昔むかしのその昔のお話悠々と言う男の子がいました悠々は自分が好きなことができないと廊下の壁に寄り掛って、足をバタバタとして「うー、うー、ううう」と犬が怒っているような声を出すのでしたお母さんが悠々に「お兄ちゃんだから弟におもちゃを貸して上げて」と言うと悠
山姥の初恋 昔むかしのその昔の話山里に病気の爺様と爺様孝行の間八(かんぱち)というが孫が住んでいたきょうも間八は山で木を切って、切り株に腰掛けて一休みして弁当を食べていましたするとどこからともなく、音も無く婆様が間八の所に「お前は里の喜八と言う爺様の孫か
ワシが閻魔大王様だ~昔むかしのその昔の話芝居が大好きなお爺さんがいましたがポックリと死んでしまいましたお爺さんは『あれ、何か変な感じだな~』と思いましたよく見ると布団に自分が寝ています回りに家族が居てみんな泣いていました『おい、何やってんだ。早く起きろや
馬小屋の火事 昔むかしのその昔の話髪結いの女房 お崎とその亭主で八と言う同業が裏長屋に住んでいたここの大家の世話でお崎と八は所帯を持った年上のお崎と七歳下の八とは今で言う共稼ぎだ初めの内は夫婦仲良く幸せそうであったが、最近は毎日の様に喧嘩ばかりしているそれ
大晦日の尻もち 昔むかしのその昔の話ともかく働かない甲斐性(かいしょう)のない旦那とそのおかみさんが居ました裏長屋に一人息子と住む二人には大晦日になっても正月の準備どころか、正月の餅もありませんでした「あんた、どうするんだい。明日は正月って言うのに醤油も味噌
マタギと雪女との約束 (雪女) 昔むかしのその昔の話夜寒くなると夜鳴八丁と言われ音が遠くまで聞こえるそんな季節になって来た今日は遠くの方で鳴くオオカミの遠声が近くに聞こえる『ずいぶん近くで吠えているみたいだね。爺様、そろそろ出掛けるとしますか』「そうじゃな、
一人ぼっちの作太郞昔むかしのその昔の話この秋の一番寒い日で作太郞は野良仕事から家への帰り道、田んぼの脇で一羽の鶴が翼を痛めてもがいているのを見つけました作太郞の姿を見た鶴は驚いて逃げようとしましたが、激しい痛みが襲って来て痛みに耐えかねて、鶴はうずくまっ
貧乏な村の爺様昔むかしのその昔の話、この村には大きな山の大噴火で火山灰が大雪のように降り、畑も田んぼも灰が積もってしまい作物は何も採れなくなってしまった 今は貧しい村ですが、火山の噴火の前までは豊かな村で、村の誰もが本当に親切で優しい村人ばかりでしたでも、
今日のご飯はどうする 昔むかしのその昔のお話、山の中のある村に住む爺様と佐助と言う子供が居りました今日、食べるものを二人で山に探しに行きました「爺様、今日はなんも食べられる物が無いね、うん、キノコも見つからないね」『佐助の嫌いなキノコが見つからなくて良か
タスクの汲んできた不思議な水 昔むかしのその昔の話、この村には腰の曲がった婆様とちょっと元気のいい爺様が居りましたある時、婆様が爺様に言いました「お爺さんはいいですね。何でそんなに元気なんですか?」すると爺様はチョッと怒った顔をして「わしはお前の様な、年
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昔むかしのその昔のお話悠々と言う男の子がいました悠々は自分が好きなことができないと廊下の壁に寄り掛って、足をバタバタとして「うー、うー、ううう」と犬が怒っているような声を出すのでしたお母さんが悠々に「お兄ちゃんだから弟におもちゃを貸して上げて」と言うと悠
昔むかしのその昔のお話コツコツとお金を貯めていると思われている婆さまがおりましたお金があると言われているのにいつもヨレヨレの服、骨と皮のしわくちゃの婆さまでした誰がどう見てもお金を持っている様には見えませんでも、きっと、どこかにゼニっこを隠してい
ぼくのじいちゃんはいつも庭にいて盆栽の手入れをしていますハサミでチョキチョキととこやさん針金を枝にクルクルクルと巻いたりお水を上げたり大きい鉢に植え替えたり肥料を上げたりじいちゃんの一番のお気に入りがこの黒松の盆栽、百年以上も経っている盆栽で
昔むかしのその昔のお話、ホジクリと呼ばれている子供がいました朝から晩まで鼻をほじくっていて、今日もいつもと同じようにほじくっては鼻くそを丸めて口の中に放り込んでは食べていました『あ~、おらは腹いっぱいだ』と言って、いつもの通り木陰に寄りかかり大きな
昔むかしのその昔のお話この辺りの村々では先祖代々からの古い掟(オキテ)がありました「山に近づくべからず」と言う掟何十年か前に隣の村で起きた事です今まで遊んでいた子供がどこに行ったか分からず、心配した村の大人達が子供を探し回って、とうとう掟を破ってまでも行
