メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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がん患者におけるアセトアミノフェン使用は、免疫チェックポイント阻害薬の効果を減弱する?(Ann Oncol. 2022)
アセトアミノフェンの使用は、ワクチン免疫反応の鈍化と関連していることが報告されています。一方で、関連がないとする報告もあり一貫した結果は示されていません。また、がん患者における免疫チェックポイント阻害薬に対するアセトアミノフェンの影響に関する報告はほとんどありません。そこで今回は、がん患者における…
GLP-1受容体作動薬による胆嚢・胆道疾患リスクはどのくらい?(RCTのメタ解析; JAMA Intern Med. 2022)
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、2型糖尿病患者の血糖コントロールだけでなく、心血管リスクの軽減のために広く推奨されており、最近では体重減少のためにも使用されています。しかし、GLP-1 RAと胆嚢・胆道疾患との関連については議論が分かれるところです。そこで今回は、GLP…
診療ガイドラインなどにおける推奨事項は利益相反があると好ましい推奨になる?(システマティクレビュー; BMJ. 2020)
診療ガイドラインや諮問委員会の報告書における診断や治療の推奨は、患者のケアに重要な影響を与えます。同様に、社説などの意見記事や主要なオピニオンリーダーが執筆したナラティブレビューでの推奨も、臨床診療に影響を与える可能性があります。しかし、推奨を行うには判断が必要であり、懸念されるのは、利益相反がそ…
心不全合併の心房細動患者におけるアブレーションに基づくリズムコントロール vs. レートコントロール(PROBE; RAFT-AF試験; Circulation. 2022)
心房細動(AF)と心不全(HF)はしばしば共存し、治療が困難となることがあります。心房細動の薬物療法によるリズムコントロールがレートコントロールより優れていることは証明されておらず、ハードアウトカムを含め予後について差がないことが示されています。しかし、アブレーションによるリズムコントロールとの比…
集中治療室における敗血症患者に対するビタミンCの静脈内投与の効果はどのくらいですか?(RCT; LOVIT試験; N Engl J Med. 2022)
集中治療室(ICU)で昇圧療法を受けている敗血症の成人患者に対するビタミンC静注の使用を評価した研究では、死亡や臓器機能障害のリスクに関してさまざまな結果が示されています。しかし、一貫した結果が得られていないことから、更なる研究結果が求められます。そこで今回は、ICUに24時間以内に入室し、主診断…
白内障に対する即時両眼手術と別日に片眼ずつ手術、どちらが良いですか?(SR&MA; Cochrane Database Syst Rev. 2022)
白内障は両眼とも同日に手術する場合と、片眼ずつ別日に手術する場合、どちらが良いのか?加齢性白内障は、ほとんどの場合、両眼に発症します。多くの場合、白内障手術は両眼別々の日に行われ、これは、遅延連続両眼白内障手術(delayed sequen
喘息の急性増悪期におけるアルブテロール vs. アルブテロール+ブデソニド、どちらが良い?(RCT; MANDALA試験; N Engl J Med. 2022)
喘息症状の悪化に伴い、患者は一般的に短時間作用型β2-アゴニスト(SABA)救助療法に頼ることになりますが、SABAは悪化した炎症に対処できません。そのため、急性増悪期の喘息患者は重度の喘息増悪のリスクにさらされています。アルブテロールとブデソニドの合剤をレスキュー薬として使用することで、アルブテ…
心血管リスク因子とアウトカムに対する薬剤師の介入の効果は?(RCTのメタ解析のアンブレラレビュー; Br J Clin Pharmacol. 2022)
これまでの報告では、薬剤師による処方介入・患者フォローにより、患者のQOL向上や治療コストの削減、死亡リスクの低下など、様々な有益性が示されています。その一方で、処方介入のみでは一貫した結果が得られておらず、薬剤師の介入による効果は充分に検討されていません。今回ご紹介するのは、ランダム化対照試験(…
COVID-19におけるバイオマーカー、呼吸介入、医療サービスに対するモルヌピラビルの影響は?(RCT; MOVe-OUT試験の二次解析; Ann Intern Med. 2022)
MOVe-OUT試験において、モルヌピラビルは重症化リスク因子を有する軽症から中等症のCOVID-19成人患者において、入院または死亡のリスクを臨床的に有意に減少させることが示されました。しかし、入院または死亡以外の、臨床上有用となる指標への影響については明らかとなっていません。そこで今回は、モル…
心血管疾患の長期的二次予防において地中海食と低脂肪食どちらが優れているのか?(単施設PROBE; CORDIOPREV試験; Lancet. 2022)
心血管疾患の長期的二次予防における地中海食 vs. 低脂肪食地中海食と低脂肪食は心血管系疾患の一次予防に有効であることが報告されています。しかし、心血管疾患の二次予防におけるこれら2つの食事の効果については充分に検討されていません。そこで今
