chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
本棚のすき間でつかまえて https://tsuccy1209.hatenablog.com/

読書感想ばかりを書いているブログです。

海外翻訳本を好んでよく読みます。科学・物理も時々やります。哲学も少しかじります。

tusccy1209
フォロー
住所
豊平区
出身
室蘭市
ブログ村参加

2017/03/22

arrow_drop_down
  • 辻原登「冬の旅」

    とある日に刑務所から出所した男の行方は? 5年の刑期を終え滋賀刑務所から出所した緒方(主人公)の所持金は17万とわずかだった。大阪の街に戻ってくると辺りを彷徨い、酒を飲んで女を買った。そして博打に手を出してしまうと、わずか3日で金は底をついた。やむなくドヤ街へ行き日雇いの仕事を求め――、腹が減れば公園の炊き出しにあずかった。寝る場所を求めてシェルターへ行き、定員オーバーならば公園で丸まって寝てしまう。どうしようもない男。冒頭では緒方のそんな「今」が語られる。しかし緒方は好きでこうなった訳ではないのである。現在→過去(回想)→現在(その後)という作りの今作。描かれるのは転がり始めて、その勢いを止…

  • モーパッサン「女の一生」 翻訳:新庄嘉章

    箱入り娘がみた夢 自死で生涯を閉じようとしたモーパッサン。今作を読むとモーパッサンが人生というものをどう捉えていたのかが解るような気がする。今作はプロット自体は現在においてはよくあるもので、将来を夢見る娘(箱入り娘)が大人になり現実を知って絶望を味わうというもの。貴族の家に生まれ何不自由ない青春時代を送ったジャンヌ(主人公)の前には輝ける未来があるはずだった。ジャンヌは美少年のジュリアンに出会い恋をした。ゆくゆくそれが実って結婚をして人生のレールを順調に進んでいるはずだった。しかしジュリアンは女癖が悪く、金に執着するケチな男だったことが後から解る。優雅に過ごしていたジャンヌの生活は一変し、貴族…

  • J.M.クッツェー「恥辱」 翻訳:鴻巣友季子

    デヴィッドが捨てたもの 南アフリカのケープタウンで大学教授をやっているデヴィッド。彼は二度の離婚を経験し、今ではもう結婚には興味がなくなっている。性欲は娼婦で満たせばいい……、そんな考えに落ち着いていた。しかしある日にデヴィッドは一人の女生徒に惹かれてしまう。彼は理性的であろうとしながら、結局は女生徒を手籠にしてしまう。その事実は教授と学生という関係上スキャンダルになった。デヴィッドは周囲から叩かれ謝罪を求められた。大学側は体裁があることだから世間が納得するように、どんな形であれ謝罪してくれとデヴィッドに頼んでくる――、そうすればこの先も大学に席を置いてやると、なかば脅しをかけてくるのである。…

  • プラトン「パイドン」 翻訳:岩田靖夫

    プラトン(紀元前427-紀元前347)著「パイドン」を読みました。今作のジャンルは哲学です。さて、どう感想を書いたものやら……、というのが率直な今の気持ちです。僕は哲学に関して知識はありませんので「何がどうだ」と書けるわけではありません。今作を読み終えた今、思い返してみてもこの本に何が書かれていたのか具体的には言えません。なんとなく解ったような気にはなったのですが正確なアウトプットなんてとても無理です。なのでこれはド素人がプラトンの著作を読んでとりあえず何かを書こうと試みたフワフワでスカスカの感想だと思っていただけるとありがたいです。以下感想です。 死刑を宣告されたソクラテスにとっての最後の日…

  • アンドレ・ブルトン「ナジャ」 翻訳:巖谷國士

    美を追求する姿勢 ひらめき、勘、直観、予感、第六感、etc…… ある時にふと、自分の行動はそんなものに導かれているのではないか? と感じてしまうことは誰にでもあるのだと思う。著者アンドレ・ブルトンはシュルレアリスムという思想の生みの親のようだが、新しい芸術の方向性としてただの現実ではなく、もっとこうひらめき的な現実(我々が現実と思っているものよりも、もう一段階上にある現実)を重視しようとしていたようです。言葉が未熟でごめんなさい。ここら辺は詳しい人におまかせします。 ブルトンの本当に求めたシュルレアリスムの形とは「一切か、無か」という究極のものだったようです。その意味では、この本はどちらでもな…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、tusccy1209さんをフォローしませんか?

ハンドル名
tusccy1209さん
ブログタイトル
本棚のすき間でつかまえて
フォロー
本棚のすき間でつかまえて

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用