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  • 人形を描く

    ◇木目込み人形をを描くclesterF43月2回目の水彩画のモチーフは人形。日本人形、西洋人形、雛人形などいろんな人形が集まりました。私は衣装の柄が気に入って、木目込み人形にしました。ほぼ1時間で仕上げたの作品で、衣装の描写がややぞんざいな感じですが、雰囲気は出ているかなと思います。(以上この項終わり)人形を描く

  • アゴタ・クリストフの『悪童日記』

    ◇『悪童日記』(原題:LeGrandCahier)著者:アゴタ・クリストフ(AGOTAKRISTOF)1991.1早川書房刊美形で頭もいい双子の男児。戦乱の大都市(多分ブタペスト)から祖母の住む田舎に逃れてきた。成長の過程で出会う世の中の不条理・苦難に果敢に立ち向かう彼らが表した日記帳の、驚きの内容に感動する。この小説では時代的にも地理的にも特定されていないものの、読んでいると明らかにヨーロッパの東部地域の第2次世界大戦前線地域を想像させる。訳者は訳注をつけほぼ間違いなく対応する歴史的事実について読者の想起を助けている。祖母は夫を毒殺したと噂されていて”魔女”と呼ばれている。彼女には孫たちを面倒見る気はさらさらない。住まわせて食べさせはするが、それは畑や家畜の世話などをした時だけ。双子の母からの仕送りの金...アゴタ・クリストフの『悪童日記』

  • 春の花ナスタチゥム

    ◇春の花の一つ「ナスタチゥム」を描くclesterF4ようやくマスクはそれぞれの判断でということになったのに、なかなかマスクが外せない人が多いようです。水彩画教室では春の花を描こうということで菜の花、クリスマスローズ、チューリップ、水仙、ラナンキュラスなど色とりどりの花が並びました。そのうち黄色と赤い花弁の鉢植えのナスタリゥムを描くことにしました。これといった特徴のない花ですが、花の赤、黄、葉の緑と土色の鉢の色がバランスよく感じられたからです。(以上この項終わり)春の花ナスタチゥム

  • 町田そのこ 『52ヘルツのクジラたち』

    ◇『52ヘルツのクジラたち』著者:町田そのこ2020.4中央公論新社刊これはDVとLGBTQという現代日本の世相の断片が微妙に交錯し、失望と救いが見事に昇華する作品である。三島貴瑚(キナコ)は継父(作中義父と言っているが継父だろう)の虐待と母の黙認という裏切りに会いつらい半生を送ってきた。52ヘルツという人間の耳にやっと届く周波数のクジラの声だけを友に自分だけの世界に閉じこもっていた。社会に出てようやく頼り甲斐のある男Tに出逢った。しかしTは愛人として囲いたいだけの男だった。それまでキナコを何くれとなく面倒を見てくれたKは、Tとの出会いは不幸を招くだけと警告した揚句自殺してしまう。Kはキナコが好きだったはずなのに告白しなかった(実はKはトランスジェンダーだった)。KはTにもキナコが幸せになるための道を選ん...町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』

  • 大津川の春景

    ◇新緑がまぶしい大津川河畔の樹々clesterF8千葉県が管理する1級河川「大津川」に春がやってきた。昨年県は河畔の樹々を大半伐採した。なぜかここだけ残っていて、今は新緑が芽吹いて輝いている。この日(3月17日)は風もなく、川面も静かだった。この間同じく手賀沼に流入する「大堀川」河畔を歩いた時は小さなカメが何匹も寄り添って日向ぼっこ(見た目)していたが、大津川では白鳥と鴨はいるがカメはほとんど見かけない。(以上この項終わり)大津川の春景

  • 奥田英朗の『リバー』

    ◇『リバー』著者:奥田英朗2022.9集英社刊警察小説で定評のある奥田英朗の大作である。警察組織と捜査員の刑事らが生き生きと描かれている。刑事だけでなく元刑事、容疑者らの人物造形も堂に入っている。プロットも単純のようでありながらさすがに読ませる仕掛けがあって飽きない。ただ難点が一つ。途中で容疑者の一人に解離性同一性障害(多重人格)が明らかになること。これですっかり興ざめしてしまった。(それに650ページは重い)リバーとは連続殺人事件の現場となった「渡良瀬川」のことである。渡良瀬川は群馬県赤城山麓に源を持ち渡良瀬遊水地を経て利根川に合し太平洋に注ぐ。渡良瀬川は栃木、群馬両県の県境となっている。川の両側の河川敷でほぼ同時期に事件が起きたため群馬県、栃木県両県警で合同捜査本部が設置された。若い女性の全裸殺人事件...奥田英朗の『リバー』

  • 野生のからし菜を浸ける

    ◇令和5年の「からし菜浸け」第1回2月末から様子を見に行っていた大津川河畔にようやく野生のからし菜が顔を見せ始めた。すでに同好の士が出没しているらしく、ところどころ摘み跡があったが、それでも新しい芽があちこちに出ていて、とりあえず第1回目として1.4キロほど摘んで早速塩漬けにした。花芽から凡そ20センチくらい。指で簡単に折れるくらいのところで摘み(折る)ます。念のため水できれいに洗います。たっぷりの熱湯を作ってまんべんなく掛けます。あら塩を用意します。凡そ100gくらい。これを熱湯をかけたからし菜(お湯は捨ててざっと絞って)にまぶしてどうだ参ったかというくらい丹念に揉みます。途中で鼻につんと来るのでご注意。揉むのに疲れたころ灰汁で黒くなったからし菜をさっと洗って、少しづつ絞ります。浸け樽に並べてまたさっと...野生のからし菜を浸ける

  • 貫井徳郎の『灰色の虹』

    ◇『灰色の虹』著者:貫井徳郎2010.10新潮社刊これは冤罪事件被告人の復讐連鎖劇の一部始終である。刑事事件が裁かれる時。容疑者、警察官(刑事)、検察官、弁護人、裁判官、拘置所の刑務官、刑務所の刑務官など多くの司法制度関係者が登場する。作者は冤罪事件によくあるあいまいな目撃証言と刑事の思い込み捜査を事例に、冤罪を背負った受刑者が刑を終えて出所後関係者を次々と殺害し復讐を遂げるケースを小説として描いた。状況的には過失致死の疑いがある事件の容疑者江木雅史を、所轄刑事が目撃証人を巧みに誘導し、なおかつ威迫を持って偽りの自白調書を作成、江木を殺人事件の犯人に仕立て上げ検察庁に送致した。検事も自白調書を鵜呑みにして告訴した。裁判でも裁判官は検察官の陳述、証人の証言を重視し有罪を判決した。官選弁護人は無罪の主張を信じ...貫井徳郎の『灰色の虹』

  • パフィオペディルムを描く

    ◇鉢植えのパフィオペディルムを描くclesterF6秋口から寒さ対策で室内に入れたパフィオペディルム。十数年前に家人が友人から頂いて育て、例年10本くらい花をつけた鉢であるが、今年は花芽が少なかった。そろそろ株分けした方が良いのかも。一見食虫植物のような袋を持つが食虫植物ではないらしい。割と地味な蘭であるが、西洋では珍重されているとか。(以上この項終わり)パフィオペディルムを描く

  • 月村 了衛の『十三夜の焔』

    ◇『十三夜の焔』著者:月村了衛2022.10集英社刊江戸幕府御先手弓組幣原喬十郎は親戚の法事の帰路、湯島切通町で男女二体の死体に出くわした。傍らに匕首を手にした若い男が佇んでいた。男の目には涙が。誰何した幣原に応えずその剣を躱した男は十三夜の月影に消えた。死んでいた男は口入屋國田屋庄右衛門と下女のおたきと判明した。若い男は盗人の頭目代之助一味の駆け出しの一人、千吉らしい。これが幣原と千吉の運命的な出会いである。幣原は御先手組の面目にかけても千吉を探し出し捕縛したい。町方の捕り物騒ぎに遭遇した幣原の前に何と千吉が現れた。千吉は先頃の出会いの事情(恋仲おたきは既に殺されていた)を説明し消えた。それから10年の月日がたった。幣原は亡くなった父親と同じ御先手組組頭になった。結婚し娘志乃が生まれた。一方ひょんなこと...月村了衛の『十三夜の焔』

