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  • 『忍法十番勝負』「十番勝負」横山光輝

    『忍法十番勝負』(にんぽうじゅうばんしょうぶ)は、日本の漫画短編集。秋田書店の月刊漫画雑誌『冒険王』1964年(昭和39年)新年特大号から10月号にかけて連載された、10人の漫画家によるリレー方式のアンソロジー漫画である。(wikiより抜粋) wikiにも書かれているが(記載より9年経っているが)新刊購入できました。(デジタル化なしのため紙の本購入しました) 実は読んだのは少し前だったのですが横山氏と白土氏以外の作品をほぼ読めずしかし読まねばならないかなと思いながら日が経ってしまいました。 このままでは記事が書けないので両氏のみの読後で書くことにしました。 そもそも私が今まで読んでなかったのに…

  • 『邪神グローネ』横山光輝

    横山光輝作品タイトルを眺めていて気になったのだけどebookにはなかったので古本『セカンドマン』(大都社)に収録されているのを見つけて購入しました。おかげで『セカンドマン』を紙の本で読むことができますw となると気になるのは例の場面!「もしかしたら裸のままの場面が見られるのでは」(いやそれほどじゃないんですけど)と邪な(こっちが邪心だ)考えですぐにチェックしたのですが「げえっ」なんと逆にデジタル本ではあったまさに裸の場面が削除され巧妙な手口でつなげられておりました。(いやあの時ひらさんがそう教えてくださっていたはずですがこの本がそうだったのか) やはり邪心を持った人間は痛い目を見ます。 いやい…

  • 『野獣』横山光輝

    なにこのかっこよさ。表紙、立っているだけなんだけどかっこいいという。 でもやはり横山先生は叩きのめされる男が好きなんだよ。 ネタバレしますのでご注意を。 1970年週刊プレイボーイ 東大寺邦男。めちゃくちゃカッコイイ男なんだけど今このカッコよさはコメディとなってしまうんだよなあ。70年当時はその感覚があったのかどうか。 しかしそういう現代人の目で見てものめり込んで読んでしまう面白さがあった。 恩赦により二年間で出所できることになった主人公・東大寺邦男。 出所していきなり「しゃばか」に吹き出す。せめて「シャバか」にしてほしかった。 大体シャバってなんなのだ。 なぜ「しゃば」というのでしょうか? …

  • 『横山光輝短編コレクション』Vol.5「偽りの偶像」

    キックボクシングの選手の物語。 何故キックボクシングなんだろう。 ネタバレしますのでご注意を。 多胡原健児はキックボクシングクラブに入って一か月目で会長の目に留まり将来を嘱望される。 一気にスター街道を走っていく姿を恋人の由美は寂しくも見守っていた。 ところがチャンピオンになった多胡原は近づいてきた美女梅原悦子との情事にはまりこんで由美を忘れてしまう。 得意の絶頂にいた多胡原はある日会長に次の試合で新人に負けて欲しいと頼まれる。「マスコミをにぎわすスターを我々は作り出さねばならん」 多胡原自身もまた「作られたスター」にすぎなかったのだ。 会長の指示に従わなかった多胡原は以前のチャンピオンと再戦…

  • 『横山光輝短編コレクション』Vol.4「闇の顔」

    これは先日江戸川乱歩原作『白髪鬼』に同時収録されていた作品(すばらしいカップリング)ですでに記事にしましたが、横山作品の中でも特に語りたくなる内容なのでもう一度ここに書いてみようと思います。 ネタバレしますので注意を。 以前も書いたけど江戸川乱歩原作を作画した『白髪鬼』自体素晴らしい作品だった。美しいルリ子を間にしたふたりの美青年の愛憎劇といういかにも乱歩特色の強い物語をマンガ作品に落とし込まれていてもともと乱歩好きな私にとってこの上なく満足いくものとなっていた。 ところが横山氏はその一年前に本作「闇の顔」を描いているのだ。こちらは明らかに『白髪鬼』を下敷きにしたオリジナル作品といえる。 なん…

