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  • 『西遊妖猿伝 西域篇』諸星大二郎 その1

    西域篇 入ります。 こちらはまったくの初読みです。 ネタバレします。 【第1回 校尉 意気に感じて客を通し 悟空 唐僧を追って烽を破る】 玄奘と悟空たちはそれぞれ別々に進み、大唐国の国境玉門関を遠くに望み瓠蘆河に木を倒して渡り禁忌である密出国を犯しなおも進んだ。 かつて西域貿易が華やかなりしころは大勢の商人や駱駝のキャラバンが行き来したこの区域も今は国境を守る守備兵が五つの烽火台に駐屯するばかり。 さらにその先には莫賀延磧という大砂漠が広がる。 この五烽が唐の目の届く一番外れなのだった。 その五烽の一番手前には王祥という校尉が烽官として詰めていた。 辺鄙なところにいるせいかもともとそういう素地…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その26 完結

    ネタバレします。 【第96回 玄奘 玉門を望みて河を渡り 通臂 革袋に入りて讐を報う】 玄奘、石槃陀、八戒の一行は玉門関を遠くに望みながら気取られぬように瓠蘆河に切った木を渡しゆっくりと馬を引いて渡った。 ついに玄奘は密出国を犯したのである。 羅刹女は退屈していた。 阮馮河だけでは満足できなかったのだ。 そこに通りかかったのは恵岸行者であった。 恵岸は物思いにふけっていた。 玄奘そして悟空が気にかかってはいたものの国境まで追いかけるとは思ってもいなかったのだ。 ふと落ちている革袋が奇妙に膨れているのが気になり錫杖を突き刺した。 空気がはいっているだけだ、と恵岸は自分を安心させる。 そして未練が…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その25

    ネタバレします。 【第92回 通臂 甕を転がして行者を悩まし 妖虫 錦を食いて腹中に入る】 あれほど執拗に悟空を追い詰めていた黄袍があっけなく死んでいた。 加害者である石方相もまた黄袍の毒矢によって苦しみながらも百花羞を捜している。 ちゃっかり漁夫の利(かどうかはわからないが)を得た通臂公は金蚕蠱に丘が残した錦を与える。 どうやら金蚕蠱は錦を食するらしい。 そして今金錦蠱は一回目の脱皮をしようとしていた。 しかしその時通臂公は恵岸行者が近づくのを感じる。 金蚕蠱は一度目の脱皮後人の腹中にはいるという。 通臂公は恵岸の腹に金蚕蠱をつけてやれないかと考える。 通臂公は恵岸行者に近づき甕に入って襲い…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その24

    ネタバレします。 【第90回 孫行者 岩窟院を脱れ 丘秀才 金蚕蠱を調う】 岩窟院堂守が百花羞を襲い石方相がこれを追い払う。 小柄な堂守はするりと岩窟の穴に入り込んだが大男の石方相はその穴から入るのはできず馬鹿力で穴を壊し始めた。 中では一升金を抱えた黄袍が悟空と玄奘を追い詰めている。 そして入り込んできた堂守にまたも楽慧の亡霊が「法楽さまは」ととりついた。しかも「参詣人を殺していたのはおまえだろう。おまえが法楽さまを」 石方相は岩窟をこじ開けてしまうがその反動で自分自身が上から落ちてしまう。 一升金が抜け出したその瞬間黄袍は弓矢を発する紐を引く。 悟空は玄奘とともに外へ飛んだがそこは流沙だっ…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その23

    巫蠱の章 ネタバレします。 【第86回 瓜州に至りて強風 更に吹き 玉門を前に法師 心乱る】 瓜州に向かう玄奘と悟空は強風に吹かれる。 通臂公は駱駝の壺に入って移動してきた。 巫蠱使いの男と出会い旅を共にする。 瓜州の寺で玄奘は高僧に「どうしても西域へ行きたい」と願い出る。 禁忌である出国については何もわからないと困惑する僧たちだが玄奘のために一案を呈した。 寺の裏に住む毛さんは去年まで玉門関の守備をしていたから何か知っているかもしれないと教えられる。 玄奘と悟空はすぐに毛さんを訪ねて西域への道を訊いた。 国境の関門が玉門関となる。 その先の砂漠には百里おきに烽台が五つあるという。その先は莫賀…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その22

