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2016/10/28

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  • 『新版 障害者の経済学』中島隆信 東洋経済新報社 感想 経済学から見た障害者制度の矛盾とこれから

    あらすじ・概要 障害のある子どもを育てていた著者は、経済学者として障害者を考える。経済学における差別の考え方や、障害者雇用や制度の矛盾点を描く。障害者の労働はなぜ社会のお荷物人ってしまい、ひとりの労働者として認められていないのか、その背景を描き出す。 障害者雇用やA型、B型の抱える矛盾がしっかり書かれていて面白かったです。 差別や生産性の点では能力のある障害者は健常者と同等の待遇にされるべきですし、働けない人には働く以外の自己実現が提案されるべきですが、実際にはそうなってはいません。行政の無策により、税金を無駄にする状況が続いています。 障害者雇用の存在で能力のある障害者がいつまでも最低賃金の…

  • 『40代が、こんなにしんどいなんて聞いてなかった』フカザワナオコ 幻冬舎 感想 衰えを感じながらも前向きにやってみる

    あらすじ・概要 イラストレーターで漫画家の著者は、40代後半にして次々と体の衰えを感じ始める。更年期になったり、気圧に弱くなったり、肩にも不調が現れたり。老いていく自分を感じながらも、運動や健康な活動でより良い生活を模索していく。40代女性の体コミックエッセイ。 衰えを感じる悲しみと前向きさがよい 40代になり、衰えを感じ始めた著者。私もアラサーからアラフォーになりつつあるので他人ごとではありませんでした。 更年期でホルモンバランスが崩れたり、気圧で体調不良になったり。五十肩という関節の問題もあります。 今までの生活では生きていけないという落差に戸惑います。 体の変化って自分が望む望まないにか…

  • 『くおんの森』釣巻和 リュウコミックス 全6巻 感想 文字を食う魚と人間たちの現代伝奇ファンタジー

    あらすじ・概要 読んだ本をすべて記憶する能力を持っていた遊紙。彼は紙魚という文字を食らう生き物に憑りつかれ、読む本を読んだ端から忘れていくようになる。飢えたように本を読み続ける彼は「森人」を名乗る少女と出会い、この町の本にまつわる不思議な出来事を体験していくこととなる。 本にまつわる伝奇ファンタジー 紙魚に入り込まれた少年が不思議な体験をしていくシリーズ。序盤は連作短編の形に近いです。人でないものとの交流や、本にまつわる超常現象など、町で起こる不思議なできごとを描いていきます。 重要な生き物として登場する「紙魚(しみ)」は虫の姿ではなく魚の姿をしており、作中でも魚として扱われています。実際に実…

  • Thunderbolt Fantasy最終章 ネタバレ感想 関係性最高だったよ

    Thunderbolt Fantasy最終章見てきました! 面白かったです! シリーズ追いかけててよかった! 最後なのでごりごりネタバレ感想にしました。ネタバレしかないです。 TVシリーズからどうなるか気になっていた浪巫謠ですが、これ上ない丁寧な結論を出してくれました。 序盤は囚われの姫みたいなことになっていましたが、復活してからはとても頼もしかったです。 そして嘲風がものすごく美味しいところをかっさらっていって驚きましたね。サンファンのヤンデレはわりとハッピーな結末迎えてますよね。(他人がそれを幸せと認識するかは置いといて) 最後にアジベルファを哀れむところも、こういうところが浪巫謠の善性な…

  • NHK、ドキュランドへようこそ感想 米国議会襲撃・デニムハンター・国選弁護人

    NHKの海外ドキュメンタリー翻訳シリーズ、ドキュランドへようこその感想です。 相変わらずいいと思ったり悪いと思ったりいろいろですが、それも含めて面白いなあと思っています。 「米議会襲撃が再び起きたら シミュレーション 緊迫の6時間」前編&後編 「“スウィフティー”がアメリカを動かす? 歌姫テイラーに熱視線」 「“クィア”な人生の再出発 ボリウッド式カミングアウト」 「デニムハンター “青いお宝”を求めて」 「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」 「弁護士シェイナーの正義 米議会襲撃 “暴徒”の声に耳を傾ける」 「女たちがいなくなった日 “男女平等先進国”アイスランドの原点」 「AB…