  • 『横山光輝短編コレクション』Vol.3「ぶっそうな奴ら/偏愛」

    横山光輝作品で珍しいセクシー美女表紙です。思いっきり峰不二子風ですなあ。 物語はふたつ。 表紙は1話目の「ぶっそうな奴ら」のものです。 ネタバレしますのでご注意を。 「ぶっそうな奴ら」(1969年週刊プレイボーイ) そして中身もやはり峰不二子風&ルパン三世風作品であった。 警備会社の現金輸送車を襲う強盗団の話なのだ。 計画を立てたのが不二子風セクシー美女のマリでその相棒となった男が指示を出していく。 ふたりが見込んだ腕利きを集めて強盗団を作り計画を実行する。 これも60年代後半当時流行った一種の冒険ものなのだ。 主人公はとりあえず山崎五郎という男だろう。女を抱いては金をもらっているという「ケチ…

  • 『横山光輝短編コレクション』Vol.2「大暗黒」原作:小栗虫太郎

    おっと、原作:小栗虫太郎だった。横山先生にはけっこう砂漠の話がある。 そもそも『バビル2世』が砂漠の話だったものな。「砂の嵐に隠された♪」 ネタバレしますのでご注意を。 一度本作を読み通したのだけどかなりシンプルな探検もので(これも昨日に引き続き当時流行りの冒険ものということなのかな)(1969年週刊少年キング)これが原作小説でどのように執筆されているかが気になりかなりお手頃な値段でデジタル化されていたので購入。驚いた。 もし原作から読んでいたらかなり激怒案件かもしれない。 しかし私は横山作品目的なので激怒はしない。 むしろこの小栗作品の妖しげな雰囲気を消し去ってあのような単純な探検物語にでき…

  • 『横山光輝短編コレクション』Vol.1「黄金墓場」

    めちゃくちゃおもしろい。こういう短編をもっと読みたい。オーソン・ウェルズ劇場みたいなやつ。 ネタバレしますのでご注意を。 何度も何度も書いてるけど横山氏はマンガの進め方がうますぎてさっさと読んじゃうんよ。も少し判らなくしてくれてもいいくらいだ。 映画では「編集を制する者が勝利する」というのを聞いたのだけどマンガも同じ、というのも当たり前なのか。 本作、主人公は上杉健児(健児多い気がする)で死んだ男の息子なのだけど主人公で始まる方法もあるのだけどあえて悪だくみの三人男から始めることで物語がシンプルになる。 上の図からズームアップして黒い物体は海の漂流者だとわかる。 貨物船が現れ救助するが鮫が邪魔…

  • 『サンダーボーイ』横山光輝

    リアルタイムで読んでいない者にとって同作家の作品の変遷をつかみ取るのは難しい。 年代を見れば鉄人28号の終り頃にこの作品が生まれている。横山氏の説明で「発明は大きなものから小さなものへ進化していく」とあるのである意味鉄人の進化系と言えるのだろうか。 とはいえ本作は2巻で終わってしまっているし横山氏はこれ以降も大型ロボットの登場が多いのを考えてもそれほど小型ロボットもしくは等身大ロボットに興味が持てなかったのかもしれない。 とはいえさすが横山キャラクターの魅力はそんな中でも感じられる。現在で言えば映画『M3GAN』のミーガンと重ねてしまう。美しい少女アンドロイドは多くのそうした趣味人に興味を与え…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十五巻

    張飛と馬超。いいねえ。 ネタバレしますのでご注意を。 このカラーページ素晴らしい。(カラーじゃないけどw)動いて見える。音まで聞こえそう。 月が真ん丸だ。 追い詰められた玄徳の前にも伏兵が。 と、それはなんと張飛であった。あまりに早い到着に玄徳は驚いて問うが張飛はまずは味方を助けましょうと駆けていった。 カッコいいねえ、正義の味方の登場方法ではないか。 蜀軍を倒し城へ戻ると張飛は厳顔がここまでの案内をしてくれたため三十数か所の城砦をそのまま通過できたというのだ。 さらに黄忠・魏延が敵将呉蘭・雷同を捕獲してきた。厳顔が彼らを説得し仲間となった。 これを知った張任は不甲斐なさを感じ張飛を生け捕れば…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十四巻

    この表紙すっごく怖い。 先日横山氏はホラーミステリー作家の道もあったと書いたんだけど、ここにそ片鱗が見える。 落鳳坡のタイトルと龐統の道号「鳳雛」を重ねればその恐怖の謎は解ける。 ネタバレしますのでご注意を。 冒頭で張松が死す。もうはっきり言って『三国志』で一番ショックだったかも。(知らないし) 史実でもここで斬られてしまってるからどうしようもない。賢者であったが惜しむらくはここでの玄徳(孔明)の本来の目的に気づかなかった、ということですか。 そしてここから次なる悲劇が近づいてくる。 ようやく玄徳が蜀征伐を決意し龐統が軍師として活躍し始める。 騙し打ちをしようと近づいてきた劉璋の将を逆に討ちと…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十三巻

