chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
riina
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2018/09/20

arrow_drop_down
  • Sparkling 26

    「で、なんでつくしがここにいるの?出戻りにしては早くない?」テーブルに頭を突っ伏したまま動かないつくしに、蒼が問いかける。あかねが帰った後、司からは何度も携帯に着信があったが、頭が混乱して話をする気分にはなれなかった。前に住んでいたマンションに行く、そうメールを送った後、つい最近まで住んていた家に向かった。「んー、ちょっとね、、、」顔をあげずに答えるつくしを見て、夕食の準備をしようとキッチンに立っ...

  • Sparkling 25

    あかねはつくしとは視線を合わせることなく言葉を口にする。「もっと、、、派手な方かと思ってました」「よく地味と言われます」真面目に返答するつくしに、皮肉じゃないんです、とあかねは訂正する。「あの人、司さんがずっと想ってた方だってのは知ってたんです。司さんずっと想うくらいの人だから、椿さんのようにきっと華やかな人なんだろうってずっと思ってて・・・。いや、本当は牧野さんがすごく意地悪で、浅ましくて、お金...

  • Sparkling 24

    有言実行とばかりに、すぐさまつくしの住民票は司の住むマンションの住所へと移された。そしていつの間にかつくしの私物が運び込まれ、つくしの新生活は思ったより早く始まった。「牧野主任、大丈夫?」職員用カフェテリアでげっそりした顔をしているつくしを見つけた睦月が、空いている前の席に座る。「大丈夫じゃないですよ。昨日の今日でこんな展開になるって誰が予想できます?」「ふふ、そう言いつつ、つくしいい顔してるよ。...

  • Sparkling 44

    司が3週間ぶりにNYの邸へ帰ると、いつも玄関で出迎えてくれているつくしの姿がない。「つくしは?」出迎えた使用人に聞くと、「部屋でお休みになっております」と返事がある。「体調が悪いのか?」「ここ最近は横になられている時間が多いです。先日お医者様に診察していただいております」電話ではまったくつくしの不調は伝わってこなかった。つくしの体調が悪いのであればすぐに帰国したものを、と不調に気付けなかった自分を責...

  • Sparkling 23

    「んで、いつ離婚届出すんだよ」睦月とつくしが住む家に、つくしの荷物を運び出すという名目で訪れた司の質問に、つくしは飲んでいた緑茶を豪快に吹きだす。むせるつくしの背中を摩ろうとする睦月の手を跳ね除け、つくしの背中を司が優しくさする。妊娠中の雌を守るライオンのような様子に、睦月も苦笑いしかできない。「ちょっと、突然なんていうこと聞くのよ」「突然じゃねーだろ。俺は早く離婚しろってずっと思ってたぞ」「もー...

  • Sparkling 22

    翌朝、司の元妻の居場所が分かったと連絡があった。つくしに危害が加えられる可能性が低いことを確認すると、病院にいかなきゃと言うつくしと、念のため司のマンションにいるようにいう司とで翌朝激しい口論が交わされた。結局、行き帰りは司の手配した車で送迎、病院内でも単独で行動しない、その2つを約束させることで司が折れた。「変だと思ったらすぐに知らせるんだぞ」まるで子供みたいな扱いを受けながら出勤する。「あの、...

  • Sparkling 21

    「ねえ、頭だけ後ろに倒して」司が風呂につかったまま、つくしは司の髪を洗っていく。いつもくるくるの髪が、濡れてストレートになっている。「これ、すげー気持ちいいな」目をつぶり本当に気持ちよさそうにいう。なんだこの色気は、、、異性の色気に長いこと当てられてなかったつくしには、司から駄々洩れる色気にすでにいっぱいいっぱいだ。普段入院患者の入浴補助をしてもこんなに動揺することはなかったのに。動揺を悟られない...

