「明智光秀『再発見』の物語」司馬遼太郎著『国盗り物語』(4)織田信長<後編>(新潮文庫)
『国盗り物語』が「サンデー毎日」に連載されたのは、1963年から1966年のことだ。当時、裏切者として悪名高い明智光秀を、歴史や伝統に関する教養が深く、軍事面や民政面でも優れていた武将として「再発見」したことは、相当新しいことだったのではないだろうか。 悪名高いといえば、斎藤道三もその一人だ。「あとがき」によれば、道三の子孫は静岡県に住んでいるらしいが、その家の人々は子孫であることをあらわにしたがらなかったという。『国盗り物語』によって、死後の悪名を着ることになった斎藤道三や明智光秀に対する評価は見直されたはずだ。織田信長も含めて、器の大きさが半端ない。 司馬遼太郎著『国盗り物語』(4)織田信…
「新秩序を追い求めた織田信長vs旧秩序の復活を志向した明智光秀」司馬遼太郎著『国盗り物語』(3)織田信長<前編>(新潮文庫)
物語後半の主人公は、斎藤道三から、織田信長と明智光秀に移っていく。織田信長は道山の娘・濃姫の婿であり、明智光秀は道三の正妻・小見の方の甥にあたる。道三はこのふたりの才能を高く評価した。「わしは一生のうちずいぶんと男というものを見てきたが、そのなかで大器量の者は、尾張の婿の信長とわが甥(義理の)光秀しかない」と。織田信長と明智光秀の運命は誰もが知っている。よりにもよって、そのふたりを斎藤道三が認めていたなんて仕掛けはあまりにも絶妙すぎる。 司馬遼太郎著『国盗り物語』(3)織田信長<前編>(新潮文庫) ざっくりした内容 *クーデターを起こし、美濃を征服した斎藤道三。だが今まで土岐氏に仕えていた美濃…
「全訳を読めば、清少納言の魅力がわかる!」石田穣二訳注『新版 枕草子』(上・下)
石田穣二訳注『新版 枕草子』(上・下)角川ソフィア文庫 若いお母さんたちには腹が立つ。あちこち散らかす子どもをほったらかして、おしゃべりに夢中になっている。たいした注意もせず、「そんなことしちゃだめだよ~」とか笑顔で言っているだけ。どうかしてないか? これは私が言っているのではない。『枕草子』147段のざっくりした内容だ。だが、こんな苦情を現代でも耳にしたことはないだろうか。平安時代は歴史上でいえば「古代」に分類されるくらいの大昔だが、平安の世も現代の世も、人間はあまり変わらないという発見が『枕草子』にはある。 「イケメンのお坊さんの説教だったら夢中になって聞くけれど、ブサイクなお坊さんの話は…
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