    趙雲子龍。最も頼りになる男であるが人を愛するのではなく思想を愛する人なのでその人が堕落すれば離れてしまう怖い人でもある。 こなみかん。 ネタバレしますのでご注意を。 魏の曹操に頼ろうとして赴き蜀の要人であるにもかかわらず自尊心を傷つけられ百叩きの上追放という憂き目にあってしまった張松はこのままでは帰れぬと荊州の劉備のもとへ進む。 すると道半ばで趙雲が彼を出迎え旅の疲れを労い休息の席を設けてくれた。さらに荊州まで供をして夕暮れには宿を案内してくれる。そこでは関羽が彼の到着を待っていた。 ここでも丁重なもてなしを受け関羽自ら寝所へ導いてくれた。 翌朝も関羽・趙雲伴って張松を城へと誘う。見ると城門の…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十一二巻

    三十一巻に続き同じく馬超表紙。同じ人物が続けてと言うのはあまりないので(最後あたりは孔明続きだが)お気に入りのキャラクターだったのではないでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 曹操対馬超戦は長引く。季節は厳しい寒さの冬を迎える。が、曹操陣は城を築くことができずにいた。何度築こうとしても途中で馬超軍に破壊されてしまうのだ。 ここで曹操に秘策を授けた老人がいた。築いた砦に水をかけておけば自然に凍って火水にも潰えぬというのだ。 この策に曹操は喜びすぐに造らせ翌朝には氷の城塞が現れたのだ。 様子を伺いに近づいてきた上曹操に迫った馬超を許褚が許さない。その名を聞いた馬超はいったん引くことを決意する…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十一巻

    馬超~~~~『三国志』でイケメン描写は多かれど最高峰と思えるのは馬超なのです。 小説『三国志演義』において、馬超は作中でも屈指の武勇を誇る武将として登場する。「冠の玉のような顔、流星のような眼、虎の体に猿の臂、彪の腹に狼の腰」を持ち、「生まれつき白粉を塗ったように色白、唇は紅をさしたよう」な美将であり、「錦馬超」(きんばちょう)と称えられている。 とウィキに記されている。虎と猿と豹と狼が合体してる上に名前が馬だから物凄い創造物になってしまう。 横山光輝氏作画でも馬超は獣のような面を付属する兜を常に装着した独特の風貌を見せています。頭上の飾りがなんとなくウルトラセブンを思わせてめちゃくちゃ強いの…

  • 『三国志』再び 横山光輝 三十巻

    周瑜、超絶美形なのにあまりにも気の毒で。ほんとなぜ孔明と同じ時期に生まれてしまったの。 という感じで戻ってきました、『三国志』の旅続けましょう。 ネタバレしますのでご注意を。 さて孔明は赤壁の戦いで孤軍奮闘じゃないな、ひとりであっさり呉軍を引っ搔き回し周瑜を騙くらかして颯爽と劉備が待つ船に乗って呉を離れる。 孔明のこういう言い方が意地悪なのだ。褒めつつバカにしてるんだな。(大好き) 周瑜も陸路を取る。 しかしそこに現れたのは関羽だった。さらに黄忠、魏延が登場(魏延が出てくるたび胸が痛む。ここでやつがいなくなっていたら・・・たらればはなし) たまらず周瑜は船に戻って逃げる。 関羽・黄忠はその逃げ…

  • 『夜光る犬』横山光輝/愛蔵版初期作品集『闇におどる猫』収録

    以前表題作『闇におどる猫』についてのみの記事しか書かなかったけどやはりこちらも記事にしておくべきでしょう。 ということで。 ネタバレしますのでご注意を。 これに収録されてます。 横山光輝作品と言えばSF・ロボット・アクション・忍者などのイメージが強いだろうけどホラー的ミステリー的な要素も含まれている。初期作品にはこのようなミステリー作品も数々あってその要素が内包していることを示している。 横山氏をリスペクトしていると明言している荒木飛呂彦作品は全般にわたって(初期作品から『岸部露伴』などなど)ミステリー要素を強く出しているのもこれらの影響なのではないだろうか。 さて『夜光る犬』表紙には何も書か…

