◇『熱風団地』著者:大沢在昌2021.8角川書店刊大沢在昌らしく雑多な国籍の人々が登場する。。刃傷沙汰もほとんどない割とほんわかとしたソフトタッチの劇画風痛快譚である。東南アジアの小国”ベサール”という王国の王位継承問題がテーマ。主人公はフリーの観光ガイド佐抜克郎とベサール人元女性プロレスラーのヒナ。外務省系NPO法人「南十字星」という得体のしれない団体にベサール国の王子を探してくれと依頼される。佐抜が日本では数少ないベサール語を操れる人材だったからである。アシスタントとしてつけられた元女子プロレスラー”レッドパンサー”は佐抜が大ファンだった。二人は中国情報機関員、インド、ラオス、タイ、インドネシア、ヴェトナム、カンボジア、ベサール人など雑多な人々が住む「アジア団地」に住んでいるらしい王子探索に奔走する。...大沢在昌の『熱風団地』