◆タケシ君の一番の問題は、強い自己中心性友達に勉強を教えに行くにしても、自分中心が強すぎて、相手や周りの子の事を考えずにトラブルになってしまうタケシ君。我の強い子だなーと思って見ていました。子ども達によく話をするのですが、自分の我を通しても何も良い事はありません。我を通すというのは、結局は自分への利益誘導ということになります。自分が得をするように我を通したいわけですが、得をするということは、誰かが...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
「ダメ」を捨てよう⑪学校というところは、子ども達の「ダメ」を刺激します。これまで書いてきた例のように、子ども達は「時間を味方にする」ことを覚えたらあとは努力を重ねることで目標に到達することができるのでしょう。学校での評価というのは、「時間」を味方にしてくれません。短時間の学びで、速くできるようになった子というのが高い評価を得るようになっています。速くできるようになった子がテストでの点数が良くなるの...
「ダメ」を捨てよう⑩初めは慣れなかったようでしたが、「考えても答えは分からないのだから、悩むだけ損。 悩むんじゃなくて、答えは先生から教えてもらう。 1つでも分かったら点数が上がるのだから、 何度でも再テストをして、100点を目指すことが大事です」こんな話を何度もしました。 すると、そのうち、ニコニコしながら一番に持って来るようになりました。見ると白紙です(笑)でも0点でも明るく笑うようになってい...
「ダメ」を捨てよう⑨「自己満足」が前進のエネルギーになる。だいぶ前に担任した子ですが、「自己満足」をベースとして普通の子とは全く違うアプローチで勉強をさせたら大きく成績が伸びた子があって、ビックリしたことがあります。その子は、勉強が嫌いで、家では宿題もテスト勉強も全くやってきませんでした。よっぽど家でやりたくないのか、、、と怒られて自分が嫌いになるよりはと、学校で宿題をすることもOKにしました。私...
「ダメ」を捨てよう⑧「できない」「できる」という考え方は白か黒か、という見方になります。価値観が2つしかありません。でも、人生にとって大事なのは白か黒かではなくて、グレーの部分なのだと言われます。「できない」から「ダメ」だという思考を捨て、その間の「できるようになる」というグレーゾーンに目を向けることが子どもにとって大事なんですね。「できるようになる」は、他人との比較ではありません。現在の自分と未...
「ダメ」を捨てよう⑦自分には能力がない、と思って諦めてしまったり、自分を責めて先に進められない子というのは「できない」「できる」の2つの価値観のみの傾向があるように思います。「できる」良い。「できない」ダメ。自分は出来ないからダメという考えになってしまい自分で自己肯定感を低くしてしまいます。「ダメ」というのは、何に対して「ダメ」なのでしょう?それは、人と比べて「ダメ」という事ですよね。九九を覚えて...
「ダメ」を捨てよう⑥福沢諭吉は、「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らずと云えり」と、「学問のすすめ」に書きました。人は平等に生まれたけれどその人生の結果は、学んだか、努力したかによると言っているわけです。「人は平等に生まれた」わけですが、何もしなければ、その能力は磨かれません。一生懸命努力したら、その努力の分だけ光るのでしょう。でも、小学校にいる子ども達を見る限り、自分には才能が無いという理...
「ダメ」を捨てよう⑤小学1年生で入学する際、ひらがなの読めない・書けない子がいます。でもこれは、就学前の経験数だと考えることもできます。何らかの原因で、自分はひらがなが苦手だ、読めないと思ってしまったら積極的にひらがなを読む練習はしませんし、本も見ないようにするでしょう。そんな積み重ねの結果が小学校に入学した時点での経験値の差となります。そして実際に小学校に入学すると、周りの子は「できる」のに自分...
「ダメ」を捨てよう④子ども達を見ていると、最初から努力もせずに諦めてしまう子が多い事に最近はよく気が付くようになりました。それは、自分が自転車に乗るようになってより強く感じます。例えば、音楽が苦手な子がいます。鍵盤ハーモニカが弾けないから自分はダメだと思うわけです。でも、鍵盤ハーモニカが上手い子というのは、ピアノを習っている子であったりするわけです。よく子ども達に話をするのですが、ピアノを習ってい...