  • 『コマンドJ』横山光輝

    ひらさんから教えていただいた「横山先生が単行本化を認めなかった」ものの1作品『コマンドJ』偶然購入していたので早速読んでみました。 選んだ理由は「聞いたことなかったけど凄くカッコいい表紙」です。 予告編付き。こんなにカッコいいのに単行本化認められずとは。 楽しい。残念ながら日本中でブームを巻き起こしたとは聞いていないですがそうだったのでしょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 これもかっこいい。 しかしなかなか主人公の「J」が出てこない。 コマンド隊長、紳士でステキだ。しかもやさしい。 あれっ。あなたは・・・ も、もしかして・・・ひらさん?コマンドの一員でしたか。 (ま、今の私はヨミの一員です…

  • 『竜神伝説』横山光輝

    (1976年週刊少年アクション掲載/休刊により未完) かっこいい少年が描かれた表紙をめくるんじゃなくて滑らせると またもや表紙!巨匠登場!!昔のはやたら巨匠であることが強調されている。大型新連載第二弾!!大型ってなに?第二弾とは? カラーページが続く。 これからどんな『竜神伝説』になっていくのか楽しみだな。 ネタバレしますのでご注意を。 主人公は血気溢れる少年。 戦国時代。敗者は落ち武者狩りに会う運命である。 が食べ物は必要だ。村落で食糧を探そうとした主人公を含む人群れはやはりそこで落ち武者狩りに襲われる。 それを高みから見ているふたりがいた。 孫策と于吉老人(チガウ) と思ったらほんとに于吉…

  • 『少年忍者 風よ』横山光輝/原作:葉山伸

    amazon検索してたら出てきた。が、すでに古本のみ、での購入となる。とはいえ見つけられて嬉しい。 うーむやはりなんとなく出会うのを待つだけでなく自力で探す努力も必要なのだと改めて思う。 デジタルになってはいないようだ。 しかもこの作品本2006年発行の裏表紙に 「週刊少年マガジン1000号記念」新連載作品。1978年1月1日号~8月27日号を忠実に復刻した初めての単行本、完成!! と書かれている。 つまりお蔵入りとなっていたわけだな。ファンの方々、さぞや待ち長かったであろう。私なんかファンになってすぐに手に入ってしまい申し訳ない。 (まあその逆は数えきれないほどあるだろうけど) とはいえこん…

  • 『片目猿』横山光輝

    タイトル『片目猿』でこの表紙は謎すぎる。のでもうひとつのカットを置いておこう。 ちょっと小首傾げて可愛いが凄腕の忍者猿彦。 人呼んで片目猿である。 ネタバレしますのでご注意を。 紹介文を読まずに読み始めたのでいったい何が始まったのかと思った。 片目の忍者(これはタイトルでわかるが)が傷を負い逃げ込んだ家にいたのが庄五郎だった。庄五郎は昔覚えた塗り薬を作り重傷の忍者の手当てをする。しかしその忍者が持っていた文書を見て驚く。そこには各地の大名の兵力食糧などが詳しく記されていたのだ。庄五郎は忍者が眠り込んでいる間にその文書を写し取り「長井の殿様」に渡して自らが武士になりたいと願い出たのだった。 傷を…

  • 短編集『影の世界』横山光輝 「黒い沼地」「時間警備隊」「13番惑星」「タイムマシン」

    短編集『影の世界』の続きです。 ネタバレしますのでご注意を。 第四話「黒い沼地」(別冊少年サンデー1960年秋季号) これ言っちゃいけないのかもしれないが横山先生、昔の色塗りは凄く上手くて良いのに後に行くほど変な感じになっておられる。 なにか理由があるのかしらん。なのでこの時代の色塗りは最高です。 さて内容は。 設定はアメリカ西部劇。 偏見かもしれませんが少女マンガに比べると少年マンガは異国設定というのがかつては極端に少なかったと思う。 特に日本人はまったく出てこないというものは。 そんな中で横山光輝作品は中国も含め異国ものは男性マンガの平均よりも多いのではなかろうか。 主人公の名はケリー(こ…

