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  • 犬になった子供

    昔むかしのその昔のお話悠々と言う男の子がいました悠々は自分が好きなことができないと廊下の壁に寄り掛って、足をバタバタとして「うー、うー、ううう」と犬が怒っているような声を出すのでしたお母さんが悠々に「お兄ちゃんだから弟におもちゃを貸して上げて」と言うと悠

  • ゼニ婆

    昔むかしのその昔のお話コツコツとお金を貯めていると思われている婆さまがおりましたお金があると言われているのにいつもヨレヨレの服、骨と皮のしわくちゃの婆さまでした誰がどう見てもお金を持っている様には見えませんでも、きっと、どこかにゼニっこを隠してい

  • じいちゃんのゴジラの盆栽

    ぼくのじいちゃんはいつも庭にいて盆栽の手入れをしていますハサミでチョキチョキととこやさん針金を枝にクルクルクルと巻いたりお水を上げたり大きい鉢に植え替えたり肥料を上げたりじいちゃんの一番のお気に入りがこの黒松の盆栽、百年以上も経っている盆栽で

  • ホジクリ

    昔むかしのその昔のお話、ホジクリと呼ばれている子供がいました朝から晩まで鼻をほじくっていて、今日もいつもと同じようにほじくっては鼻くそを丸めて口の中に放り込んでは食べていました『あ~、おらは腹いっぱいだ』と言って、いつもの通り木陰に寄りかかり大きな

  • 歳を食べる山

    昔むかしのその昔のお話この辺りの村々では先祖代々からの古い掟(オキテ)がありました「山に近づくべからず」と言う掟何十年か前に隣の村で起きた事です今まで遊んでいた子供がどこに行ったか分からず、心配した村の大人達が子供を探し回って、とうとう掟を破ってまでも行

  • 笑わない男

    笑わない男昔むかしのその昔の話じゃ、生まれてから一度も笑った事が無い男がおったんじゃ村の者はその男を「笑わない男」と呼んでおった確かに顔には笑った時にできるシワが一本もなかったその代わりに眉毛と眉毛マユゲの間のシワは深くくっきりとあったんじゃ、そう

  • 雨 女

    雨 女昔むかしのその昔のお話村の者から雨女と呼ばれる女がおりましたこの村の者達が大事な事をする時になると必ず姿を現しなぜか、その女が姿を現すと不思議な事に決まって大粒の雨が降るのですやがて、村の者達はその女を雨女と呼ぶようになりました雨女と呼ば

  • 貧乏神

    貧乏神 昔むかしのその昔のお話たいそうお金持ちの家がありました。近所からはいつもうらやましく思われていましたが、このところ、やる事なす事上手く行かず困っていました。何しろ、大事な家の仕事を頼んでもお金を落としたり、人にダマされて店の物を取られたり、

  • 鬼の子

    鬼の子昔むかしのその昔のお話。この村に小さな男の子が迷い込んで来ました村の人達が心配してどこの子かと集まって来ました。その子は泣くでもなく、話をすることもなく、ジーっと村の人達を見ていました「どっから来たんだ?」「歳は幾つだ?」「父ちゃん、母ち

  • 雪ん子

    雪ん子昔むかしのその昔のお話、それはそれは寒い寒い日で何日も何日も雪がこんこんと降り続けていたいました今夜は寒くて眠れません、貞吉が息をすると家の中でも息が白く見えて凍えそです。あまりの寒さの為に布団は息が凍り付いて真っ白になっています屋根に積もっ

  • 鬼滅の角焼き

    鬼の角焼き昔むかしのその昔のお話。それはそれは小さな村での出来事でした。いつもは何も無い静かな村に大変な事が起ころうといていました。それは近々、満月の夜、鬼達が村を襲いに来るというのです。のんびりと暮らしていた村人達は大慌てになってしまいました。

  • 蜘蛛の巣の糸

    蜘蛛の巣の糸昔むかしのそのお昔の話。森の入り口に一匹の蜘蛛が懸命に糸で巣を作っていましたそこに村の子供達が通り掛りました「あっ、こんな所に蜘蛛の巣があるぜ、気持ち悪いから切っちゃえ!」「そうだ、そうだ、気持ち悪いよ」「いやだ~本当に気持ち悪いわ。クモ

