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どんぴんからりん すつからりん https://blog.goo.ne.jp/ogawasaito

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・・。それにしても奥が深い。(2012.9から)

どんぴんからりん すつからりん
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2015/11/21

  • おじさんのぼうしは どこいった?

    おじさんのぼうしはどこいった?/ジョアン・L・ノドセット・文フリッツ・シーベル・絵やすだふゆこ・訳/出版ワース/2021年農場に住むおじさんの、大のお気に入り、古くて茶色の帽子が風にさらわれて飛んでいってしまいました。おじさんは納屋の中、鳥小屋を探し、リスに聞きました。ねずみにも聞きました。ハエ、ヤギ、カモにも聞きました。小鳥に聞くと、「まるくてちゃいろいすてきなすなら、みつけましたよ。」おじさんが木に登ってみると茶色の帽子の中にちいさなたまごがひとつ。おじさんのふるい麦わら帽子ににていますがとりあげる気などはまったくありません。新しい麦わら帽子を買いました。農場に住む動物たちがどれも、いいかんじ。牧歌的な風景も素敵です。麦わら帽子はリスには、ちゃいろいとり、ハエにはちゃいろいやま、ヤギにはまるくてちゃい...おじさんのぼうしはどこいった?

  • 地蔵とまま子・・大分

    大分のむかし話/大分県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1975年おっかあからいわれ、まま子は底のない袋、妹は底のある袋をもって、しいの実をひろいにいった。まま子(ねえねえ)は、袋がいっぱいにならず、いつのまにか日が暮れてしまい、ねるところをさがしよったら、石の地蔵さまにおうた。ねえねえが一心におがみよったら、お地蔵さまが「こりゃあ、かわいそうな子じゃあ、これでごはんをたいて食べなさい」と、米と金の鍋と金の茶碗と箸をくれたんと。ねえねえは、金の茶碗に飯をもって、一番にお地蔵さまにそなえ、自分は、木の葉に飯をついで、竹の箸で食べたと。そしたらお地蔵さまは、「ここのあたりには、毎晩鬼が集まるところだから、用心してねろや。鬼どもが来たら、ニワトリの鳴くまねをしてみろや」といって、蓑と笠をかしてくれたと。ねえ...地蔵とまま子・・大分

  • ぼくのスカート

    ぼくのスカート/作・ピーター・ブラウン訳・監修・日高庸晴/小学館/2023年フレッドは、はだかんぼ。はだかんぼで、いえじゅうをぴょんぴょんじぶんのへやにいってぴょんぴょんしてからろうかをよこぎっておとうさんとおかあさんのクローゼットにそろそろとはいってみますおとうさんのふくシャツネクタイをとりだしきてみましたなんだかにあわないみたいおかあさんのブラウスとスカーフとくつをそおっととりだしつけてみるとなんだかいいかんじこんどはおかあさんのけしょうどうぐのひきだしをあけネックレスをつけくちべにでいたずらがきそこへお父さんおかあさんがへやにはいってきて・・・フレッドは男の子ですがおとうさんおかあさんフレッドといっしょに口紅をつけたり、髪をとかしたり。フレッドがトランスジェンダーかはわかりませんが男の子がスカートを...ぼくのスカート

  • わたしのかさは そらのいろ

    わたしのかさはそらのいろ/あまんきみこ・作垂石眞子・絵/福音館書店/2015年(2006年初出)なくした傘のかわりにお母さんにかってもらったのはそらいろのかさ。「あおがすきなの。だって、はれたひのそらのいろよ」雨の日、「わたしのかさはそらのいろあめのなかでもいいてんき」と、うたいながらいくと、くさむらからこねずみたちがやってきて、「いーれて」「いーれて」「いーれて」きのかげやくさのあいだからとびだしてきたのはこうさぎや。こぎつね。むしやすずめやはとたちまで、「いーれて」「いーれて」「いーれて」おともだちも傘の中にはいってきました。見上げて、びっくり。青い傘は、ずんずんずんずんひろがっていたのです。傘はあおぞら。傘をまわし、「わたしのかさはそらのいろあめのなかでもいいてんき」と、歌っていると・・・。これから...わたしのかさはそらのいろ

  • おてがみ

    おてがみ/なかがわりえこ・作なかがわそうや・絵/福音館書店/1998年(1969年初出)こねこの”にお”のところに、たまこちゃんから荷物が届きました。箱を開けると、真っ赤な風船がとびだし、カードがついています。「あそびにきてね、たまこ」というおてがみ。におが風船といっしょに丘をかけおりると、風船はにおの手からぬけみけねこの・みーたのところへとんでいきました。みーたも「あそびにきてね、たまこ」のてがみをみておおよろこび。みーたが、風船をふくらましいっしょにはしると風船はみーたのてからぬけ、くろねこ・くろすけのところへとんでいきました。くろすけも「あそびにきてね、たまこ」のてがみをみておおよろこび。風船は、どかんであそんでいたとらねこ・どらこにとんでいきました。風船をもっとおおきくしようとどらが風船をふくらま...おてがみ

  • 金ひり小犬・・長野

    長野のむかし話/長野県国語教育学会編/日本標準/1976年じいさまとばあさまがかっていた犬は、ご飯をやると小判をうむ不思議な犬。それで、たちまち長者さまになったと。じいさまは、「そんなに、小判をうまんでもええぞ。うんと長生きしてくれや」と、犬を大事にし、困った人をみると、小判をめぐんでやっていた。ばあさまは、「村のもんに、そんなに小判をやることあねえ」と、おこってばかり。そして自分はきれいな着物を着て、うまいもんばかり食べ、山吹の花をながめて楽しんでいた。ばあさまは、どんどん欲深くなって、蔵いっぱいの小判をためてえなあって思うようになった。犬は、ご飯を食べさせれば食べさせた分だけ小判をうんでいた。五合のごはんをくれると、五合の小判をうんだんだと。「どうしてこんなことに早く気がつかなかったんだいなあ」とくや...金ひり小犬・・長野

  • ちいさいおしろ

    ちいさいおしろ/作・川崎大治絵・鈴木寿雄/童心社/1998年(12画面)ねずみさんがだあーれもすんでいないおしろをみつけすみはじめました。そこへかえるがやってきてふたりですむことにそこへこんどはうさぎがやってきて三人ですむことにそれからきつねおおかみくまさんもやってきておしろの屋根に座ったらおしろがつぶれてしまい・・・。ここからみんなが協力してあたらしいおしろをつくりましょうつくろう!つくろう!よいしょこらしょよいしょこらしょひとり一部屋のすてきなおしろでした。参加型の紙芝居。リズムもあって、動物のネーミングも楽しい。ねずみはガリガリかえるはクワックワッうさぎはぴょんぴょんきつねはコンコンくまはおおあしちいさいおしろ

  • 二平方キロメートルの世界で

    二平方キロメートルの世界で/前田海音・文はたこうしろう・絵/小学館/2021年札幌に暮らす小学3年生の海音ちゃん。脳神経の病気のために、3歳の時から年に何回か入院する。長期入院になることはほとんどないので、同室のかんじゃさんと、はなしたりすることも少ない。入院中は、縦約2m、幅約1mのベッドで、寝る、食べる、遊ぶ、勉強など、だいたいのことは、この空間ですごす。原因不明の病気、よくなることを期待しながら、先生がたの顔を見たら、だいたい検査結果が予想つくようになった。発作があるかぎり修学旅行にもいけないし、自分がみんなといる場所とはちがうところにいるのだと思わされて、あきらめるってこういうことなのかと、静かな気持ちになる。「もういや!」「一日でいいから、薬を飲まなくてもいい日をください!」。たくさんの言葉をわ...二平方キロメートルの世界で