    ネタバレします。 【第83回 両雄 空材に戦い 孤僧 巫蠱を破る】 火井鎮では婆の占いが当たった。禍がやってきたと騒ぎになる。 昼間から大トカゲが徘徊し人々は逃げ惑った。 一升金はその様子を見て析易居士は三流だと罵る。 八戒はうっかり寝込んでしまい目覚めると一升金がいないので鎮火石と刻まれた大岩の下を掘り返した。 悟空はぐったりと寝込んでいる玄奘を連れとりあえず火井鎮に行こうとして羅刹女の手下どもに襲われ逆に叩きのめす。 玄奘を馬に乗せ火井鎮へ向かう。 が、村は静まり返り婆巫師の弟子が殺されていた。 さらにいつかの仮面の男がのし歩いている。 そして玄奘の顔をした蜥蜴が「私は死ぬよ。天竺へは行け…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その21

    火井鎮の章 ネタバレします。 【第78回 陰風 凄々として砂漠を吹き 聖僧 促々として荒野を過ぐ】 こうしてシン・羅刹女は悟空そして玄奘と出会う。 羅刹女は悟空が気に入ったらしく突如襲いかかりそして去っていく。 西域を目指し八戒は駱駝に乗って旅を続ける。早く帰りたいのだが。 これまで人に敗ける気がしなかった恵岸行者が黄袍の飛抓に襲われ傷を負う。 (まあこの後の布石だからなんだけど) 八戒の一行に一升金が合流。 一升金「玄奘がいる」と聞いて覗き込むと八戒だったのでがっかりする。 紅孩児は羅刹女と行動を共にする。 恵岸を助けたのは百花羞だった。 石方相はここでも愚痴を言っている。 玄奘、悟空は岩の…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その20

    【第74回 真の聖僧 水滸に宿を借り 仮の玄奘 甘州に言をもて弄す】 冒頭、玄奘と悟空が言い争いをする。 珍しいなと思っていたらこれは布石であった。だろうて。 しかしこの後さらに珍しいとは言えないほどの怖ろしい事件が起こる。 一見普通の農民に思えた通りすがりの男女からいきなり襲われてしまうのだ。 突然小刀で斬りつけてきた男を悟空は叩きのめす。 が恐ろしいのはその直後鎌を振り上げた女の姿だった。 悟空は迷うことなく女を叩き殺す。 玄奘は「なにも殺さずとも」と小言をいう。 これに悟空も言い返した。 やむなくふたりが歩を進めようとすると前方に女児が牛に乗っているのに出会う。 女児は悟空が人を殺したの…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その19

    ネタバレします。 【第71回 百年の仙根 まさに絶えんとし 連理の霊樹 永に生きんとす】 旅を続ける玄奘・悟空一行は砂漠を行くとたちまち砂嵐に包まれてしまう。 その行く手にも扶桑夫人の胞子が化けた植物が生えていたがすでにすっかり枯れ切っていた。 悟空は八戒が今も人参果を持っていると指摘する。 持っていないと言い張る八戒を悟空は脅して白状させた。 玄奘は八戒を叱って去ろうとするが悟空は「これは行きながら草にされた赤ん坊だ」と玄奘を引き留める。 木の根元に埋めるから念仏を唱えてくれと伝える。 悟空は気配を感じていた。 そして人参果を埋めながら「おまえたち、少しでも怨念のようなものがあるのならおれの…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その18