  • 雨の種

    雨の種 昔むかしのその昔のお話、今年も雨が降らないで夏になってしまいました毎日が日照り続きで川の流れも無くなって、こんな時の為に造った大きな溜め池も底が見えひび割れていました村人達がつぶやきました「今年も生け贄に誰か出さ

  • 虫になった庄屋さん

    虫になった庄屋さん 昔むかしのその昔の話、いくら働いても貧しい爺様とその孫がおったとさ歳を取った爺様は身体が弱くて働けず、この家の稼ぎ頭は孫の銀次だけだった銀次の仕事は木こりだ、朝早くから夜の遅くまで働いて今日はお金になるかと思うと庄屋さんに買いたたかれて

  • 龍棲川の鯨岩

    龍棲川リュウセイガワの鯨岩昔むかしのその昔のお話、ここは山奥にある小さな村、生活に必要な物は全て背負って、険しい谷の細い危ない道と山道を歩き下流の村まで通わなければなりませんでした。それはそれは大変な旅でしたこの崖の道を踏み外して谷に落ち、この川の濁流に飲

  • 保育園、ぼくは爺っ子です

    ぼくは爺っ子です。生まれて家に帰って来て最初にお風呂に入れてくれたのもじぃーじです。父ちゃんも母ちゃんも働いているので、保育園の送り迎えは毎日じぃーじです。だから、いつもじぃーじと一緒です。そんなある日、じぃーじが突然入院しました。ぼくはそんな事も知らな

  • 瀬切れ、枯れた川

    瀬切れ、枯れた川昔むかしのその昔のお話、この年は去年から雨が全く降らない日が続き大変な年になりそうです。そんなある日「じぃーじ、大変だ。川の水が無くなっていて川底の砂や石が海まで続いているよ」「良平、それは瀬切れだ。取り残された魚をなんとかせんと魚

  • 耳の畑

    耳の畑昔むかしのその昔のお話。幸大と言う男がおりました。えらい働き者で畑を耕し、いい畑になって村の誰よりも大根やら白菜やらたくさん採った。ある日、幸大は耳の中でトンボが飛んでいる夢を見て目を覚ましました。でも、昼になってもやっぱり、耳の中でトンボが飛んで

  • いきなりジャンケン

    いきなりジャンケン昔むかしのその昔のお話、いきなり、ジャンケンをする男の子がおったそじゃ。人さえ見れば直ぐにジャンケンをするんじゃった。村のもんはその男の子にいきなりジャンケンと名前を付けて、このいきなりジャンケンに会うと、ひっこくジャンケンをしようと言

  • 鏡に映らない小吉

    鏡に映らない小吉昔むかしのその昔のお話、小吉は回りの誰もが自分の事に気が付いて無いのではと思いました。皆が遊んでいる時に「仲間に入れておくれよ」と言っても誰も返事をしてくれません。寂しくて、寂しくて、もう声も出せなくなりました。小吉はトボトボと歩いて

  • 歳を売る爺様

    歳を売る爺様昔むかしのその昔のお話、町に見知らぬ爺様がおかしな商売をしていました。「わしの歳を誰か買わんか~」誰もがそんな老いぼれの爺様の歳など買う者は筈がありませんでした。でも、その爺様の前に一人の子供がやって来ました。『爺様、爺様の売っている歳

  • ポチと大河

    ポチと大河昔むかしのその昔の話、大河と言う子供が雨のしとしとと降る夜道を歩いていると、どこからか子犬のクンクンと言う悲しい鳴き声が聞こえてきました。大河はその鳴き声がする方に歩いて行きました。するとそこには小さな子犬が雨に濡れて震えながらうずくまっていま

  • 巨人の孤島

    巨人の孤島昔むかしのその昔の話。三人の兄弟がいました。この三兄弟は村を守ってくれる頼もしい兄弟でした。ある時、沖から一艘の船が港にやって来ました。髪の毛も髭もボウボウに伸ばした裸同然の一人の男が乗っていました。その男は真っ黒に日焼けした顔で「さくら三兄

  • 森の熊

    森の熊昔むかしのその昔の話。ある時、与吉と言う男の子が森の中で道に迷ってしまいました。与吉を探す声が遠くで聞こえていました。でも、その声は与吉からドンドン離れて行くようで、その内にその声は森の葉音に紛れて全く聞こえなくなってしまいました。幼い与吉にもこ