  • 茂吉のねこ

    茂吉のねこ/文・松谷みよ子絵・辻司/ポプラ社/1973年茂吉は、茂吉の「も」の字を聞いただけでもけものというけものは、すかんすかんとにげだすほどの鉄砲うちの名人。この茂吉、とほうもない酒飲みで、一日やまへ入るとつぎの三日は酒を飲んでいます。酒の相手は、かわいらしい三毛猫が一匹。不猟のある日、酒飲んでねるべと酒屋によると勘定がだいぶたまったから払えといわれ、帳面を見ると覚えのない勘定がついているので言い争いに。あたりが暗くなったころ、赤い半纏を着たかわいらしいわらしが店先にやってきて、「さけ一升おくれという」というと、「かんじょうは茂吉だ。」と、表へでていきます。あっけにとられた茂吉がやにわに手に持った煙管を、わらしにめがけてなげつけるとわらしは悲鳴をあげにげだしました。ぼんがぼんがと逃げていくわらしをおい...茂吉のねこ

  • エリックとマチルダ

    エリックとマチルダ/ミーシャ・リヒター・作みつじまちこ・訳/新教出版社/2023年ユキガチョウノのエリックは、行進をしているマチルダに一目ぼれ。だいすきだって、わかってもらわなくちゃ。エリックは、マチルダの気を引こうとして、うしろあるきで行進してみました。でも、マチルダはみむきもしません。さかだちは、どう?マチルダはつんとおすまし。うしろにまわって、ガーガーとうたってみたりあたまのうえでつばさをひろげて、行進して見せたりでもマチルダはだまって歩き続けています。エリックが、フクロウになやみを打ち明けると森の賢者のフクロウは、「だいすきだよって、ことばでつたえればいいのじゃないかね?」と、アドバイス。エリックが空高く羽ばたくマチルダに「だいすきなんだ」と、いうと・・・?思いを伝えるのは、態度はもちろんですが、...エリックとマチルダ

  • かぞえてみよう

    かぞえてみよう/ディック・ブルーナ/福音館書店/2018年外国の絵本なのに訳者がのっていないと思っていたら、たしかに訳は必要ありません。子どもが、はじめて数にであう絵本。1は、ろうそくが一本。2は、髪に結ばれたリボンは2個。3は、リンゴが三個。6は、干されている靴下が六本。10でおわると思っていたら、ヒヨコが11羽。12が最後で、凧の足。時計やカレンダーを考えると12までと親切。彩も鮮やかで、迷うなく数えられます。かぞえてみよう

  • 井戸に落ちたかみなり・・三重

    三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年「地震、雷、火事、親父」とくると、怖いものの典型。まあ、今のご時世では、親父の権威も散々。ある日、にわかに黒い雲が広がって、カミナリがなった。ドンバリという音がして、しばらくすると「助けてくれ、助けてくれ」と、神社の深井戸の中から聞こえてきた。村の人たちがのぞいてみると、落ちていたのはカミナリ。カミナリは、「落ちそこなった。たのむ助けてくれ」と、あわれな声を出したが、カミナリになんべんも暴れまわられたら大変と、村人は、重い石の蓋をして、二度度出られんようにした。それでも、カミナリが、もう悪さをしないと頼んだので、さすがに村人もかわいそうになって、「これから村に落ちんと約束出来たらゆるしてやる」というと、カミナリは、「二度と落ちたりしません。...井戸に落ちたかみなり・・三重

  • キューピッツとうさんの知恵・・ドイツ

    雪の白いのは/シャハト・ベルント編大古幸子・訳/三修社/2006年土地はほんのわずかしかなく、雌牛が一頭いるだけの農夫のキューピッツとうさんが町へ行こうとしたとき、途中でお金のたくさん入った財布を見つけました。ちゃんと拾ったことを届けないと罰せられます。自分だけならなんとかなりそうだが、女房はだまってはいないだろうと策を講じます。まずは、ふたりいっしょにテンの罠を仕掛けます。そして夜になると、キューピッツとうさんは、市場で買った大きなウナギを罠の中においておきます。翌朝、奥さんが罠をみてみると、そこにはウナギ。はじめは食べたくないと言っていた奥さんも、においに誘われ、おいしいおいしいと言って食べました。つぎの日、奥さんの目を盗み、肉屋で買った脂身を細かいサイの目に切り、窓から外へまき散らしました。夫婦がち...キューピッツとうさんの知恵・・ドイツ

  • ゆりかごになりたい、とヤナギは言った

    ゆりかごになりたい、とヤナギは言った/ベッテ・ウェステラ・文ヘンリエッテ・ブーレンダンス・絵塩崎香織・訳/化学同人/2023年十種類の木が、語り合っていきます。ナラがブナに「おおきくなったらなにになるとおもう?」と話しかけました。ナラはタンスと、ブナはテーブルになるのかもいいかもねとこたえます。それからカバノキ、ポプラ、トウヒ、カエデもなりたいものをあげていきます。ヤナギは、「ゆりかご」と、そっとつぶやきます。シダレヤナギは葉が落ち、枝は折れ、皮も剥がれ朽ちていき、その下ではカビやキノコがそだちはじめました。日本だったら杉や松がでてきてもおかしくはないのですが・・・。トネリコ、トウヒはあまり聞いたことがありませんでした。まわりをみてみると、家やおもちゃ、ベッド、スプーン、木ぐつ、バイオリンなど、あらためて...ゆりかごになりたい、とヤナギは言った

  • てんぐのうちわ・・三重

    三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年ばくちの好きな男が、負けが込んで、手にもっていたサイコロを振って「丁(偶数)見たか,半(奇数)見たか。」とやっていると、このようすを見ていた山のてんぐが「京(京都)見たか、阪(大阪)見たかて、ひとりごとをいうとるが、はて、みょうなやつじゃなあ。」と、聞き違えサイコロに興味をもった。男は口から出まかせに、ふしぎな品物だといわんばかりに、サイコロをみせびらかした。サイコロが欲しくなったてんぐは、空をとぶことができるはねと、トーミうちわ(ねがいごとがなんでもかなううちわ)を差し出して、サイコロととりかえた。男はすぐに大阪へとんで、よめいりじたくのまっさい中の、大きな家のむすめの鼻をのばしたりすっこませたりして喜んでいたが、むすめが泣きじゃくるのを...てんぐのうちわ・・三重

  • スズメのくらし

    スズメのくらし/平野伸明:文・写真/福音館書店/2019年(初出2013年)以前に比べて見ることが少なくなったスズメ。庭に来るヒヨドリやムクドリ、セキレイなどと比べても少ないようです。環境の変化が、こうした事態を引き起こしているのは間違いありません。警戒深いスズメの生態を写真で構成しています。このスズメについてどれだけ知っているのか、改めて反省しました。食べ物は?どんな巣をつくる?子育ては年四回。一回の卵の数は4~六個。興味深かったのは、同じ巣を繰り返し利用すること。ほかの鳥の巣は、子育て中にヒナのフンなどで汚れ、ダニも大発生するので二度と使うことがないのに、スズメは、水遊びや砂遊びで体を清潔にしているので繰り返し利用が可能といいます。また、スズメのヒナがひとり立ちするのが一週間から十日と、だいぶ早い。親...スズメのくらし

  • 悪魔にもできなかったこと・・ドイツ

    雪の白いのは/シャハト・ベルント編大古幸子・訳/三修社/2006年むかし三人の兄弟が、悪魔と協定を結びました。悪魔は兄弟に、欲しいだけのお金をいつでも手にはいるようにしてあげました。その代わりに、十年後には、悪魔のものになることになっていましたが、それぞれの兄弟がだした問題をもし悪魔が解決できなかったら、自由になれるという条件がついていました。そのときのために、一番上の兄は、馬を買い人を雇って小高い所に絶えず石を運び上げました。二番目の兄は、人を雇い、大きくて太い樫の木をものすごく細かく打ち砕き森の中にまき散らさせました。しかし、一番若い弟は、十年後のことは気にもかけないで、たえず居酒屋に入り浸り、飲んだり食べたりして楽しく日々を過ごしていました。十年後、一番上の兄は、悪魔に、山の石を30分以内に砕いて砂...悪魔にもできなかったこと・・ドイツ

  • えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いいそがしい毎日

    えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいそがしい毎日/松岡享子・原案・文降矢なな・文・絵/福音館書店/2022年とても働きもので、毎日朝から晩までくるくると”まめまめ”しく働いているえんどうまめばあさんとそらまめじいさん。ただ、一つだけ困ったことがあります。なにかをしていても、ほかにやりたいことが見つかると、すぐにはじめないときがすまないのです。お昼ご飯を食べていると、おばあさんは、えんどう豆に棒を立て、つるをまきつけてやるのを思い出し、畑にいくとそこは草ぼうぼう。草取りをして、抜いた草をうさぎにやろうと、うさぎ小屋にいくと、小屋の金網がこわれていました。うさぎたちに草を食べさせるのを忘れ、おじいさんに修理を頼みました。作業小屋に行ってみると、おじいさんの作業着に穴があいているのをみつけ、つぎあてをはじ...えんどうまめばあさんとそらまめじいさんのいいそがしい毎日

  • 二ひきのよくばり子グマ・・ハンガリー

    子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎編/実業之日本社/1964年世の中に出て幸せをつかもうと二ひきの子グマが旅に出ました。何日も旅を続け、おかあさんからもらった食べ物も残らずなくなってしまいました。のろのろ歩き続ける二ひきは、道の真ん中に落ちている大きなチーズを見つけ大喜び。ところが、このチーズのわけかたでひと悶着。兄が切っても弟が切っても、自分がもらう分が少なくなると口喧嘩。そこへ、ひょっこりキツネがやってきて、二ひきから喧嘩のわけを聞くと、じょうずにわけてあげるといいます。キツネがわけたチーズは、一つのほうがずっとおおきいものでした。大きさが違うと二ひきがさけぶと、キツネは大きいほうのチーズを食べてしまいます。そしてキツネは、残ったチーズを二つにわけます。こんどもおおきさがちがい、キツネは大きいほう...二ひきのよくばり子グマ・・ハンガリー

  • ぎざぎざ くるくる 葉っぱの カタチ

    ぎざぎざくるくる葉っぱのカタチ/監修・上原巌絵・佐藤直樹構成・栗山淳/農山漁村文化協会/2023年植物というと花や実に目がいきますが、ふだんあまり気にしない葉っぱを百科全書風にとりあげています。葉はカタチはもちろん、大きさもさまざま。木には常緑と落葉。葉っぱの柄は葉柄、真ん中の太いすじは主脈、縁は葉縁といいキザキザは鋸歯、葉っぱのからだは葉身。葉っぱのならびは葉序といい、互生、対生、輪生の三つ。葉っぱは、ほとんどが左右対称になっていますが、なかにはちがう葉も(ボダイジュ、ニレ、ヤマグワ、ハルニエなど)あり、子どもの木とおとなの木でカタチがちがうものも。上にのびた葉では、上の葉と下の葉がかさないように回転しているものも。こうした葉っぱのつきかたや、広がり方を決めているのは太陽の光。こんなにもさまざまな葉のカ...ぎざぎざくるくる葉っぱのカタチ

  • アオバズクのおうちさがし

    アオバズクのおうちさがし/脚本・キム・ファン絵・おおたぐろまり/童心社/12020年南の国からやってきたアオバズク(ふくろうの仲間)が、木の上にのぼってきたテンから襲われそうになっていたアオバズクのメスを助け、人口の巣箱に居場所を見つけ子育てするまで。前段は、木の洞を探していると、そこにはミツバチ、ムササビの先客があって、なかなか見つからなかったことがでてきます。アオバズクは、東南アジアで越冬し、春になると日本や中国、朝鮮半島などにやってくるといいます。主に平地や林などに生息し、神社や寺の境内の木の中で暮らしているというので、目撃情報もあるといいますが、よほど注意していないと、見つけるのは難しそうです。脚本の中に「ホッホウホッホウ」という鳴き声が出てきますが、これは繁殖期の求愛。雌が近くにいると「ホゥホゥ...アオバズクのおうちさがし

  • カッパのわび状・・岐阜

    岐阜のむかし話/岐阜児童文学研究会編/日本標準/1978年ある日、のどかな村の五作じいさんの綿畑が、何者かにひどくあらされ、それが毎晩のように続いた。了福寺のおしょうさまが、このさわぎを聞き、綿畑を見張っていると、川面になにやらあやしいかげ。おしょうさまが、ふところにしのばせておいた荒縄をひっつかむと、とびかかった。不意をくらった黒い影は、あわてて逃げ出そうとしたが、腕っぷしの強いおしょうさまに、たちまちとらえられてしまった。お寺の柱にくくりつけ、ろうそくのあかりで、よくよく見てみれば、なんとこのふとどきもの、カッパだった。おしょうさんが、わけをきいてみると、カッパはぽつりぽつりと話しはじめた。「この前、橋の上をよめさんの行列が通り、よめさんは、きれいな綿ぼうしをかぶっとった。満月の夜、よめいりするうちの...カッパのわび状・・岐阜

  • 丘のうえの いっぽんの木に

    丘のうえのいっぽんの木に/今森光彦/童心社/2019年里山の復元をテーマに活動をつづけられているという作者の愛情が感じられる絵本。丘に春がやってきて、オオムラサキの幼虫が、落ち葉の下からエノキをのぼりはじめます。エノキのやわらかそうな葉っぱを食べ、天敵から身を隠し、やがて脱皮。メスにもであい、卵をうみおえると、ちからつきてエノキの根元にゆっくりとおちていきます。一方、新しい幼虫は北風が吹くころ、木をおりて冬を越す準備です。黒紙の切り絵ですが、オオムラサキはもちろん、フクロウや木の葉の細かさ。オオムラサキは国蝶で、色の鮮やかさが特徴ですが、黒の表現が想像力をかきたてる不思議さがありました。フクロウ、カエル、テントウムシ、フクロウ、カメムシ、タマムシ、アトリなどもでてきます。丘のうえのいっぽんの木に

  • まねっこ ねこちゃん

    まねっこねこちゃん長新太/文溪堂/2003年「まねっこねこちゃんまほうつかい」の繰り返しとともに、ねこちゃん大変身?花にもへびにも車にも家にも滑り台にも・・・完全に変身するのではなく、ねこの面影を残しているのがご愛敬。これだけまねっこすると相当なエネルギーを使いますから、四回変身したら一休み。最後のページ、二匹の魚が並んでいて、一匹のおなかのあたりはどうやらねこちゃんに食べられたよう。まねっこは、おなかもすきます。おかあさんの買い物籠、おとうさんのカバンとねこちゃんがもっているのは同じデザイン。おばけも楽しめます。まねっこねこちゃん

  • ボクは じっとできない

    ボクはじっとできない/バーバラ・エシャム・文マイク&カール・ゴードン・絵品川裕香・訳/岩崎書店/2014年ADHD(注意欠如・多動性障害)のデイヴィッドが自分の特性に気づき、対策を見出す話。デイヴィッドは自分の行動が、みんなをイラつかせていることに気がついていましたが、ひとつのことに集中すると、その場の状況にあわせることができません。そんなデイヴィッドが、ノートと解決救急箱を、ロッカーからとりだしました。デイヴィッドは、学校に呼び出されたパパとママ、ゴールスキー先生の前で、ひくくてちょっとこわいい声で話しだしました。注意力や集中力をすこしでもよくさせるため<集中して聴く><注意!><今からやることがらを考える><結果はどうなる?>を書いた「注意・集中力こうじょうカード」を机の上におくこと。注意したり集中し...ボクはじっとできない

  • いろりにすてられた木の実は化ける・・岐阜

    岐阜のむかし話/岐阜児童文学研究会編/日本標準/1978年いまは囲炉裏がある家は古民家だけでしょうか。わかりやすいタイトルで、囲炉裏に捨てられた木の実が、化けて現れる話。炭焼きをしていたとっつぁまとかっつぁまが遠い町にでかけて一人で留守番していたむすめが、炉端のそばの瓶の中の木の実をたべ、種や皮を囲炉裏に投げ込んでいるうちに、目の前の灰の上にごみの小山ができた。親の帰りが遅く、むすめが囲炉裏のそばでねむって、ふと目をさますとあたりがザワザワ、ザワザワ騒々しくなって、囲炉裏の炉縁の上を親指ほどのこびとがおおぜい列を作って動いていた。真っ赤な陣羽織を着たもの、笠をかぶったもの、鉄の棒をジャラジャラしたもの、裃をつてたものなど。恐ろしくなったむすめが、大きい火ばしをにぎって、行列を、灰の中に叩き落したり、ひっか...いろりにすてられた木の実は化ける・・岐阜