  • フキノトウとでこぽんを描く

    ◇フキノトウとでこぽんとclesterF4フキノトウが顔を出してから1週間は経った。フキ味噌などで春の香りを賞味しようと思ったが、さて、フキノトウもれっきとした一つの生命、その生命を頂戴するからにはそれなりの敬意を示さねばと、手近にあったデコポンと一緒に描いた。明日は天ぷらでお命頂戴仕る。合掌。(以上この項終わり)フキノトウとでこぽんを描く

  • ジョン・グリシャムの『無実(下)』

    ◇『無実(下)』(原題:TheInnocentMan)著者:ジョン・グリシャム(John・Grisham)<承前>公判作戦上デニス・フリッツを先行させた検察陣は嘘の証言で固め、陪審をして有罪、終身刑の評決に持って行った。準備体操で自信を付けた検察陣は満を持してロン・ウィリアムスンの公判に臨んだ。判事はロンが、判定で騒ぎださないように事前に入念に説諭した。証人の顔ぶれも証言内容もデニスの公判と同じように進められた。バーニー弁護人はロンが暴れないか心配で、証人追及も精神的無能力による公判無効も主張しなかった。ゴアの作り話も速記録の読み上げで済まされた。証人は事前に刑事の示唆と威迫で作り話をした。バーニーは証人尋問で指紋などの証拠採取や供述記録のずさんさを追求したが陪審に対しては効果がなかったようで、結局ロンは...ジョン・グリシャムの『無実(下)』

  • 顔を出した「ふきのとう」

    ◇自然界は時を忘れず待っていたフキノトウが顔を出しました。例年とほぼ同じ時期です。コロナや物価高やトルコの地震や嫌なことがいろいろ起こっても、出るべきものが顔を見せるとホッとします。フキ味噌や天ぷらで一献など、ほろ苦さを賞味するのは今少し先です。コロナ禍も下火に落ちてふきのとう(以上この項終わり)顔を出した「ふきのとう」

  • ジョン・グリシャムの『無罪(上)』

    ◇『無罪(上)』(原題:TheInnocentMan)著者:ジョン・グリシャム(JOHNGRISHAM)訳者:白石朗2008.3ゴマブックス刊(ゴマ文庫)これまでリーガルサスペンスの巨人ジョン・グリシャムの数多くの作品は大方読んだが、このようなノンフィクション作品にはお目にかからなかった。この作品はオクラホマ州のエイダという地方都市が舞台になっている。かつては石油産出で賑わった。大学と郡裁判所がある。キリスト教信仰地帯通称バイブルベルトと呼ばれるアメリカ南部の人口1万5千という地方の町としては比較的大きい町である。1982年12月7日の夜、まち外れの「コーチライト」というナイトクラブでバイトでウェイトレスをしていたデビー・カーターという21歳の女性が自宅のアパートで殺害された。全裸で乱暴されていた。壁には...ジョン・グリシャムの『無罪(上)』

  • 水彩で「天城山隧道」を描く

    ◇冬の「天城山隧道」を描くclesterF8(中目)冬の天城山隧道と言っても伊豆は関東より少し暖かいし、雪が降ってるわけでもなく、当日は風が強かったけど快晴で晩秋や早春と言っても良い気象でした。人っ子一人見当らないトンネルでしたが、絵のアクセントとして妻を入れました。木漏れ日が道や石積みの法面に踊っていました。トンネルは今どきのコンクリート製ではなく、全面切石を積み上げています。夏涼しく冬は暖かい(?)隧道の先に北口(修善寺方面へ向かう)が見えます。積み上げた石にはところどころ苔が張り付いています。ということは水がしみ出ているということでしょうか。隧道脇の道路の法面はほぼ全面苔むしています。トンネルの上部には「天城山隧道」という石版が嵌っていますが良く読めません。(以上この項終わり)水彩で「天城山隧道」を描く

  • 川上弘美の『なめらかで熱くて甘苦しくて』

    ◇『なめらかで熱くて甘苦しくて』著者:川上弘美2013.2新潮社刊芥川賞作家川上弘美さんの作品を読むのは『センセイの鞄』が初めてである。本書はまず題名が奇抜で特に甘苦しいという感覚表現が新鮮というか、こういう捉え方にはじめてお目にかかるので気になって読んでみた次第である。それにしてもノーベル賞候補など多士済々の文学界において文化功労章受章されるなどどういう経緯があったのだろう。川上弘美の「ヰタ・セクスアリス」などと紹介されているが、そもそもこの作家の小説ではセックスなどほとんど中心にないのでそんな目で見るほどのことではないのではないか。おなじみの時空間の混じりあった、摩訶不思議な世界を描き出す川上センセイの掌篇集である。<aqua>小学校、中学、高校という成長過程の経験の数々、田中水面と田中汀。電車や野道...川上弘美の『なめらかで熱くて甘苦しくて』

  • 久々に花の絵を描く

    ◇百合とスターチスclesterf4(中目)先週の水彩画教室では久々に花の絵を描きました。冬の花はなかなか得難いので、幹事さんが選んだのは鉄砲ユリ系の百合の花とスターチス。この組み合わせは初めてのような気がします。百合はともかくスターチスは主役を張る華やかさがないので、単独ではなかなかモチーフに選ぶことはなく大抵わき役だと思います。何とか丁寧に描こうとしましたが、無理でした。久々に花の絵を描く

  • 新年の水彩画教室は

    ◇正月用品を描くclesterf4令和5年の水彩画教室は1月10日。正月用品を描くことになり、有志が持ち寄りました。昨年は羽子板を描いたので、今年は某氏持参の祝い角樽と枡を描きました。合わせて門飾り?も。樽や枡の朱色がなかなか出せず、一緒に描いたKさん,Rさんも音をあげていました。結局ローズマーダーにキナクリンレッドに落ち着きましたが、不満が残ります。門飾りの細かな素材を描き切るのは難しいです。(以上この項終わり)新年の水彩画教室は

  • 伊豆「天城山隧道」を天城峠バス停から歩く

    ◇「天城山隧道(旧天城トンネル)から河津七滝を歩く天城山隧道南口河津七滝の一つ「釜滝」令和5年を迎えて、ここ「天城山隧道」を歩く宿願が叶ってついに夫婦共歩きで実現した。前日まで雨が続いて天候が気になってはいたが、旅行では9割が晴れという実績がものを言い、当日(1月20日)は風はあったが雲ひとつない日本晴れ。天城峠には西の修善寺からと東の河津からの二通りがある。我々は河津駅で降りて途中の七滝に宿をとった。このコースでは河津駅から東海バスの修善寺行(C50)に乗って天城峠バス停で降りる。WEBページでは主として水生地下バス停で降り、下田街道(踊り子歩道)を歩いて天城山隧道(トンネル)に至るコースが紹介されている。1.8キロ凡そ40分ほどかかるらしい。新天城トンネル(国道414号)を出たところにある天城峠バス停...伊豆「天城山隧道」を天城峠バス停から歩く

  • 冬の果物(みかん・林檎・いちご)を描く

    ◇青島みかん・サンふじ・とちおとめclesterF8我が家のミカン(青島みかん)は大きくて、信州山ノ内町から買っている「サンふじ」にも負けずと大きい。昨年と異なり今年は15個しか生らなかったが、葉付で描けるのはなかなか機会がないのでリンゴと一緒に描いた。ちょうど家内の友人Kさんから頂いたいちご「とちおとめ」があったので参加してもらった。みかんの色を探しているうちにすっかり色が濁ってしまった。気が付いたら果物籠もやや歪んで見える。意気込んで描いた割にできがよくない作品である。(以上この項終わり)冬の果物(みかん・林檎・いちご)を描く

