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ここは小さな高校です https://blog.goo.ne.jp/5381naninani

英語の授業を通して、田舎の小さな高校で学ぶ素敵な生徒たちを紹介しています。

ここは小さな高校です
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2017/05/01

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  • 煽てられれば

    ー平成時代中期の『花咲く丘の高校』でのエピソードですー煽てられれば木に登る納税の申告を済ませて、午後から学校に行くと、二年生の絵里香(えりか)に出会った。「ゆ~先生は午前中どこへ行っていたの?」「ちょっと野暮用(やぼよう)があってね。大人ってさ、いろいろ突発的(とっぱつてき)な所用があるんだよ」「だって、ゆ~くんは大人じゃないでしょう。もう暇なおじいちゃんだよね」「まあね、年齢(とし)相応にいろいろあるよ。絵里香が『クン』づけで呼んでくれるからさ、このごろは昔返りしているしね」「むかし返り?ウケるう。てか、みんなが『ゆ~くん』って言っているから、あたしだけじゃないよ」「そうかあ。おかげで、一句ひらめいたよ:『クンづけで呼ばれるたびに歳が減り』『クンづけで呼ばれてオレは木に登る』」「なかなかですね。『友蔵』...煽てられれば

  • それでも上野駅

    上越新幹線の東京駅乗り入れが始まったばかりの6月のある朝、私は上野駅へ行った。そこで朝食をとろうと、不忍口の通路に面した食堂「都」に入った。トーストのセットを注文しようとメニューを見ると、「モーニングセット」とか「朝定食」とか書いてあった。英語に少々つよい私は、モーニングセットは朝定食のことだと勘違いして、「朝定をください」と注文した。そして、紅茶ではなくコーヒーにしてほしいと言うと、注文係の中年の男性が怪訝そうな顔をした。「あの~、トーストにはコーヒーをつけてください」と言い直したら、彼は「それはモーニングセットだ!」と、私を軽蔑するように睨みつけて、書きかけた注文伝票を荒々しく破ってしまった。私は周りの客の視線を感じた。言わせてもらえば、ちょうど一年前に同じこの食堂で、外人客と話が通じなくて困っている...それでも上野駅

  • ショートショート 桂子

    桂子1960(昭和35)年6月15日、全学連による『安保反対』のデモ行進が大々的に行われた。翌日の新聞は「国会議事堂正門前で機動隊がデモ隊と衝突し、デモに参加していた東大生の樺美智子さんが圧死した」と報じていた。5月のその日、粛々と講義が行われているはずの文学部40番教室は、「安保反対!」のプラカードを持った学生でごった返していた。顔見知りの自治会役員にガリ版刷りの情宣ビラを手渡されて、森本は抗議集会に出てみる気になった。4人掛けの長椅子を連ねたこの大教室もほぼ満杯になっていた。一番後ろに座っていた女子学生が席を詰めてくれたので、「あっ、どうも有難う」と言って隣に座りかけると、彼女は上目使いに森本を見て、「あら、森本先輩?」「えっ、あっ、里見さん?」里見桂子は国文学専攻の二年生だった。文学部でも女子学生は...ショートショート桂子

  • 感性を欠いた文明

    「私の上なる星をちりばめた空と私の内なる道徳的法則」(カント)注:カントの言う『道徳的法則』とは『真・善・美』のことである。このカントの言葉は、「人間の心は変わりやすいが、道徳的法則である真善美は、天空に輝く星と同じように不変だ」という意味です。知識と知恵によって文明が形成され、感性と知恵によって文化が形成されてきた。産業革命以後は、文明だけが独り歩きして地球環境と人の心を破壊している。人間社会を豊かにしてくれるのは、お金ではなく、感性のある文化なのです。記憶力は反復練習で身に付き、記憶したものはやがて『知識』となる。思考力は集中することで身に付き、やがて『知恵』となる。想像力は感性によって育まれて、『創造力』に成長する。そして、感性は『真・善・美』に触れることから生まれる。感性のない人間はロボットと同じ...感性を欠いた文明

  • 脳力強化の3要素

    き、し、そ脳組織(脳力)を開発する三要素は「き←し←そ」です。き記憶力記憶力は反復練習で身に付き、やがて『知識』となるし思考力思考力は集中を昂めることで身に付き、やがて『智恵』になるそ想像力想像力は感性によって育まれて、やがて『創造力』に成長する『花咲く丘の高校生』(悠光堂出版)より引用ご訪問ありがとうございました。脳力強化の3要素