  • ゆうこさんのルーペ

    ゆうこさんのルーペ/原案・はがゆうこ監修・ふじいかつのり多屋光孫/合同出版/2020年ロービジョンというのをはじめて知りました。生まれたときから目がよく見えない状態を指すのですが、ルーペを使えば、本や新聞を読んだりできます。障がい者とのかかわりで、教えられることがおおくありました。ゆうこちゃんのルーペを借りてお父さんを見てみると、お父さんが小学生のころの教室。車いすの子の机の床には、テープでかこんだ四角な表示。小学生のお父さんが、遊ぼうと声をかけると、ともだちの一人が、「せんせいがはいっちゃだめっていってたのにいけないんだ」と、いわれてしまいます。両手が杖で、荷物をいっぱいもった子に、てつだいしましょうかと声をかけそびれたおばあさん。道を聞いて、すぐに目が不自由と気がつき、ばつの悪い思いをしたおばあさんが...ゆうこさんのルーペ

  • コケコッコーのおんどり

    コケコッコーのおんどり/脚本・やえがしなお絵・日柴喜洋子/童心社/2020年(8画面)ある日、おんどりが、手紙を拾いました。そこにはこうありました。コケコッコーのおんどりさまクワックワックワッのあひるさまチリチリコロコロかわらひわさまみんなでけっこんしきにいきましょうおんどりはあひるかわらひわにあうと手紙の中身を確認していっしょに結婚式にむかいました。そこへおおかみがあらわれ結婚式にいこうとしますがおんどりが手紙になまえがないことを告げるとご馳走を食えないならおまえたちをくってやるとひとのみ。かわらひわだけが空に逃げ、猟師に助けを求めると猟師はてっぽうをズドーン。おおかみの口からおんどりとあひるが飛び出し、ひよこの結婚式で、食べたり、飲んだり歌もうたって・・・。みんなおしゃれです。結婚する当事者が書いた手...コケコッコーのおんどり

  • まじょのくに

    まじょのくに/油野誠一・作/福音館書店/2006年(初出1998年)ビルの屋根にぶつかってほうきの柄を折ってしまったまじょのほうきを直してあげたヒロミちゃん。「わたしもつれてって」ヒロミちゃんは、おばあさんまじょの背中にしがみついて、まじょのくにへ。まじょのくには、大きな木の上。家がぎっしり並び、お城の入り口は口のようで、塔の窓は目玉のよう。大歓迎を受けたヒロミちゃん。魔法のほうきをもらい、こどもたちと遊んだり飛び回ったり。ごちそうを食べることになって、テーブルのごちそうをみると・・・。気持ちが悪くなって、逃げ出したヒロミちゃんの後をコウモリの大群が追いかけてきます。コウモリの大群をかきわけてやっとお家へ。つぎの日、ヒロミちゃんはほうきにまたがってとぼうとしますが・・・。テーブルの上にならんでいたごちそう...まじょのくに

  • とまとさんに きをつけて

    とまとさんにきをつけて/五味太郎/偕成社/200年とまとさんがやってきてはーいとまとさんですよ「かわいい!」っていってくれないと・・・こんなかおもできるのよ・・こんなこともできるのようたもうたえるのよあなたもうたってあなんだかねむっくなった・・ちゅっ!わたしはかえるねあとはひとりであそんでばーいとまとさんあそびにきてくれ泣き顔、変顔、笑い顔ちゅっ!してかえっていったよ。なににきをつけたらいいの?五味さんきをつけるとこないよ!かわいいとまとの顔に癒されることまちがいなしとまとさんにきをつけて

  • ベコになったばっぱ

    福島のむかし話/福島県国語教育研究会編/日本標準/1977年「旅人馬」をおもわせる話。一軒の宿屋に泊まった坊さまが、夜中にへんてこな音がするので、ふすまの蔭からのぞくと、ばっぱ(ばあさま)が口で何やら言いながら、炉の中へごまの種をまいていたんだと。ばっぱが種をまき終わったか終わらないうちに、にょろにょろ芽が出て、葉が出て、花が咲いて、ごまの実ができてしまった。坊さまは、なんて不思議なごまだべと思いながら見ていたと。そのうち、ばっぱは、うまそうなごままんじゅうをつくったと。つぎの日の朝、坊さまが起きだして、ばっぱのいる部屋に行ってみると、お膳の上に、ゆうべのごままんじゅうがならべてあったと。「これはなにかあるな」と、思った坊さんは、「わしは、毎朝散歩してから食べる」と、宿屋をでて、町で、ごままんじゅうを買っ...ベコになったばっぱ

  • 天人女房

    天人女房/立原えりか・文清水耕蔵・絵/ポプラ社/2003年木の枝にかけてあった布、それは天女が水遊びのさいに、枝にかけておいたものでした。かぐわしい布を見つけたのは”みかる”という働き者でしたが、天女に聞かれても黙って、天女を家に泊まるようはなし、もてなします。ひと晩、ふた晩がすぎ、十日が一か月になり・・・。七年がたって三人の子どもがうまれました。「しあわせだ」と、天女はおもい、みかるも、みちたりた暮らしに満足していました。ある日、みかるが魚とりに出かけ、天女が機をおっているとき、子どもの歌声で、屋根裏に隠してあった羽衣を見つけ、三人の子どもと天の国へのぼっていきました。天女がのこした手紙には、「わたしとこどもにあいたくなったら、ぞうりを千ぞくあつめてください。あつめたぞうりを土に埋め、その上に竹をうえる...天人女房

  • すずのへいたい

    すずのへいたい/原作・アンデルセン脚本・水谷章三画・夏目尚吾/童心社/1999年男の子が25人の兵隊さんを、テーブルの上にならべました。そこには紙で作った見事なお城が立っていました。25人の兵隊さんの最後の一人は錫が足らずに一本足でした。この兵隊さんが、お城の扉の向こうにいる踊り子に気がつきました。踊り子は片足をあげていたので、片足のようにみえました。錫の兵隊さんは、「あなたがすきです。ぼくのおよめさんに・・」と、心の中でさけびましたが、踊り子はむこうでずっとたちつづけているばかり。真夜中、おもちゃたちが箱を飛び出し踊りはじめますが、踊り子はつまさきですっくとたったまま。踊り子を見つめる兵隊に、びっくり箱の小悪魔が飛び出し、「おいっ、あのこをじろじろみるのをやめないか。なまいきなやつ。ふんっ、いまにみてろ...すずのへいたい

  • 金のたまごを うんだ がちょう

    金のたまごをうんだがちょう/作・ジェフリー・パターソン訳・晴海耕平/童話館出版/1996年子どもたちが巣立ち、今の生活に満足し、つつましく暮らしていたヘンリーとヒルダ夫婦。ある日の朝、ヘンリーががちょうの小屋に、金のたまごを見つけ、次の朝にがちょう小屋に行ってみると、もう一個のたまご。がちょうさまさまと、巣箱を新しく塗り替え、おいしい食べ物をがちょうにやっていると、金のたまごの上に、さらに金のたまごが積み重なって笑いがとまらなくなりました。「お金は、たんとはかせげないけど、必要なものはなんでもあるわ。あたしゃ、これいじょう、なんにもいらないわ」と言っていたのに、長い間、自分たちに忠実につかえ、いまは年老いた馬のペギーを売り、まるで妖精のような若い馬を買って、荷馬車も新しくし、あたらしいものを買い、それまで...金のたまごをうんだがちょう

  • サルとカエル・・福島

    福島のむかし話/福島県国語教育研究会編/日本標準/1977年むかし、山の上の森にいっぴきのサルが、その下の田んぼにカエルがすんでたんだと。ある日のこと、サルがカエルのところへやってきて、「うめえ餅でも食いたいと思ってきたんだが」ともちかけると、カエルは、「うめえ餅食うにはどうやるんだ」と聞く。サルは、「うめえものっていうのは、今すぐ食おうと思ってもできねえもんだ。これからおまえさんと田んぼを作って、秋には食いきれないほどの餅をついて、タヌキどんのように、腹づつみうってもてえもんだなあ」って、もちかけた。相談がまとまって、やがて春になって、お百姓が苗代の準備をはじめるが、サルからはいっこうに便りがない。カエルがサルのところにいくと、昨日から腹が痛くて、一人で苗代を作ってくれと、にわかに腹をおさえて、ウーンと...サルとカエル・・福島

