J・F・フリードマ ンの『第一級謀殺容疑』<上>
◇『第一級謀殺容疑』(原題:AGAINSTTHEWIND)<上>著者:J・F・フリードマン(J・F・FREEDMAN)訳者:二宮磬1991.11新潮社刊(新潮文庫)本作はタイトルにある通りいわゆるリーガル・サスペンス(法廷もの)である。法廷ものと言えばジョン・グリシャム、スコット・トゥローなどが有名であるが、彼らの作品に決して引けを取らない面白さがある。それは対象事件の異常さ、法廷での丁々発止のやりとりの面白さもさることながら、主人公の弁護士ウィル・アレクサンダーのキャラクターが醸し出す空気がハードボイルド的で、マッチョでありながら時折自虐的な内心の吐露があったりして読者を惹きつける。作品中段では問題死刑囚が入っている刑務所で暴動が起き、受刑者側から州側の交渉役にはウィルが付くよう要求された。その事件現場...J・F・フリードマンの『第一級謀殺容疑』<上>
2024/06/26 14:40