  • 短編集『影の世界』横山光輝 第一話「未来をのぞいた男」

    ちょっと切りの良い所(だったかな)で『三国志』中断し横山光輝の他作品を投入します。 まずは短編集『影の世界』1960~1962年作品ということです。 表紙スタイルが良くてカッコいい男性たちによるスタイリッシュなデザインになっていますね。 ネタバレしますのでご注意を 第一話「未来をのぞいた男」(1960年週刊少年サンデー) いろいろおもしろい。タイトルの「のぞいた」がひらがなになっているのは「覗いた」と「除いた」をかけているのかなと考えたり。 「私の命は、あと一週間しかない」 『百日後に死ぬワニ』の先取り、ではないけどね。 表紙、ふたりの村雨竜作が描かれ怪しい白髪科学者が間にいるという謎めいた演…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十九巻

    玄徳やっぱり可愛いと思う(今更) ネタバレしますのでご注意を。 呉の孫権、やはりまだ若いせいか合肥城を攻め落とせない。挑発に乗ってかっとなり大戦するが有能な将を失うだけで勝負はつかない。 若気の至りを反省するが太史慈が作戦を言い出し孫権はこれを許した。 太史慈の部下戈定兄弟による合肥城放火計画である。 横山先生は兄弟モノがかなり好きな気がする。まあそもそも『三国志』って兄弟モノではある。 生き生きしてる。 しかし張遼の冷静な判断により彼らはあっという間に捕まり斬首されてしまう。 張遼は外部と示し合わせているに違いないと考え「謀叛人だ」と叫びながら開門させる。 外でこれを待っていた太史慈軍は中へ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十八巻

    趙雲の(だけじゃないけど)いつもは目をつぶっているのに何かの時には片目だけ開ける(?)というのはどういう意味なんだろう。表現としてむしろ好きなんだけど謎ではある。 ネタバレしますのでご注意を。 「玄徳軍」というだけで人々が恐れおののくようになっている。 玄徳かっこいい。 まさかりを担いだ邢道栄の前に現れたのは四輪車に乗った孔明である。 孔明、言う時は言う。そして邢道栄が襲ってくると 不思議すぎる四輪車。 直後、邢道栄は張飛・趙雲と戦う羽目になりあっという間にお縄を頂戴することとなる。 「今の世有能な者はつとめてこれを生かす」と孔明は言う。「今の世って」w なにしろ西暦208年頃、この年代を見る…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十七巻

    周瑜、優秀な人なのにほんとうに気の毒です。 ネタバレしますのでご注意を。 赤壁の大戦で大勝利を収めた呉軍の勢いはまさに天を突くばかりであった。 降伏する曹軍の残兵を自軍に組み入れその勢いで南郡攻略を開始した。 そこへ玄徳からの祝いの品が届きさらに居場所を移したことを聞いた周瑜はここで玄徳に釘を刺しておかねばと自ら返礼に向かう。 「この程度の儀式になぜ」と訝しむ玄徳に孔明は周瑜への返答の方法を教えた。 「恩義あるゆえ荊州を奪うことはできぬ」とあれほど義侠心を固辞し続けていた玄徳がここにきて突然「よるべき土地を持たねばならぬ。事情は大きく変わったのだ」と言い出してる。何があったのか。 しかしここで…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十六巻

    やっぱり曹操様はステキだ。 ネタバレしますのでご注意を。 総勢百万の曹軍の出陣。威容の艦隊を見て周瑜は慄いた。 折しも強風で「帥」旗が折れ、曹操はこの日は引き揚げた。 が、周の旗もまた同じように折れてしまい周瑜はその下敷きとなって倒れてしまう。 孔明が見舞った時も周瑜はまだ起きれずにいた。が、怪我はなかったのだ。 孔明は周瑜に会うなり「なにがそれほど不安なのです」と問う。 周瑜は「不安など何もない」と答える。孔明は「それは気の病です」と言い「良い薬を差し上げましょう」と続けた。 人払いをして孔明が紙に字を書き周瑜に手渡す。「これが薬でござる」 そこには「ただ東風を欠く」と書かれていた。 周瑜は…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十五巻

    諸葛亮&魯粛そして霧深し。ステキな表紙だ。 ネタバレしますのでご注意を。 前にも書いたかもしれないが周瑜のモデルはクラーク・ゲーブルだと思う。 蒋幹は周瑜の床に供に入るが眠れず起き出し側の卓に手紙が置かれているのを見つける。それには蔡瑁と記されており周瑜からの返事がくれば内乱を起こして曹操の首を討つ所存であるという内容だった。 蒋幹は周瑜の陣を抜け出し曹操の元へと急ぐ。 蒋幹がもたらした手紙を見た曹操は激怒し直ちに蔡瑁の首を討ちとってしまった。 これぞ周瑜が望んでいた計略結果だった。水軍の将たる周瑜にとって曹操の巨大な水軍は脅威だった。 だがその曹操水軍も蔡瑁さえ取り除けば恐るるに足らぬものと…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十四巻

