◆体を動かせば気分は晴れる 7同僚で、登校を渋っている子と毎朝一緒に歩いて登校した人がいます。その子は、同僚のおかげで毎日登校することができ、翌年は渋ることもなかったのです。昨年も登校を渋る子がクラスの中にいたようですが、いつの間にか、その子も登校できるようになっていました。同僚が一緒に登校するところを見ませんでしたが、親御さんが一緒に遠い道のりを歩いていらっしゃるのを度々見ました。体を動かすこと...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
他者貢献の心・自主的な行動を、どれだけ肯定し伸ばしていけるか
ワンチームの学級運営術⑪自主性を育てるためには、他者貢献がヤル気や楽しさの源泉であるから、クラス内の仕事をどんどん任せみることが肝なのでしょう。仕事をしたらオキシトシンは出るし、ドーパミンも出ますからその楽しさを味わうことができるわけです。「行為を肯定するようにホルモンが分泌される」のですから、他者貢献をしている子は、さらに自主的な行動が増えていきます。また、思い立ったら実行できるという環境を提供...
ワンチームの学級運営術⑩体育の着替えも同様なことがありました。1年生なので、短い休み時間では着替えが授業時間に食い込んでしまう可能性があります。なので、ある日、「今日の体育は3時間目です。 みんな、長い休み時間は外で遊びたいよね。 図書室にも行きたいよね。 授業は、普通の服で受けるのが基本ですが、 いつ着替えるか、自分で考えてごらん」と言ったところ、その日は、みんな1時間目が終わったら自主的に着替...
ワンチームの学級運営術⑨先日、子どもが「連絡帳を書いていいですか?」と言ってきました。連絡帳には、時間割と宿題くらいしか書かないので、子どもは何を書くか、予想がついているのでしょう。内心(え~~!?)という感じでしたが、まっ、毎日同じだからいいかっ、と「いいよ。」と答えました。するとその子は、自分の連絡帳を書いて「これでいい?」と聞いてきました。「いいよ。」と答えると、その子は、連絡帳係の子を呼ん...
ワンチームの学級運営術⑧私のクラスは、子どもたちはヤル気があって行動がとても早いと同僚から褒められたのですが、その実は、ヤル気があるから早いのではなくて、スピードを上げることがヤル気を刺激し、良いサイクルを生み出しているということなんですね。スピードに関して、最近『エメットの法則』というのを知りました。エメットの法則とは、仕事を先延ばしにすると、実際に仕事をこなすよりも多くの時間とエネルギーを消耗...
「ゆっくり」より「速い」方が、 子どもはスッキリするし楽しい
ワンチームの学級運営術⑧まず行動するというスピード感は、ドーパミンを刺激しますが、どうも人は本来、スピードを出すことでスッとしたり、楽しいと感じたりするようです。特にこれは男性に傾向があるようで、速さを競う競争や、遊園地のジェットコースターなど、スピードを感じる遊びが人気なのは、本能によるものなのだそうです。男性は動物を狩り、食料を調達するために競争が必要だったから、スピードに憧れがあるし、速い事...
ワンチームの学級運営術⑦とにかく先に行動したらドーパミンを味方にすることができる。その為には、行動あるのみ。でも実際の図工の場面では、先に・・・といっても構想が無ければ動きようがありません。そこで考えたのは、教科書を真似ることです。大人は、どうしても子どもの創造性に重きを置いてしまって「学ぶ」とは「真似ぶ」であることを忘れてしまいます。学校というのは、日本人の文化の伝承の場であるのだから、教科書を...
ワンチームの学級運営術⑥先に行動したら「悩まない」のだから、まず行動する。そして困ってから考える。そんなことを何度も何度も指導していきました。例えば図工なら、まず描き始めさせることが肝になります。描かずに考えるから悩むわけです。ヤル気は神経伝達物質のドーパミンによってもたらされるそうです。ドーパミンは幸せ物質の一つと言われますが、何か実際に行動を起こしている時に活性化するのだそうです。つまり、行動...
ワンチームの学級運営術⑤オキシトシンは幸せ物質と呼ばれているだけあって、その効果は抜群にあり、私の学級運営の柱のひとつではあるのですが、もう一つ、重要視しているのはスピードです。以前担任した子ですが、何をするにもゆっくりな子がいました。給食を食べるのもゆっくりで、いつも時間に間に合いませんでした。着替えも遅く、いつも次の授業が始まってから一人、更衣室から帰ってきていました。特に遅かったのが図工です...