  • 『食べものから学ぶ現代社会――私たちを動かす資本主義のカラクリ』平賀緑 岩波ジュニア新書 感想

    あらすじ・概要 現代の社会は、おにぎりひとつ取ってもグローバルなつながりの中にある。食べ物を例に出しながら、グローバル社会と大量生産・消費のシステムを考える。自分たちが当たり前だと思っている経済の常識は、実は常識ではないかもしれない。社会への価値観を変える本。 頭のない怪物としての資本主義 話し方は優しいですが、なかなか恐ろしい本でした。 最近話題の資本家といえばイーロン・マスクやトランプ大統領、ビル・ゲイツでしょうが、そういう人たちを追い落としたところで資本主義は終わりません。なぜなら資本主義は個人の意思を離れて巨大化し、その行く末は巨大企業の経営者にも、一国を導く政治家にも、誰にもわからな…

  • 『大物女優の付き人は、ほぼ奴隷の日々でした。』僕田友・西つるみ 本当にあった笑える話 感想

    あらすじ・概要 俳優の卵であった原作者は、大物女優の付き人をすることになった。いい経験になると思ったのは束の間、安月給でこき使われる仕事だということが判明した。大物女優のわがままさに振り回されたり、業界の闇を知ってしまったり、気苦労の多い生活を送る。果たして俳優になる夢は叶うのか? 面白いけどうらやましくはないエッセイ 話は面白いけどうらやましくはないです。むしろこんな仕事はしたくないですね。 有能で美人ですが当たりのきつい女優の付き人をやっていた人の話です。華やかな一方、振り回され方がおかしいです。 無茶な要求をされたり、給料が異様に安かったり。 かなりマイルドにはなっているもののの、芸能界…

  • 『私の彼女』南Q太 全2巻 デルフィーヌ・ド・ヴィガン原作 電書バト 感想 傷ついた作家の前に現れた都合の良すぎる女

    あらすじ・概要 主人公は作家として母親の自死を描いた。しかしその後、誹謗中傷や他人の期待への重圧によって精神的に不安定になる。そんな中現れたのがエルという女性だった。彼女は主人公の作品の熱狂的なファンであり、主人公を全肯定してくれる存在だった。主人公はどんどんエルに惹かれていくのだが……。 全肯定してくれる恐ろしい女性の話 原作つきの漫画ですが、かなり改編も入っているようなので翻案という感じでしょうか。 傷ついた女性の前に自分のことを全肯定してくれる誰かが現れる、というところまではラブロマンスあるあるです。しかしその彼女が主人公を飲み込むほどの危うさを持った人でした。 エルは誹謗中傷に傷ついた…

  • 『母が「女」とわかったら、虐待連鎖ようやく抜けた』あらいぴろよ バンブーコミックスエッセイコレクション 感想

    あらすじ・概要 父親に虐待されて育った著者は、自分が大人になってからもその影に苦しむこととなる。家庭を持ち出産し、息子に強い悪意を抱く自分を見て、著者は父親だけでなく母親との関係も見直すことになった。 父だけではなく母からも愛されていなかったことに気づく 著者は毒親ものの作品を何冊か出していますが、それぞれテーマが違うのが面白いです。今回は母親が自分の恋愛を優先させて父親の暴力を見逃した話です。 著者の母はダメな夫と別れようとせず、そのせいで子どもを危険にさらします。 物理的な暴力に出なかったという点では父親よりはましかもしれないですが、父親にぞっこんに惚れ込み、父親が自分を愛してくれるかどう…