    美周郎と呼ばれた優れた才能を持つ周瑜。演義でも活躍するが実際はもっと穏やかな人格者だったという。そっちの周瑜も読んでみたい。 でも本作のおもしろい周瑜は気に入ってる ネタバレしますのでご注意を。 でもやっぱり大好きなのは魯粛さん。横山キャラの中でも魯粛さんは特出。 呉に到着した孔明はいきなり孫権の重臣たちとの舌戦を体験する。 日本ならば「知の甲子園」というところか。(ちっちゃ) 居並ぶ呉の重臣たちを相手に若き孔明はたじろぐことなく応戦する。 いやもうすごい。私なら何を言われているかすらわからずあわあわしてるだろう。 これは孔明自身なんども失望した件なんだよなあ。玄徳のあの潔癖性というかグズグズ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十三巻

    張飛が物語を面白くしてくれる。 ネタバレしますのでご注意を。 読書目的である許褚の活躍もむなしく曹仁軍はまたも大きな犠牲を出してしまう。(この人これでいいのだろうか) 張飛は深追いすることなく皆が待つ船へ向かう。 もうすっかり昔から軍師であるかのような孔明。素直に返事する張飛もかっこいいね。 こうして玄徳は大戦果をあげたのち農民とともに樊城にむかったのである。 宛城では曹操が第一軍の大敗北の報を受け全軍出陣を命じた。が、部下は直ちにこれに反対し玄徳に対して降伏を求める使者を出すべきと講じた。 その使者には徐庶をという。 徐庶は玄徳の元に仕えていた。だからこそこの使者の任につき戻らなければ物笑い…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十二巻

    ところで横山光輝先生と言えば登場人物特に主要キャラが似すぎていて見分けがつかない、とよく言われていますね。確かに多くの作品で主要キャラが極端に顔が違う、と思うことはあまりありません。本作で言えば玄徳タイプと曹操タイプは繰り返し使われていて他の人物もあまり造作を変えようとさえ思っていない気がします。 そんな横山作品の中で本作『三国志』は非常にキャラ造形の試みが行われたのではないでしょうか。 まず関羽と張飛は他にない髭キャラなのですぐにわかります。 それとなんといっても「考え抜かれたんだろうなあ」と思うのが孔明です。 髭面というような極端なキャラではなく微妙な特徴が作り出されています。 恐ろしいほ…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十一巻

    この表紙で舞い上がってしまう。ついについに。 しかし横山光輝氏はそう簡単には会わせてくれません。 ネタバレしますのでご注意を。 そう。読者のある意味、目的でもある孔明についにこの21巻でまみえるというので動悸も激しくなるのだが横山御大はそんなに簡単に歩を進めたりしないのだ。 まずは前巻の続きで命からがら逃げのびた曹仁が樊城に戻ろうとするとそこにはすでに「関」の旗がなびいていた。樊城は関羽によって落とされていたのだ。 この後玄徳は県令に会い県民を痛めつけるようなことはしないと伝えて安心させる。県令の劉泌も「玄徳様は民百姓を大切になさる方と聞いてございます」と最初から信頼している様子である。 玄徳…

  • 『三国志』再び 横山光輝 二十巻

    20巻目突入です。表紙がすでにわくわくです。 ネタバレしますのでご注意を。 以前も書きましたが横山『三国志』(だけじゃないだろうけど)は三幕になっていて19巻までの「玄徳青春期」20巻からの「玄徳熟成期」そして「玄徳亡後」と続きます。 「玄徳青春期」はただがむしゃらに玄徳が己の信念を貫く正義の時代を突き進む時期でもあり身の置き場がなく彷徨い続ける時期でもあった。 おおよそ40歳手前までのかなり長い迷走の青春期である。 ただただ帝を敬い漢の復興を望んでいたのだけど力のない玄徳はあちこちの権力者に頼っていくしかなかった。宿敵ともいえる曹操とも親しく交わらねばならない時期があったが曹操を騙して逃走す…

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