  • しちどぎつね

    しちどぎつね/岩崎京子・文二俣英五郎・画/教育画劇/2003年きつねが人をだます話は全国に分布していますが、これは、落語版。二人づれの旅人が、店から鍋ごと料理を盗み、食べ終えたあと空になった鍋を放り投げると、たまたま昼寝していたきつねの頭に当たったからさあ大変。一度やられると七回しかえしをするというしちどきつね。二人の旅人が、着物を脱いで川をわたっていて、村人から声をかけられ、気がつくとそこはムギ畑。あたりが急にくらくなり、小さな寺に泊めてもらおうとして、尼さんから留守を頼まれ留守番をしていると、墓から亡者が出てきて踊ったり、相撲を取ったり。昨日亡くなった若い奥さんがあかんぼうをだいて「ねんころりん・・」。がたがた震えているところに、村の人たちが、ほんとの仏さんだという棺桶をおくと、棺桶がふたが押し上げら...しちどぎつね

  • ふしぎなしろねずみ・・韓国

    ふしぎなしろねずみ/チャン・チョルムン・作ユン・ミスク・絵かみやにじ・訳/岩波書店/2009年雨がしとしとふる日、昼寝をしていたおじいさんの鼻から小さい白いネズミがでたりはいったり。おばあさんが、外に出て行った白ネズミのあとをおいかけていくと、水たまりでうろうろ。おばあさんは、ものさしをそっとおいてあげます。さらについていくと「こいつはおいしいきびもちだ!」と、ネズミは牛の糞をおいしそうに食べます。ネズミは山道にさしかかったとき、石垣の穴にするりと入っていきます。この白ネズミは、まだ寝ているおじいさんの鼻の穴にもどってきました。やがて目を覚ましたおじいさんが、ネズミになって外に出かけて行った夢をおばあさんに話しました。おじいさんの夢は、おばあさんが白ネズミをおいかけて体験したことがそのままでした。おじいさ...ふしぎなしろねずみ・・韓国

  • ぴょん

    ぴょん/内田麟太郎・作高畑純・絵/金の星社/2023年岩のそばからだれかがぴょんぴょんぴょんしているのはカエルさん海の中からだれかがぴょんぴょんぴょん魚さん春になってうれしくなってだれかがぴょんスニーカー、へび、ナマズ、ネコお花もぴょん楽器もぴょんとびっきりのぴょんはなんとなんと富士山タコもぴょん裏表紙にはクジラ春ってこんな感じかな!ぴょん

  • まじょさん またあした

    まじょさんまたあした/作・小野寺悦子画・山口みねやす/教育画劇/2000年(12画面)たった一人で、魔法の勉強ばっかりしていた魔女のところに、引っ越しのあいさつにやってきた女の子。魔女だと聞いてやってきという女の子は、魔女の部屋をみてびっくり。勉強ばかりしていて、魔女の部屋はちらかりほうだい。「呪文を唱えれば、掃除なんかすぐできるんじゃない魔法なんか知らないのね」とつっこみ、魔法の証拠をみせてほしいという女の子に、魔女は、なんでもみえる水晶玉を出しました。「お前さんの明日が見える」というので、女の子は、じっと水晶玉をみていましたが、「だめだめぼーっとかすんでてよくみえない。うちのテレビならよく見えるし、漫画もあるのよ」とこたえます。食べたいものをすぐだしてあげるというので、アイスクリームをお願いしますが、...まじょさんまたあした

  • 村をそっくりのみこんだディキシ・・ボツアナ

    キバラカと魔法の馬/さくまゆみこ・編訳太田大八・画/富山房/1979年むかしむかし、ディキシという荒々しい巨人が、とある大きな村を、人びとも動物も、そっくりそのまま飲み込んでしまった。巨人は一つ目で、腕と足が一本ずつ。ディキシのおなかから抜け出そうと、賢者が鉄を鍛えるときにつかうふいごで、火をおこしはじめた。おなかのなかで火が燃えあがったので、巨人はのどが渇いて水が飲みたくなり、沼へ走って、水をのみはじめた。ところが巨人のからだが、あまり熱くなっていたので、飲もうとするそばから水がどんどん蒸発し、一滴も巨人のおなかのなかには入らない。巨人は、この沼はあきらめて、水をまんまんとたたえた別の沼に行くが、巨人が水を飲もうと口を近づけると、この沼もたちまち蒸発して、水はすっかりなくなってしまう。やがて六番目の沼も...村をそっくりのみこんだディキシ・・ボツアナ

  • おもいでは きえないよ

    おもいではきえないよ/ジョセフ・コエロー・作アリソン・コルボイズ・絵横山和江・訳/文教出版/2020年女の子が、おじいちゃんと暮らした楽しかった日々を思い返します。春には、散歩しながら、生まれる命をみつけ、夏には、壊れたおもちゃの車とコースをふたりで修理し、秋には表紙にだいだいいろの葉っぱがつき、インドの赤い革ひもで閉じた手づくりのノートをもらい、冬にはすきだった物語を聞かせてもらったおじいちゃん。しかし、ママ、パパとおじいちゃんの部屋をかたづけていたら、そこには懐かしいものがのこっていました。女の子は思い出はいつでも遊びにいける部屋なんだって思います。花、蝶などが、どのページも色があふれ、素敵な日々だったことが伝わってきます。おじいちゃん、孫娘の顔はブラウンですが、文はイギリス、絵はオーストラリアの方で...おもいではきえないよ

  • 悪魔をだましたふたご・・リベリア

    キバラカと魔法の馬/さくまゆみこ・編訳太田大八・画/富山房/1979年悪魔が二本の道が交差しているところに小さな家を建て、住むことにした。これは、この道を行き来する人びとにとっては、なんとも迷惑な話。旅人がこのちかくにやってくると、悪魔はいつも太鼓をたたき、踊れと命令する。そして、「先にくたびれたほうが、死ななくちゃならんぞ」という。先にくたびれるのは、いつも旅人のほうで、疲れてぐったりしたところを、悪魔に食われてしまっていた。町の人が悪魔に食われてしまって、みんなが困っているのをみて、一組のふたごの若者が、この悪魔と勝負し、成敗してやろうと決心した。一人が、楽しそうに歌をうたいながら悪魔の家に近づくと、このところ何日も人の姿をみていなかった悪魔が、うれしそうに声を出し、「ほいほい、若い旅人よ。さあ、踊ら...悪魔をだましたふたご・・リベリア

  • ゆきをしらない こねこのおはなし

    ゆきをしらないこねこのおはなし/エリック・ローマン・作長滝谷富貴子・訳/あすなろ書房/2008年初版春、4匹のねこの兄弟が遊んでいると、郵便受けから絵葉書がおちます。ペンギンと雪の絵葉書でした。お兄ちゃんねこは「やだな!冬になると、雪がふるんだってね。つめたいゆきがふるとうーんと寒くなるんだ」おとうとねこ、いもうとねこも心配なのですが、すえっこねこは「なんだかおもしろそう!雪はやくふるといいな」とまちどおしい様子です。夏、このまま冬がこないといいなあと思ったのは、上の三匹。秋、上の三匹は、木の葉のように、うもれてしまうのではと心配なのですが、末っ子は「おもしろそう!」冬、雪が降って、末っ子はよろこんで外に。末っ子が、はねたり、ころげたり、わらったりと楽しそうなのをみた三匹は・・・・。兄弟がいると、末っ子は...ゆきをしらないこねこのおはなし

  • みそすり地蔵・・石川

    石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年家が貧しく総持寺という寺に小僧としていった十歳の男の子。了念という名前をつけられ、味噌すりの仕事をすることになりました。ところが、このお寺には何百人もの坊さんがいるので、味噌すりといっても大変な作業。毎日毎日、蔵の中に座っての味噌すり。おかげで着物も顔をもいつも味噌だらけで、口の悪い坊さんから「みそすりこぞう。小さなみそすりこぞう」と言って、わらわれていた。それでも了念は嫌な顔をせず働いていた。了念は言いつけられていた仕事のほかに、寺の境内の片隅にある古ぼけた地蔵さんのまわりを、掃除することに決めていた。ある日、了念の姿が見えくなって、どこからともなく別な小僧が現れ、味噌すりをするようになった。仕事がつらくなって、了念がかわりの小僧を置いていったと...みそすり地蔵・・石川