軽症脳卒中および一過性脳虚血発作における脳卒中の再発において、高血圧症の影響はどのくらいあるのか?高血圧は脳卒中の予後不良の危険因子であり、抗血小板薬による治療抵抗性と関連しています。しかし、軽症脳卒中および一過性脳虚血発作における脳卒中の
無症候性の高度頸動脈狭窄症患者における外科的介入を行わない場合の虚血性脳卒中発症率はどのくらい?(後向きコホート研究; JAMA. 2022)
無症状の高度頸動脈狭窄症患者に対する最適な管理法は明確になっていません。これは医療の進歩や内科的治療と外科的治療を比較したデータが充分ではないためです。ランダム化比較試験の実施のためにも、内科的治療を受けた無症候性高度頸動脈狭窄症患者のうち、外科的治療を受けなかった患者における脳卒中の転帰を推定す…
レンボレキサントとアルコール併用の影響はどのくらい?(ランダム化クロスオーバー試験; J Psychopharmacol. 2022)
アルコールの鎮静作用の結果として、海外では不眠症を自己治療するために、入眠前にアルコールを摂取することもあります。アルコール摂取は、持続的な注意力を低下させ、新しい情報を学習する能力を妨げ、協調性を損ない、身体の揺れ(体動)を増大させ、自己評価の覚醒度を低下させることが知られています。さらに、アル…
コクランレビューと非コクランレビューの効果推定値の不一致を生じる要因とは?(メタ疫学研究; J Clin Epidemiol. 2020)
多くの臨床試験が行われていますが、一貫した結果が得られない場合があります。その場合、システマティックレビュー・メタ解析(SR&MA)により得られる結果が、臨床疑問に答えられることがあります。SR&MAの方法論としては、大きくコクランレビューと、コクランレビュー以外(非コクランレビュー)に分けられま…
Cockcroft-Gault式の偏りおよび精度に及ぼす体重および血清クレアチニン濃度の影響は?(後向き研究; Pharmacotherapy. 2012)
体重と血清クレアチニン(Scr)濃度がCockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス(C-G Clcr)の偏りと精度に及ぼす影響について、きちんと調べたことがなかったため文献検索を行いました。今回ご紹介するのは2012年の論文です。本論文では、体重とScr濃度がC-G Clcrの偏…
HFrEF患者における利尿薬の使用と新規利尿薬投与に関連する臨床成績(2試験の事後解析; JACC Heart Fail. 2022)
駆出率低下型の心不全(HFrEF)患者を対象とした試験において、ベースラインで利尿剤を服用していない患者は最大で20%いることが報告されています。しかし、利尿薬を服用していない患者の実態はほとんど知られていません。そこで今回は、ベースラインで利尿薬を服用していないHFrEF患者および利尿薬服用開始…
フレイル高齢者における多成分介入は運動障害を予防できますか?(RCT; SPRINTT試験; BMJ. 2022)
高齢者において、運動能力の低下は、障害、生活の質の低下、入院、施設入所、死亡のリスクが高くなります。 また、医療費も増加します。運動能力に制限のある高齢者の障害の軌跡は、ライフスタイルへの介入によってそれる可能性があります。2013年、欧州連合と欧州製薬団体連合会の官民パートナーシップである革新的…
高齢の慢性腎臓病患者における骨折リスクはSGLT2阻害剤の使用により変化しますか?(人口ベースコホート研究; Clin J Am Soc Nephrol. 2022)
ナトリウム・グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害剤は、いくつかのランダム化プラセボ対照試験において、骨格骨折の高いリスクと関連している可能性が示されています。この骨折リスクの要因として、二次性副甲状腺機能亢進症および骨回転率の上昇(慢性腎臓病でもよく見られる)が、観察された骨折リスクに寄与して…
潜在的不適切処方(PIMs)を減らすための教育的介入は費用対効果に優れていますか?(クラスターRCT; Age Ageing. 2022)
教育的介入によりPIMsが減少すると、12ヵ月後の費用対効果の向上につながるのか?高齢者の薬物療法は、関連するリスクが潜在的な利益を上回る場合、潜在的に不適切であると定義されます(PMID: 1888249)。潜在的に不適切な処方(PIM)
軽症から中等症の血液悪性腫瘍患者のニューモシスチス・イロベチイ肺炎に対するトリメトプリム-スルファメトキサゾールの減量投与は有効ですか?(後向き研究; Clin Infect Dis. 2022)
免疫機能が低下した血液悪性腫瘍患者のニューモシスチス肺炎に対するTMP-SMX減量投与は有効なのか?悪性腫瘍患者など免疫機能が低下している集団においては、ニューモシスチス・イロベチイなどによる日和見感染が起こりやすく重症化しやすいことから、
高齢CKD患者におけるアロプリノール投与開始量と重篤な皮膚反応リスクに関連性はありますか?(人口ベースコホート研究; Am J Kidney Dis. 2022)
アロプリノールは、慢性腎臓病(CKD)患者では、副作用を避けるため、低用量から開始する必要があります。ザイロリック®️の添付文書では、腎機能障害患者において「投与量の減量や投与間隔の延長を考慮すること。本剤やその代謝物の排泄が遅延し高い血中濃度が持続する。特に腎不全患者に副作用が発現した場合は重篤…
