司はあたしが寝ている間にいつの間にか出掛けていたらしい。「すんげぇ匂いだな」甘い食べ物が苦手な司はそう言って苦笑している。なぜか手にはワインを携えている。「買って来ましたの?」「ひいろに云われたシャンパンを買ってきたぞ」手に持っているシャンパンを高らかに掲げる。「わざわざ、司が買ってきたの?」思わず聞いてしまった。…へぇ。いつも何か欲しいものがある時は邸の者に頼む司がねぇ?あたしの問に、司は少しだ...
目覚めてから、先程の恐ろしい出来事は夢だと分かった。ひいろとみのりも無事だという事も。それでも、溢れだす涙が止まらなかった。きっと、少し疲れているのだと、どこか冷静なあたしは自分に言い聞かせる。司はそんなあたしを慰めようと身体を擦ってくれる。司のあたしを見る瞳はどこまでも優しく、夢で見ていた冷徹な様相はまるで感じられない。それはいつもの司で、いつもあたしに仕掛けてくる手の動き。大きな手のひらで撫で...
つくしは、実家のマンションの階段を上がった。その階段は少し急配になっている。コンクリートの階段を上がり終えると視界が開け、左手に隣のマンションが見える。そのマンションの三階には同じ年の頃の女の子がいて、顔を会わせると挨拶をしたりしたものだった。マンションは今や改装されていて、クリーム色だった外壁は少しダークなグレー色に塗り替えられている。そういえば、ここに来ても、その彼女の姿を見かけることがなくな...
皆さんの、一番の鬼さんは誰でしたか?つくしちゃんは幾つになっても受難(?)が続きますねぇ?まっ、皆さんもそれを期待(?)してますよね?そんな事を言ってるとつくしちゃんがキャンキャンと怒りそうですけどね。しかし、早いもので二月も半ば。あっという間に、バレンタインデーですよ。うほっ~い!!(えりりんはチョコ大好き(#^.^#))ところで、天使ちゃん、神さんたちは誰かにチョコを渡しますか?えりりんはですね。この祝日...
「ねぇねぇ?豆を撒くのと、鬼になるのとどっちがやりたい?」つくしは男性陣に向かって声をかけた。声を掛けられた男性陣のうち、一人を除いた二人は揃って同じ事を同時に口にする。「「どっちもやりたくねぇ」」祝日の昼下がり。冷たい風が頬を掠めるも、太陽の光が照らすことで、寒々とした空気を暖かいものへと変えている。つくしは急ぎ足で白を基調としたモダンな造りの建物に入った。八畳ほどのスペースに小さなカウンターが...
お越し頂いている天使ちゃん、神さんたち、司くんのバースディスペシャル小話はどうでしたか?誕生日の主役は勿論司くん。それなのに、話の全編で鍵を握っているのはあきらくんという内容でお送りしました。題名をあれやこれやと考えていたらですね…。あっ、誕生日だけど司くわを出演させないってのはあり?司くんとつくしちゃんのラブラブなバースディ話じゃないけど?まっ、いいか?許してね~❤️ってね。とまぁ、ちょっぴり(?)...
麗しい女性がビーチチェアーに腰掛け、トロピカルジュースに手を伸ばす。その女性は、目の前で繰り広げられている出来事に苦笑していた。カラフルな水着に身を包んだキュートな親友たちが、様々なポーズで写真を撮られているからだ。このプールは大河原家の所有するリゾート型の宿泊施設に併設されているプール。大親友となった女友達四人で来ている。いや、無理矢理連れて来られて、滋が用意した水着に着替えさせられていると行っ...
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