  • 『神々の明治維新――神仏分離と廃仏毀釈』安丸良夫 岩波新書 感想 宗教統一への反感・闘争・従属

    あらすじ・概要 明治維新前後は「廃仏毀釈」という仏教を退け神道を推進する政策が取られた。しかし日本では仏教と神道の明確な境界線はなかった。信仰を奪われ神道的とされる習慣を押し付けられた人々は困惑する。 信仰の押し付けによって混乱する日本 信仰とは政府のプロパガンダで操作可能なのが恐ろしいと思います。政治家が信仰の話すると怖いのはここなんですよね。 そしてこの本で初めて「淫祀(いんし)」という言葉を知りました。社会的によろしくない信仰のことのようです。もちろんこのよろしくないというのは権力者にとってのそれなので一般民衆にとってどうかは別です。 たとえ一般民衆がよくわからない信仰を持っていたとして…

  • 『誇り高い技術者になろう[第二版]―工学倫理のススメ』黒田光太郎・戸田山和久・伊勢田哲治編 名古屋大学出版会 感想

    あらすじ・概要 技術者倫理。それは机上の空論やきれいごとではなく、技術者としての毎日の仕事に宿るものである。技術者倫理が問われた事故や事件を紹介し、その事件について語りながら、「誇り高い技術者」とは何かを考える。技術者は社会のために何ができるだろうか。 技術者にしかできない倫理的判断がある 技術者倫理というと内部告発や、倫理にもとる物品の制作を拒否するということが思い浮かびがちですが、この本を読むとそういう行為以外にも「倫理的な技術者の行い」が存在することがわかります。 障害者や性的少数者などが暮らしやすくなる技術を発案すること、技術者だけではなく他の仕事をしている人にもきちんと尊敬の念を持つ…

  • 『k.m.p.の、台湾ぐるぐる』k.m.p. 東京書籍 感想 一か月滞在した不思議でかわいい島

    あらすじ・概要 k.m.p.のふたりは、台湾を一か月旅行する。台湾のおしゃれなスポットや、文化がうかがわれる土地、食べ物や風景を豊富な漫画やイラストで紹介していく。台湾の人々の優しさや、台湾文化の面白さがわかるエッセイ。 写真文章漫画、全てが描かれているコミックエッセイ 写真、文章、イラスト、漫画、全てが書かれていて何エッセイとすればいいのかわからない本です。ブログでは便宜上コミックエッセイに振り分けています。 デザインに原色が多くて大きいデバイスで見ないと目がちかちかします。タブレット推奨ですね。 一か月も滞在しただけあって、台湾旅行記であまり取り上げないようなスポットもたくさん紹介されるの…

  • 『バックパックシリーズ』グレゴリ青山 感想 アジア諸国を再訪してとほほな経験をする

    あらすじ・概要 アジア諸国を旅する著者。中国や韓国、マレーシアやミャンマー、タイ、ベトナム、バリ島など。優しくもおかしい地元の人たちと触れ合ったり、トラブルに巻き込まれたり、他国の文化に触れたり。面白おかしい旅行コミックエッセイ。 相変わらずのとほほな旅行記がたまらない 『旅で会いましょう』『ふたたびの旅』「旅のうねうね」で一つのシリーズのようですが、一冊単位でも読めます。 著者がアジア諸国を旅するコミックエッセイ。一部日本の話やロシアの話もあります。 相変わらずとほほな旅行を繰り返し、気楽に読める内容なのがいいですね。人の失敗ほど面白いものはないですからね。 面白かったのはベトナムのバッチャ…

  • 『ものの言いかた西東』小林隆 澤村美幸 岩波新書 会話からわかる東北人と関西人の価値観の違い

    あらすじ・概要 方言は、単語や文法以外にもものの言い方に特徴を持つ。大げさで演技性が高く、軽妙なコミュニケーションを好む関西と、朴訥ながらも正直なコミュニケーションを好む東北。大阪、京都などの関西の人と、東北地域の人たちの話し方を比較しながら、ふたつの文化の違いを探る。 関西人としてあるあるな内容だった 大阪人としてはあるある~という感じで共感が深かったです。 ロールプレイが好きで、多少わざとらしくてもリアクションをし、笑いを重んじるのは一種のマナーであり社交であるんですよね。笑いは高度なコミュニケーションなので、「こういう高度なコミュニケーションをするほどあなたが好きですよ」ということでもあ…