長期的なメトホルミンおよび生活習慣への介入による心血管イベントへの影響は?(長期観察研究; Circulation. 2022)
2型糖尿病は、心血管疾患のリスクを2~3倍増加させます。血糖値に関する機序が寄与していると考えられますが、血糖値の集中的な管理によるリスク低減の試みは、さまざまな結果をもたらしています。 当初は否定的であった臨床試験の長期追跡調査において、短期間ではあるが有益性が示唆されたものがあります。 また…
BCG再接種は医療従事者のCOVID-19罹患リスクを低下できますか?(DB-RCT; EC linical Medicine. 2022)
COVID-19は、世界的に医療システムを荒廃させ、医療従事者に深刻な脅威を与え続けています。南アフリカでは、歴史的にインフラが限られており、看護師や医師が大幅に不足しているため、継続的な患者ケアを安全に行うためには、医療従事者を保護することが不可欠となっています。2020年3月5日に同国で最初の…
IgA腎症患者におけるメチルプレドニゾロン経口投与による腎機能低下および腎不全に対する影響は?(DB-RCT; TESTING試験; JAMA. 2022)
IgA腎症は糸球体性血尿や蛋白尿などの検尿異常が持続的にみられ、糸球体にIgAの優位な沈着を認め、その原因となりうる基礎疾患が認められないものと定義されています。IgAの沈着部位は主に腎糸球体のメサンギウム領域ですが、ヘンレ係蹄への沈着を認めることもあり、同時にC3の沈着も認めることが多いとされて…
教育とフィードバックからなる多因子介入は一般開業医によるベンゾジアゼピン処方を減らせますか?(クラスターRCT; BENZORED試験; PLoS Med. 2022)
臨床医は主に、不安や不眠症の治療、またはうつ病の治療補助薬としてベンゾジアゼピン(BZDs)を処方しています。 診療ガイドラインでは、BZDsの短期使用を推奨しています。これは、長期間のBZDs使用は耐性と依存につながり、傾眠、一日の眠気、記憶障害、大腿骨近位部骨折の原因となる転倒の増加、自動車事…
小児におけるワクチン接種は青年と比較してオミクロンによる感染および入院リスクを低下できますか?(ニューヨークのデータベース研究; JAMA. 2022)
米国では、2022年4月7日までに18歳以下の1230万人の青少年がCOVID-19と診断されました。Omicron(オミクロン)変異株出現前に行われた研究では、BNT162b2ワクチンは5歳以上におけるCOVID-19転帰の予防に安全かつ有効であることが示されています。12~17歳の青年(30μ…
LDL-C低下とスタチン治療の相対的・絶対的効果との関連性はどのくらい?(SR&MA; JAMA Intern Med. 2022)
心筋梗塞や脳卒中、全死亡リスクについては、アウトカム発生までの時間が長いこと、また血圧低下や脂質低下などのソフトアウトカムと比較して、発生率が低いことから個々のアウトカムとして設定されることは稀であり、多くの臨床試験で複合アウトカムとして設定されています。ハードアウトカムの中でも非致死的心筋梗塞…
non-dipper型高血圧患者においてはアムロジピンを夜に飲んだ方が良い?(SR&MA; Rev Cardiovasc Med. 2019)
社会経済の発展と人口の高齢化に伴い、慢性疾患は中国および世界の住民の健康に影響を与える主要な公衆衛生問題となっています。高血圧は、有病率の高い最も一般的な慢性疾患の1つであり、心血管および脳血管疾患の最も重要な危険因子です。高血圧ガイドラインによると、高血圧治療にはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(
COVID後遺症はワクチン接種で防げますか? (コホート研究; Nature Medicine 2022)
SARS-CoV-2感染後の急性期以降の後遺症(post-acute sequelae of COVID-19, Long COVIDとも呼ばれる)は、その特徴が明らかになっています。ワクチン接種者がブレイクスルー感染(Breakthrough SARS-CoV-2感染)の結果、COVID-19と…
2型糖尿病の心血管アウトカムに対する第一選択薬としてSGLT-2阻害剤を使用すると心血管イベントのリスクを低下できるのか?2型糖尿病治療において、インスリンを含めてさまざまな治療薬が販売されています。日本の診療ガイドライン(糖尿病治療ガイド
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メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
肥満は世界的な公衆衛生の問題になっており、中国は世界で最も多くの罹患者を抱えていることが知られています。持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチドは、副作用として紹介症状や体重減少をもたらしますが、肥満患者における有効性・安全…
