出す樹(テルプシコラー) 。これは意外とキレイ、光も音も。 ...
「ヤギを描こう!」ヤギの「ばす」くんとリニューアルした板橋区立美術館
リニュ-アルしたばかりの板橋区立美術館で「アヴァンギャルド画家たちの東京」展の 関連企画として「ヤギを描こう!」というのが開催されたので、行ってきました。 <今までの板橋区立美術館の記事>前回はタヌキの記事でした。「青い瞳の君に夢中!!「江戸の花鳥画」展 板橋区立美術館」 >http://www.kimono-perspective.com/2017/10/post-be36.htmlネコにフクロウも出てきます。「カワイイ!着物にしたい!花鳥画 「江戸の花鳥画」展 板橋区立美術館②」 >http://www.kimono-perspective.com/2017/10...
ランチビールとフェリーが楽しい 横須賀美術館とホキ美術館をめぐるツアー
目の前は海と空。横須賀美術館の屋上から見た景色。クラブツーリズムが主催する『フェリーでつなぐ2つの美術館めぐり 絶景!緑と海に囲まれた横須賀美術館 日本初の写実絵画専門美術館・ホキ美術館』に行ってきました! (コース名が長い!) 船に乗りたい海の見える美術館に行きたいランチビールを飲みたいので、バス・電車で行きたい ・・・というわがままを叶えてくれるバスツアーはないかね、ということで探したところ、上記のクラブツーリズムが見つかりました。 私たちの参加したツアーは西船橋からバスで横須賀美術館へ、漁師料理よこすかで昼食、その後久里浜港からフェリーで金谷港へバスで写実絵画専門美術...
荒川修作さんとマドリン・ギンズによる「三鷹天命反転住宅」に行ってきました。 「三鷹天命反転住宅」とは“「死なないための家」、そして In Memory of Helen Keller ~ヘレン・ケラーのために~ と謳われる理由には、さまざまな身体能力の違いを越えて、この住宅には住む人それぞれに合った使用の仕方があり、その使用法は自由である”“与えられた環境・条件をあたりまえと思わずにちょっと過ごしてみるだけで、今まで不可能と思われていたことが可能になるかもしれない=天命反転が可能になる”hpより http://www.rdloftsmitaka.com/concept/ ...
渦巻きを巡る旅?ケルト芸術文化、ユーロ=アジア装飾文化から日本の伝統美術へ <今後行きたい美術展>
今後行きたい美術展を2つ、pick upしてみました。西の端っこ、ケルト世界からユーロ=アジアを経由して東の端っこ日本にまで流れる通奏低音を感じることができるかもしれません。 ◆「渦巻きの大宇宙」6月28日~7月14日 多摩美術大学http://www2.tamabi.ac.jp/iaa/macrocosmic_spiral/「人間の生活を彩るすべての装飾やデザインは、永遠の生命のみなぎりを願い、それを活性化させるべく創造されてきた芸術」であるという視点に基づいて、ヨーロッパの古層に流れるケルト芸術文化、ユーロ=アジア世界の装飾文化を「生命デザインの交流」という観点で紹介す...
「世紀末ウィーンのグラフィック -デザインそして生活の刷新にむけて」 目黒美術館
今年は日本・オーストリア外交樹立150周年記念だそうで、ウィーン関連の美術展が目白押しですね。国立新美術館で「ウィーン・モダン」、都美術館で「クリムト展」が開催されています。 目黒美術館でも「世紀末ウィーンのグラフィック-デザインそして生活の刷新にむけて」が開催中です。展示内容は京都国立近代美術館が所蔵するグラフィック作品です。 1897 年、グスタフ・クリムトを中心とする人たちが「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」というモットーを掲げてウィーン分離派(正式名称:オーストリア造形芸術家協会)を結成しました。ウィーン分離派は「高尚な芸術」と「小さな芸術」間の垣根を取り払い、「芸...
前から年代ごとのトピック・美術・思想・文学・音楽などが一枚になった年表が欲しいなと思っていたのですが、なかなか見当たらないので(探し方が間違っていたのかもしれないけど)、今回自分で作ってみました。今はまだ西洋美術・思想・文学の作家・著者などの生没の年表。これに年代ごとのトピックを入れられれば、結構使えるものになるんじゃないかと思います。 2週間くらい前に、生年順の表を作ったんだけど↓、もう少し直観的にみられるものを作りたいと思っていたところ、 エクセルに「条件付き書式」という機能があって、それをうまく使うと生年、没年をもとに棒グラフを作ることができる、というのを今日発見。 慣れ...
先日のル・コルビュジェはちょっとお休みして、今日は美術愛住館で開催中の「美術愛住館一周年記念 アンドリュー・ワイエス展」を紹介します。 アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth, 1917-2009)は、アメリカのリアリズム絵画において国民的画家といわれている人です。「クリスティーナの世界」など、一度は見たことある方も多いのではないでしょうか。今回は丸沼芸術の森が所蔵するワイエスの水彩・素描(全238点)から、オルソン・ハウス・シリーズのエッセンスといえる40点の作品が展示されています。水彩・素描と侮ることなかれ!この水彩がすごいのです。5月19日(日)までです...
ル・コルビュジエは第一次世界大戦前後から建築や絵画の仕事をはじめ、やがてマシンエイジを反映した機能的なモダン建築の理論を打ち立てていきます。 1925年にはパリ市街を超高層ビルで建て替える都市改造案『ヴォアザン計画』を、そして1930年には『輝く都市』、1927年には近代建築の五原則(ピロティ、屋上庭園 、自由な設計図 、水平連続窓、自由なファサード )を提唱し、同年のクック邸で実現、1931年のサヴォア邸で完成を見ました。 しかし、こうした機能主義一辺倒のモダニズム建築に対するアンチテーゼとして、1960年以降、ポストモダン建築が提案されていきました。また都市研究家・ジャーナリ...
この愛嬌のある雰囲気がたまらん!「ブラジル先住民の椅子」展 ----埼玉県立近代美術館で開催中
公開日:2018.9.12更新日:2019.4.11展覧会のタイトルグラフィック(庭園美術館) 今回は埼玉県立近代美術館で開催中の「ブラジル先住民の椅子」展です。この展覧会は昨年、庭園美術館で開催されました。素朴だけれど力強い、魅力的な椅子たちを見ることができます。庭園美術館での展示を見逃した方は、ぜひ行かれてはいかがでしょうか。埼玉県立近代美術館では展示のほかにトークセッションも予定されています。◆スペシャル・トーク講師:樋田豊次郎(東京都庭園美術館館長)日時:4 月14 日(日)15時00分~16時00分(開場は14:00)◆スペシャル・ギャラリー・トーク「三沢厚彦...
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