「ダメ」を捨てよう③運動音痴な私でも、しかもロードバイクではなくスピードの出ないクロスバイクでビワイチ160kmを8時間半で完走することができた。琵琶湖岸を走りながら、寒く風の強くても走り続けた冬のトレーニングを思い返していました。全然ペダルが回せずに苦しかった坂道も思い返していました。でも、そういう日々の積み重ねがビワイチ160km・8時間半につながったのです。運動を避けに避けてきた私ですが、自...
「ダメ」を捨てよう②運動が大の苦手で嫌いな私ですが、50歳を過ぎて、スポーツバイク(クロスバイク)を始めました。ずいぶん体重が増えてしまったのでダイエット目的でもあったのですが、丁度、自転車に乗る決心をした時、精神的に参っていたという理由もあります。よく子ども達には話をするのですが、落ち込んだり、悩んだりするときは、洗濯機の中をグルグル回っているようなもので、単純な話で、自分から外にでる努力をして...
「ダメ」を捨てよう①福沢諭吉は、「天は人の上に人を造らず,人の下に人を造らずと云えり」と、『学問のすすめ』に書きました。人は皆平等に生まれ、生まれながらの貴賤の上下差別はない。でも世の中を見渡してみたら、賢い人もいるし、愚かな人もいる。貧しい人もいるし、お金持ちもいる。この違いはどこにあるのか。それは人は学ばなければ智は無いし、智の無いものは、愚人である。賢人と愚人の差は、しっかりと学んだか学ばな...
不安の強い子ども達⑰感情をぶつける私達は知らず知らずのうちに、子どもを支配し、コントロールしているのかもしれません。「怒る」というのも、よくよく考えてみたら自分が思い通りにならないことを子どもに押し付けようとする行為ですからね。子どもをコントロールすることが目的となります。「泣く」ことで他人をコントロールする人もいます。結局、心配や怒るということは大人の感情を子どもにぶつけている状態なのでしょう。...
「今まで知らなかったのだから仕方がない。これからどうしていくか」
不安の強い子ども達⑯自責感情③子どもが失敗をした。「何でこんなことをしたのか」「私の言った通りにしないから」「勝手なことをして」これは、過去を持ち出して、子どもの自責感情を刺激して管理下に置いてしまう叱り方、ということなのでしょう。「お前はダメだ」と繰り返していくわけですから、子どもの自己肯定感は低くなっていくばかりです。大人の指示通りしていけば失敗はないのですから、指示待ちは子どもにとって楽な選択...
不安の強い子ども達⑮自責感情②人の自責感情を刺激して、自分の思い通りにコントロールする人がいる。これは、同様な事を自分もしているのではないか?という反省にも繋がります。「何でこんなことをしたんだ!」「私の言ったようにしないから失敗したでしょう?」「失敗する前に相談しなさい」こんな叱り方は、よくありますよね。やってしまったことに対して批判することは簡単です。過去は変えることはできないのですから、「こう...
不安の強い子ども達⑭自責感情①人を支配下に置く人の手段として「自責感情を利用する人」がいると、最近知りました。例えば、アルコール依存症の人がいて共依存から脱出しようと妻が距離を取ろうとする。別居したとたんに、アルコールを飲んでしまい入院。「お前が居なくなってしまって飲んでしまった。 心が弱くてダメな俺だ」これは一見、ダメな俺を反省していますが、出て行った妻を暗に批判して責めているわけです。お前が出て...
不安の強い子ども達⑬「心配」③「心配」を子どもにぶつけ、子どもをコントロール下に置く。それは、親御さんだけの問題ではなくて、私達教員にとっても同様な問題が存在します。「休み時間に、先生が教室に居るものじゃない。 休み時間まで先生に監視されていたら 子どもは気が休まらないだろ?」何十年も前、先輩教員に教えてもらったことを今でもよく覚えています。子ども達が心配だから、何か問題が起こるかもしれないから教室...
不安の強い子ども達⑫「心配」②「心配」が他人の行動支配につながる。逆を言えば、「心配」だからという理由で、他人をコントロールしてしまう可能性があるということになります。「心配」という感情は未来に対する不安から発していると考えられます。「過去は後悔、未来は不安」未来を不安に思うのは、人間の性なのでしょう。だから、今を一生懸命生きる。いたずらに未来を心配していても事態は好転しないから、今出来ることを懸命...