  • ジョジョ・モイーズの『ワン・プラス・ワン』

    ◇『ワン・プラス・ワン』(原題:Theoneplusone)著者:ジョジョ・モイーズ(JOJOMOYES)訳者:最所篤子2018.2小学館刊(小学館文庫)本書で次の展開が気になってハラハラする場面がある。それは主人公のジェスの娘タンジーがスコットランドで行われる「数学オリンピック」に出た。果たして優勝できるかどうか。優勝賞金は5千ポンドである。それがあれば奨学金で私立の有名校に入れる。タンジーはまだ10歳なのだが、数学的能力が抜群で、学校推薦でイングランド南部の片田舎からはるばるアバディーンまでやって来たのだ。ジェスは16歳で結婚しタンジーを生んだ。夫マーティは勝手に家を出て行った。前妻との間に生まれたニッキーを残して。仕送りもしない夫は金銭的には何の助けにもならない。ジェスは数学では天才的なタンジーに数...ジョジョ・モイーズの『ワン・プラス・ワン』

  • 新春の花シクラメンを描く

    ◇新春の定番「シクラメン」を描くclesterF6(細目)暮れになるといつも手ごろなシクラメンの鉢を買ってきて正月中花を楽しむ。今回もいつもの店でずいぶん安く売っていたので花芽をたくさん持った鉢を選んで買ってきた。ピンクでふちが薄くなっているのが絵にし易いと思った。普段滅多に選ばないクレスターの細目の紙に描いてみて失敗を悟った。荒目や中目とはずいぶん違って吸い込みが悪く、置いた絵の具が乾いたと思って次の色をのせると混ざってしまう。とりわけ鉢を入れた籠の網目などなかなか収まらず苦労した。もう細目には近寄らないと覚悟した。(以上この項終わり)新春の花シクラメンを描く

  • エル・コシマの『サスペンス作家が人をうまく殺すには』

    ◇『サスペンス作家が人をうまく殺すには』(原題:FINNLAYDONOVANISKILLINGIT)著者:エル・コシマ(ElleosiImano)訳者:辻早苗2022.9東京創元社刊(創元推理文庫)売れないロマンチックサスペンス作家フィンレイ・ドノヴァンは、レストランで食事中にある女から厄介な夫=マフィアと関係のある裕福な会計士=を殺してほしいと依頼を受ける。報酬は5万ドル。だがターゲットを自宅のガレージに連れ込んだところ、ちょっとした隙に何者かに先を越されターゲットが殺され…次いで妻も行方が分からなくなる。ぬれぎぬを着せられる前にターゲットの謎めいた殺害について調べるしかないと子供らのベビーシッターヴェロと共に事件解明に奔走するが、捜査に当たっている地元警察の敏腕刑事ニック(フィンレイにぞっこん)が絡ん...エル・コシマの『サスペンス作家が人をうまく殺すには』

  • 2022年も終わり

    ◇年の暮れに当たって馬齢を重ねること80年を超えまぎれもない高齢者になって、20年も前に始めたブログも些か重荷になってきたのか更新頻度が落ちています。読書感想、描き貯めた水彩画の披露目、小ぢんまりした家庭菜園の様子など内容は限られているのになかなか手が付かないのはものぐさになってきたせいか。記事更新に努めてはいますが、お付き合いいただいている皆様にはご寛恕賜りたくお願い申し上げます。3年前の冬には甘く見ていたコロナウィルスが、結局パンデミックとなり、世界中の人達の生活を大きく変えてしまいました。5回もワクチンを射って、何とか普通の日常生活を維持しているのが少数派なのかと思ってしまう程コロナ禍に席捲されまくっています。早くこの窮屈から脱却したいものです。ハイパープレデター(捕食者)として生物の頂点に立つ人類...2022年も終わり

  • ミリヤム・プレスラーの『マルカの長い旅』

    ◇『マルカの長い旅』(原題:MALKAMAI)著者:ミリヤム・プレスラー(MirjamPressler)訳者:松永美穂2010.6徳間書店刊もう40年ほど前に「母を訪ねて三千里」というTV番組があったような記憶がある。この本もそうした系統の児童書かと思ったが、読んでみれば背景が全く違うし大人が読んでも感動的な読み応えのある本である。作者は本書はマルカ本人から断片的な記憶をもとにしながらも大部分が創作であると言っているので単なるドキュメントではない。しかし人物造形も情景描写もかなり緻密であり、迫真的である。第二次大戦初期、ナチスの迫害を免れポーランドからカルパチア山脈を越えて隣国ハンガリーに逃れるという時代背景があって、単純な逃避行の物語ではないところが感動的である。マルカは7歳になったばかり、まだ幼児であ...ミリヤム・プレスラーの『マルカの長い旅』

  • 橘玲の『もっと言ってはいけない』

    ◇『もっと言ってはいけない』著者:橘玲新潮社刊(新著新書)前回『言ってはいけない』をご紹介したが、その続編である本書は「もっと不愉快な本に違いない」と思ってはいけない。それは誤解で、「言ってはいけない」ことをもっとちゃんと考えてみようという意味で、本書では「私たち日本人は何者で、どのような世界に生きているのか」について書いている(と筆者はまえがきで書いている)。「遺伝決定論」を批判する人たちは、どのような困難も本人の努力や親の子育て、あるいは周囲の大人たちの善意で乗り越えていけるはずだと頑強な信念を持っている。だが本人がどれほど努力しても改善しない場合はその結論は決まっている。努力しているつもりになっているだけで、努力が足りないのだ。なぜなら困難は意志の力で乗り越えられるはずなのだから。なるほどごもっとも...橘玲の『もっと言ってはいけない』

  • 21世紀の森公園の小川を描く

    ◇千駄堀池に注ぐ小川ARSHESF6(荒目)21世紀の森と広場公園の中央部に千駄堀池という大きな池があります。公園の八原台という小山から流れ出す湧水を集めた小川があり、静かなたたずまいに誘われて絵にしました。(以上この項終わり)21世紀の森公園の小川を描く

  • 橘玲の『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

    ◇『言ってはいけない残酷すぎる真実』著者:橘玲新潮社刊(新潮新書)作者は「まえがき」でいっている。テレビや新聞、雑誌には耳障りのいい言葉が満ち溢れている。メディアする生j化や学者、評論家は「いい話」と「わかやすい話」しかしない。ダーウィン、メンデルが唱えた旧時代の進化論は現代のテクノロジーの急速な発達に支えられた分子遺伝学、脳科学、ゲーム理論、複雑系など「新しい知」と融合し、人文科学・社会科学bを根底から書き換えようとしている。専門家であれば常識の話を誰もしようとしない。黙殺されるか排斥されていく。みんな見たいものだけ見て、気分のいいことだけを聞きたいのだから。だから「言ってはいけない」とされてる残酷すぎる真実こそが、世の中をよくするために必要なのだ。これが執筆の動機である。というわけで真実であるがゆえに...橘玲の『言ってはいけない残酷すぎる真実』

  • 秋色の21世紀の森と広場公園を描く

    ◇21世紀の森と広場公園の紅葉clesterF8(中目)先月の終わり、久しぶりに松戸市にある千葉県営「21世紀の森と広場公園」を散歩しました。広大な敷地で全周6.2キロ、ゆっくり歩いて2時間はかかります。ちょうど紅葉の時期で、公園外に長屋門がある旧家があり、色面構成上打って付けのいい場所があったので描いて見ました。(以上この項終わり)秋色の21世紀の森と広場公園を描く