ワンチームの学級運営術④担任1人ができないことを子どもみんなが一緒に実行したら、不可能が可能になる。この気づきは、とても大きなものに思えました。もちろん、それまでも子ども達に出来るだけ仕事を任せたし、いつも「子ども達ができることは何か?」と考えていました。それは、学級の様々な雑用を私一人で抱えるのではなくて、子ども達に任せてみようという発想からでした。でもある時、オキシトシンという脳内ホルモンを知...
ワンチームの学級運営術③4時間目の体育館体育。1年生にとっては、なかなかの鬼門です。授業は早めに終わらせましたが、時間的に着替えは難しいなぁ…と思いました。体育館での授業で、それほど体操服も汚れていないので、子ども達に「時間が無いから体操服のまま給食準備に取り掛かろう…」と言いかけました。でもこれは一度、子どもにも聞いてみようと思い、「体操服のままの給食準備はよくないけれど、 それほど汚れていないか...
ワンチームの学級運営術②「お気楽先生は、子どもがいる間、もの凄く働いてみえるから 仕事が早く終わるのですね。」同僚にこのように言われたのですが、この言葉は、私には全然ピンときませんでした。余裕をもって仕事をしているからです。以前、この同僚に、私のクラスの給食準備と片づけがとても早い事に驚かれたことがありました。その日は4時間目が体育だったのですが、移動や着替えも考えて体育を早めに終わらせました。と...
ワンチームの学級運営術①先日、ある同僚から仕事を早く終わらせる為にはどうしたら良いか?という相談を受けました。授業後、私がテストやプリント類の丸付けを全然やっていないのを不思議に思ったようです。また、他の同僚からは「お気楽先生は、子どもがいる間、もの凄く働いてみえるから 仕事が早く終わるのですね。」と言われて、逆に驚いてしまいました。残業をしなくても済むように子どもがいる時間にフル稼働で動いている...
自転車で走るのはそりゃぁ苦しいですが、その壁を乗り越えていく感覚が喜びになる。ビワイチ160kmも大変でした。天気の良い日を選んだのですが、最初は順調だったものの、途中で向かい風は強くなるわ、目指す方向には黒い黒い雲が見えるわ。。。琵琶湖の道は基本的に平坦なのですが、一か所、山越えをしなければなりません。ちゃんと自転車から降りずに山越えができるか心配していたのですが、その山の辺りで大雨となりました...
「ダメ」を捨てよう⑬「できる」「できない」の白と黒で判断するのでなく、その間の「できるようになる」というグレー部分を大事にする。実は、そこに人生の喜びというものがあるのかもしれないと最近では思っています。1年前に始めた自転車。始めは5kmを走るのがやっとでした。ヘロヘロになりながら、毎朝8km30分を目標に練習を始めました。2週間たったら距離を伸ばそうと思いましたが8kmでも必死なのに距離を伸ばせ...
「ダメ」を捨てよう⑫ラベリング論というものがあるようで人は、他者によってレッテルを張られることで、行動を制限されてしまうようです。もともとは、黒人は…といったように、特定の人々に対して曖昧だけれどもマイナスなレッテルを張ることで社会的に排除していく過程を言ったそうです。例えば、白人と黒人が同じ罪を犯しても黒人だけが逮捕される、ということが起こるわけです。そのラベリング論の応用で、面白い実験がありまし...
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◆体を動かせば気分は晴れる 7同僚で、登校を渋っている子と毎朝一緒に歩いて登校した人がいます。その子は、同僚のおかげで毎日登校することができ、翌年は渋ることもなかったのです。昨年も登校を渋る子がクラスの中にいたようですが、いつの間にか、その子も登校できるようになっていました。同僚が一緒に登校するところを見ませんでしたが、親御さんが一緒に遠い道のりを歩いていらっしゃるのを度々見ました。体を動かすこと...
◆体を動かせば気分は晴れる 6人は体を動かして行動したら、暗い気分から脱出できる。これは、科学的にも実証されていて、厚生労働省は、身体活動が気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの不調を改善するとしていますし、軽い運動でもストレスを解消させるためのホルモンが分泌され、心が安定し、ポジティブになりやすいという研究もあるようです。自分自身も、ネガティブな思考を減らすために自転車や登山に挑戦し...
