私の夫はアメリカ人で、重度のアルコール依存症。回復どころか、ゆっくりと破滅へ向かっています。
アルコール依存症者は、泥酔時に身近な家族に暴言を吐き、時として被害妄想に落ち入って家族を責め立てるようなのだが、私の夫も例外ではない。 私がよく夫の泥酔時に責められたことは、「お前が自分と一緒にいるのは、お金目当てなんだろう!」というもの。 はぁ!? ・・・である。 何でそんな発想になるのか、何でそんな風に責められなければならないのか、私はあっけにとられてしまった。 私がそんな人間でないことぐらい、夫が一番分かっているはずである。 別に大金持ちというわけでもなければ、ましてや何で無職の夫と一緒にいることが金目当てなのか? 家のローンや生活費を夫自身が払っているからそう思うのか、それともこんなに…
心が折れそうになる。 本当に、独りなんだなって。 誰も助けてくれないんだなって。 人に期待してはいけないのだが、この苦しみを、独りで抱えていることが辛い。 頼りにならない義父母。 夫の病に関わりたくない義兄と義妹。 彼らはただの静観者。血は繋がってはいても、他人事。 それが分かるから、義兄にも義妹にも、私から夫についての話はしない。 されても返答に困るだろうし、無視されるのも嫌なので、自分からは言わない。 とは言っても、向こうからも聞いても来ないのだが。 だから義母にそれとなくお願いしてみた。 「夫に精神科で断酒補助の薬をもらうように、義兄から言ってもらって下さい。」 義兄はあれでも精神科医。…
私は自分がする夫への非情な対応に、自己嫌悪に陥る時があった。精神が病んだ末にやってしまったことだとはいえ、とても心がある人がすることだとは思えないことをしていた。苦しむ夫を無視したり、助けずに放置したり、気にかけてあげなかったり。これらは本来の健全な自分の姿ではなく、魂を悪魔に売り渡してしまったような心境になった。 ああ、私はこんなに冷酷な人間になってしまった。 心がなくなってしまった。 鬼になってしまった。 そんなことを思い、でもだからと言って、次から夫に優しくしようとも思わなかった。 それほど、私の心は病んでいた。 でも後から知ったことなのだが、世話を焼かないこの対応は、実は間違えではなか…
夫が飲酒をすると、最初の頃は懸命に夫の世話をしていたものだが、夫の状態が悪化するにつれ、私は夫を無視して放置するようになった。 泥酔して床で寝ていても、ブランケットをかけてあげることもなく、そのままそこに放置。家の玄関や庭へのドアに挟まって寝ていても放置。カラのボトルや飲んだ後のグラスが溜まって置きっぱなしになっていても、これは夫の責任だから放置。離脱症状でもがき苦しんでいても、これは夫の問題だから放置。 今にも死にそうな夫を無視し続けた私の当時の心情は、”YOU DESERVE IT ! DEAL WITH IT ! (当然だ!自分で対処しろ!)” というもの。 「こうなることが分かっていて…
世間の多くの方々がいまだに思っているように、アルコール依存症は、意志が弱くてだらしない人達がなるというわけではない。アルコールを毎日大量に飲み、それが何年にもわたると、誰もがこの病気になってしまう可能性があるのだ。そして適切な治療を受けずそのまま放置していると病気は進行し、やがて全てを失い、命を失う。 私の夫は、離脱症状で起こるアルコール性てんかんによる死と隣り合わせの時期が長くあり、夫の病気に巻き込まれて私も心が病んでいた。だから普通の、誰もが送っているような平凡で当たり前な生活を切望し、日々必死に生きていた。 時々思う。夫がアルコール依存症になっていなかったら、どんな人生だっただろうと。夫…
夫の連続飲酒中は、気をしっかり持つべく、私自身のために楽しいことをしようと思ってはいても、何だかんだで気分が沈む。 同じアルコール依存症でも、夫が仕事をしてくれているなら、どんなに家族の気持ちが楽になるだろう。こんな底辺の生活にも慣れてしまったが、仕事もしていないアルコール依存症の夫なんて、世間から見たら、とんでもないルーザー、ろくでなしである。 私、一体何にしがみついてこんな夫と一緒にいるんだろ? 人として、夫として、尊敬などできるわけがない。 「Move on!(気持ちを切り替えて前に進め)」、と悪魔の、いや、天使の囁きが聞こえてくるようだ。 夫は働くことができない。 シラフの時は、時折自…