  • アンドリュー・バックスの『嘘の裏側』

    ◇『嘘の裏側』(原題:FALSEALLEGATIONS)著者:アンドリュー・バックス(ANDREWVACHS)アウトロー探偵バークシリーズの第九弾。本作でバークシリーズは生まれ変わった。本作では具体的な敵役はいない。一貫して幼児虐待問題を告発している作者の創作姿勢の一環であり、今回も後記として巻末にベイラー医科大学のIVITAS(チャイルド・トラウマ・プログラムズ)への支援を訴えていることからも強烈な問題意識がうかがえるのである。そんなバークにグループの伝言中継点のママから弁護士のカイトという男から仕事の話が入った。今は探偵仕事はやっていないと断ったが、バークの腕前を見込んでのたっての頼みということで話を聞いた。カイトは自分が真剣な仕事をしている真剣な人間であることを証明して欲しいというのだ。今手掛けてい...アンドリュー・バックスの『嘘の裏側』

  • 秋の野菜を描く

    ◇カブ、ブロッコリーなど秋の野菜を描くclesterF4先週の水彩画教室のテーマは「秋の野菜(Ⅲ)。旬の蕪(カブ)、サツマイモ、ブロッコリー、ニンジン、シシトウ。里芋は登場しませんでした。ブロッコリーの花芽はむつかしいです。雰囲気でとらえるしかありませんでした。ししとうはハハイライトが不規則でこれも雰囲気の勝負です。カブは肌色の白さが特徴で、結局ガッシュ(不透明水彩)白を置くことにしました。長い根はそのまま。ご愛敬ですが左上の空白部分を埋めてくれました。さつまいもは皮が繊細で実際はところどころ白く剥けていましたが、結局荒れていないままの状態にしてしまいました。(以上この項終わり)秋の野菜を描く

  • ジョン・ハートの『ラスト・チャイルド(下)』

    ◇『ラスト・チャイルド(下)』(原題:TheLastChild)著者:ジョン・ハート(JohnHart)訳者:東野さやか201.4早川書房刊(ハヤカワ・ミステリー文庫)上巻では第2の誘拐事件で誘拐されたティファニーが犯人のバートンを銃で撃って死亡させ、ジョニーも重傷を負うというショッキングな出来事で驚いたが、後半でもショッキグな事態が続々という展開で驚く。神との対話という異世界に生きるリーヴァイ・フリーマントルの存在は言動が不可解だがジョニーは彼が奴隷解放時代のインデアンの奴隷の末裔(ラストチャイルド)であることを知っている。彼は母親と娘が神の祝福を受けずに埋葬されたことを悔やんでいてた。不思議とジョニーとは心が通じ合っている。驚いたことにバートンの隣接地に女児の死体がいくつも見つかった。アリッサの死体は...ジョン・ハートの『ラスト・チャイルド(下)』

  • ジョン・ハートの『ラスト・チャイルド(上・下)』

    ◇『ラスト・チャイルド(上・下)』(原題:TheLastChild)著者:ジョン・ハート(JohnHart)訳者:東野さやか2010.4早川書房刊(ハヤカワ・ミステリー文庫)この小説は文句なしに面白い。2008年『川は静かに流れ』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞、英国作家協会賞最優秀スリラー賞を受賞している。面白さのポイントは3つある。第1点は主人公のラスト・チャイルド(双子で残された一人の子)ジョニーの幾多の困難にめげない妹アリッサ探索力である。ジョニーは警察の捜索が手ぬるいとばかりに自力で妹を探す。警察が調べた性犯罪常習犯の最近の日常行動、近隣全ての住民の日常をも調べ上げる。揚句、キリストは助けてくれないと先住民の呪術に頼り魔力を得る儀式を行ったりする。第2点は少女誘拐事件担当班の刑事ハント。捜...ジョン・ハートの『ラスト・チャイルド(上・下)』

  • 手賀沼「道の駅しょうなん」で写生

    ◇改装なった「道の駅しょうなん」(沼南)写生会clesterF8(中目)水彩画の同好会秋の写生会は改装なった「道の駅しょうなん」(沼南)で写生会ということでしたが、なんと集まったのは男性4名だけ。好天に恵まれ、絶好の写生会日和でしたが、ほかの予定と被った人、風景の写生が苦手の人などいろいろ事情があると思いますが、残念でした。手賀沼ではこれまでも手賀大橋、水の館、ボート乗り場、湖面の船などずいぶん写生しましたが、今回はボート乗り場から我孫子市側の家々などの遠景を描きました。描き始めの時は雲一つない青空でしたが、気が付いたら大きな雲の塊が現れていて慌てて青空にグァッシュで雲を描きました。普段は画用紙の青空を白抜きする技法だったのでやや抵抗感がありましたが、何とかくもらしくなりました。遠方のビルなどはできるだけ...手賀沼「道の駅しょうなん」で写生

  • 黛まどかの『引き算の美学 物言わぬ国の文化力』

    ◇『引き算の美学物言わぬ国の文化力』著者:黛まどか2012.2毎日新聞社刊俳人黛まどかの書下ろし(一部過去の寄稿を含む)文化論。筆者が言う「引き算」とは何か。一言で絵言えば、日本のあいまい文化。日本国内では美徳であっても白黒明確を求める合理主義の欧米では悪弊、不可解とされる日本特有の文化のことである。しかしながら日本が世界に誇る伝統文化の多くはこの「引き算の美学」の上に成り立っているというのが筆者の指摘である。筆者は諸外国での見聞を経て日本人の引き算、省略、余白から生まれる文化の生み出した力を高く評価する。もちろん俳人としての感性で自然への畏怖・畏敬を基盤とする日本文化の特性を古人の和歌・俳句などから証明しているのであるが、韓国釜山からソウルまでの五百キロ踏破、北スペイン・サンティアゴ巡礼道八百キロ踏破な...黛まどかの『引き算の美学物言わぬ国の文化力』

  • A・E・W・メースンの『矢の家』

    ◇『矢の家』著者:A・E・W・メースン(A・E・W・MASON)訳者:福永武彦1959.5東京創元社刊文豪福永武彦翻訳になるメースンの代表的長編。この作品は1924年に上梓された。作品の構成上は謎解き探偵もののようでもあるが、探偵と犯人の心理合戦のようでもある。(世界推理小説全集)から30版を重ね2017年に再版されたものなので翻訳上古典に属するかもしれない。表現が古色蒼然とまでは行かないが、幾分古めかしいところがある。物語はフランスの顧客からの依頼を受けた英国の某法律事務所が若手の弁護士ジムフロビッシャーを送り込むところから始まる。フランスの資産家の女性ジャンヌが自邸のグルネル荘で死亡した。その養女であるベティという女性から殺人者として告発されたので窮地を救ってほしいという手紙が舞い込んだ。ジムという弁...A・E・W・メースンの『矢の家』

  • デイヴィド・L・リンジーの『黒幕は闇に沈む(下)』

    ◇『黒幕は闇に沈む(下)』(原題:ANABSENCEOFLIGHT)著者:デイヴィド・L・リンジー(DAVIDL・LINDSY)訳者:山本光伸1998.3新潮社刊(新潮文庫)下巻は事態がややスピーディーに展開する。グレーバーはインフォーマント(情報屋)のラストからティスラーとビーザムが犯罪情報課内の内部情報を流出させていたとの情報を得る。もう一人いると言う。それはバーテルのことだろうか。グレーバーが事態のほぼ全貌を伝えて調査を任せているニューマンとポーラにアーネットへの依頼のことやバーテルが不審男と会っていたことを伝えようとしながらも躊躇逡巡する。部内にまだ情報内通者がいるという状況がそうさせるのか。そこまで信頼できないので逡巡するわけである。下巻冒頭で謎の男バノス・カラティスの素性が明かされる。世界の諜...デイヴィド・L・リンジーの『黒幕は闇に沈む(下)』