  • 『次なるパンデミックを回避せよ 環境破壊と新興感染症』井田徹治 岩波科学ライブラリー 感想

    あらすじ・概要 新型コロナウイルスの大流行により、変わってしまった社会。しかしすでに次なるパンデミックは起こる可能性がある。野生動物や家畜と、パンデミックのリスクがどう関連するか解説し、動物との距離感を考える。環境保全は人間の健康を支えるかもしれない。 感染症によって問われる人間と動物の関係 環境問題とパンデミックの問題の関連性について語る本です。 人間がその生息域を広げ、動物たちとの接点が増えたことによって未知の病原体に接する機会も増え、パンデミックが起こる確率も高くなってしまっています。 エキゾチックペットの輸出・輸入もそれに拍車をかけています。環境保全としても珍しい動物の飼育はやめるべき…

  • 『日系人の歴史を知ろう』高橋幸春 岩波ジュニア新書 感想 ブラジルに渡った日本人たちのその後

    あらすじ・概要 日系ブラジル人を家族に持つ著者は、彼らのことを知ってもらいたいと日系ブラジル人たちの歴史を語る。棄民に等しい政策でブラジルにやってきた彼らは、ブラジルの自然や文化の違いと格闘しながら暮らしていた。出稼ぎのつもりだった一世たちはやがて、ブラジルに骨を埋めざるをえなくなった。 出稼ぎたちが帰りたくても帰れなくなったわけ 最初は出稼ぎとしてブラジルにやってきて、「ここで稼いだら故郷の日本に帰りたい」と思っていた日系人たち。彼らがブラジルに定住するまでの歴史を語ります。 最初は出稼ぎ目的だったのが、ブラジルで結婚をし子どもが生まれ、今更日本に帰っても新しく仕事を始めるのは困難。ブラジル…

  • 『世界の神話』沖田瑞穂 岩波ジ当時はそう思われていたさまざまな聖なる物語を比較してみよう

    あらすじ・概要 世界がどこから発生したのかや、人間創造の物語、神の力を借りる英雄譚など、神話はさまざまな物語を描き出している。世界にはどんな「聖なる物語」があるのか。地域ごとに特徴的な神話を紹介し、似ているところや独創的なところを比べて考える神話解説本。 世界各国の神話の関連性や独創性を見てみよう 一冊の本に各国の神話が載せられているわけなので内容はどうしてもダイジェストになりますが、その分神話ごとの関連性や特性を解説してくれてよかったです。 神話から遠い土地にも文化的なつながりがあることがわかったり、めずらしい神話から古代の人が独特な世界解釈をしていたことがわかったり。文化として神話を学ぶこ…

  • 『グーグーだって猫である』大島弓子 角川文庫 猫を拾い続ける著者の生活コミックエッセイ

    あらすじ・概要 サバという猫と死別した著者は、グーグーという猫を飼うことになった。やがて著者は庭に来た子猫を拾っては里親に出し、避妊手術を受けさせ、自分の家に迎え入れる。同時にがんとの闘病など、著者自身にも生活の変化があった。著者と家猫、野良猫たちの日々を描くコミックエッセイ。 猫好きとしては共感するけど猫増えすぎて怖い 日記のような独白がとても多く独特なテンポの漫画です。 猫が増えたり減ったりするのとともに、著者自身の人生も少しずつ変わっていきます。がんになって闘病したり、家を買ったり。猫とともに並走していく人生が面白かったです。 コミカルだけどどこか切なさの漂う作風が心地よかったです。 少…