  • 月のうさぎとりゅうぐうの亀

    月のうさぎとりゅうぐうの亀/絵と文田中富美恵/書(文字)分須尚太/企画制作/トロロん家/2023年うさぎどし図書館の新刊本コーナーにあったものですが、出版社も値段も表示されていないので、自家出版の絵本でしょうか。表紙を開くと「月のうさぎとうらしまたろうのおとぎばなしがあってこのおとぎばなしはできました。」とあり、すぐに物語の世界へ。月に住むうさぎが、地球のりゅうぐうというところにいってみようと、流れ星に乗って地球へ。ついた先は夢にまで見た海。りゅうぐうの亀にあって、海の底へもぐっていくと、乙姫さまがでむかえてくれました。たのしい日々がすぎた後、はじめて月をみたうさぎは、月のあたたかい光が心にしみ、ぽろぽろ涙がながれました。「かえりたい!」といううさぎに、乙姫さまがやさしく「きょう月から光のはしがおりてきま...月のうさぎとりゅうぐうの亀

  • いえがあるって いいね

    いえがあるっていいね/パトリア・ベガティ・文ブリッタ・テッケントラップ・絵/木坂涼・訳/ひさかたチャイルド/2021年冬眠からおきたクマの親子が外に出てみるとリスが走り回り、ビーバーがいえをつくっていました。鳥たちも枝やどろをつかっていえづくり。川は、魚たちのいえ。土の中はとっても気持ちがいいいえ。寒くなってあたたかないえにむかうのはわたりどり。また、冬がやってきて・・・背景に季節の移り変わりがありますが、あっという間に冬がやってくるので、切り替えが大変。「いえがあるっていいねはるもなつもあきもふゆもどこかでみんなからだをやすめている。」ページのほとんどに、切り抜きがあり、左のページは前のページの絵、右のページには、次ページの絵の一部が見える凝った作り。切り抜きも、木の枝にそったものや、穴、斜めにざっくり...いえがあるっていいね

  • こねこの はなしではない おはなし

    こねこのはなしではないおはなし/作・ランドール・ド・セーヴ絵・カーソン・エリス訳・石津ちひろ/学研/2023年車の下に、よごれていて、はらぺこでびくびくしていて、ひとりぼっちで、さびしそうにないていたこねこ。散歩中の犬がねこに気がつきました。段ボールを持ってきた双子がいました。ミルクをあげようとした人がいました。こねこを車の下からおびきだそうとみんながみつめているとはじめはいやがっていましたがついにみんなの前に。こねこにはおうちがありません。「うちでかってもいい?」と、名乗りを上げた子がいました。こねこには、アンバーという名前がつけられ・・・。こねこが家を見つけるのを手伝ったニューヨーク近郊で起きた実話をもとにしたとありました。「これはこねこのおはなしではないおはなし」「ミルクを分けてくれた男の人のおはな...こねこのはなしではないおはなし

  • カボチャのなかに たねいくつ?

    カボチャのなかにたねいくつ?/作:マーガレット・マクナマラ絵:G・ブライアン・カラス訳・真木文絵/フレーベル館/2015年チャーリーは学校もなかよしのともだちも大好き。ただ背の高い順にならぶのが不満でした。なぜならチャーリーは一番背が低いのです。ある日、ティフィン先生が、大、中、小の三つのカボチャを机の上において種はいくつか聞きました。みんなが言った種の数はバラバラ。チャーリーの提案で、実際に種の数を数えてみることに。中身を取り出し、数え方を考えてくるのが宿題です。種を二粒、五粒、十粒づつ数えるグループにわけて、数えてみると、一番多かったのは、意外にも、大きなカボチャでなく、一番小さいカボチャでした。おおきいのが、必ずしも、種の数が多いことにならないことに気がつかせるための、先生のしかけでした。その日の下...カボチャのなかにたねいくつ?

  • ちゅーと ちょーの くだものさがし

    ちゅーとちょーのくだものさがし/作・絵ミスミヨシコ/教育画劇/2012年(8画面)はじめに果物の一部がでてきて、つぎに名前をあてる紙芝居。誰もが知っているバナナ、サクランボ、スイカの三つで、小さい子でも楽しめそうです。8画面と短めで、掛け合いを楽しめますが、答えがすぐわかりますので、脚本にある「せーの・・・」のタイミングで、みんなに答えてもらうのがいいかも。かわいいねずみの「ちゅー」と「ちょー」が、質問しながら、遊んだり、食べたりしています。表題にも果物の一部があり、導入もスムーズにいきそうです。ちゅーとちょーのくだものさがし

  • ふえふき太郎・・岩手

    岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年継母からいじめられ、しまいにはころされてしまうかもしれないと、父親から逃げ出すように言われた太郎。風呂敷に晴れ着と、銀の笛を包んだ荷物を持って旅に出て、長者のところで働くようになります。そこでつけられた名前は「かってぇぼ」。長者の家では、みんなが嫌がる仕事を、はいはいと働いていた太郎でしたが、長者の家でつかってもらうまえに、父親にいわれたとおり、顔に泥をぬっていました。いつも、一番後に風呂に入って、すっかり顔を洗い、晴れ着を出すと、銀の笛を取り出し、練習をしていました。長者の家にはむすめが三人いました。ある日、末のむすめが、笛の練習している太郎に気がつきますが、なにか理由があるだろうと、だれにも何も言わずにいました。秋祭りには、村同士の笛上...ふえふき太郎・・岩手

  • リジーと雲

    リジーと雲/テリー・ファン&エリック・ファン・作増子久美・訳/化学同人/2023年リジーが雲を育てたいと思ったのは、どうしてだろうと想像しましたが結論はでませんでした。花や植物を育てるのではなく雲です。雲売り場には、オウムやウサギ、サカナやゾウの雲もありましたが、リジーが選んだのは、よくみかける普通の雲。リジーは、雲にミロと名前をつけました。それが雲のお世話の一番目の仕事?でした。それからは毎日の水やり。ただあげすぎには注意です。いきなり雨を降らすこともあったり、急に気分が変わることもあるのです。ミロに水やりをしていると、おかえしに花や植物に水をかけてくれました。風船のようなミロを散歩にもつれていきます。ミロがだんだん大きくなったある夜、ミロは、部屋の中に大雨をふらせてしまいます。「雲のお世話の仕方」には...リジーと雲

  • 野川の桜

    昨日は調布まで足をのばしました。曇りがちの日でしたが野川の桜の下には、多くの家族連れが。2,3日前の雨で花びらが散っていました。野川の桜

  • うんとく・・岩手

    岩手のむかし話岩手県小学校国語教育研究会編日本標準1976年「はなたれ小僧」ににかよっていますが、”へんなこども”として登場します。貧乏なおじいさんが、川の中に、薪を投げてやると、生き物みたいにぐるぐるおどって渦の中に沈んでいきました。おもしろいと薪をつぎつぎに投げたので、薪はゼロに。すると、川の中から、きれいな女の人があらわれ、おらへの家にきてくれという。水の底にいけないというと、目をつぶって背中へおぶされといわれ、ついたところは、立派な建物。そこで酒や魚などいっぱいごちそうになり、かえるとき、”へんなわらす”を連れて帰れという。無理にあずけられ、しかたなく連れて帰ると、「おじいさん、おれはうんとくという者だ。どこか座敷の奥にでもおいてけれ」という。このわらしの働くこと働くこと、朝から晩まで働くので、お...うんとく・・岩手