  • 下駄の妖怪

    下駄の妖怪昔むかしのその昔、下駄を履く人に取りつく妖怪がいましたそれは下駄妖怪。特に下駄妖怪が喜ぶのは周りが静かで石畳の場所が大好きで、カランコロン、カランコロンと気持ちのいい音をさせますこの時、下駄の妖怪は気持ち良くてうっとりしています。あまりにもうっ

  • 裏は飯屋?(幽霊がご飯をご馳走になった話)

    裏は飯屋?昔むかしのその昔のお話。茂吉が家に帰るともう薄暗くなっていました。誰も居ない茂吉の家でいつもと違う何かの気配がします。『おい、誰か来ているのかい?』返事はありません。やっぱり気のせいだと思いました。茂吉は一人で晩飯の支度をしていると、急に

  • 虫けら様

    虫けら様昔むかしのその昔のお話、この日も町では市が開かれていました。近くの村からもたくさんの人達が集まって、桶、傘、わらじなど色々な物が売られていました。この中にチョッと風変わりな身なりをした男が不思議な物を売っていました。気を付けても分からないぐらい

  • 龍になった天空の話

    龍になった天空の話昔むかしのその昔の話、その夜は真っ暗な闇夜でしたその為に星に吸い込まれるかの様に本当に星々がきれいに見えたそうですその時、東の空から何か光るモノが見えたので空を見ていたい者は皆、流れ星だと思い、自分の願い事をしたのでしたでも、その光は消

  • 何も食わぬ嫁

    何も食わぬ嫁 昔むかしのその昔、働き者の男がおったと、それはもう驚く程ケチン坊であった男は毎日、炭を焼くとそれを炭の卸屋に納めて米に替えて何年分もの米を溜めていた 今日も炭を町の卸屋に持って行った「おい、源兵衛、お前は嫁をもらわんのか?」炭の卸屋の番頭が

  • 小吉との約束

    小吉との約束 昔むかしのその昔のお話、小吉と言う6才になったばかりの男の子がおりました小吉は外で遊ぶのが大好きで木や岩に登ったり、石けりをしたり、庭の池で遊んだりしていましたそんなある日、セミがうるさく鳴く森の方で小吉を呼ぶような不思議な声がしました何だ

  • うなぎとカッパ

    うなぎとカッパ昔むかしのその昔のお話、爺様と孫の貞吉が住んでいました。このところ爺様は歳のせいかすっかり元気がありません。そこで貞吉は爺様に元気になってもらおうと思い、うなぎを捕まえに川に行きました。昨日仕掛けていたワナを見ると大きなうなぎが掛っていま

  • ケチケチ男

    ケチケチ男 昔むかしのその昔のお話、ともかくけちん坊な男がいました人に物を上げた事はなく、もらう物は全部もらっていて、人が困っていても助けると命が減ると言って決して助ける事はありませんでした。そんなある日、このけちん坊な男が死んでしまいました。身体から魂

  • 寒がりの雪だるま

    寒がりの雪だるま昔むかしのその昔のお話、今年も冬がやって来ました。朝、三郎が起きると雪が降っていました『あ、雪だ、雪だ、雪だ』三郎は大はしゃぎで外に飛び出しました『雪さん~たくさん降ってドンドン積もって』三郎は雪が大好きです。空から次から次へと真っ白な雪

  • 本当の一番の友達だよね

    本当の一番の友達だよね   昔むかしのその昔のお話、甚平はボクの本当の友達は誰だろうと思いました やっぱり、ぼくの一番の友達は勘助だけだと思いました それで勘助と遊ぼうと思って、勘助の家に行きました すると、勘助のお母さんが「友達の家に行くよって出かけたよ」と

  • ニワトリと炭

    昔むかしのその昔のお話、お爺さんと勘太郎と言う貧しいお百姓さんがいましたどんなに働いても小作人の勘太郎の家は貧乏のままでしたそれでも勘太郎は生活の足しにと時々炭を焼いては町に売りに行くのでしたある時、野良仕事が一段落したので炭を売りに出掛けましたが、炭は