  • 『新・韓国現代史』文京洙 岩波新書 弾圧・虐殺・デモとともにあった戦後史

    あらすじ・概要 戦後、南北に分割され、南側の朝鮮半島国家となった大韓民国。その歴史は、大国に翻弄され、弾圧や虐殺の爪痕残るものだった。歴史に韓国という国が登場した瞬間から、近年の韓国の諸問題まで、第二次世界大戦後の韓国の歴史をたどっていく本。 大国に翻弄されたり弾圧があったり そもそも敗戦国でもないのに南北に国家が分断された時点でとばっちりなのですが、韓国の不幸はそれで終わりません。 軍事政権の中で弾圧、同国民同士の虐殺を経験し、西側・東側諸国の思惑に翻弄され続けていました。韓国を翻弄したのは、日本も含まれます。 隣国に同民族の独裁政権を抱え、悪化する経済に苦しむ韓国の姿はつらかったです。 韓…

  • 精神疾患関連の新書おすすめ10選 自死問題・発達障害・統合失調症

    今日は精神疾患関連の新書おすすめです。 Twitterのアンケートで「読みたいまとめ記事」のアンケートを取ったところ、票が入ったので書きました。 適切な情報が手に入りにくいジャンルなので、参考にしてもらえれば幸いです。 自死問題 『過労自殺 第二版』川人博 『自殺予防』高橋洋友 『「死にたい」と言われたら 自殺の心理学』末木新 それぞれの病気について 『強迫症を直す 不安とこだわりからの解放』松永寿人・亀井士郎 『統合失調症』村井俊哉 『双極症障害【第2版】―双極症Ⅰ型、Ⅱ型への対処と治療』加藤忠史 『ギャンブル依存症』田中紀子 発達障害 『ルポ 高学歴発達障害』姫野桂 『発達障害 思春期から…

  • 『やさしい日本語ってなんだろう』岩田一成 ちくまプリマ―新書 誰もが理解できる簡単な言葉とは何か

    あらすじ・概要 わかりやすく、簡単な日本語で情報を伝えようとする「やさしい日本語」の運動。その運動のあらましや、文章を「やさしく」するコツ、現代の日本が抱える言語的少数派の悩みなどを解説。言葉による「やさしい」を考えると、少数派の日常の困難が見えてくる。 やさしさは人のためならず 外国人や障害のある人のための「やさしい日本語」の取り組みについて書かれた本。「やさしい」日本語がなぜ必要なのか語ります。 他の国の、言語的少数派のための「やさしい」言語の取り組みなども興味深かったです。 アメリカが公文書の簡略化に取り組んだエピソードは面白かったです。 日本語に興味を持って究めてくれるのはありがたいで…

  • 『生きづらい明治社会 不安と競争の時代』松沢裕作 岩波ジュニア新書 感想 「努力すれば報われる」はどう人間を蝕んできたか

    あらすじ・概要 貧困や格差、社会の断絶が問題となる昨今。明治時代の人々も、混迷の時代を生きていた。過剰な競争社会、貧困への自己責任論、恵まれない立場の人への無理解など……。明治時代の混乱を語りながら、「努力すれば報われる」がどうして間違いなのか考える本。 人間はなぜ「努力すれば報われる」と思ってしまうのか 人間の自由意思ってすばらしい、という価値観から距離を置き、「人間にはどうにもならないことがある」という前提から語っていく本です。自由を愛する人にはあまり楽しい話ではないかもしれませんが、生まれたときから運に恵まれなかった人にはこういう視点は大事だと思います。 徳川幕府が倒れて新しい日本の政治…

  • 『「勤労青年」の教養文化史』福間良明 岩波新書 感想 なぜ働く若者たちは学びに惹かれたのか

    あらすじ・概要 戦後の日本、「教養」というものに強い憧れがあった時代があった。働きながら学問を志した「勤労青年」に焦点を当て、当時なぜ「教養」が支持されたのか暴き出す。一般の人が学問をやることへの無理解や、教育格差を元に日本の不平等について語った本。 うらやましくもあるけど美化しない本 教養や文学に素直なあこがれがあった時代はうらやましくもありますが、「勤労青年」を過度に美化しない本でもありました。 働きながら教養を得たいという青年たちの欲求には、戦後の社会への反感がありました。選ばれた人間しか知識に触れることはできず、学びたいという欲求には冷淡で、閉鎖的な社会で「ここではないどこか」を求めま…

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