  • まいごになったソック

    まいごになったソック/脚本・すとうあさえ絵・松成真理子/童心社/2011年どんぐり拾いに行ったひろしくん。枯葉の絨毯で遊ぼうと靴下を脱いだ拍子に、片方の靴下(ソック)を木の枝にひっかけてしまいました。おうちにかえるころ、ひろしくんは、木の上のソックが見つからず、ママが心配するからとスックだけを持って、帰ってしまいました。ひとり残されてソックのところへリスタとリスコがやってきて、下におろしてくれました。リスたちは、ソックにどんどこどんどこどんぐりをいれみこしがわりにわっしょいわっしょいえっさかほっさか。ソックみこしがわらいどんぐりもぐりぐりわーらった。くるみもいれ、ふゆのごちそうのじゅんびは万端。ところが、ソックは相棒のスックのことを思い出し、悲しくなりますがリスタ、リスコもソックの中に入ってぐっすり。次の...まいごになったソック

  • なんでも ふたつ

    なんでもふたつ/リリー・トイ・ホン・再話絵・せきみふゆ・訳/評論社/2005年ある春の朝、ハクタクじいさんが、畑を耕していると、真鍮でできたふるい甕がでてきました。ばあさんが何かに使うだろうと、持ち帰ると、おばあさんが甕をのぞきこんだ拍子に、髪飾りが落ちてしまいました。拾おうと手探りしていると、髪飾りが二つみつかりました。その上、おじいさんが持っていた財布も二つ。大喜びしたおじいさんは、おばあさんが、あたたかく冬を過ごせるように、オーバーをいれてみると、オーバーもやっぱりふたつ。それからは、肉や果物、そして金貨を入れた財布まで甕に入れ、床は金貨でいっぱい。ところが、おじいさんが村に買い物にいったとき、感謝の気持ちで甕を覗き込んだおばあさんが、甕の中に落ちてしまい、おばあさんが二人になってしまいました。あた...なんでもふたつ

  • なぞなぞ はじまるよ

    なぞなぞはじまるよ/文・おおなり修司絵・高畑純/絵本館/2016年おはなし会などで、なぞなぞで盛り上がることが多くあるので、どうかなと思ったのですが、個人的はすぐに答えが思い浮かばず、ギブアップ。頭が固くなっているのを実感。絵も親しみやすく、ちょっとしたヒントがあっても、答えが浮かびませんでした。子どものほうが楽しめるでしょうか。「じぶんのことをちょっとえらそうにいうとり、なあに?」「ときたまそらからふってくるどうぶつ、なあに?」こんななぞなぞが、32。一部だけの利用もできそうです。なぞなぞはじまるよ

  • ごんごろ じゃがいも

    ごんごろじゃがいも/いわさゆうこ/童心社/2014年料理に活用が広いじゃがいも。種芋をうえ、花が咲き、収穫まで。土の中のねっこのようすまで、ていねいにイラストで描かれています。だんしゃくやメーククイン、きたあかりのほか、ちょっと目にしないいもの種類も紹介されています。そして、さといも、さつまいもも。”ごろごろ”という表現がぴったりのじゃがいもです。土に親しむことも少なく、じゃがいもの花を見たこともない子どもと一緒に目をとおしてから、スーパーにいってじゃがいもを購入すると、話がはずみそうです。「食べ物は土から生まれるという実感をあたえてくれたのは、じゃがいもでした」という作者の言葉に共感です。ごんごろじゃがいも

  • ちいさなふたりの いえさがし

    ちいさなふたりのいえさがし/たかおゆうこ/福音館書店/2023年(初出2020年)クルミの家がおおきなヒョウでこわれてしまったちいさなおじいさんとおばあさんが、あたらしい家を探しにでかけました。綿毛につかまってとびあがり、ついたところがイチゴ畑。甘い香りのイチゴの中身を取り出し、ドアや窓を作り、中身はジャムに。毎日おいしいイチゴを食べて暮らしていましたが、夏になるとイチゴの家は、べとべとしはじめ、ぐにゃりとひしゃげてしまいました。「この家はやわだのう」と、また新しい家を探すにでかけついたところはスイカ畑。スイカの家は三階建て。毎日おいしいスイカを食べていましたが、夏真っ盛りになると、スイカの家は割れてしまいます。次は木の上の眺めのよいリンゴの家。リンゴの家が船になってしまうとまたまた新しい家探し。ついたと...ちいさなふたりのいえさがし

  • ゴリラのビックリばこ

    ゴリラのビックリばこ/長新太/絵本館/1990年いたずらずきなゴリラが作ったのは、はこのうしろのボタンをおすと、メガネがとびだすビックリばこ。そのメガネは、顔からとれません。森じゅうの動物たちがメガネ顔になってしまいました。メガネブタ、メガネカエル、メガネサカナ、メガネライオン、メガネシマウマ・・・動物たちはメガネをかけると、みえなくなってしまって大騒ぎ。片方のボタンを押すと、メガネがとれるようになっていたビックリばこを、おこったカバが、足でメチャメチャしてしまったから大変。スタコラゴリチャンと、にげていったゴリラが、みんなにつかまって、メガネをとるビックリばこをつくることに。これがなかなかできません。みんながなんにちもまっていると、イモムシみたいにやせたゴリラがやってきてはこのボタンを押すと、メガネがピ...ゴリラのビックリばこ

  • おとうさん

    おとうさん/脚本・与田準一画・田畑精一/童心社/1998年(12画面)ひとりぼっちのマンガラン・グリーン・ベクーという魔物が、川で遊んでいるぼうやをみて、お父さんになってみたいなと、ぼやのお父さんに変身し、本当のお父さんが、目を離したすきに、ぼうやをさらってしまいます。やがて、川からあがってきた本物のお父さんと魔物のお父さんがはちあわせ。顔も、声も同じ。二人の父さんは、島の王さまに、裁判できめてもらうことになりました。すると、王さまは、大太鼓をもちだし、太鼓の中に、ぼうやを入れて、山登りをするよう命じます。すぐにけわしい山道をのぼりはじめた二人のおとうさん。さあ、王さまの裁定は?インドネシアスマトラの民話。二人のお父さんが、坊やの手をひきあう絵があるので、よくあるパターンかと思うと、太鼓がでてきて、王さま...おとうさん

  • お月さまになりたい

    お月さまになりたい/三木卓・作及川賢治・絵/偕成社/2022年ぼくは、学校のかえりに、へんな犬にであいました。じぶんがなりたいと思えば、なりたいものになれる犬でした。「真っ白い犬なら、かってやるんだけど」というと、白と茶のぶちから、真っ白へ。犬は、「とてもすばらしいところへ、いきませんか」と、ぼくに話しかけました。ぼくがいってみようかとおもったとき、犬は二日も食べていないからと、まずはほねつきの肉をおねだりです。それから、風見犬になって、風向きを確認すると、気球になって、ぼくといっしょに空の旅。海に出て、崖の上に着陸すると、「もっといいところにいきましょう」といいだしました。なんにでもなれるといったが、まだうまくなれないものがお月さまという犬は、ぼくにいっしょにいくよう誘います。いけないというぼくを残し、...お月さまになりたい

  • スサノオとオオナムチ

    スサノオとオオナムチ/飯野和好/バイインターナショナル/2022年兄弟に殺されかけたオオナムチは、死者の国を治めるスサノオの元を訪ね、スサノオの娘のスセリヒメにひと目で心ひかれ、夫婦になる約束をしました。オオナムチのくることを知っていたスサノオは、オオナムチをヘビの室屋やムカデとハチの室屋に寝かせ、さらには焼き殺そうとします。スセリヒメの協力もあって、無事危機を切り抜けたオオナムチは、スセリヒメを背負い、イクタチ・イクミヤという生命の宿る太刀と弓矢を手に取り、地上にむかいます。逃げていく二人に向かって、スサノオは、オオクニヌシと名前を改め、出雲に国を作れとと、叫びました。子どもはいずれ親の元から旅立ちます。スサノオが恋路を邪魔するように見えますが、試練を乗り越えられないなら、娘と一緒にさせないと思っていた...スサノオとオオナムチ