  • Sparkling 20

    部屋でフレンチ風の和食だか、和食風のフレンチだかの、どちらにしてもすごくおいしい食事を食べながら話をする。「いつ日本に帰ってきたの?」司の本拠地はNYだ。前回は入院というアクシデントがあり日本に滞在していたが、退院後すぐにNYに戻ったと聞いていた。「さっきだ。」司はしばらくの間日本とNYを行ったり来たりするらしい。「そうだ、さっきのあんたの奥さんの話、なんであたしが関係するかいまだにわかんないんだけど」...

  • Sparkling 19

    「傷が酷くなるよ」そういうと、つくしは司の手に自分の手を重ねた。「あたしね、NYであんたに追い返されてからも、どっかで期待してたの。いつかあんたが帰ってきてくれるんじゃないかって。だからね、あんたが結婚した時すごく悲しかったの。気が狂いそうなくらい悲しかった。馬鹿だよね、勝手に期待して、勝手に落ち込んで」司は自分の手を開くと、優しくつくしの手をつつむ「ごめんな、お前のところに戻れなくて」つくしは首を...

  • Sparkling 18

    仕事が終わると、つくしなりにニュースを調べてみた。すると、道明寺は岸田を支援しないことを表明した後、すでに司と奥さんの離婚が成立していたことも正式に発表したようだ。前に司が言った通り。でも、あの人はわざわざ病院にお見舞いに来ていた。なのにどうして。蒼は本人に聞けと気安く言ったが、それができるなら苦労しない。あたしはいつも蚊帳の外。大事なことはあたしが知らないうちに決まっていく。どれくらい茫然として...

  • Sparkling 17

    蒼の携帯の着信音はすぐに消えた。「電話?」つくしが尋ねる。「ううん、メール。ごめん、音消してなくて」蒼はマナーモードに変えようとスマホを鞄から取り出したあと、画面を見ながらしばし固まる。「ねえ、つくし。これって、、、」そういって差し出したスマホの画面には、ニュースが表示されていた。それはつくしには見慣れないもので、どうやら経済紙のアプリから配信される速報」ニュースの様だった。つくしは睦月からスマホ...

  • Sparkling 16

    連日日勤と夜勤で忙しかったつくしには、その時世の中で何が起きているか知る余裕がなかった。つくしの日々はいつもと同じように過ぎていく、司と再会する前と同じように。遅い時間にランチを取ろうと、職員用のカフェテリアに足を向ける。今日の日替わりはまだ残っているかな、それとも久しぶりに奮発して和牛ハンバーグ(日替わりより300円高い)にしようかな、頭の中が食べ物でいっぱいになったので、見慣れた顔があることに気...

  • Sparkling 15

    「あんな彼女を見るの久しぶりです」睦月はつくしの大きな変化に触れながら、司に向き合う。「つくしは話したがらないと思いますが、道明寺さんには知っていてもらいたいことがあります。」自分以外の男がつくしの名前を呼ぶのが気に食わなかったが、なんとか手が出そうになるのを抑えて、先を促す。「僕たちが結婚したのは6年前です。その時期、道明寺さんは何をされていましたか」その時司はNYにいた。NYの大学を卒業し、そのま...

  • Sparkling 14

    とりあえずみんな落ち着こうということで、応接間に座る。司の座る一人掛けの椅子の前につくしと睦月は並んで座っている。「この距離だと手出しできないわよね」司のリーチを考えたうえでの配置だ。「おい、なんで牧野がそっち座ってんだよ」「だって、書類の上では夫婦だもん。連帯責任だよ」つくしから発せられた「夫婦」の言葉に、偽造とは分かっていても司はダメージを受ける。「で、一体どういうことなんだよ」西田が入れたく...