◆体を動かせば気分は晴れる 5クラスに話したことの続き「だいぶ前に担任した子だけど、彼女はとても怖がりで、運動能力は低くはないのにジャングルジムの1段を上ることさえできませんでした。この子の悩みは、同じクラスのある女の子の存在でした。相手の子は、彼女をいじめていたわけではないと思います。ただ、言葉がキツイところがあったので、怖がりの彼女には、普通の子ならスルー出来る言葉も全て攻撃されているかのよう...
◆体を動かせば気分は晴れる 4クラスに話したことの続き「小さな小さな筒で、嫌な事を一生懸命見ていたって幸せはやってきません。それは、嫌な事を何度も何度もよく見て、忘れないようにしよう、記憶にとどめておこうってすることだから自分の中に不幸を集めているようなものです。そんな筒は捨ててしまって、嫌な事から出来る限り目をそらす。そうしたら楽しいことや美しいことは見えるようになる。それが幸せの道だって、アラ...
◆体を動かせば気分は晴れる 3クラスに話したことの続き「みんも、美しいもの、幸せなことをたくさん見つけられるようになりたいよね。」こんなことを言うと、子ども達は一斉にうなずきます。「以前の私は、全然こういうことが分からなかったけれど自然の美しさ、人の優しさなんてものが分かるようになってきて、あぁ幸せだなーなんて思うようになってきました。幸せっていうものは、どこからかやってくるものじゃない。TDLとかユ...
◆体を動かせば気分は晴れる 2大事なのは、嫌な感情を長く持たないこと。これが凄く重要で、長く心の中にあればあるほど嫌な思いは、自分の記憶の中で強化されてしまいます。クラスの子ども達を見ていると、子ども達はどうしても嫌なことに焦点を合わせてしまいがちです。それは大人も同じだと思いますが、世の中は楽しい事や嬉しいことも溢れているのに、嫌な事ばかり焦点を合わせていると、美しいものや幸せに目が向かなくなっ...
◆体を動かせば気分は晴れる 1タケシ君の問題は、友達との関係が上手くいかない事です。自分中心が強く、友達との意見の衝突が多くありました。普段は大きな声で自分を主張するので、相手が引っ込むのですが、そうでなく、自分の主張が通らなかったり、相手に嫌な事をされた場合は、途端に動けなくなってしまい、能面のような顔になってしまうのです。ある時は、体育の授業中に嫌なことがあったのか、能面のように無表情な顔にな...
私の学級運営の柱に「お手伝い」があります。どんなに行動に問題がある子でも、心の在り方がこじれてしまった子でも、友達関係がうまくいかない子でも、「お手伝い」を通して大きく成長していくし、友達関係もとても良くなっていきます。しかも、成績も向上していくのです。これが本当に不思議なのですが、子どもの心身の成長にとって「お手伝い」は不可欠なのだと思います。タケシ君は、孤独な子でした。発言力はあり、普段から大...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 8◆自分勝手な価値観に縛られない普遍的な価値観で生きる彼には難しい話をしましたし、どこまで理解できたかも分かりません。ただ、この日から彼の乱読が始まったようにも思います。要約本ではありますが、ニーチェや自助論を読む小学生なんてちょっと想像を超えています。でも、小学生でも読めるというのに驚かされます。昔の子どもは、四書五経を学び、剣の修練もしていました。四書五経は普遍的...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 7◆自分の役目とは何なのか。生まれてきた意味とは何なのか。ヨウイチ君に話したこと つづき「君は賢いと思う。いろんな事に気づけるし、考えることもできる。でもそれを、友達の為やクラスの子の為に使っていこうって思うことが、とてもとても大事。自分勝手に使うったら、喧嘩になるけれど友達のために使うんだよ。そうしたら、”ヨウイチ君っていい子だなー”ってことになって、どんどん仲間が増...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 6◆誰とでも仲良しになれる方法とはヨウイチ君に話したこと つづき「将来、良いアイデアが浮かんで、世の中の為に行動していこうと思うこともあるでしょう。でもそのアイデアっていうのが、宇宙船地球号の乗組員のみんなが賛成!って思わなきゃ誰も協力してくれないよね。そして大事なのは、何かを成そうと思ったら自分の力だけでは無理で、仲間の力を借りなきゃ成し遂げられない。そのために、宇...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 5◆周りの人が仲間になってくれるような考え方や行動を身につけていくヨウイチ君に話したこと つづき「ただ、何かを実行しようと思うと、それが正しいかどうか分かりません。