不安の強い子ども⑪「心配」①タイスケ君のお母さんは登校を渋るんじゃないか、チックが出るんじゃないかと「心配」されていました。心配からの解放をテーマにしている本は多いですよね。でも、この「心配」が行き過ぎると子どもへの管理・支配に繋がってしまうようです。私の子どもは、成人もして大きいですが、未だに子どものことが「心配」です。10年も昔の話になりますが、息子が電車に乗って高校受験に行くという時に、「電車...
不安の強い子ども⑩昨日まで、不安の強い子どもの課題について考えてきました。人の価値観に合わせるのではなく、自分の進化に目を向けるようにする。そうすることで、人から学ぶ事ができるわけです。そこで今日からは、不安の強い子どもを取り巻く大人の課題について考えていきたいと思います。基本的に、子どもを管理コントロールすることが問題なのだと思います。言う通りにしたら間違いないという態度で接していけば、子どもを...
不安の強い子ども⑨“できたできた”の色塗りを教えた途端、タイスケ君だけでなく、他の子ども達からも「描けた! 描けた! 簡単に描けた! 嬉しい!」という声が上がってきたのです。これには驚いてしまいました。多くの子が「上手な絵」という勝手な概念に囚われていて自信を失っていたんだなぁと思いました。何が「上手な絵」なのか・・・それは長い事教員をやってきましたが、私にはよく分かりません。でも、下手な絵であって...
不安の強い子ども⑧タイスケ君の場合は、他者と自分を比べることや完璧を目指し過ぎるところがあったので、絵を描く時も悩み過ぎてしまって描けないことが沢山ありました。国語の授業で、教科書の挿絵に色を塗る事があったのですが、たった色塗りをするだけでも、ずいぶん時間が掛かりました。一つ一つの色を決めるのにも完璧をめざして悩んでしまうんですね。以前担任した子にも絵が描けない子がいました。その子は「どの色が正し...
ピチューはピチューで、努力して自分を進化させていくことが大事
不安の強い子ども達⑦タイスケ君の問題は、私と同じで、自分の行動基準が、他者基準になっているからではないか?そんな風に思いました。先生の基準を完璧に実行したい。だから指示待ちであり、行動に許可が必要になってしまう。でも、先生や大人の考えは100%分かるはずがないのだから、心は疲れてしまうのですね。他者基準の行動様式ではなく、自分の成長に目を向けて行く。それが、タイスケ君には必要だと思いました。よくタ...
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◆タケシ君の一番の問題は、強い自己中心性友達に勉強を教えに行くにしても、自分中心が強すぎて、相手や周りの子の事を考えずにトラブルになってしまうタケシ君。我の強い子だなーと思って見ていました。子ども達によく話をするのですが、自分の我を通しても何も良い事はありません。我を通すというのは、結局は自分への利益誘導ということになります。自分が得をするように我を通したいわけですが、得をするということは、誰かが...
◆タケシ君の一番の問題は、強い自己中心性授業で課題が早く終わったら、友達に教えにいく。友達への親切を実行させるのですが、タケシ君は、それにも課題がありました。ある時、女の子に教えているところを見ました。その女の子は見た目はか弱そうに見えるのですが、実際には勉強もできる子でした。でもタケシ君はクラス替えをしたばかりで、その子の実力をよく分かっていなかったのでしょう。相手の子の意思に関係なく、「俺が教...
◆タケシ君の一番の問題は、強い自己中心性以前担任した給食を全て配膳した子とは違って、タケシ君は、授業はちゃんと受けていましたし、成績的には学年の上位にいる子でした。上位にいるからこその問題があって、課題があっという間に終わってしまうので、彼の場合は、時間が余って暇となってしまうという問題がありました。そういう時に限って、友達とのトラブルを起こしてしまうのです。とにかく子どもを暇にしてはいけないとい...
◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 3誰かの為になる行為。それは、子どもにとっての「お手伝い」ということになるのでしょう。自分のしたいことでなくて、人の為になることをする。そうすることで、子どもの心は救われていくように思います。給食を全て配膳した子は、実際にはほとんどの授業に参加できずに、毎日机にうつ伏せになって何も授業を受けない状態でした。特に算数は、低学年で習う掛け算も全部覚えていない...
◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 2普段、宿題もロクにやらない子だったのですが、宿題を終え給食室に給食が運び込まれたのを確認すると、驚くようなスピードで全てを盛り付け、クラス全員の机に配りました。4時間目が終わり、クラスの子が帰ってくる前に終わらせたかったのでしょう。ほぼ給食を配り終えた時、クラスの子ども達が教室に帰ってきました。「わ~~すごい! ありがとう!」口々に子ども達は歓声をあげ...
◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 1身体を動かして気分を変えることが大事だとタケシ君に話をしましたが、話をしてすぐに変わることなど、なかなかできる事ではありません。でも、何か嫌なことがあったときに止まってしまうことが彼の心のケアのために一番良くないので、とにかく体を動かすこと。そのために、一番良いのが「クラスの為になるお手つだい」だと思っていました。たいていのお手伝いは体を動かすことを伴...
◆体を動かせば気分は晴れる 8こじれてしまっている不登校の場合、朝散歩も大変かもしれませんが、初めは難しいくても、心のケアのために短い距離から始めていけばよいと思います。最初は家の周りだけでも良いので、15分間日光に当たるだけでも効果はあるそうです。学校の門をくぐれなくても良いのです。門をタッチする、一歩だけ踏み入れる、そんなゲーム感覚で活動量を増やしていく。学校では、時間の長い休み時間には外に出て...
◆体を動かせば気分は晴れる 7同僚で、登校を渋っている子と毎朝一緒に歩いて登校した人がいます。その子は、同僚のおかげで毎日登校することができ、翌年は渋ることもなかったのです。昨年も登校を渋る子がクラスの中にいたようですが、いつの間にか、その子も登校できるようになっていました。同僚が一緒に登校するところを見ませんでしたが、親御さんが一緒に遠い道のりを歩いていらっしゃるのを度々見ました。体を動かすこと...
◆体を動かせば気分は晴れる 6人は体を動かして行動したら、暗い気分から脱出できる。これは、科学的にも実証されていて、厚生労働省は、身体活動が気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの不調を改善するとしていますし、軽い運動でもストレスを解消させるためのホルモンが分泌され、心が安定し、ポジティブになりやすいという研究もあるようです。自分自身も、ネガティブな思考を減らすために自転車や登山に挑戦し...
◆体を動かせば気分は晴れる 5クラスに話したことの続き「だいぶ前に担任した子だけど、彼女はとても怖がりで、運動能力は低くはないのにジャングルジムの1段を上ることさえできませんでした。この子の悩みは、同じクラスのある女の子の存在でした。相手の子は、彼女をいじめていたわけではないと思います。ただ、言葉がキツイところがあったので、怖がりの彼女には、普通の子ならスルー出来る言葉も全て攻撃されているかのよう...
◆体を動かせば気分は晴れる 4クラスに話したことの続き「小さな小さな筒で、嫌な事を一生懸命見ていたって幸せはやってきません。それは、嫌な事を何度も何度もよく見て、忘れないようにしよう、記憶にとどめておこうってすることだから自分の中に不幸を集めているようなものです。そんな筒は捨ててしまって、嫌な事から出来る限り目をそらす。そうしたら楽しいことや美しいことは見えるようになる。それが幸せの道だって、アラ...
◆体を動かせば気分は晴れる 3クラスに話したことの続き「みんも、美しいもの、幸せなことをたくさん見つけられるようになりたいよね。」こんなことを言うと、子ども達は一斉にうなずきます。「以前の私は、全然こういうことが分からなかったけれど自然の美しさ、人の優しさなんてものが分かるようになってきて、あぁ幸せだなーなんて思うようになってきました。幸せっていうものは、どこからかやってくるものじゃない。TDLとかユ...
◆体を動かせば気分は晴れる 2大事なのは、嫌な感情を長く持たないこと。これが凄く重要で、長く心の中にあればあるほど嫌な思いは、自分の記憶の中で強化されてしまいます。クラスの子ども達を見ていると、子ども達はどうしても嫌なことに焦点を合わせてしまいがちです。それは大人も同じだと思いますが、世の中は楽しい事や嬉しいことも溢れているのに、嫌な事ばかり焦点を合わせていると、美しいものや幸せに目が向かなくなっ...