夫は、断酒に必要不可欠なことを何もやっていない。 リハビリ施設にも行かず、専門家の治療も受けず、断酒補助の薬も飲まず、AAにも行かず、で、自分はそれでいいと思っている。本当に難しい男である。 スリップされた日は、私は仕事中でもそのことを思い出して心が苦しくなり、胸がキューっと痛くなった。 夫は自分の飲酒がどれだけ家族に大きな影響を与えているかなんて、深刻に考えてもいないだろう。 アルコール脳になってしまったせいなのか、夫には現実が見えていないような気がする。夫は、何があってもいたって楽観的なのだ。 仕事だって、レジュメを出せばすぐにオファーが来ると思っている。 無職のこの2年半の空白期間を、面…
夫に期待することをやめ、アルコール依存症の回復過程でスリップするのは当たり前のことなのだと分かってはいても、ある程度断酒が続いた後にスリップされると、メンタルのダメージが酷い。 「レジュメをアップデートして、仕事を探すよ!」などと前向きな発言をしていた矢先に、先日、夫はまたスリップした。 予測できていたことではあるのだが、「ここまで断酒してきたのに、何で!?何で今なの!?また振り出しに戻ったじゃん!」・・・と私は夫をボコボコにしたくなる。 「怒っちゃダメだ!責めたらダメだ!本人が一番自分を責めてるんだ!」・・・と自分に言い聞かせてみても、私の夫への失望感は素直に態度に出てしまう。だから、この怒…
無償の愛 ~ Unconditional “Doggy” Love ~
シラフの夫は、相変わらず気難しくて扱いにくい男ではあるものの、まぁ頑張って断酒を続けてくれている。 夫が断酒前と変わったこと。 犬達の散歩に、喜んで進んで行ってくれるようになりました。 夫の犬達への接し方は、見ていてこっちの顔が緩んでしまうほど、ラブリーで愛情に溢れたものである。そして、それに私はいつも癒される。どんなに気難しくても、犬好きの人に悪い人はいないと思う。 しかしながら、酔っぱらい全盛期の頃の夫は、犬達を可愛がりはするものの、散歩などという面倒くさいことは一切やらなかった。たまに天気がいい日には犬達を車に乗せ、近くの州立公園に一緒に行くことはあったのだが、そんな楽しい場所ではなく、…
生活の変化が怖いと感じている私ではあるのだが、いつまでもこんな生活を続けているわけにはいかず、やはり夫には、早くちゃんと仕事に復帰して欲しいと願っている。 最初の頃は必死だった。 夫にリハビリ施設へ行ってもらい、断酒補助の薬を飲んでもらい、AAにも通ってもらい、そんなオーソドックスな断酒への道を歩み、早く仕事を探して欲しかった。 でも結局夫は長い時間をこんなに無駄にし、リハビリ施設にも行かず、薬を飲むこともなく、AAに行くこともやめてしまった。それでも何とか今は断酒が継続してはいるのだが、やはりちゃんと社会復帰してこそ、やっと普通の生活に戻れるのだと思っている。 私は働いているとはいっても、私…
夫の断酒、継続中。 そんな時の私は、平穏な日々に安らぎを覚えると共に、スリップ(再飲酒)という時限爆弾を抱えている心境で、怖くもなる。 これは儚い、嵐の前の静けさなのだと、そんな気持ちがいつも心の片隅にある。 そして、断酒が続いていて嬉しいはずの私は、その裏返しなのか、つい夫に不機嫌な態度を取ってしまう。まるで夫にアルコールの問題がないかのように、してはいけない態度で夫に接してしまう。 まさか私は、夫と共依存関係にあることに、自分でも気付かない喜びを感じているのだろうか?厄介で複雑な病気になってしまった夫を支え、夫と一緒にこの病気と闘っている自分の状況に、まさか、酔いしれているのだろうか? い…
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