  • デイヴィッド・L・リンジーの『黒幕は闇に沈む』(上)

    ◇『黒幕は闇に沈む』(上)(原題:ANABSENCEOFLIGHT)著者:デイヴィッド・L・リンジー(DavidL.Lindsey)訳者:山本光伸1998.3新潮社刊(新潮文庫)アメリカの警察小説。著者はフロリダ州ヒューストン警察の事務職に就いて執筆活動を行っており、警官の連帯意識、権力争い、上司の権威主義など警察組織の描写にリアル感がある。多分日本の警察組織にはないと思うが、ヒューストン市警の刑事部に犯罪情報課という組織があって、犯罪を未然に防ぐために日頃からいろんな組織、個人からあらゆる情報を集め、犯罪の動向を分析し殺人課や強盗課などに引き継ぐ。本作の主人公マーカス・グレーバー警部は犯罪情報課の中枢として課内を仕切っているが、妻のドーレーとの間に双子の息子をもうけたものの、二人が成人し結婚したあたりか...デイヴィッド・L・リンジーの『黒幕は闇に沈む』(上)

  • 伊豆・今井浜の海岸を描く

    ◇東伊豆の今井浜海岸を描くmarumanvifArtF0s20VA40年ほど前に一度訪れた東伊豆の今井浜を久しぶりに訪ね浜辺の光景を堪能しました。気温も27度くらいあって数人のサーファーが楽しんでいました。せっかくの機会なので海岸の景色をスケッチし彩色もしました。(F0=180×145mm)遠景の島は新島です。ホテルの居室(8階)からの構図なので展望台からの景色と言った感じです。荒れてはいない海とはいえ結構な波があって、岩に当たって砕けた白い波がうまく表現できなくて残念です。水深の関係で遠方の海の色は群青色で近場はやや緑色です。これももう少し強調した方がよかったと思います。(以上この項終わり)伊豆・今井浜の海岸を描く

  • エド・マクベインのホープ弁護士シリーズ『シンデレラ』

    ◇『シンデレラ』(原題:Cinderella)著者:エド・マクベイン(EdMcBain)訳者:長野きよみ1993.3早川書房刊(ハヤカワミステリ文庫)エド・マクベインの作品は昔「87分署シリーズ」シリーズを随分夢中になって読んだが、これは「ホープ弁護士シリーズ」第8作目。発端の殺人事件はともかく話が幾重にも重なり、2・3ページごとに3人称で始まって…。ストーリーも洒脱な会話や表現で楽しめるが場面が飛ぶので追うのも忙しい。舞台は麻薬天国マイアミ。発端となる殺人事件。ホープ・マシューが調査を依頼していた探偵オットー・サマルスンが射殺された。不倫現場を押さえる単純な仕事だったが、事務所の書類を調べるともう1件仕事を抱えていたことが分かった。不倫調査の方は殺されるいわれはなかったが、もう1件の方はラーキンという地...エド・マクベインのホープ弁護士シリーズ『シンデレラ』

  • 秋の静物画で「果物」を

    ◇秋の果物はりんご、ペアーなどclesterF4先週の水彩画教室では秋の果物を描きました。秋の果物と言えばリンゴ、ナシ、ぶどう、柿、早生のミカンなどがあげられます。今回は西洋梨(ペアー)ラフランスが加わりました。先生の注意事項はリアルな写実よりも新鮮な果物のおいしさを引き出すように、でした。さて…。リンゴや巨峰と一緒にあるのはみかんです。(以上この項終わり)秋の静物画で「果物」を

  • 楠木建の『絶対悲観主義』を読む

    ◇『絶対悲観主義』著者:楠木建2022.6講談社刊(講談社+α新書)題名に惹かれて読んだ。著者が言う悲観主義は普通言われる楽観主義に相対する概念としての悲観主義とはとらえ方がちょっと違うかもしれない。我々個人の仕事に対するスタンスを初め日常的な言動を主導する規範として、悲観的姿勢の採用を勧めている本である。例示や譬えが具体的で面白い。著者は自分なりの論理で物事は基本的に悲観的立場で対処した方が良い結果を招くという考え方を勧めているのである。「困難に直面してもやり抜く力(GRIT)無用、逆境から回復する力不要これが絶対悲観主義の構えです」と著者は言う。世の中に自分の思い通りになる事なんかほとんどない。こうした真実を直視さえしておけば、戦争や病気のようなよほどのことがない限り困難も逆境もない。「うまくいかない...楠木建の『絶対悲観主義』を読む

  • マイクル・コナリーの『燃える部屋(上・下)』

    ◇『燃える部屋(上・下)』(原題:THEBURNINGROOM)著者:マイクル・コナリー(MichaelConnelly)訳者:古沢嘉通2018.6講談社刊マイクル・コナリーを最初に読んだのは『チェイシング・リリー』で、次いで『贖罪の街』(ハリー・ボッシュシリーズ第18作)を読んだ。とにかく圧倒される面白さで一気読みだった。本作もハリー・ボッシュシリーズ第17作目に当たる。本作品の主人公ハリー・ボッシュもロス市警での刑事仕事で25年、年金が付く歳になった。あと1年ほどでリタイア―となるところで、いわばコールド・ケースである「未解決事件班」で過ごすことになった。相棒は25歳のメキシコ系女性ルシア・ソト。市警に入ってまだ5年なので刑事としての捜査手順などノウハウ伝授をボッシュは期待されている。ボッシュはソトに...マイクル・コナリーの『燃える部屋(上・下)』

  • 夏の野菜を描く

    ◇夏の野菜色とりどりclesterF4先ごろ教室で夏の野菜を描きました。トマト・ミニトマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ、玉ねぎ、枝豆、小松菜、おくら、ニンジン等々彩りが豊富でにぎやかです。野菜が持つそれぞれの色あいが競い合って、それはそれで楽しくなりますが、陰影をどう表現するか苦労しました。もちろん背景色も。なかなか思いつかなくて白いままにしました。(以上この項終わり)夏の野菜を描く

  • 松戸市本土寺の菖蒲園

    ◇写生会で本土寺へ「菖蒲園」clesterF4(中目)前に本土寺での写生の一部をご紹介しましたが、その際構図が気に入っていた別のシーンを4号で描いてみました。アジサイが有名な寺ですが、菖蒲園も結構皆さん気に入って鑑賞しておられます。この場所では白い菖蒲が優勢ですが、ちらほらと紫やピンクも見られました。手前にはガクアジサイがありましたが、もうすこし丁寧に描けが良かったと反省しています。菖蒲の花はマスキング液を使いました。直接用紙に落とすよりは少し薄めて塗った方がはがすときに苦労しないで済むような気がします。3人の女性の手前ではベンチで2人のおじさんが絵を描いていました。(以上この項終わり)松戸市本土寺の菖蒲園

  • ミネット・ウォルターズの『病める狐(上下)』

    ◇『病める狐(上下)』(原題:FOXEVIL)著者:ミネット・ウォルターズ(MinetteWalters)イギリスドーセットの田舎町で不可解な二つの事件が進行する。外国推理小説ではおなじみの遺産相続ものの色彩が強いが、正体不明の男フォックス・イーヴルが扇動する土地占拠事件が絡むところがミソ。ジェームズ・ロジャー・フォックスの土地に隣接する森林地帯にトラヴェラー(移動生活者)のトレーラー集団が押し寄せ、登記を怠っていた村の共有地に敵対的所有権(登記していない土地を占有し、建築物を建てて所有宣言をする)を主張しようとしている。それを扇動する首謀者はフォックス・イーブルという正体不明の男。ジェームズの妻が嵐の夜何者かに撲殺された。キツネや犬が惨殺され骸が玄関に投げ出されている事件もあった。一度はジェームスが犯人...ミネット・ウォルターズの『病める狐(上下)』