笑わない男昔むかしのその昔の話じゃ、生まれてから一度も笑った事が無い男がおったんじゃ村の者はその男を「笑わない男」と呼んでおった確かに顔には笑った時にできるシワが一本もなかったその代わりに眉毛と眉毛マユゲの間のシワは深くくっきりとあったんじゃ、そう
雨 女昔むかしのその昔のお話村の者から雨女と呼ばれる女がおりましたこの村の者達が大事な事をする時になると必ず姿を現しなぜか、その女が姿を現すと不思議な事に決まって大粒の雨が降るのですやがて、村の者達はその女を雨女と呼ぶようになりました雨女と呼ば
貧乏神 昔むかしのその昔のお話たいそうお金持ちの家がありました。近所からはいつもうらやましく思われていましたが、このところ、やる事なす事上手く行かず困っていました。何しろ、大事な家の仕事を頼んでもお金を落としたり、人にダマされて店の物を取られたり、
鬼の子昔むかしのその昔のお話。この村に小さな男の子が迷い込んで来ました村の人達が心配してどこの子かと集まって来ました。その子は泣くでもなく、話をすることもなく、ジーっと村の人達を見ていました「どっから来たんだ?」「歳は幾つだ?」「父ちゃん、母ち
雪ん子昔むかしのその昔のお話、それはそれは寒い寒い日で何日も何日も雪がこんこんと降り続けていたいました今夜は寒くて眠れません、貞吉が息をすると家の中でも息が白く見えて凍えそです。あまりの寒さの為に布団は息が凍り付いて真っ白になっています屋根に積もっ
鬼の角焼き昔むかしのその昔のお話。それはそれは小さな村での出来事でした。いつもは何も無い静かな村に大変な事が起ころうといていました。それは近々、満月の夜、鬼達が村を襲いに来るというのです。のんびりと暮らしていた村人達は大慌てになってしまいました。
蜘蛛の巣の糸昔むかしのそのお昔の話。森の入り口に一匹の蜘蛛が懸命に糸で巣を作っていましたそこに村の子供達が通り掛りました「あっ、こんな所に蜘蛛の巣があるぜ、気持ち悪いから切っちゃえ!」「そうだ、そうだ、気持ち悪いよ」「いやだ~本当に気持ち悪いわ。クモ
雨の種 昔むかしのその昔のお話、今年も雨が降らないで夏になってしまいました毎日が日照り続きで川の流れも無くなって、こんな時の為に造った大きな溜め池も底が見えひび割れていました村人達がつぶやきました「今年も生け贄に誰か出さ
虫になった庄屋さん 昔むかしのその昔の話、いくら働いても貧しい爺様とその孫がおったとさ歳を取った爺様は身体が弱くて働けず、この家の稼ぎ頭は孫の銀次だけだった銀次の仕事は木こりだ、朝早くから夜の遅くまで働いて今日はお金になるかと思うと庄屋さんに買いたたかれて
龍棲川リュウセイガワの鯨岩昔むかしのその昔のお話、ここは山奥にある小さな村、生活に必要な物は全て背負って、険しい谷の細い危ない道と山道を歩き下流の村まで通わなければなりませんでした。それはそれは大変な旅でしたこの崖の道を踏み外して谷に落ち、この川の濁流に飲
ぼくは爺っ子です。生まれて家に帰って来て最初にお風呂に入れてくれたのもじぃーじです。父ちゃんも母ちゃんも働いているので、保育園の送り迎えは毎日じぃーじです。だから、いつもじぃーじと一緒です。そんなある日、じぃーじが突然入院しました。ぼくはそんな事も知らな
瀬切れ、枯れた川昔むかしのその昔のお話、この年は去年から雨が全く降らない日が続き大変な年になりそうです。そんなある日「じぃーじ、大変だ。川の水が無くなっていて川底の砂や石が海まで続いているよ」「良平、それは瀬切れだ。取り残された魚をなんとかせんと魚
耳の畑昔むかしのその昔のお話。幸大と言う男がおりました。えらい働き者で畑を耕し、いい畑になって村の誰よりも大根やら白菜やらたくさん採った。ある日、幸大は耳の中でトンボが飛んでいる夢を見て目を覚ましました。でも、昼になってもやっぱり、耳の中でトンボが飛んで
いきなりジャンケン昔むかしのその昔のお話、いきなり、ジャンケンをする男の子がおったそじゃ。人さえ見れば直ぐにジャンケンをするんじゃった。村のもんはその男の子にいきなりジャンケンと名前を付けて、このいきなりジャンケンに会うと、ひっこくジャンケンをしようと言
鏡に映らない小吉昔むかしのその昔のお話、小吉は回りの誰もが自分の事に気が付いて無いのではと思いました。皆が遊んでいる時に「仲間に入れておくれよ」と言っても誰も返事をしてくれません。寂しくて、寂しくて、もう声も出せなくなりました。小吉はトボトボと歩いて
昔むかしのその昔のお話悠々と言う男の子がいました悠々は自分が好きなことができないと廊下の壁に寄り掛って、足をバタバタとして「うー、うー、ううう」と犬が怒っているような声を出すのでしたお母さんが悠々に「お兄ちゃんだから弟におもちゃを貸して上げて」と言うと悠