◆体を動かせば気分は晴れる 1タケシ君の問題は、友達との関係が上手くいかない事です。自分中心が強く、友達との意見の衝突が多くありました。普段は大きな声で自分を主張するので、相手が引っ込むのですが、そうでなく、自分の主張が通らなかったり、相手に嫌な事をされた場合は、途端に動けなくなってしまい、能面のような顔になってしまうのです。ある時は、体育の授業中に嫌なことがあったのか、能面のように無表情な顔にな...
私の学級運営の柱に「お手伝い」があります。どんなに行動に問題がある子でも、心の在り方がこじれてしまった子でも、友達関係がうまくいかない子でも、「お手伝い」を通して大きく成長していくし、友達関係もとても良くなっていきます。しかも、成績も向上していくのです。これが本当に不思議なのですが、子どもの心身の成長にとって「お手伝い」は不可欠なのだと思います。タケシ君は、孤独な子でした。発言力はあり、普段から大...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 8◆自分勝手な価値観に縛られない普遍的な価値観で生きる彼には難しい話をしましたし、どこまで理解できたかも分かりません。ただ、この日から彼の乱読が始まったようにも思います。要約本ではありますが、ニーチェや自助論を読む小学生なんてちょっと想像を超えています。でも、小学生でも読めるというのに驚かされます。昔の子どもは、四書五経を学び、剣の修練もしていました。四書五経は普遍的...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 7◆自分の役目とは何なのか。生まれてきた意味とは何なのか。ヨウイチ君に話したこと つづき「君は賢いと思う。いろんな事に気づけるし、考えることもできる。でもそれを、友達の為やクラスの子の為に使っていこうって思うことが、とてもとても大事。自分勝手に使うったら、喧嘩になるけれど友達のために使うんだよ。そうしたら、”ヨウイチ君っていい子だなー”ってことになって、どんどん仲間が増...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 6◆誰とでも仲良しになれる方法とはヨウイチ君に話したこと つづき「将来、良いアイデアが浮かんで、世の中の為に行動していこうと思うこともあるでしょう。でもそのアイデアっていうのが、宇宙船地球号の乗組員のみんなが賛成!って思わなきゃ誰も協力してくれないよね。そして大事なのは、何かを成そうと思ったら自分の力だけでは無理で、仲間の力を借りなきゃ成し遂げられない。そのために、宇...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 5◆周りの人が仲間になってくれるような考え方や行動を身につけていくヨウイチ君に話したこと つづき「ただ、何かを実行しようと思うと、それが正しいかどうか分かりません。だから不安になってしまう。じゃぁどうするか?です。もし、それが正しければ人は「ありがとう」と言ってくれるでしょう。善きことをしている君を見て、いいなと思って一緒にやってくれる人もい増えていくでしょう。配膳台拭...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 4◆無言実行は自分が苦しまない方法ヨウイチ君に話したこと つづき「僕の言ったことは相手には分からない。逆をいったら、相手の言ったことが僕には分からないってことも当然ある。結局ね、人は僕の考えていることは分からないし、僕も人の考えていることは分からないってことなんだよ。でも君は、いろいろな人の考え方を知る道を歩まないといけないよ。何といっても、宇宙船地球後の仲間と仲良く...
ある日のこと、1日に2回もヨウヘイ君がミスをしたことがありました。1つ目は、絵具を使っていて筆を振り回してしまい、友達の洋服に絵具が飛んで汚してしまいました。「でも、僕は・・・」と言いかけたので、「どんな理由があったかは知りませんが、友達の服を汚してしまったのは、君の責任です。絵具を使う時は、周りを汚さないように気を付けるものです。」「でも君は、気を付けなかったでしょ? 筆を振り回したら絵具が飛ぶ...
2学期になっても、相変わらず漢字を書くのに時間が掛かり、友達とのトラブル続きのヨウヘイ君でしたが、あるとき、ケイタ君と一緒に悪戯をして叱られたことがありました。2人を前にして私は指導するのですが、この2人の様子が、まるっきり違うのです。ケイタ君は、私に指導されて泣いています。でもヨウヘイ君は、一緒に立っていて聞いてはいるものの、どこか他人事のような感じがしたのです。もちろん、以前のようなブツブツ言...