混合型高脂血症患者では、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド)に富むリポ蛋白中の残存コレステロールに起因する非高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値の上昇により、アテローム性動脈硬化性心血管系疾患のリスクがあります。トリグリセリド…
心不全(HF)の基本的な治療薬として、β遮断薬、ACE阻害薬/ARB、そしてミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MA拮抗薬)が使用されていますが、腎機能障害の併存は、しばしば救命のためのHF治療の開始や継続を躊躇させます。そこで今回は、著し…
慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧(the kidney-dysfunction triad; 腎機能障害の3要素)を有する患者に対する有効な治療法があるにもかかわらず、この集団における死亡や合併症のリスクを減少させるためのガイドラインに沿っ…
シスプラチンは様々ながんに対する有効な第一選択療法です。シスプラチンは催吐性が強く、その結果生じる体液量の減少は急性腎障害(acute kidney injury, AKI)リスクの一因となります。この合併症を予防するために、5-ヒドロキ…
小児期の長期間にわたる短時間睡眠は、精神病の発症を含む長期的な精神的健康に有害な影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの関連性の潜在的な基礎となる機序は依然として不明です。そこで今回は、小児期の持続的な夜間睡眠時間の短縮と、24歳時…
リラクゼーション介入による母乳保育の効果は? 母乳保育は、乳児と母親・両親の健康を最適化するための重要な公衆衛生目標ですが、世界の授乳成績は推奨される授乳期間と排他性を満たしていません。また、授乳と精神的健康の関連性が報告されていますが、リ
75歳以上の成人における心血管疾患(CVD)および全死亡の一次予防にスタチンを使用することについては、ランダム化比較試験におけるこの集団の割合が低いため、ほとんどコンセンサスが得られていません。そこで今回は、高齢者(75~84歳)および超…
COPD患者に対するβ1選択的遮断薬ビソプロロールの影響は? 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的に罹患率と死亡率の主要な原因です。観察研究では、β遮断薬の使用はCOPD増悪リスクの低下と関連する可能性があると報告されています。しかし、最近
変形性膝関節症は障害をもたらしますが、有効な治療法はほとんどありません。クリルオイル(オキアミ油)のサプリメントは膝の痛みを改善することが予備的に示唆しましたが、変形性膝関節症に対する効果は不明です。そこで今回は、著しい膝関節痛と滲出液-…
頭痛はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用に伴う有害事象です。近年、片頭痛がPPI使用に伴う潜在的有害事象としてより具体的に浮上してきました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、既存のデータを活用し、片頭痛および…
尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
アセトアミノフェン(パラセタモール)には、無細胞ヘモグロビンによる脂質やその他の基質の酸化を抑制するなど、敗血症に有益と思われる多くの薬理作用がありますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、アセトアミノフェンがプラ…
2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の併用が、どちらか一方の薬物クラスのみの併用と比較して、主要有害心血管イベントおよび重篤な腎イベントのリスク…
スチュワードシップ(Stewardship)とは本来、管理運用、管理責任などの意味を有していますが、こと医療においては、抗菌薬の適正使用推進を指します。多剤耐性菌の発生を防いだり、資源として確保したり、今ある抗菌薬を適切に大事に使ってもら…
2型炎症を伴うCOPD患者におけるデュピルマブの有用性はどのくらいなのか? デュピルマブは、2型炎症の主要かつ中心的な促進因子であるインターロイキン-4とインターロイキン-13の共有受容体成分を遮断する完全ヒト型モノクローナル抗体です。 慢
低血圧は、重症患者や周術期の患者における有害な転帰と関連しています。しかし、これらの仮定は観察研究によって支持されていることから、更なる検証が求められます。そこで今回は、死亡率に対する血圧目標値の低値と高値の影響を比較することも目的に実施…
米国内科学会(American College of Physicians, ACP)は、2型糖尿病の新しい薬理学的治療に関する推奨事項を更新するために、診療ガイドラインを作成しました。本ガイドラインは、有効性、有益性と有害性の比較、患者…
足底部悪性黒色腫と関連する疾患はあるのか? 足底部悪性黒色腫(AMF, メラノーマ)の臨床的特徴および病態は充分に解明されていません。 足部の臨床的または不顕性持続性炎症は、足の皮膚糸状菌症(dermatophytosis of the f