  • 澤田瞳子の『輝山』

    ◇『輝山』著者:澤田瞳子2021.9徳間書店刊これは江戸幕府開闢以前から銀の産出地である石見国天領石見銀山附御料大森代官所における中間金吾の目を通して、この地大森町、銀山町で働く銀産出にかかわる人々の過酷な日常、喜怒哀楽、代官所役人のかかわりなどが描かれる。石見銀山は幕府直轄鉱山(御直山)と民有鉱山(自分山)があるが、いずれも採掘と精錬など作業は山師の手に委ねられ、最終製品を代官所で買い上げ、江戸に送られる仕組みである。間歩といういう鉱道には採掘の掘子、手入、柄山負、精錬には銀吹師(吹大工、灰吹師、ユリ女)等々女子供も含め多くの人が携わっている。実は金吾は元上役であった小出儀十郎から石見代官所代官岩田鍬三郎の身辺を探れという密命を受けて石見に来た。その背景は金吾は全く知らない。真相は後段で岩田代官から小出...澤田瞳子の『輝山』

  • 古井 由吉の『夜の香り』

    ◇『夜の香り』著者:古井由吉1987.11福武書店(福武文庫)4編の短編集。高度成長前期の一般的な庶民の生活と住まいの様子が丁寧に描かれている。登場人物は概ね一般的な勤め人。すでに幼児、あるいは学齢前の子供がいたり、子供が生まれたりという割と若い夫婦が多い。住み替えや戸建ての持ち家の中の様子、周辺環境の描写が緻密である。<街道の際>伊沢守夫は普段あまり深い付き合いのない同僚内村から家を新築したので遊びに来ないかと誘われる。その家は自分がかつて生まれ育った土地で、十分土地勘はあるのだが、なぜか彼の気質に対して鬱屈するところがあって、回り道をして街道筋の家を下見したりする。食事を誘われ酒まで飲んだ。奥さんに大学での評判を聞かれたりして狼狽する。最近学生らが家近くにきて彼を糾弾する騒ぎがあったらしい。息子を抱い...古井由吉の『夜の香り』

  • 福井雄三の『開戦と終戦をアメリカに発した男』戦時外交官加瀬俊一秘録

    ◇『開戦と終戦をアメリカに発した男=戦時外交官加瀬俊一秘録』著者:福井雄三2020.4毎日ワンズ刊太平洋戦争時代日本の外交官として活躍した加瀬俊一の生涯をなぞると共にこの時期の日本を巡る国際状況と日本の外交関係を解説する。著者は国際政治学を専門専門とする。加瀬俊一自身の回想録を初め多くの著書を渉猟した評伝であり、かつ外交官の目を通した歴史の裏側の記録でもある。そしてこれは太平洋戦争につながるアメリカとの軋轢から、開戦そして無条件降伏という屈辱の敗戦交渉まで立ち会った稀有の外交官の記録となっている。加瀬俊一はまれに見る俊才であり、類い稀な英語力を見込まれ、多くの大使、外相の首席秘書官として重要な外交交渉場面に立ち会った。幣原喜重郎、石井菊次郎、松岡洋右、東郷茂徳、重光葵、など先輩外交官の優れた外交力を学びつ...福井雄三の『開戦と終戦をアメリカに発した男』戦時外交官加瀬俊一秘録

  • 佐野の桃を描く

    ◇夏の果物の王者桃を描くclesterF6(中目)妻の親友Kさんが地元(と言っても近くの佐野市)の桃を1箱送って下さった。普段こんなに大量も桃を手②することはないので、折しも帰省中の娘家族と一緒にいただく前にセザンヌのリンゴ程ではないものの5個の桃を皿に盛って描いた。何といっても特別に配慮された枝葉付の桃はなかなか得難いモチーフで、急いで描き上げた。桃独特の柔毛は白色のガッシュを加えるとそれらしくなるのであるが、今回は省略した。盛った皿の文様や色は省略した。背景色はセルリアンブルーとサップグリーンの混色である。(以上この項終わり)佐野の桃を描く

  • 弘中惇一郎の『生涯弁護人・事件ファイルⅠ』

    ◇『生涯弁護人・事件ファイルⅠ』著者:弘中惇一郎2021.11講談社刊作者は著名な弁護士である。世間の注目を浴びた事件の裁判で弁護人に名を連ねていた。今回の事件ファイルⅠは彼が弁護人として担当したそれら大型事件をグループ分けし、事件の特性と共通点などを整理し、問題点を指摘している。村木厚子事件、小沢一郎事件、ロス疑惑事件などを手掛け「無罪請負人」と呼ばれた著者が、日本の検察庁の特性を厳しく指弾し、衆愚におもねるマスメディアを叩き、真実に迫る弁護活動の姿が詳述される。現場百遍、情報は足でかせぐなど警察の刑事と同じ理屈で真相に迫るのが弁護人が勝利する近道だということが良く分かる。そして裁判の成功か否かは、被告人と信頼関係が築けるか否かにかかっているとする。第一章国策捜査との闘い<村木厚子事件>代表的な冤罪事件...弘中惇一郎の『生涯弁護人・事件ファイルⅠ』

  • 福田和代の『怪物』

    ◇『怪物』著者:福田和代2011.6集英社刊人間を骨ごと溶かす身もよだつような怪物を追い詰めた刑事。ミイラ取りがミイラになったというか、自らが怪物と化してしまった物語。何かしらホラーっぽい不思議な小説である。定年まであと1か月という老刑事香西武雄。死の匂いを嗅ぐという異能を持ち何度も事件解決のきっかけを作ってきたが、自分の特異な能力は未だに同僚にも明かしたことはない。定年退職を目前に控えて未解決事件が気がかりである。一つは15年前に起きた「くるみちゃん誘拐殺害事件」。もう一つは10日前から行方不明になっている橋爪という男の失踪届の事案。香西は幼い女児を殺し焼いた残虐な犯人と目する男堂島昭の部屋で”死の匂い”を嗅いだ。間違いなくこの部屋でくるみちゃんは殺害された。この男は警察官僚の子弟ということで早くに捜査...福田和代の『怪物』

  • 上田秀人の『崩落』禁裏付雅帳<三>

    ◇『崩落禁裏付雅帳<三>』著者:上田秀人2016.10徳間書店刊(徳間文庫)禁裏付雅帳シリーズ(全12巻)の一冊。江戸時代の時代小説では朝廷と幕府の駆け引きは大政奉還前後の時期以外なかなかお目にかからない。禁裏付というのは朝廷(禁裏)の内証監査と公家の非違監察のために置かれた役職である。朝廷の位置する京都という地には京都所司代と東西町奉行所が置かれ朝廷内部の事件の捜査などは禁裏付が処理した。禁裏付雅帳シリーズの主役は五百石の旗本である東城鷹矢が若輩ながら役高千石の禁裏付に任じられ、格上の町奉行所、京都所司代、異質の文化に満ちた公家社会に翻弄されながら役目を果たしていく物語。背景には九代将軍家重、十代将軍家治の寵臣として権威を手中にした田沼意次が第十一代将軍家斉によって放逐され、代わって権力を手にした松平定...上田秀人の『崩落』禁裏付雅帳<三>

  • 水彩画教室でドクダミとクリスマスローズの花を

    ◇籐の籠に盛ったドクダミとクリスマスローズの花clesterF4中目clesterF4中目先週の水彩画教室では籐の籠に盛った花を描くことがテーマでした。花はこの時期いろいろありますが主たる狙いは籐の籠ということで、花は二の次という感じで、いろんな種類がありましたが、私はドクダミとクリスマスローズを選びました。いずれも白か淡い緑色のために背景色をどうするかが決め手で、花はマスキングで白を生かすことにしました。背景色をあまり濃くするわけにもいかず、花を浮き上がらせるつもりが何となく中途半端な仕上がりとなってしまいました。(以上この項終わり)水彩画教室でドクダミとクリスマスローズの花を

