月のライン 5-1
夜12時ごろに起こしてくれ、とゴンドラの船夫には言っていたので、眠いながらも、ロイは目を覚ますことができた。 浜から少し沖に漕いだ場所。 そこからは、本土と島の両方が見える。 ロイはそれまで寝そべっていた、赤いビロードの長椅子から、上半身を起こした。 揺れるゴンドラの中で、2つの町を見比べる。 本土は強い、都会の明かり。 ビルや電波塔の白々とした光が、夜なのに昼間のように放たれている。 それに比...
2020/01/31 08:21
2020年1月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、リエミさんをフォローしませんか?