  • Sparkling 13

    「あんたに殴られることなんて、睦月はしてない」つくしは華奢な体で手を目一杯広げ、睦月を守ろうとする。髪がまだ濡れていることから、睦月が家を出た後すぐに追いかけてきたことが分かる。「お前、、、知ってんのかよ」司は写真に写っていた事実をつくしに伝えるべきかどうか、一瞬思索する。「知ってるよ。睦月に恋人がいることは。それを分かったうえで結婚したの」堂々と宣言するつくしに、耐えられなくなった司は、震える声...

  • Sparkling 12

    司の病室を抜け出した後、朝日が昇る前の暗闇の中つくしは一旦家に帰る。内科医である睦月はドクターコールでいつ呼び出されるかわからない。二人のクラスマンションは病院からほど近い場所にあった。睦月を起こさないよう、そっと玄関のドアを開けリビングに行くとすでに睦月は起きていた「おや、朝帰りかい?」そういう睦月も、昨日と同じ服を着ているところを見ると先ほど帰ってきたようだ。「そっちもでしょ」そういうと、お互...

  • Sparkling 11

    カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ます。いつの間に寝てしまったんだろう、体を起こそうとしても動けない。そういえば昨晩は椅子に座っていたはずなのに、いつの間にかベッドに横になっている。動かない体をひねり後ろをみると気持ちよさそうに眠る司がいた。司が後ろからつくしをホールドしているため、身動きが取れなくなっていることに気付く。ちょっと、声を出そうとして止める。熱も下がり気持ちよさそうに寝ている司を見...

  • Sparkling 10

    つくしが睦月について部屋の外に出ると、ちょっとお茶でも飲みながら話をしようかと誘われる。「診察でなにかありましたか?」仕事モードのつくしは敬語を崩さない。「心ここにあらずって感じだったよ、問診してるとき」さすが長く一緒にいるだけある。「気づいてなかった」そういって自分の顔を触る。「だと思った。ちょっとリフレッシュしよう」そういうと、職員用のカフェテリアに入り、人目に付きにくい奥の席に座る。はい、と...

  • Sparkling 9

    睦月の質問に、司の代わりに西田が答えていく。「アルコールは」「寝る前に毎晩スコッチをロックで飲んでおります」「ロックですか。食事はとられていますか?」「気が向いたらつまむ程度で、碌に食べておられません」「では胃の具合が心配ですね。喫煙は?」「たばこを1日2箱ほど」「最近は吸ってねーよ」たまに司が口を挟む。質問の回答から、つくしの知らない司が見えてきた。もうあの頃とは違う、そう言われているような気がし...

  • Sparkling 8

    翌朝、気まずい思いを抱きながら、仕事だと言い聞かせて司の病室を訪ねる。「検温させてください」そうベッドに横たわる司のもとに歩み寄りながら言うと、非接触式赤外線温度計をもつ手をつかまれる。「なあ、昨日言おうとしたことって」司が言いかけたとき、ドアが2度ノックされる。「どなたでしょう」存在を消して特別室の中にいた西田が応対する。「、、、あかねです」鈴のようなかわいらしい声が聞こえてきた。「あの、、、司...

  • Sparkling 7

    いくら入院中とはいえ、司は骨折だ。四六時中付きっ切りで看護する必要はない。それに側には優秀な秘書もいる。必要な時だけお呼びください、そうお願いしていたはずが、ナースコールがひっきりなしになる。「牧野主任、また特別室の方がナースコールを・・・」明らかにテンションの低いつくしに気を使ってか、若手の看護師が恐る恐る知らせてくれる。「ありがとう。特別室からの連絡は無視していいから」だが相手もこれくらいでや...

  • Sparkling 6

    8Fにある特別室から外来のある1Fまで、つくしはエレベーターを使わず階段を使って降りた。ぐるぐるぐるぐる、まるで今のあたしの頭の中見たい。いったいあいつは何のつもりでこんなことを。10年前に振ったくせに。自分は勝手に結婚したくせに。足元を見ながら階段を下りていたからか、1Fまであと少しの時誰かにぶつかりそうになる。「すみません!」条件反射のように声を出すと、目の前にはよく知った顔があった。「なんだ、石田先...

