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ittiのBL創作小部屋 http://itti57.blog.fc2.com/

R18有。切ないけど楽しい物語。同級生、リーマン、日常系のお話です。

オリジナル小説・イラスト・漫画など 何でも思うまま創作中

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2016/01/12

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  • ほどける指先 178

    今夜の夕飯は、簡単に冷やし中華を作って食べる事にする。キュウリやトマト、ハムに玉子を刻んで用意しておくと、後は麺を茹でるだけ。冷蔵庫にしまって、正美が帰ってきたら準備すればいい。 取り敢えず、先にシャワーを浴びる為に浴室に向かう。身体を洗いながら、最近正美に触れられていないせいで、性欲が溜まりつつあるが、それを自分で処理する気にもなれなかった。 簡単に済ませると、浴室から出て髪も乾かさないままキ...

  • ほどける指先 177

    あの夜から一週間、正美が千晶に触れる事はなかった。部活が始まると、疲れを理由にひとりで眠りたいといい、正美は千晶を遠ざけた。二人の間には、なんとなく共通して戸惑いがある。一線を越えて、繋がりたいという気持ちと同じくらい、どうなってしまうんだろうかと、不安もあった。それを払拭できないまま、取り敢えず夜は離れて眠る事にした訳だ。 千晶は、塾の帰りにバス停で岸に出会うのではないかと、気まずさも抱えなが...

  • ほどける指先 176 *

    ベッドの淵に腰を掛けて、見下ろした先に千晶の揺れる頭部が見える。そして時折見え隠れする自分の硬芯が、千晶のくちびるに飲み込まれると、腰のあたりが疼いてしまい力が入った。「ぁあっっ、..........」と、低く呻いてしまえば、チラッと正美を見上げる千晶の眼差しが、胸を射貫くように熱い。正美が感じているのかを確かめるように、何度も見上げられて、遂に正美の手は千晶の頭を押さえつけた。 吸い付かれて、その度に力...

  • ほどける指先 175 *

    必死に抱きついてくる千晶が可愛くて。 正美は、指先を丁寧に蠢かせ、出来るだけ痛くない様に孔を刺激する。本当は、自分の滾ったものをそこに捻じ込みたくて、でも、傷付けてしまうのが怖くて、勢いに任せてし始めた事を少し後悔した。前を扱きながら孔に入った指を少しづつ奥に進めると、急に千晶の身体がビクンと跳ねた。同時に、ひぁぁっ、と変な声が耳元で聞こえて、驚いた。「ど、どうした?」と、千晶の顔を覗き込むと、...

  • ほどける指先 174 *

    正美にキスをされて、そのまま後ろを弄られて、前に自分で慣らそうとした時には、指一本の先っぽがせいぜい。それも異物感がハンパなくて、諦めてしまった。なのに、今はキスをされているせいか、興奮状態だからなのか、あまり不快感は感じなかった。むしろ、ちょっと気持ち良かったりして、頭の奥がぼんやりしてくる。「ぁ、.......まさみ、ぃ...............」 息継ぎをした時に、思わず声が漏れてしまい、それが正美を奮い立...

  • ほどける指先 173

    ベッドに横たわりながら、正美は帰りに出会った岸の姿を思い出していた。あの表情を思い出すと、胸のあたりが苦しくなり、益々千晶を閉じ込めておかなくては、と思ってしまった。閉じ込めるなんて出来る訳がないのに.....。 千晶に、岸と会うなと云うのは、底意地が悪いと思われてしまうかも。でも、云わなければ千晶は簡単に岸の手にかかってしまいそうで。それだけは回避したかった。 沸々と思いを巡らせていると、ドアが開...

  • ほどける指先 172

    その夜、両親の帰りはいつも通り遅くて、千晶は正美の後にシャワーを浴びようと、リビングで待っていた。 テレビの音声を聞きながら、視線は携帯の画面に向けられている。祭りで久々に出会った吉村からメールが来ていて、それに返信をするが、内容は今日紹介された年上のカレシの惚気に対してのもの。ボーイズラブの漫画を借りてから、何度か行き来はあった。その頃は、まだカレと出会っていなくて、何なら千晶に好意を寄せてい...

  • ほどける指先 171

    人通りの少なくなった道で、腕を掴まれたままじっと黙っていると、そのうち家の方に向かって歩き出す正美に引っ張られる千晶。 肘の上あたりをグッと掴まれて、段々痛くなってきた。なのに、一向に掴んだ手を離さないので、千晶はとうとう声をあげると、離してよ、と云った。 フッと千晶に振り返り、漸く正美が手を離す。「痛いんだよ、力任せに掴んでさぁ。折れるかと思った」 そう云うと、腕を擦って見せる。「.....ごめん...