  • 雨の種

    雨の種 昔むかしのその昔のお話、今年は雨が降らないで夏になってしまいました 毎日が日照り続きで川の水も干上がって、どこにも水も無くなってしまいました こんな時の為に作った大きな溜め池も干上がって底が見えしまいひび割れていました   村人達がつぶやきました 「今

  • 屋敷ワラシ(童子)

    屋敷ワラシ(童子)昔むかしのその昔のお話、古い屋敷に爺様と婆様とその孫のタスクが引っ越して来ましたその日の夜、疲れているので早く寝ることにしました『じぃーじ、この家は広いけど何か寒いね』「そうだな、昼になったら暖かくなるから、我慢して寝なさい」爺様も婆様も

  • 泣きぼくろの定吉

    泣きぼくろの定吉(薬師寺奇妙井戸)昔むかしのその昔の話、ある村にいつも泣いている「定吉」と言う男の子がいました爺様は「そんなに泣いていると泣きぼくろが出来ちゃうよ」と言いましたそれでも何かあると泣き、思い通りに行かないとまた泣き、しまいには何でもな

  • 牛ヶ窪の田んぼの畑

    牛ヶ窪の田んぼの畑 昔むかしのその昔のお話、都の外れに牛ヶ窪(うしがくぼ)と言う沼がありました何でそんな名前が付いたかと言うと、それこそ昔、お公家様を乗せた牛車がその沼の端に牛車の車輪が入ってしまい、あれよあれよと言う間に牛車は沼に吸い込まれる様に沈ん

  • お信の奉公

    lお信の奉公 昔むかしのその昔の話、ある村にお信と言う気立ての良い子がおりました家は貧しい百姓でしたが母さんと父さんと三人で何とか貧乏でしたが暮らしていましたでも、父さんは病気がちでとうとう寝込んでしまいましたそんなある日、お信の家に借金取りがや

  • 小吉と源太の旅

    小吉と源太の旅 昔むかしのその昔の話、小吉と源太と言う仲良しがおりました二人はいつも一緒でしたが小吉の親は源太と遊ぶなと言っていました小吉は金持ちの子で、源太は貧乏百姓の息子でいつもボロの服を着ていました小吉は親に何度言われようがお構いなしに源太と楽しく

  • 虎吉のカモメの眉毛

     虎吉のカモメの眉毛 昔むかしのその昔の話、さくら村の末っ子の虎吉ある日、兄ちゃん達と一緒に海岸に遊びに行きましたすると沖にカモメが波に揺られてゆらゆらと浮かんで休んでいましたカモメ達はさくら三兄弟が来たのでチョッと驚いて飛び立ちましたカモメが飛びながら

  • さくら三兄弟の沼の魔物退治

    さくら三兄弟の沼の魔物退治 昔むかしのその昔の話、3人の兄弟がおりました兄弟は仲が良かったので”さくら三兄弟”と呼ばれていました普通の兄弟の様に喧嘩もしましたが”さくら三兄弟”が力を合わせると皆名人ばかりなので凄い力を持った兄弟でした一番上の兄は

  • 殿様と峠の家

    殿様と峠の家 昔むかしのその昔の話、この国の殿様は狩りに出るのが好きでよく家来を連れて鹿狩りに出掛けていましたある時、殿様は道に迷ってしまい、家来達も馬に乗った殿様について行けず、殿様がどこに行ったか分からなくなってしまいました辺りはすっかりと暗

  • ねずみの恩返し

    ねずみの恩返し 昔むかしのその昔、日照りの続く暑い日の事じゃった畑は砂ぼこり、田んぼはひび割れそれはそれはひどい夏になってしまった田子作はため息を付くばかりで、このままでは何も収穫が出来ず、この冬は越せぬと思ったともかく、今は井戸を掘るしか無いと

  • 子どもに胸を張れない仕事

    子どもに胸を張れない仕事 昔むかしのその昔の話江戸に泥棒稼業の家族がいました親分がお爺さんでお婆さんと息子の茂吉の3人で泥棒稼業をやって来ました泥棒でもただの泥棒ではなくて、金持ちの家とか悪い奴からお金を盗んで来て、盗んだお金の半分は貧しい家にチ

  • 人間になりたいカエルの願い

    人間になりたいカエルの願い 昔むかしのその昔の話化け物になって村人を脅かすカエルがいたこのカエルは不思議な力を持ったカエルで何にでも化けることが出来たともかく村人の嫌がる事ばかりをしておっただが、人間にだけは化けることが出来なかったある日、