だから不安になってしまう。じゃぁどうするか?です。もし、それが正しければ人は「ありがとう」と言ってくれるでしょう。善きことをしている君を見て、いいなと思って一緒にやってくれる人もい増えていくでしょう。配膳台拭...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 4◆無言実行は自分が苦しまない方法ヨウイチ君に話したこと つづき「僕の言ったことは相手には分からない。逆をいったら、相手の言ったことが僕には分からないってことも当然ある。結局ね、人は僕の考えていることは分からないし、僕も人の考えていることは分からないってことなんだよ。でも君は、いろいろな人の考え方を知る道を歩まないといけないよ。何といっても、宇宙船地球後の仲間と仲良く...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 3◆分かってくれないから”僕は一人ぼっちだ”って思う怒って固まってしまったヨウイチ君。でも大好きな給食が始まると、「ごめんなさい」と言って席に戻ってきました。落ち着いたかな、と思えた昼休みに、ヨウイチ君を呼んで話をしました。「ヨウイチ君、あのね、私は君が最近、いつも給食前に配膳台を拭いているのを知っているよ。君は、早く給食を食べるためには、先に配膳台を拭かなきゃいけない...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 1◆周りの子に分かって貰えない以前担任した賢い子は、つるかめ算のような難しい問題を、誰かから教えてもらったわけでもないのに頭の中だけで考えて答えを出していました。ある時は、直線の1/3の長さを書くという問題を、コンパスを使って三角形の相似形を作り、全部説明してくれました。テレビで見たのだそうです。それを全部覚えていて、私に知らせてきたのです。小学校3年生だというのに。。。...
【ADHD?賢い子】孤独な賢い子 1◆賢い子は友達との関係が不器用2学期の半ばになると、ヨウイチ君は1日怒らないことも増え、落ち着いた日々を送られるようになっていました。ところが、事件は起こったのです。その時間は、私の授業ではなく書写の専科の方が授業をし、給食の準備まで見てくれていました。私が教室に行くと、ヨウイチ君が教室の隅に固まって泣いています。書写の先生に話を聞くと、ヨウイチ君は給食当番で、給食...
【ADHD?賢い子】二値の克服・自分勝手な思考を排除して本を読む◆心が育たないと伝記は読めない自分を否定し続けて本から得た新しい価値観を、メンターの力を借りながら取り入れてきたことが、現在の自分を形作っているように思うし、それが自分だけの世界から出て、幸せを求める道を歩めるようになった大きな大きな要因だと思います。私が担任して半年も経つと、子ども達は伝記が読めるようになります。1年生でも読むようになる...
【ADHD?賢い子】二値の克服・自分勝手な思考を排除して本を読む◆自分を否定し続けて本を読む私自身の多値化の道筋に大きな影響を与えたのはメンターの存在でしたが、もう一つ、大きかったのは読書でした。一番最初に読むように言われたのがアランの「幸福論」でしたが、これが、本当に読めなくて、読めなくて。。。別に読書が嫌いではなかったし、推理小説とかハウツー本とかをよく読んでいたのですが、まぁ、本当に読めなかった...
【ADHD?賢い子】二値の克服・メンターを得る 3◆「好き」「嫌い」で人を判断するのは間違っているクラスに話したこと つづき「みんなは、お父さんお母さんから叱られて「嫌われた!」って思わないでしょ? それは、もっと大きな愛がお父さんやお母さんにあるって感じているからだよね。私の皆に対する思いは、それに近いかな?そういえば、私はかなり叱るけど、みんな叱られても、逆に頑張って克服していくよね。「先生に嫌われ...
【ADHD?賢い子】二値の克服・メンターを得る 2◆好きとか嫌いとかという問題じゃなく君たちへの応援クラスに話したこと つづき「例えば、ヨウイチ君は宿題をやってこないし、漢字の再テストもしませんでした。やらないから私に叱られていました。叱ると、自分の思う通りに私がならないから大暴れしていましたね。」こんなことを言うと、ヨウイチ君は照れて笑っていました。笑っているということは、乗り越えられているのでしょ...
「できない人」という現実。でも、こういう時に持つべきはメンターの存在で、私は、師匠にすぐ相談してしまうんです。出来ない自分を自覚することは自己肯定感が無くなってしまうのではないか・・・と。すると、意外な答えが返ってきました。師匠は、「無能だと思えるから学びができる」と言うのです。『自分が無能だと自覚ができれば、有能になれる道を探すことができる。でも自分自身の無能さから逃げていたら、有能への道からど...
