今回の話は、裸婦デッサンの話になる。 そして、前回に書いた新入生歓迎会での出来事は、この裸婦デッサンの授業の時期に起きたことだ。 自分の為に 授業のなかで、1週間裸婦のデッサンを行う。 この時には、珍しく授業開始前にSから説明が入った。 『この課題では、提出物としてではなく自分の為のデッサンとして描きなさい。自分の為のデッサンだから、普通にこれ迄やってきたデッサンとは少し違うことを考えてくれ。 でも、1週間のデッサンのなかで1枚は提出物としてデッサンを提出してもらう。』 それを聞いて、今回こそは自分が思うデッサンを追究していく考えを持っていた。 僕がやろうとしていたことは、僕のデッサンは浪人時…
彫刻科の江崎さんと日本画の先輩であるDに質問責めされた後、その時の授業の兼ね合いから、日本画校舎のアトリエへ向かう。 それから、廊下でS先生に声をかけられる。「高木、お前は友達居ないのか?」 突然そう聞かれると、僕は一度、この件の話を隠し誤魔化そうとした。 「友達は何人もいます。何でですか?」 S先生は言葉を返す。「昨日の歓迎会で、高木には友達がひとりも居ないと聞いた。」 少しの間、どう誤魔化そうか考え迷うのだが、本当のことを話すことにした。 この会話の5~10分前には、江崎さんとDから同じ様な内容で質問責めにされ、答えないことを徹底してきた。 しかし、今度の相手は大学の教員であり、教員側にも…
新入生歓迎会 新入生の歓迎会は、毎年の恒例であった。 出席するしないに関わらず、2年生以上はみんな会費を払わなくてはならない、という流れで毎年やっていた。 僕は会費は払っても出席する気は持てないでいた。 これ迄に書き綴ってきた様に、僕は入学して半年もしないうちから、同級生との人間関係も破綻していた。 そんな僕が新入生歓迎会へ出席しても、まわりや僕も不快な思いをするだけである。 新入生を歓迎しようと少しでも考るなら、僕はその会に出席しない選択が適切だと思えていた。 そうして欠席した歓迎会のなかで、おかしなことが起こっていた。 その場面に僕はいなかったので、取り敢えずは、そこで起きていたことの記述…
K先生(女子)の退職 一年生の学年末の時に、K先生(女子)は大学を退職した。 細かな事情通などは全くわからないが、退職時に花を渡したいからと、大学の先輩からお金の徴収を求められ初めて知った。 僕はK先生(女子)が退職するということに、悲しいとか寂しいとか思うことも無かった。 本音をいうと、トラブルになる要素がひとつ消え、これで少しは僕と教員達との関係は修繕出来るのではないか、という感じの思いがあった。 その内容は、これ迄に書いてきた通りであり、その説明は省こうと思う。 退職といっても、実際には一年間だけ居なくなり、その翌年には復帰していた。 退学の求め それともうひとつ書いておきたいことは。 …
1年生の後半は、提出物に苦しんでいた。 僕は課題を1枚ずつ丁寧にやろうとして、時間をかけすぎてしまう。 同じ絵であっても、デッサン力の応用を中心とした様な、ある程度のやりなれた制作と割りきれば、時間の短縮は出来る。 しかし、僕はそういうやり方を極力避け、持ち合わせていない技術を身に付けたり、それまで以上の丁寧さや技術力の向上を計ることばかりしている。 自分のなかでの新しい発想や技術を模索し、創っていくというのは、時間や労力もかかって当然だ。 それと、僕が学んできた洋画の基礎の考えのなかには、モチーフを面や色として捉え、描いていく傾向にあった。 僕自身、高校生くらいまでは、漫画的に線や輪郭線でモ…
課題で「裸婦デッサン」が始まった。 僕に関しては、裸婦の着色写生やデッサンは、浪人時代に何度か行っていた。 しかし、同級生のなかには、この時が初めてだと語る生徒もいた。 裸婦のデッサンでは、人の体のかたちを捉える為に、実際に絵の為のモデルを使い、服を着ていない人物を描く。 裸の人体を見つめれば、皮膚を通してうっすらと形を現している骨がある。 胴体には胸があり、あばら骨があり、お腹があり、股間がある。 その胴体に筋肉や臓器をイメージすることで、見たままの形以上に、人の身体の形をより深く捉える事が出来る。 裸婦を描く勉強には、そういう側面がある。 本来ならば、「解剖学」という人体の勉強も平行するべ…
改組 新 第6回日展 日展を以前に見たのは、いつ以来でしょうか~久々に観てきました。 というのも、僕はリーマンショックの辺りで仕事を失い、その後は黒い企業さまへ入社してしまいまして。 それ以来、休みらしい休みもとれなくなっていき、展覧会へ足を運ぶ場面も失くなってしまいました。 それから、2年前にその会社を退職するものの、そこからも色々とドタバタしていきます。 そうして最近になり、ようやく生活も安定してきて、展覧会関係を観てまわるような生活の余裕も出てきました。 今回も日展の感想…といきたい処ですが、妙な感じの話で終わりになりそうです。 改組? ここ1年くらいで、日展が改組となっていることを知っ…
僕は美術大学に入学してきたけれど、大学での人間関係や絵の勉強も、これまで書き綴ってきた様に、メチャクチャな状態にあった。 でも、このことを具体的に母へ話し始めたのは、半年以上は経過してからだろうか…取り合えず、それなりに月日が経過してからだった。 母へは、授業料の工面などで多大な迷惑をかけていたのだから、不必要に心配などをかけたくない気持ちが強かったからだ。 ゴールデンウィークを終えた辺りに、母との電話で「友達はできた?」等と切り出され、僕側は「彫刻科の友人は何人か出来た」等と返答したこともあって、母はこの辺りから察していた。 高校の美術部顧問だった平田先生にも、1年生の間に何度か電話をした。…
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