  • 十兵衛の50年間の夢

    十兵衛の50年間の夢 昔むかしのその昔の話ここは大きな都に通ずる通り道誰もが都に出て一旗揚げようと希望を持って通る道に一軒の茶屋があったこの茶屋に一人の若い侍が都に行く前にと一服つきたいと入って来たこの青年の名は黒田十兵衛と言う十兵衛は茶と餅

  • 化けタヌキの仕返し

    化けタヌキの仕返し 昔むかしのその昔の話旅人の常吉が峠の茶屋で団子とお茶を飲んで『ご馳走さん、旨かったよ』「ありがとうございました。お客様、ここから先は急いで旅籠に着くように行って下さいよ。ここから先は日が暮れると化け物が出ますから、気をつけて

  • 汗かき大好き妖怪

    汗かき大好き妖怪 昔むかしのその昔の話子どもの汗が大好きな妖怪がおりました夏に外で遊んで母ちゃんに「お風呂に入りなさい」と言われても、お風呂に入らない子どもがいると汗をペロペロとなめる妖怪がいるのです昔から“汗かき大好き妖怪”と言われている有名な妖怪です

  • 絵描きの夢

    絵描きの夢 昔むかしのその昔の話葛飾重之(かつしか しげゆき)という絵描きが旅をしていましたもう、日が沈みそうなので一番近くの旅籠(はたご)で泊ることにしました宿に泊って湯を浴びて上がって来ると、部屋に置いた旅費を入れた巾着が見当たりません「困っ

  • 貧乏神の住む家

    貧乏神の住む家昔むかしのその昔の話貧乏でどうしようも無い五郎と言う男がいました庄屋さんや近所の者達が心配してやって来ましたが、家に入るとそれはそれは余りの貧乏でビックリしました何か良い方法はないかと考えましたが思い当たりません庄屋さんが家に帰っ

  • 黄泉(よみ)の国から還った孫

    黄泉の国から還った孫 昔むかしのその昔の話孫を突然に亡くした爺様がおりました爺様は毎日毎日泣きながら暮らしておったと、それを見かねた和尚さんが爺様の家に訪ねて来て「爺様、泣いてばかりおるが、大丈夫か」『放っておいてくれ。ワシは涙が涸れるまで泣くんじゃ。今

  • 黄泉の国から還った孫

    黄泉の国から還った孫 昔むかしのその昔の話孫を突然に亡くした爺様がおりました爺様は毎日毎日泣きながら暮らしておったと、それを見かねた和尚さんが爺様の家に訪ねて来て「爺様、泣いてばかりおるが、大丈夫か」『放っておいてくれ。ワシは涙が涸れるまで泣くんじゃ。今

  • 黄泉(よみ)の国から還った孫

    黄泉の国から還った孫 昔むかしのその昔の話孫を突然に亡くした爺様がおりました爺様は毎日毎日泣きながら暮らしておったと、それを見かねた和尚さんが爺様の家に訪ねて来て「爺様、大丈夫か」『放っておいてくれ。ワシは涙が涸れるまで泣くんじゃ。今のワシは無限地獄の中

  • 黄泉(よみ)の国から還った孫

    黄泉の国から還った孫 昔むかしのその昔の話孫を突然に亡くした爺様がおりました爺様は毎日毎日泣きながら暮らしておったと、それを見かねた和尚さんが爺様の家に訪ねて来て「爺様、大丈夫か」『放っておいてくれ。ワシは涙が涸れるまで泣くんじゃ。今のワシは

  • 白い鳥の子

    白い鳥の子 昔むかしのその昔の話ある村にお爺さんとお婆さんが住んでいました春のある日、庭の木の上に大きな白い鳥が飛んで来て巣を作りましたそれからしばらくすると大きな卵を一つ産みましたが一日は静かにたまごを温めただけで、次の日からはその大きな

  • 桃から生まれた桃他郎 物語の序

    桃から生まれた桃他郎 物語の序  昔むかしのその昔、お爺さんとお婆さんがおったとお爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に行きました昔むかしのその昔、お爺さんとお婆さんがおったとお婆さんは山に芝刈りに、お爺さんは川に洗濯に行きました昔むかしのその昔、お爺