  • カタカナ英語でいいよ

    これは、2023年9月5日のブログの再掲です。小学校で必修になる英語。小学校の先生は、正確な発音を身につけようと研修に励んでいる様子。それを報じた新聞記事を見て、英語教育についての持論を「新潟日報」に投稿した。以下は、2008年8月6日、新潟日報の「窓」に掲載された記事です。英語にも人の数だけ発音あり本紙記事の『先生、カタカナ英語はダメよ』に考えさせられた。そこで、私は小学校の英語については、先生にも生徒にも絶対に「完璧さを求めない」ことを提案したい。日本語にも英語にも方言や訛りがある。英語を母語としている国々は、それぞれがお国訛りの英語を話している。だから、「外国語活動の手段」として習う英語はカタカナ英語で十分なのだ。ネーチブスピーカー以外の発音は間違いであるといった風潮が蔓延すると、小学校での英語教育...カタカナ英語でいいよ

  • エリートへの失望

    エリートへの失望※2013年11月に投稿したブログの再掲です。エリートへの失望エリートがエリートとしての社会的責任を全うしなくなった時、国は亡びる。東京電力、みずほ銀行、それに一流ホテルやデパートの食材虚偽表記。日本を代表する企業が似非(えせ)だったとは。もしかしたら、秘密保護法がこれら大企業のまやかしを保護することに悪用されるはめになるかも知れない。詐欺とも思える虚偽表記を「誤表記」という言葉でごまかそうとは、そして誤魔化し通せると考えている大企業のトップのいわゆるエリート集団とはどのような精神構造をしているのか。エリートとは責任逃れの屁理屈上手な人種なのだろうか。先日テレビを見ていたら脳科学者の茂木健一郎さんが、「東大入試のような偏差値教育が日本をダメにする」と言っていたけど、まさにその通りだ。(あの...エリートへの失望

  • たかすえドータの歌-10 たたくとも

    たたくとも誰かくひなの暮ぬるに山路を深くたづねては来むたたくともたれかくいなのくれぬるにやまじをふかくたずねてはこん『更科日記』の歌を英訳しています。『更級日記』は、ロマンチックな夢見る少女がやがて成人して子供を産み、年老いてゆくまでの「女の一生」を和歌と共に淡々と描いている菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の自伝物語です。『たかすえドータの歌1~10』では、13歳から18歳までの少女期の和歌を英訳しました。4月からも継続してブログにしていきますので、よろしくお願いいたします。同じ年(1025年)、私が18歳の4月の末ごろ、事情があって、また引っ越すことになった。こんどの住まいは東山である。もの淋しい夕暮れともなると、クイナがしきりになき声をたてる。なるほど、この水鳥みずとりの鳴き声は、人がこつこつ...たかすえドータの歌-10たたくとも

  • たかすえドータの歌-9 にほいくる

    にほひくるとなりの風を身にしめてありし軒端の梅ぞこひしきにおいくるとなりのかぜをみにしめてありしのきばのうめぞこいしきその翌年(1023年)私が十六歳の4月真夜中に出火して、家は焼け落ちてしまった。火事のあと、私たち一家は別の家に移り住んだ。お向かいの家には、白梅や紅梅がいくつも植わっていて、つぎの年も早春には、風にのって花の香りがこちらにまで漂ってきた。するとまた、梅の老木のあった焼け落ちた家のことが、無性に思いだ出されるのだった。にほいくるとなりの風を身にしめてありし軒端の梅ぞこひしきThescentofthebreezepermeatingmyheartfromthegardennextdoorremindsmeofthedearplumblossomsthatusedtobloombytheeav...たかすえドータの歌-9にほいくる

  • たかすえドータのうた-8 ふえのねの

    笛の音のただ秋風と聞こゆるになど荻の葉のそよとこたへぬふえのねのただあきかぜときこゆるになどおぎのはのそよとこたえぬ7月13日(1022年、私15歳)の夜は、さやかな月夜だった。となりの家の門前に先払さきばらいのお供の声がして、牛車ぎっしゃの止まる音が聞こえた。つづいて牛車のなかから男の声で、「荻の葉・・・荻の葉・・・」と、隣の家の女の人の名を呼んだ。くりかえし呼んだが、内からは返事がない。たぶん隣の人たちは、ぐっすり眠ってるのだろう。牛車のなかの男はあきらめやものか、美しい音色の笛を吹きながら、去っていってしまった。私は、さっそく一首。笛の音のただ秋風と聞こゆるになど荻の葉のそよとこたへぬThoughthesoundoftheflutecomesblowinggentlylikeanautumnblee...たかすえドータのうた-8ふえのねの

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