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ittiのBL創作小部屋 http://itti57.blog.fc2.com/

R18有。切ないけど楽しい物語。同級生、リーマン、日常系のお話です。

オリジナル小説・イラスト・漫画など 何でも思うまま創作中

itti(イッチ)
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2016/01/12

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  • ほどける指先 184

    夏のむせる様な暑さが少し引き始めた頃、正美は部活で毎晩のように遅くなっていた。国体に向けてメンバーも決まり、岡部に続いて控えのメンバーに入る事が出来たので、練習に集中していたのもあった。身長はあっても体格で負けてしまう事が多く、その為食事量を増やしたりと試行錯誤していたが、漸くこの2ヶ月間でリバウンドの際に当たり負けしなくなって喜んでいた。 千晶は相変わらず学校と塾の両方で勉強三昧。この頃には夕...

  • ほどける指先 183

    千晶の受験勉強は、京子が思う様に進んでいなかった。それが分かったのは、塾から保護者に宛てた試験結果。桐島高校に合格するには、塾で行なう試験があって、一定の成績をとらないと難しい。昨夜、その封筒に入った結果を見た京子は肩を落とした。「千晶はちゃんと勉強していると思ってた。夏休み中も休まず塾に通ってたし.....」 二階から、水を飲みに降りて来た千晶に封筒を見せながら京子は云った。表情は至って普通。悲し...

  • ほどける指先 182

    千晶の異変に気付いたのは、夏休みが終わり二学期が始まってすぐの事。正美の部屋にも時々来る事はあり、正美はあの夜の事がトラウマの様になっていて、千晶に触れる時は細心の注意を払っていた。でないと、容易に壊してしまいそうで怖かった。 その晩も、千晶は正美のベッドに潜り込んでくると、性急に身体を求めて来た。そして、いつもの様に優しく触れる正美に対して、急に上体を起こすと「正美は俺の事負担に思ってるんだ...

  • ほどける指先 181

    夏休みも終わりに近づくと、課題を仕上げる為に午前中は自室に籠っている千晶。父の言葉を聞いた次の日に、それとなく謝る様なメッセージをもらい、かえって煩わせてしまったと思う千晶だった。あれから夕飯は自分と正美の分しか作らなくなった。母の京子に至っては、父とのやり取りを知る術もなく、相変わらず仕事に没頭する毎日で、子供としては両親の仲が心配になる。「ねえ、最近お父さんと母さん、ちゃんと会話してるのかな...

  • ほどける指先 180

    どうしても、父拓真の云った言葉が気に入らない正美は、部屋のドアをノックすると「入るよ」と云ってドアを開けた。「どうかしたか?」と、風呂の準備をしていた拓真が、着替えを手にして正美を見たが、その表情はあからさまに不機嫌そうで、すぐに今しがた自分が云った言葉のせいだと分かる。「父さんさぁ、千晶がせっかく料理を頑張ってるのに、あんな言い方は酷いよ。二人が遅くなるのは承知で、ちゃんと保存できるようにして...

  • ほどける指先 179

    ご飯を食べな がらの会話はいつもと変わらない。千晶は勉強で難しいところを正美に訊くし、正美はバスケで練習試合をした事やポジションが変わった事を話す。変わり映えしない話でも、食べながらのものはそれだけで楽しいと思えるし、食も進んだ。「洗い物はオレがするから、千晶はリビングでゆっくりしな」 立ち上がると、正美がそういうので、ありがとう、と云って千晶は自分の皿を渡すとキッチンから出た。 本当は正美の方...

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