  • 家庭菜園のトマト栽培2022<4>

    ◇今年のトマトは不作かも第二果の着果を見て2回目の追肥をやったあと辺りから数本の木にうどん粉病の兆候があり、あわてて重曹の千倍液を噴霧したのですがこと既に遅く、周辺の木にも伝染しました。葉は下枝から順に枯死しました。おまけに2本の木が多分夜盗虫(地もぐり虫)にやられ枯死しました。毎年同じところに連作している弊害が一挙に出た感じです。来年はしばらくほかの葉物など作ってみようかと思っています。大きくなったトマトも高温が続く猛暑でも赤く熟すのが遅い感じがします。以上我が家の家庭菜園のトマト生育状況の報告でした。(final)実はそこそこに大きくはなったがうどん粉病の葉は萎れてはじめて赤くなったホーム桃太郎夜盗虫の被害を受けた木(以上この項終わり)家庭菜園のトマト栽培2022<4>

  • 今野敏の『ヘッドライン』

    ◇『ヘッドライン』著者:今野敏2013.4集英社刊(集英社文庫)今野敏「スクープシリーズ」第2弾。警視庁刑事部捜査第一課特命捜査第二係所属の巡査部長黒田裕介が主役の一人。捜査第二係は未解決事件継続捜査が仕事である。東都放送(TBN)夜11時のニュース番組『ニュースイレブン』のデスク鳩村昭夫。メインキャスターの鳥飼行雄、女性キャスターの加山恵理子、社会部の遊軍記者で現在はこのニュース番組の専属記者として動いている布施京一。これが主要登場人物であり、ここにサブとして東都新聞記者持田豊、黒田の相棒谷口などがいるが、主役と言えばTBN遊軍記者の布施とその上司である鳩村、そして警視庁の黒田刑事である。スクープシリーズとあるようにTV局でも新聞でも抜きつ抜かれつの争いがあり、これが小説の種になる。どこかに抜かれないよ...今野敏の『ヘッドライン』

  • 西條奈加の『心淋し川』

    ◇『心淋し川』著者:西條奈加2020.9集英社刊時代小説、現代小説なんでもいござれという話題の女性小説家の一人西條奈加の作品。第164回直木賞受賞作で、小説すばる連載の作品を単行本化した連作短編集。はじめてお目にかかったが、筋の運びといい人物造形といい堂に入っているし何よりも人情の機微を巧みに映し出している。江戸は根津権現近くの窪地に長屋風に固まったその日暮らしの貧乏所帯が屯する六兵衛長屋。心町と書いてうらまちと呼ぶ。そこを流れるどぶのような川が「心淋し川(うらさびしがわ)」である。ここで生まれここで育ったちほ。早くこの薄汚れたどぶ川沿いの長屋から逃れたい。付き合っている紋染職人の元七に二人の行く末を問いただしたら親方に京都の職人に弟子入りし腕を上げて帰って来いとわれたと…。本人も修行してきたいということ...西條奈加の『心淋し川』

  • 梅雨時の写生会は「本土寺」で

    ◇アジサイ寺で知られた長谷山本土寺へclesterF8梅雨時の写生会。前回の観音寺(柏市)はあいにくの雨で中止になった当クラブの写生会。今回は時期的にアジサイで知られた松戸市北小金にある「本土寺」。昨日は予報が外れたが今日も28℃と予報も外れ。蒸し暑いが28℃には達しなかった。しかし雨が降らなかっただけで良しとしなければ。本土寺は鎌倉の明月院ほどではないが首都近郊ではアジサイ寺として名が知られている。この時期はアジサイのほかあやめも満開とて平日なのに沢山の人が押し寄せていた。寺はこの時期は拝観料として500円求める。障碍者と子供は300円だが高齢者だからと言って容赦しない。アジサイよりも菖蒲池の周りが結構な人で賑わっていた。アジサイもあやめも絵にするとどうしても花を鮮明に浮き上がらせるにはマスキングが欠か...梅雨時の写生会は「本土寺」で

  • 辻村深月の『琥珀の夏』

    ◇『琥珀の夏』著者:辻村深月2021.6文芸春秋社刊本書の主人公近藤法子は41歳弁護士、学生結婚で同業の夫瑛士と3歳の娘藍子がいる。法子が小5のころから3年間「ミライの学校」という任意団体主宰の「学び舎」というところに体験合宿したことがある。この期間親から離れ合宿し、子供主体で生活と学びをすすめ、主体性と創造性を身につけるというのである。法子は同級生のユイの母親の誘いで静岡の学び舎の体験合宿に参加した。そこで法子はミカやヒサ、チトセ、エリカ、アミなど多くの子供と知り合った。本書の第5章までは法子の合宿体験の記憶の回想であり、本筋の伏線でもある。「ミライの学校」という宗教法人まがいの団体の運営する「学び舎」は、その後副業として天然水の販売事業行っていたが、会員が殺菌なしの水を友人に回し食中毒らしい症状が出て...辻村深月の『琥珀の夏』

  • 森村誠一の『闇の処刑人』

    ◇『闇の処刑人』著者:森村誠一2006.7中央公論新社刊(中公文庫)江戸時代後期、処刑請負人あるいは必殺仕事人の事件控である。TV化もされたらしいが私は観ていない。主人公は主君に理不尽にも切腹を命じられ、上使を斬り脱藩した浪人松葉刑部。腕を見込まれて仕官を勧められたりするが、掟にがんじがらめの武士より自由気ままに仕事を選べるいまの刺客仕事は賭場の主徳松の仲介で回ってくる。必ずしも依頼人の素性や依頼の事情を聞いて請け負うか否かを決めているわけではない。警察用語でいうところのマル対の素性を聞いて不審事情を推測することもあるが、処刑相手が必ずしも罪びととは限らない。善悪が逆の場合もあるのである。そこが小説の素材になるのである。<闇の意地>極端な例は依頼人と処刑対象者双方から処刑依頼が出た事案。奇妙な事例なので背...森村誠一の『闇の処刑人』

  • 家庭菜園のトマト栽培2022<3>

    ◇「ホーム桃太郎」第3果が開花して支柱を立てて3週間。木も大分大きくなって、大体1mを超えました。となりの柿の枝が日陰を作り邪魔になっていますが、昨年はあまり生らなくて今年は生理落下も終わって大分実が大きくなってきたので柿もないがしろにできないし、狭い畑はこうした苦労があります。伸びたトマトが柿の枝と接触しかかっている樹高120センチくらい第2果が大きくなって第3果の花が咲いた(以上この項終わり)家庭菜園のトマト栽培2022<3>

  • 東山彰良の『怪物』

    ◇『怪物』著者:東山彰良2022.1新潮社刊2015年直木賞を得た『流』の続編ともいうべき作品。作者はまえがきともいうべきページでこの物語は私の夢である。夢の中で掴んだ真実をこの物語に織り込んだ。読者はこれからいわばネタバレ小説を読まされるというのである。前作『流』では作者である自分と従兄(王誠毅)と二叔父さん(王康平)の物語だった。本書でもその内容が10年前に作者が書いた『怪物』作品の土台として登場する。当時『流』で語り手であった青年(わたし=薄秋生)は10年後には47歳の作家大先生(柏山康平)である。『怪物』が英訳され国際文学賞最終候補に残ったことから、柏山康平先生は台湾に招かれてサイン会に臨むが、担当編集者の植草に煽られて『怪物』の改訂に取り掛かろうと意気込む。柏山康平はサイン会で通訳担当の椎葉リサ...東山彰良の『怪物』