  • ほどける指先 170

    正美と岸の間に不穏な空気が漂い、千晶はおろおろとするばかり。 自分たちが血の繋がった兄弟でない事を岸が知っている。その事で、正美は千晶の顔を見ると、「お前が話したの?」と訊いた。「あ、......ごめ、......でも、別に隠す事じゃないし」 千晶は、正美に鋭い視線を向けられて、うわずった声で云った。別に、小学生の時からの友達や同級生には知られている事だ。頑なに隠す必要はないと思っていた。 岸は、尚も正美に...

  • ほどける指先 169

    正美の言葉に傷ついた千晶は、頬を膨らませたままどんどん先を歩いて行く。「ちょっと、千晶、、、、」と云いながら困り顔の正美。千晶の後を付いて行くが、その内諦めてゆっくり歩き出した。 千晶を弟と云ってしまった事で気を悪くしたのは分かっている。だが、事実だし、自分としては弟の千晶を好きになってしまったので、それは分かって欲しいと思う。 千晶の背中がどんどん遠ざかって、振り返りもせずに歩き続ける姿を見る...

  • ほどける指先 168

    雑踏へ戻って、飲み物の屋台を探す。プラスチックの容器に入った色とりどりのジュースが、南国を思わせるイラストの台の上に並んでいて、千晶はじっと物色しながら歩いた。可愛い形をしたストローが刺さっているのは、値段も高くてちょっと買うのをためらう。 少し歩いて他の屋台を探すが、ほとんど似たようなものばかり。かといって、自販機も近くには無い。仕方なく、戻りながら最初の店のジュースを買おうと、店の前に並んだ...

  • ほどける指先 167

    夏休み中、千晶たちの両親は何故か仕事に追い立てられている様で、相変わらず子供たちだけでの時間を過ごす事となった。 正美は、父と母が言い合いをしているのを聞いてしまって、それを千晶に云えないままいる事で、気持ちはとても複雑だった。「まあ、毎年こんな感じだよな」と、諦めた様な言い方の千晶に、正美も「そうだな」と同意するしかない。「おばあちゃんの家に行ってみる?」 正美がそう云ったが、千晶は祖母から旅...

  • ほどける指先 166

    塾の帰りに岸と出会う事が多かったせいで、千晶はバス停に着くと辺りを見回した。前回来た方向には見当たらなくて、少しだけ安堵する。 岸の事は別段嫌いではないし、センパイとして優しく接してくれるので、そこは有難いと思う。が、付き合うという事とは別だ。岸が、同性との付き合いを良しとする人種なのが分かって親近感を覚えたが、自分に矛先が向けられると曖昧な返事は出来ないと思う。それに、自分は正美以外の男を大事...

  • ほどける指先 165

    朝も早いというのに、セミの鳴く声で目覚めた千晶は、隣でうつ伏せのまま眠る正美の肩を揺する。「正美、起きなよ、部活行くんだろ?」 声だけ掛けると、自分は正美の身体を跨いでベッドから降りた。脱いで床に落ちたままのTシャツを被ると、ハーフパンツを穿いてもう一度正美の顔を見る。「おい、俺下に行くから、ちゃんと起きなよね」「.......う~ん、分かったぁ」 寝惚け眼を擦りながら、そう云って枕に突っ伏した正美。 ...

  • ほどける指先 164

    父の事が心配なのに、ふたりでベッドに入ってしまえば、火が付いた様に抱き合う千晶と正美。 互いにヌき合うと、大きく深呼吸をして正美は立ち上がった。「喉渇いたから水取って来る」 そう云って、Tシャツを着て、部屋から出て行く正美の背中を見送りながら、千晶は頭の片隅にしまった岸の言葉を思い出す。 階下に降りて行った正美は、リビングから両親の声が聞こえたので、声を掛けようと近寄って行ったが、なんだか声の調...

  • ほどける指先 163

    正美の体温を背中に感じて、いつもなら跳ね除けるところだが、今夜はなんだか安心して身を任せられた。一応は両親の帰って来ない事が大前提だが、回された腕が千晶の身体を弄って、腹や胸の辺りに伸びてくると少しだけ期待してしまう。案の定、正美の指先は千晶の胸の敏感な先っぽを捉えるとキュッと摘む。おもわず変な声が漏れそうになって、慌てて身体をグッと反らせると、後頭部が正美の顎に当たった。「イテッ、、、」と怯ん...

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