自分の能力の中で一生懸命やって、人から注意されないように必死になっていた自分。ということは、自分の中にある能力だけで足掻いて、新たなモノを身につけるチャンスをことごとく排除してきたってことではないか?と、次第に思うようになりました。もちろん、長く生きてきているので何らかの学びはあったと思うし、成長もあったと思います。でも、人から学ぶということが極端に少なかった。師匠に出会うまでは本もロクに読んでな...
自己否定は自己肯定の第一歩 8弟子入り10年で、やっと真似の大切さが分かってきた。じゃぁ、今までの私は何だったんだろうと考えてしまいました。人から指導されたり注意されることがまるで自分を否定されたかのように受け取ってしまっていた自分。たぶん指導してくださった人は、とても親切な優しい人だったんだと思います。でも、それを素直に受け入れられなかった私。当然、相手の親切や優しさに気づけず、自分を攻撃してく...
自己否定は自己肯定の第一歩 7総合的な力を身につけて習い事を上達させる。そのためには、どうしたら良いのだろう。こんなことを考えて行きついたのが「真似る」でした。習い事の上達のためには総合的な力が必要だと師匠は簡単に言うけれど、要は定石である基礎基本を知り、状況に応じて考えて判断して、それらの技術を使っていく力ということなのだから、一代で会社を大きくした会社経営者の師匠と私では、そりゃぁ知識も経験も...
自己否定は自己肯定の第一歩 6習い事の修行より、本や映画、風景などの学びばかりだったこの10年ですが、なんだかんだと、それら一つ一つに素敵な学びがあり、10年も経つと、自分の根本的な思考が変わってきたなーという実感があります。習い事は相変わらず下手ですけどね。私の習い事には様々な基礎基本があります。それはどんな習い事にも言えることだと思います。例えば、ヨウヘイ君が習っている剣道だって、基礎基本があ...
自己否定は自己肯定の第一歩 5失敗したくない。人からの注意を受け入れられない。そんなやっかいな性格を長い事引きずって生きていたのですが、転機となったのは、やはり習い事を通しての師匠との出会いです。習い事ですから、私自身は人から学ぶ意欲は強い方だと思います。ヨウヘイ君も剣道を習っていて、学年の大会で入賞するなどしていました。私の場合、学び始めてもうすぐ10年になりますが、やっと、真似ができるようにな...
自己否定は自己肯定の第一歩 4漢字練習で直されることを極端に嫌う子は、ヨウヘイ君だけでなく多くの子に見られる現象です。実は、過去の私も同じようなタイプでした。例えば、授業研究をするために指導案を書きますが、検討会で同僚からあれやこれやと言われるのが極端に苦手でした。それは自分を否定されたかのように思ってしまうからです。そのため、他者からイロイロ指摘されないような完璧な指導案を初めから作りたいという...
自己否定は自己肯定の第一歩 3ヨウヘイ君の異常な勝ちへのこだわり。でも気になったのは、それだけではありません。ヨウヘイ君の場合、学習への取り組みに時間が掛かりすぎる問題がありました。一番気になったのは、漢字の練習です。私は、新出漢字の学習では、1時間の授業内で注意ポイントを教え、練習し、提出して間違いがあればその場で直す形にしています。ヨウヘイ君の場合、その提出までの時間が掛かりすぎるのが問題でし...
自己否定は自己肯定の第一歩 2「ヨウヘイ君とコウタ君が喧嘩してる!」4月、新しい学級がスタートした途端のことです。クラスの女子が訴えてきました。どうしたことかと駆けつけてみると、男の子2人が叩き合って喧嘩をしています。話を聞くと、ジャンケンで場所取りをするゲームをしていたそうですが、ジャンケンで負けたヨウヘイ君が怒ってコウタ君を叩いてしまい、そこから叩き合いの喧嘩になってしまったとのことでした。ジ...
自己否定は自己肯定の第一歩 1立春が過ぎた2月の中旬、久しぶりにヨウヘイ君が登校してきました。インフルエンザで1週間休んでいたのです。それはもう、朝から喧しいこと、喧しいこと。「先生!先生! オラ、もう朝の用意をした!」「先生!先生! 外遊びに行ってくる!」朝っぱらから、大きな声で大騒ぎです。2月の私のクラスは、インフルエンザが流行してクラスの2割程度がお休みしていました。その間、クラスはとても静...
以前の私は、クルミさんと同様に他者の失敗を許せなかったし、自分も許せませんでした。それは、なんてバカらしいことだったのかって今では真面目に思います。誰もが失敗をする。人は人生という長い道のりを歩み、自分の幸せを獲得していくのだと思いますが、失敗するからこそ、そこで考え、改善していける。そこでの思考や取り組みが、その人の自由なんだ!それなのに、他者の失敗を糾弾したり、自分の失敗を悔いたり、、、、それ...
