決して明るい内容ではありませんが、読了後、一筋の光が見えるような、そんな作品です。(蛇行する月/桜木 紫乃)
桜木紫乃女史は著名な直木賞作家なので、一度読んでみたいと思っていたのですが、何故か今までチャンスがありませんでした。 この人は不器用でも一生懸命生きている女性を本当にうまく切り取る人だなぁ、という印象を受けました。本作は高校の同級生のグループを中心とした女性達の生き様を赤裸々に語っているのですが、見事なまでに表裏を描き切っていると思います。代官山蔦屋書店の文学担当の間室道子さんと言う方が解説の中で面白いことをおっしゃっています。 男性を中心にした小説は目的を同じくした時に登場人物の男性達はグループになり、友情→裏切り→和解→団結と話は進むのに対し、女性のグループ小説はぐちゃぐちゃで、陰口を言い…
2019/07/28 00:50