    ネタバレします。 【第67回 方相 市を鬧がして蛮力を誇り 李靖 花を摘まんと鸚鵡を贈る】 狼頭堡で玄奘を捜しまわる悟空は百花羞を見かけその家を訪ねる。 そこに悟能がおりさらに百花羞目当てに来た李靖とお嬢様を守ろうとする石方相が入り乱れて大騒ぎとなる。 【第68回 同君 畫より出でて車輪を飛ばし 両雄 大いに狼頭堡を鬧ず】 李靖将軍、弼馬温=悟空に腹立ちが収まらないが突厥が竜牙堡のすぐ近くまで来ているとの報せを受け出兵することになる。 待機する部下に弼馬温捜索を命じた。 道整は忙しい車屋の女将に子守を頼まれおんぶすることになってしまう。 そんな道整に声をかけたのが悟空だった。 悟空はついに玄奘…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その17

    ネタバレします。 【第64回 五荘観に唐僧 人参を届け 霊芝谷に悟空 嬰児を拾う】 狼に襲われた玄奘を救った道教の師らは玄奘を五荘観という道観に連れて行く。 与世同君という人物の棲み処だという。 道教の師らは玄奘に届けていただきたいものがある、と言って籠にはいった包みを渡した。玄奘は馬を引きひとりでその道観に向かう。 「主人が留守だから」と一旦断られてしまった玄奘だが「凌虚子殿から包みを預かっているのですが」と言うとその門は開けられた。 主人の代わりのその人物は第一弟子の陰砒生と名乗った。 中に入り事情を説明した玄奘の目の前で包みが明けられるとそこから赤ん坊のようなものが転がり出た。 「人参果…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その16

    ネタバレします。 【第60回 黄風の中 大王刀を振るい 砂塵の内 悟空 谷を走る】 これまでと違う悟空。 明確に自分がどうするべきかを考えながら戦い始める。 旅芸人たちは逃げ出す。 玄奘もその中にいる。 しかし黄風大王は旅芸人たちを見逃したわけではなく殺す手段を取っていた。 それに気づいた二娘たちは一行を止める。 大王の手下たちに追われ散り散りに逃げる。 玄奘の行く先には紅孩児がいた。 しかしここでも現れる恵岸行者。 そして悟空の乗る馬が阻まれ悟空は振り落とされる。 【第61回 唐僧を護りて行者 鬼を放ち 大聖を念じて悟空 棒を振るう】 落馬した悟空だが信念は揺るがない。 その時、紅孩児と争っ…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その15

    ネタバレします。 【第59回 驕りて城門にいのちを落とし 黄風 死児を冥婚させんとす】 李都督は野盗ふぜいが涼州を襲ったことに苛立つ。 黄袍は負傷していたが牢から救い出された小旋風が門を出る寸前、手下どもの目が離れた隙を狙い殺してしまう。 大王の息子の死に驚く手下どもに聞こえるよう「小旋風を殺したのは弼馬温だ」と言い放った。 傷を負わせられた黄袍の小さな復讐だった。 大王の息子小旋風が殺されたとなっては大王に会うことも出来ないと右旋風は馬を駆り涼州へと向かった。 ところがそこに突如として李勣が現れ右旋風は倒されてしまう。 右旋風の口から「弼馬温」という言葉を李勣は聞いた。 天竺楼の遊女たちは黄…

  • 『西遊妖猿伝 大唐篇』諸星大二郎 その14

    ネタバレします。 【第57回 通臂 術を弄して玉女を招き 細作 薬を売りて悟空を誘う】 恵岸行者そして黄袍が暗躍する中で悟空は旅芸人一行から抜け出した。 恵岸行者は通臂公の行き先を見つけ通臂公はそこで玉女降臨の術を披露する。 そして李都督は玉女を招こうとしていた李軌の亡霊を見る。 が、恵岸が観音経を唱えたために玉女は壺に収められてしまい李軌の亡霊も去っていく。 翌朝李都督は「あの鼎をどこかに放り出してこい」と命じる。 悟空が割ったはずの鼎は何故か元通りになっており巨大な鼎をどうするか下男たちは骨董屋に売って小遣いにしようとする。 玄奘は法師に促され出立を決意する。 が、悟能の姿が見えずやむなく…

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