その日も、ヨウヘイ君は友達と喧嘩をしてしまい、私の注意を受けていました。相変わらず、目を逸らし、口でブツブツ何かを言っています。顔は能面のように無表情です。お母さんとの話で、私との信頼関係や指導の問題というよりヨウヘイ君自身の深刻な問題なのだろうと思いました。剣道のコーチの言葉も素直に受け入れられないのは、自分の欠点を認めたくない、傷つきたくない、そんな心の状態なのだろうと思いました。そして喧嘩を...
自分の”できない”を正視したくない。なんとか自分を保とうと、人の話が聞けずに”でも”、”だって”と、自分以外の処に責任や理由をもっていこうとする。そんな姿じゃないだろうか、と思ってヨウヘイ君を見ていました。いつも同様な喧嘩を繰り返してしまうのです。ヨウヘイ君には私の指導が全然入っていかないので、学んで自分を変えていくことができないのです。ただ、それを指摘する勇気は、その時の自分にありませんでした。私の指...
漢字の学習法についてクラスに話をしましたが、だからといってヨウヘイ君が急によくなるものでもありません。こういうことは心に届くまで時間が掛かるもので、何度も何度も同様な話をしていく必要があります。教員の側にも時間を味方にした指導が必要になってくると、いつも思います。ヨウヘイ君の自分の”出来ない”に向き合えない態度は、学習面だけではありませんでした。ジャンケンで負けたのを怒って友達を叩いてしまったことが...
クラスの子どもに話したこと。2大人ですごく仕事のできる人っていうのは、他人の力を使うことがとても上手です。自分の力だけで頑張るより、友達と一緒に協力してやった方がきっと良いものができる。こういうことは、みんなでも分かるよね。例えば、大事な書類を作るとき、自分ひとりで頑張ってその書類を作るより、ひとまず書類を作って、誰かに見てもらって直して書類を作り直した方が良いものができる。そんなのは当たり前のこ...
クラスの子どもに話したこと。1新しく習った漢字だもの、今まで知らなかった漢字が急に書けるはずがないよね。もちろん、漢字が好きで、今まで練習していた人は別だよ。でも習ったばかりのことが完璧にできるハズがない。これは漢字だけじゃなくて、算数でも、体育でも、図工でも、どんな教科だって同じです。みんなは、何のために学校に来ているかというと、今まで出来なかったことを出来るようにするために学校に来ています。だ...
ヨウヘイ君は、自身の無能感から逃げている。だから、その無能を自覚させて謙虚に学び、有能になっていこうと努力する道を歩むようにする。そうすることで、本物の自己肯定感を得られるようになり、楽しく学校生活を送ることができるようになるだろう。。。これは仮説にしか過ぎませんでしたが、自分の学びの過程で得られたものだったので、何となくではありましたが、確信めいたものがあったのも事実です。学校はとても不思議なと...
無能感は謙虚に近い考え方で、自分を伸ばしていくためには、無能感は必要。じゃあ、目の前にいるヨウヘイ君に「君は無能なんだ」と言ったとしたら、それは彼を否定することになるし、彼の自己肯定感は無くなってしまうのではないか?私は10年ほど学んできて、自分が無能であるのなら学んで出来るようにしていけば良いと、かなり徹底的に言われ続けてきました。習い事ですから、できるようになるのが目的で最初から出来るはずがな...
「できない人」という現実。でも、こういう時に持つべきはメンターの存在で、私は、師匠にすぐ相談してしまうんです。出来ない自分を自覚することは自己肯定感が無くなってしまうのではないか・・・と。すると、意外な答えが返ってきました。師匠は、「無能だと思えるから学びができる」と言うのです。『自分が無能だと自覚ができれば、有能になれる道を探すことができる。でも自分自身の無能さから逃げていたら、有能への道からど...
自分の能力の中で一生懸命やって、人から注意されないように必死になっていた自分。ということは、自分の中にある能力だけで足掻いて、新たなモノを身につけるチャンスをことごとく排除してきたってことではないか?と、次第に思うようになりました。もちろん、長く生きてきているので何らかの学びはあったと思うし、成長もあったと思います。でも、人から学ぶということが極端に少なかった。師匠に出会うまでは本もロクに読んでな...