  • Sparkling 5

    翌日出勤するなり、着替える前に院長室に呼び出される。この先のことは予想できていた。「牧野主任、今日から特別室に入院されている道明寺社長の担当をお願いしたい」「それは、決定事項でしょうか」顔色をかえずにつくしが答えると、後ろめたいことがあるのか、院長は早口で答える。「先方たっての希望だ。なにやら、君は道明寺社長の後輩ってことじゃないか。慣れない入院生活、よく知っている人に担当してほしいということだ」...

  • Sparkling 4

    司はつくしの言葉を訂正する。「俺には妻はいねーよ。ビジネス上の関係が残ってて、まだ公式には発表出来ねーけど、1年以上前に離婚は成立してる。」司の話している言葉を、頭が処理できない。寝不足はやっぱり判断力を失わせるわね、あたしはこの部屋に入るべきじゃなかった、数分前の自分の行動を反省する。「では、お邸からお手伝いできるかたを呼んでください。気に入らないなら、ご自分が運営している病院へと転院してくださ...

  • Sparkling 3

    「牧野主任!!!」夜勤明けだが、昨晩はトラブル続きで管理職業務が滞っていた。来月のシフト決めなきゃ、と眠い頭にブラックコーヒーを入れていると、浮かれた声で話しかけられる。「何?」いつも通り、無表情で答える。「もー聞きましたよ、主任!特別室にイケメンが入院してるんですってね」語尾にハートが付きそうな話し方をする。夜勤スタッフから早番スタッフに引継ぎされて間もない。噂のソースを推察するのは簡単なことだ...

  • Sparkling 2

    目の前にいたのは、10年ぶりに会う元恋人だった。「お前、牧野か・・・」すこしかすれた声で、目の前の男、道明寺司が言葉をかける。先ほどまで彼に手を焼いていた研修医が、まるで救世主が現れたかのような縋る顔をしてつくしのほうを見ている。つくしとさほど年齢の変わらない研修医だが、病院においても、人生においても経験値が高いつくしに頼り切っている。特に問題のある患者の場合、つくしが対応するのが院内の暗黙のルール...

  • Sparkling 1

    いつも通りの夜勤、入院患者のカルテを確認していると廊下から騒がしい足音が聞こえる。「牧野主任!!!」慌ただしくナースステーションに走って入ってきたスタッフのほうを振り向く。「病院内では走らない、何度言えばわかるの小柳さん」「でも、本当に急ぎなんです!」「何があったの?」病院で急ぎではない要件のほうが少ない。しかも今は夜11時。入院患者は消灯している時間だ。「先ほど交通事故で運ばれた患者さんがいるんで...

  • Sparkling プロローグ

    あたしは、もうとっくに振られていた。でも、あの瞬間に分かった。あたしは本当に失恋したんだって。心のどこかに、0.01%くらい残っていた、いつかあいつがあたしのもとに帰ってきてくれるかもしれない、その僅かな可能性が粉々に砕け散った。道明寺の結婚式の日画面には、おとぎ話のプリンセスのように美しい花嫁と、凛々しくタキシードを着た道明寺が一緒に、バージンロードを歩いている姿が映されていた。ああ、だからか。今日...

  • 秘書のお仕事 滋編

    世間的に、あたしは結婚適齢期らしい。大学を出て親の会社に入って5年。経理、財務、人事、総務、いろんな部署を回ったけどどれも中途半端。大きな組織の中で自分が力不足でまだ何の役にも立っていないということが嫌でもわかった。自分の未熟さをしるには十分だけど、結果を残すには短すぎる5年。きっと大学を出て5年経つのに結婚していないのは異常だと主張する人たちは、あたしは次期後継者と結婚し、大河原の子供を産むための...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、riinaさんをフォローしませんか?

ハンドル名
riinaさん
ブログタイトル
Firestone
フォロー
Firestone

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用