  • 寂しがり屋の河童

    寂しがり屋の河童  昔むかしのその昔の話沼のほとりに河童が棲んでおったこの河童は大層いたずら好きで沼に遊びに来る子供達によくいたずらして喜んでおった釣りをしている子供の釣り糸を引っ張って「あっ、魚が掛かった!」って子供が喜ぶと、沼の底から釣り糸を思いっ切り

  • 伝助のもったいない湯

    伝助のもったいない湯   昔むかしのその昔の話伝助と言う男が村の外れに住んでおった伝助はさみしがり屋で賑やかな町に住みたいと思ったが、そう簡単には引っ越しはできるわけがないなんと言っても銭の掛かる話だそんなある日、一人の老僧が訪ねて来た「これから町に行きた

  • 山姥の初恋

    山姥の初恋   昔むかしのその昔の話山里に病気の爺様と爺様孝行の間八(かんぱち)というが孫が住んでいたきょうも間八は山で木を切って、切り株に腰掛けて一休みして弁当を食べていましたするとどこからともなく、音も無く婆様が間八の所に「お前は里の喜八と言う爺様の孫か

  • ワシが閻魔大王様だ~

    ワシが閻魔大王様だ~昔むかしのその昔の話芝居が大好きなお爺さんがいましたがポックリと死んでしまいましたお爺さんは『あれ、何か変な感じだな~』と思いましたよく見ると布団に自分が寝ています回りに家族が居てみんな泣いていました『おい、何やってんだ。早く起きろや

  • 馬小屋の火事

    馬小屋の火事 昔むかしのその昔の話髪結いの女房 お崎とその亭主で八と言う同業が裏長屋に住んでいたここの大家の世話でお崎と八は所帯を持った年上のお崎と七歳下の八とは今で言う共稼ぎだ初めの内は夫婦仲良く幸せそうであったが、最近は毎日の様に喧嘩ばかりしているそれ

  • 大晦日の尻もち

    大晦日の尻もち 昔むかしのその昔の話ともかく働かない甲斐性(かいしょう)のない旦那とそのおかみさんが居ました裏長屋に一人息子と住む二人には大晦日になっても正月の準備どころか、正月の餅もありませんでした「あんた、どうするんだい。明日は正月って言うのに醤油も味噌

  • マタギと雪女との約束 (雪女)

    マタギと雪女との約束 (雪女) 昔むかしのその昔の話夜寒くなると夜鳴八丁と言われ音が遠くまで聞こえるそんな季節になって来た今日は遠くの方で鳴くオオカミの遠声が近くに聞こえる『ずいぶん近くで吠えているみたいだね。爺様、そろそろ出掛けるとしますか』「そうじゃな、

  • 一人ぼっちの作太郞

    一人ぼっちの作太郞昔むかしのその昔の話この秋の一番寒い日で作太郞は野良仕事から家への帰り道、田んぼの脇で一羽の鶴が翼を痛めてもがいているのを見つけました作太郞の姿を見た鶴は驚いて逃げようとしましたが、激しい痛みが襲って来て痛みに耐えかねて、鶴はうずくまっ

  • 貧乏な村の爺様

    貧乏な村の爺様昔むかしのその昔の話、この村には大きな山の大噴火で火山灰が大雪のように降り、畑も田んぼも灰が積もってしまい作物は何も採れなくなってしまった 今は貧しい村ですが、火山の噴火の前までは豊かな村で、村の誰もが本当に親切で優しい村人ばかりでしたでも、

  • 今日のご飯はどうする

    今日のご飯はどうする  昔むかしのその昔のお話、山の中のある村に住む爺様と佐助と言う子供が居りました今日、食べるものを二人で山に探しに行きました「爺様、今日はなんも食べられる物が無いね、うん、キノコも見つからないね」『佐助の嫌いなキノコが見つからなくて良か

  • タスクの汲んできた不思議な水

    タスクの汲んできた不思議な水 昔むかしのその昔の話、この村には腰の曲がった婆様とちょっと元気のいい爺様が居りましたある時、婆様が爺様に言いました「お爺さんはいいですね。何でそんなに元気なんですか?」すると爺様はチョッと怒った顔をして「わしはお前の様な、年

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