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と帯状疱疹との関連性が報告されていますが、SARS-CoV-2感染からの回復後の帯状疱疹の長期リスクは不明です。そこで今回は、COVID-19患者における帯状疱疹リスクを評価したレトロスペクティ…
アトピー性皮膚炎(AD)と複数の心血管疾患との関連は、慢性全身性炎症に関する病態機序と血管への影響の可能性から調査されてきました。しかしながら、成人期におけるADと静脈血栓塞栓症(VTE)発症との関連はほとんど知られていません。そこで今回…
骨粗鬆症の治療法として最も広く用いられているのが抗骨吸収剤です。デノスマブは、核因子κB(eceptor activator of nuclear factor κ, RANK)リガンド(RANK ligand, RANKL)に対するヒト…
CYP2B6遺伝子多型がクロピドグレルに及ぼす影響はどのくらいか?In vitro試験において、クロピドグレルの薬物代謝酵素としてCYP2C19、1A2、2B6、2C9、そして3A4/5が関与していると報告されています(Drug Metab
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の全体的な拡散には、特にエアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した空気感染が重要であることを示す証拠が増えつつあります。しかし、SARS-CoV-2の感染に対する学校環境の寄与はまだ…
脳卒中の発生予防のために抗凝固療法が実施されますが、実施タイミングの比較に関するエビデンスは充分ではありません。そこで今回は、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者における直接経口抗凝固薬(DOAC)の投与開始時期が早い場合と遅い場合の効…
骨粗鬆症に対する基本的治療薬としてビスホスホネート系薬が使用されており、診療ガイドラインにおいても第一選択薬とされています。比較的新しい治療薬として骨同化薬であるアバロパラチドやロモソズマブが挙げられますが、閉経後女性の骨折リスク低減に対…
早期の重症呼吸器シンシチアルウイルス(respiratory syncytial virus, RSV)感染は、小児期の喘息疾患の発症と関連している可能性が報告されています。しかし、この関連性の検証は充分ではありません。そこで今回は、乳幼…
ピーナッツアレルギー患者に対する表皮免疫療法の効果は?幼児、小児の食物アレルギーの原因として、卵、牛乳、小麦、ピーナッツなどが挙げられます。米国ではピーナッツバターの使用量が多く、ピーナッツ(落花生)は関心の高いアレルゲンの一つです。日本に
慢性腎臓病(CKD)患者における腎機能の縦断的な軌跡は、心血管イベントと関連していることが報告されています。しかし、CKDを有さない患者における腎機能の変化パターンは、まだ報告されていません。そこで今回は、CKDを有さない集団における腎機…
五十肩の管理については、これまで多くの治療戦略が考案されてきました。しかし、これまでのところ、運動と経口コルチコステロイド(ステロイド)の有効性を直接比較したランダム化比較試験はありません。そこで今回は、五十肩患者を運動療法と経口ステロイ…
ブレクスピプラゾールは、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用及びドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を併せ持つ特徴的な薬剤です。日本では「統合失調症」の保険適応を取得しています(2…
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一つであるデュロキセチン(Duloxetine)は、中枢性感作を抑制することで疼痛緩和作用も有していることから、鎮痛緩和を目的として以下の疾患にも用いられています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸関連疾患の治療薬として広く使用されていますが、腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。2型糖尿病は血管内皮細胞の機能低下に起因する血糖コントロール異常を特徴としますが、腸内細菌叢へ影響することも報告さ…
ワクチン接種後の突然死の原因とは?2022年8月10日、14歳の女子中学生がファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。 女子中学生は翌日、37.9度の発熱を認めましたが、夕方には下がりました。 夜に息苦しさを訴えながらも眠りについていま
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…
2型糖尿病は慢性腎臓病など多くの合併症を引き起こし、患者予後を悪化させます。多くの糖尿病治療薬が使用されていますが、患者予後に優れる薬剤の検証については充分に行われていません。そこで今回は、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-…