アユム君は、クラスの子供たちやクルミさんの認識では「ダメな子」だったのでしょう。でもそれは、ずいぶん子供たちの自分勝手な見方だったんですね。宮沢賢治の『雨にも負けず』の中にデクノボーと呼ばれたいという一文があります。ミンナニデクノボートヨバレホメラレモセズクニモサレズサウイフモノニワタシハナリタイデクノボーというのは、アユム君のような人なんじゃないかって最近は思うようになりました。自分がダメなんだ...
クラスで話したこと 2「アユム君は、注意ばかりされて僕はダメだなーって思っていたけれど、じゃぁどうしたら掃除ができるようになるか、って先生と一緒に考えてきました。アユム君にあった方法がきっとあるからね。で、アユム君はそれを乗り越えてきた。」「過去にダメだった自分がいて、それを乗り越えてきた自分がいる。そういう人が、過去の自分と同じように掃除が出来ない子をダメな子だと否定するでしょうか?」「そんなこ...
クラスで話したこと 1「自分の失敗を許せない人は辛いよね。だって、何か失敗したらダメだって思って落ち込んでしまう。そういう人はたくさんいるんじゃないかな?」そんなことをクラスに問いかけると、多くの子が”わかる”といった表情で手を挙げました。「そうだよね、自分はダメなんだって思うのは辛い。だからみんな、ダメだって思いたくないから新しいことにチャレンジすることを避けてしまう。新しいことっていうのは、今ま...
クルミさんに話したこと 3「失敗する自分が許せない。それは、昔の先生も同じだったから、すごくすごく分かることなんだよ。苦しいよね。ホント苦しい。」こんなことをクルミさんに言うと、クルミさんは少し泣きそうな顔になっていました。「でもね、先生はそんな苦しみから少し脱出できるようになったんだ。それはね、多くの偉い人が言ってるように、失敗することが大事だって自分に言い聞かせるようにしてきたんだ。失敗するか...
クルミさんに話したこと 2「アユム君をいつまでたっても許せないのと同じで、ひょっとしたら、失敗した自分が許せないんじゃないかな。自分がダメだって思いたくない。それが怖い。だから、先生にいつも確認したくなっちゃう。」「でもそれって、ちょっと違うと私は思うんだよ。だって、クルミさんは失敗したからダメな子ではなくて、失敗したら出来るようになれば良いだけなんだから。」「多くの偉い人が言っているけれど、失敗...
クルミさんに話したこと 1「アユム君に意地悪をしてしまったね。それって、ルールを守らないアユム君に怒れていたからなんじゃないかな? アユム君をずっと許せずにいた。違うかな?」そんな風に話を切り出すと、クルミさんは、思い当たるふしがあったように頷いていました。「でもどうだろうね? アユム君って4月のようにルールが守れない子かなぁ? 随分良くなってきていると思うんだけどね」と言うと、クルミさんは「たし...
人は、自分の中の別性を育てていかなければならない。でもそれは、表面には出てこない内面の話なので、自分で育てあげるしかない。誰も助けてくれないから、迷いの中にいる人も多いのでしょう。実際に私も迷いの中にいました。自分自身が統合された人格に成長できたとは到底思えないのですが、でも、その道の歩みを進められているように思うのです。それは、人生のメンターである師匠に出会えたことも大きいですが、本との出会いも...
ユングのアニマ・アニムス理論に、私は大きな影響を受けました。私たちは、自分の性別に基づいた「男らしさ」「女らしさ」を意識しながら生きていることが多いですが、ユングは、人の潜在意識には、自分が自覚する性別と真逆の性別をもつと考えました。男性の中に潜む女性性…アニマ女性の中に潜む男性性…アニムス一般的に、女性的な優しさとか感性というのは、家庭を維持するために必要なもので、女性は「女らしさ」として幼い頃か...
自分の正しさと合わない人を「ダメな人」認定をして、断罪する。端的に言ったら「嫌い」ってことになるのでしょう。嫌ったら、とことん嫌い。ふぉ。。。昔の私だ。。。 (;^_^A自分の正しさを武器に、人を切る。そんなことを心理学者のユングは女性が成長していく過程で通る道として書いていたけれどまさにクルミさんがやっていることなのだと思いました。世の中には、自分の主張を声高に言う人がいますが、それは、他者の考えや思...