  • 柚月裕子の『ミカエルの鼓動』

    ◇『ミカエルの鼓動』著者:柚月裕子2021.10文芸春秋社刊『孤狼の血』、『暴虎の牙』を読んで男性的感性が横溢したストーリーに感動した者の一人であるが、同じ作家柚月裕子の作品である本書は医療分野の中でも先進性が高い心臓外科のロボット支援下手術を主題にした内容で、如何に専門家の協力を得たにしろ心房中隔欠損症弁置換手術の圧巻的なシーンの叙述は詳細を極め、感動的であった。この小説での主役は西條泰巳45歳。ロボット支援手術の第一人者として評価が高い。一方ライバル的存在として登場するのは真木一義44歳。心臓の開胸手術では心臓外科界のエースと言われていた。何がライバル的かと言えば先々所属の北中大病院長として嘱望されている西條の前に突然招聘されて現れた同じ心臓外科の開胸手術のエースだからである。西條の医療に関する基本スタンス...柚月裕子の『ミカエルの鼓動』

  • 筑波実験植物園の「クレマチス展」を見学

    ◇国立科学博物館の実験植物園昨日は五月らしい天候ということもあって、勧められていた筑波研究学園都市の一角にある国立科学博物館の実験植物園の特別展「クレマチス展」を見学してきました。まだ現役のころ隣の課が研究学園都市推進担当で、国策として進めていた試験研究・教育機関の移転対策で苦闘していたのを想い出しました。研究職の人たちは「そんな僻地に島流しされるのはいやだ」と猛反対していたからです。最初は立派な道路だけが先行し、砂埃が経っていました。その後幾星霜、今や諸外国に胸を張って誇れる研究機関が林立しています。中でも率先移転した東京教育大(現筑波大)は研究学園都市の盟主のごとく広大なキャンパス(250ha)を有し、素晴らしい教育・研究環境が整えられています。その一角に国立科学博物館の植物の研究推進のために設けた「実験植...筑波実験植物園の「クレマチス展」を見学

  • 家庭菜園のトマト栽培2022(2)

    ◇トマトの支柱建てトマト苗を移植して2週間経ちました。既に大きい木の樹高は53センチ、小ぶりな木で40センチになりました。先日の雨風で危うい感じの苗があったので恒久的な支柱を立て、苗木を支柱に誘引しました。苗を移植した時点ですでに第一果の花芽を付けている木が多かったのですが、御覧のとおり木によっては既に第二果の花芽を付けています。木が徒長しないで、しっかりと実を付けていくことを祈るばかりです。菜園全体図1菜園全体図2樹高53㎝下に第1果上に第2果の花(以上この項終わり)家庭菜園のトマト栽培2022(2)

  • 春の鉢花「ゼラニウム」を描く

    ◇紅いゼラニウムの鉢花clesterf4先々週の水彩画教室では春の代表的な鉢花「ゼラニウム」を描いた。ゼラニウムは育て方が良いと結構長く楽しめ、地植えで大きく育てることもできる。今回の花はたぶん赤系のカリオケダークレッドというタイプ。一本の茎の上に線香花火のように花が咲く。葉に特徴があって、やや小ぶりながらシクラメンに似た葉を付ける。花弁が密集するので、描き分けてボリュウム感を出すのがむつかしい。(以上この項終わり)春の鉢花「ゼラニウム」を描く

  • 深緑 野分の『ベルリンは晴れているか』

    ◇『ベルリンは晴れているか』著者:深緑野分2018.9筑摩書房刊物語の本流は第二次世界大戦直後の、まだヒットラーが自決してまもないベルリンが舞台の、混迷の時代を生きたアウグスティ・ニッケルという若い女性の物語であるが、途中幕間と称して主人公の幼少期の家族、ドイツ第三帝国誕生の経緯など社会環境の話が入り、最終章でこれが見事につながるという構成の妙がある。人物造形が見事であるが丁寧な情景描写も実体験があるかのようにすばらしい。英国軍機による爆撃で焼き尽くされたベルリンの惨禍。戦後混乱期のヤミ市のシーンなど、日本の同時期の闇市と見まがうほどリアリティがある。本書末尾の謝辞において参考文献参照はもちろん、ベルリンにまつわる資料と逸話、ドイツの雰囲気や社会、軍事、などについて多くの識者など助けを受けた人々に感謝をささげて...深緑野分の『ベルリンは晴れているか』

  • 家庭菜園のトマト栽培2022(1)

    ◇ホーム桃太郎を植える連作障害のリスクを危ぶみながら毎年庭の一角を耕しトマトを栽培する。ミニトマトは鉢植えしているので、畑には大玉の「ホーム桃太郎」。2坪しかないので畝は3本、1畝に6本しか植えられない。例年連休前の天気の良い日の午前中に一日前に買って来た苗を植える。これまでやっていなかったマルチ栽培。今年は試しに黒いマルチシートを張って、30㎝間隔で切った穴に植えた。マルチを張ると地温が高くなり、雑草も防げるという。数日雨が続いたので、畝はたっぷり水を含んでいるので、鉢から抜いてそのままやや浅めに移植し、念のためたっぷり水を遣る。風で倒れてはいけないので仮の支柱を立てた。(以上この項終わり)家庭菜園のトマト栽培2022(1)

  • 凪良ゆうの『流浪の月』

    ◇『流浪の月』著者:凪良ゆう2019.8東京創元社刊大好きだった父を病で亡くし、奔放な母は男と出奔した。叔母の家で「厄介者」として窮屈な生活を送っていた家内更紗は、公園で子供らから「ロリコン」と噂されていた大学生佐伯文に「うちに来る?」と誘われ「いく」と言ってついていった。夜になると勝手に部屋を開ける中2の叔母の息子孝明から逃れたい気持ちでいっぱいだった。このとき文は19歳。更紗は9歳。突然消えた更紗は叔母に家出捜索願を出されTVに顔写真が出た。ネットであることないことが氾濫する。何か月か経って、更紗がパンダが見たいと言って、物園に行った。そこで二人を見た人たちに警察に通報され文は逮捕され、更沙は児童保護施設に保護された。これからは主として更沙の話である。それから15年後。施設を出た更沙は仕事も得て独り暮らしを...凪良ゆうの『流浪の月』

  • 春の野菜タケノコなどを描く

    ◇春野菜・タケノコなどclesterF4先週の水彩画教室では春の野菜を描こうということで、ほぼ定番の筍と山ウド、アスパラガス、フキなどを描きました。エリンギやシメジなどは工場栽培なので春以外の季節でも出回っています。タケノコは切り口が新鮮でなく、根っこの予備軍ともいうべき紫色のいぼいぼが切り取られているのが難点でした。フキの葉は描いていううちにしおれてきて、葉脈も定かでなくなってきました。もっと丁寧に描かないとリアルさに欠けると反省しました。シメジの下にある葉は山椒の若葉です。(以上この項終わり)春の野菜タケノコなどを描く

  • 伊岡 瞬の『悪寒』

    ◇『悪寒』著者:伊岡瞬2019.8集英社刊(集英社文庫)山形の系列子会社営業所に飛ばされて、初めての営業仕事に悪戦苦闘している男が現れて、東京に残した妻子の今を思っているシーンで、ありきたりのサラリーマン小説かと思ったが、違った。大手製薬会社の社内権力抗争に巻き込まれた藤井賢一。組織上専務派と目されていたのに対立する常務から贈賄事件の実行者として責任を問われ、系列会社の営業所に出向という形で左遷された。田舎町での配置薬販売の営業仕事に嫌気がさしていた藤井は突然非日常の世界に放り込まれる。ある夜妻の倫子から脈絡のない不審なメールを受ける。心配になって練馬区の自宅に帰るが、バスの中で倫子の妹優子から妻倫子が自宅で殺人を犯したという話を聞かされる。しかもその被害者が常務の南田隆司だという。一体何が起こったのか。しかも...伊岡瞬の『悪寒』

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