自己否定は自己肯定の第一歩 8弟子入り10年で、やっと真似の大切さが分かってきた。じゃぁ、今までの私は何だったんだろうと考えてしまいました。人から指導されたり注意されることがまるで自分を否定されたかのように受け取ってしまっていた自分。たぶん指導してくださった人は、とても親切な優しい人だったんだと思います。でも、それを素直に受け入れられなかった私。当然、相手の親切や優しさに気づけず、自分を攻撃してく...
自己否定は自己肯定の第一歩 7総合的な力を身につけて習い事を上達させる。そのためには、どうしたら良いのだろう。こんなことを考えて行きついたのが「真似る」でした。習い事の上達のためには総合的な力が必要だと師匠は簡単に言うけれど、要は定石である基礎基本を知り、状況に応じて考えて判断して、それらの技術を使っていく力ということなのだから、一代で会社を大きくした会社経営者の師匠と私では、そりゃぁ知識も経験も...
自己否定は自己肯定の第一歩 6習い事の修行より、本や映画、風景などの学びばかりだったこの10年ですが、なんだかんだと、それら一つ一つに素敵な学びがあり、10年も経つと、自分の根本的な思考が変わってきたなーという実感があります。習い事は相変わらず下手ですけどね。私の習い事には様々な基礎基本があります。それはどんな習い事にも言えることだと思います。例えば、ヨウヘイ君が習っている剣道だって、基礎基本があ...
自己否定は自己肯定の第一歩 5失敗したくない。人からの注意を受け入れられない。そんなやっかいな性格を長い事引きずって生きていたのですが、転機となったのは、やはり習い事を通しての師匠との出会いです。習い事ですから、私自身は人から学ぶ意欲は強い方だと思います。ヨウヘイ君も剣道を習っていて、学年の大会で入賞するなどしていました。私の場合、学び始めてもうすぐ10年になりますが、やっと、真似ができるようにな...
自己否定は自己肯定の第一歩 4漢字練習で直されることを極端に嫌う子は、ヨウヘイ君だけでなく多くの子に見られる現象です。実は、過去の私も同じようなタイプでした。例えば、授業研究をするために指導案を書きますが、検討会で同僚からあれやこれやと言われるのが極端に苦手でした。それは自分を否定されたかのように思ってしまうからです。そのため、他者からイロイロ指摘されないような完璧な指導案を初めから作りたいという...
自己否定は自己肯定の第一歩 3ヨウヘイ君の異常な勝ちへのこだわり。でも気になったのは、それだけではありません。ヨウヘイ君の場合、学習への取り組みに時間が掛かりすぎる問題がありました。一番気になったのは、漢字の練習です。私は、新出漢字の学習では、1時間の授業内で注意ポイントを教え、練習し、提出して間違いがあればその場で直す形にしています。ヨウヘイ君の場合、その提出までの時間が掛かりすぎるのが問題でし...
自己否定は自己肯定の第一歩 2「ヨウヘイ君とコウタ君が喧嘩してる!」4月、新しい学級がスタートした途端のことです。クラスの女子が訴えてきました。どうしたことかと駆けつけてみると、男の子2人が叩き合って喧嘩をしています。話を聞くと、ジャンケンで場所取りをするゲームをしていたそうですが、ジャンケンで負けたヨウヘイ君が怒ってコウタ君を叩いてしまい、そこから叩き合いの喧嘩になってしまったとのことでした。ジ...
自己否定は自己肯定の第一歩 1立春が過ぎた2月の中旬、久しぶりにヨウヘイ君が登校してきました。インフルエンザで1週間休んでいたのです。それはもう、朝から喧しいこと、喧しいこと。「先生!先生! オラ、もう朝の用意をした!」「先生!先生! 外遊びに行ってくる!」朝っぱらから、大きな声で大騒ぎです。2月の私のクラスは、インフルエンザが流行してクラスの2割程度がお休みしていました。その間、クラスはとても静...
以前の私は、クルミさんと同様に他者の失敗を許せなかったし、自分も許せませんでした。それは、なんてバカらしいことだったのかって今では真面目に思います。誰もが失敗をする。人は人生という長い道のりを歩み、自分の幸せを獲得していくのだと思いますが、失敗するからこそ、そこで考え、改善していける。そこでの思考や取り組みが、その人の自由なんだ!それなのに、他者の失敗を糾弾したり、自分の失敗を悔いたり、、、、それ...