  • わらしことネムの花・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年ちょっと、ほっこりする話。あるところに、仲の悪い二人の長者がいて、東の長者が「右」といえば、西の長者は「左」というように、なんでも逆のことを言ったり、違ったことばかりしていた。三月のひなの節句のとき、めんごいおなごがいた東の長者が、都から高いひなさまを買って、酒は飲ませるし、うまいごちそうをいっぱい食べさせてやると、村の衆に、ふれまわります。それを聞いた西の長者はくやしくてくやしくてしかたがないけど、西の長者には男のわらししかいない。そこで、たんごの節句をくりあげて、ひなの節句にぶつけて、これも、酒はいくらでもごちそうし、ご馳走の食放題だと、ふれあるきます。喜んだのは村の衆。飲んだりたらふく食べたり。また、大雨のとき、西の長者...わらしことネムの花・・山形

  • やまのおんがく

    やまのおんがく/室井さと子/岩崎書店/2018年草笛をふいていたうさぎと”ぼく”が山へ行くとあっちからも、こっちからもいろんな音が。山道をのぼっていくとコルリフクロウの声が聞こえてきました。日陰に残っていた雪には、たくさんの足跡。日当たりのいいところでは、”ケキョケキョカッコー”の音。水の音、いきものの声、風の音は、まるで山が合唱しているよう。うさぎの家で一休みして、山へ出かけると、突然のカミナリ。うさぎとはなれてしまいますが、すぐに再会してやまの音楽会へ。いろんな音が音楽になって山中に響き渡ります。ページの下3㎝の幅に、”みつけてね”とあって、山の生き物が図鑑風に紹介されています。何度も見ていると気がつきますが、初見では難しい。動物や鳥など、60種類ほどのいきものが紹介されていますが、全部隠し絵になって...やまのおんがく

  • 麦畑のみはりばん

    麦畑のみはりばん/ベス・フェリ・文テリ-・ファン&エリック・ファン・絵よしいかずみ・訳/化学同人/2022年麦畑の見張り番をしている案山子。収穫が終わっても立ち続け、やがて冬。だれもともだちはいません。季節が進み、麦の穂が緑色になったとき、目の前になにかがぽとんとおちてきました。かわいそうにカラスのひなでした。巣から落ちたか、翼が折れたのか?案山子は思わず、せなかのさおをぼきりとおってゆっくりかがむと、ひなをすくいあげました。案山子は、ひなをほし草のむねにかかえ、ここでやすんでいいんだよと、すっかりひなに夢中になり。子守唄もうたいます。ふたりは、とても気が合い、友達になると、カラスのひなはすくすくとそだっていきます。やがて夏のある日、カラスは案山子のもとから旅立ちます。秋になり、冬の寒さの中で、案山子はま...麦畑のみはりばん

  • ライオンの ながい いちにち

    ライオンのながいいちにち/あべ弘士/佼成出版社/2004年母さんライオンが、もうすぐヌーのむれがもどってくるからと狩りの打ち合わせを開いているとき、ライオンの父さんと子どもたちが散歩にでかけます。長かった雨もようやくおわりにちかづき、木の葉や草も緑が濃くなって、いちばんすごしやすい季節。空に浮かぶ雲を見て、ここで父さんライオン一句。雲の子の生まれそだちは地平線うでがあがっていると自画自賛。峠の上から見ると、ピンクの花畑がひろがっている湖。岸辺につくと、何十万羽のピンクのフラミンゴが、いっせいに飛び立ちました。ここでまた一句。みあげればゆうやけこやけのフラミンゴそろそろ帰る時間。大地をふるわせる声、足あとが林の中をぬける。と、目の前を夕日を背に、ヌーの大群が、みちをよこぎっていて、とおせんぼ。ライオンはおも...ライオンのながいいちにち

  • ワニのクロッカス なにができる?

    ワニのクロッカスなにができる?/ロジャー・デュボアザン・作こみやゆう・訳/好学社/2023年スイートピー夫妻の農場は、動物たちの楽園。ワニのクロッカスは、ひがないちにち、しあわせなきもちでくさむらのやわらかいベッドにねむっていました。そこへ、いぬのココがやってきて、「ぼくは、どろぼうたちがちかよれないようにほえながらはしりまわっているよ」ひつじのウーリィは、「わたしの毛が、セーターやマフラーになるのよ」うしのモーリーは、「わたしたちうしはぎゅうにゅうをあげているわ。ぎゅうにゅうは、のむだけじゃなく、チーズやバターにもなる」うまのファニーは、「わたしは、スイートピーさんの馬車をひっぱっているし、さくだってとびこえられるんだから」あひるのパーサも、めんどりのキャックルも、ねこのキャロットも・・・・。でも、ワニ...ワニのクロッカスなにができる?

  • レレコさんと かおかきこぞう

    レレコさんとかおかきこぞう/脚本・新沢としひこ絵・市居みか/童心社/2020年妖怪が住んでいるという森ですが、まだ妖怪にあったことのないレレコさんが、ドアに「ようかいさん、どうぞおはいりくださいレレコ」と張り紙し、お茶の準備をして待っていると、やってきたのは「かおかきこぞう」。「かおかきこぞう」は、お茶のあと、ゆのみに顔を描きたいといいました。面白そうとレレコさんがこたえると、かおかきこぞうが、ゆのみに顔を描きました。そのとたん、ゆのみが、「洗い方が雑で、よく洗ってから戸棚にしまってよ」と注文をつけました。かおかきこぞうが、顔を描いたソファーは、「おやつをたべてこぼしたらすぐにふいてくれ」、食器棚は、「お茶碗の詰めすぎ」といい、かおかきこぞうが顔を描いたものたちが、つぎつぎにいいたいことをしゃべりはじめま...レレコさんとかおかきこぞう

  • ひたいにトチの木・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年頭に柿の木がなる昔話があるなら、目に木が生えてもおかしくありません。タイトルは「ひたい」ですが、目に木が生える話。カモ取りのじいさまが、沼でカモをいっぱいとり、腰の帯にはさんでいると、足を滑らせたひょうしに、バタバタとカモが羽ばたいて、空中高くとんでしまった。そうしているうちに、元気なカモの一羽が、帯を抜けてとんでしまったもんだから、そのうち一羽ぬけ、三羽ぬけて帯がゆるみ、沼めがけてまっさかさに落ちてしまった。ピシャっと落ちたひょうしに、二つの目ん玉、ぺろりと飛び出してしまった。あちこちさがし、目を入れると、一つは見えたが、もう一つはトチの実。翌朝、目さましてみると、目から大きなトチの木が生えていた。そのトチの木に実がなり、カ...ひたいにトチの木・・山形

  • もみのき そのみを かざりなさい

    もみのきそのみをかざりなさい/五味太郎/KEC中央出版/2020年季節はずれですが、クリスマス・イブをむかえる準備でしょうか。白い地に四角な窓枠のような構図。シンプルな絵が続きます。最初のページの枠は青一色、最後のページの枠は緑一色。夜空にはポチンと星、船が飛んで、サメが泳いで、花が一凛、・・・・「みちこころみなさい」「きつねうらみなさい」「いえたびにでなさい」「にわとりかえりみなさい」「うしまなびなさい」・・・・・命令口調。だれが、だれに命令しているか?。「ピアノみみをすませなさい」というのは、ピアノにいっているようでもあり、ピアノに「耳をすませなせなさい」といっているようでもあり。ただ、最後のほうは「もみのきそのみをかざりなさい」「ろうそくゆれなさい」「くつしたまちなさい」「こどもいのりなさい」「あし...もみのきそのみをかざりなさい

  • ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

    ぼくのともだちは、あたまにはながさいている/ジャーヴィス・作まきもりれい・訳/岩崎書店/2023年楕円形のテーブルで、お絵かきしているなかには、皮膚の色が異なる子、車いすの子がいます。頭にきれいな花が咲いているのはデイヴィッド。みんなデイビッドのことが大好き。みずたまりにはいってばしゃばしゃしたり、なんでも歌にして歌ったりいつもいっしょに遊びます。ところがある日から、デイビッドは、あそぼうといっても遊ばなくなり、おしゃべりもしなくなりました。幼稚園には、ぼうしをかぶってきて、先生が、コートをぬいで、ぼうしやマフラーをとりましょうといわれ、デイビットがぼうしをぬぐと、はなびらがひらひらおちました。頭は、ぽきっとおれそうなこえだみたい。みんなは、とんがったえだで、けがをするかもしれないからと、デイヴィットにち...ぼくのともだちは、あたまにはながさいている

  • げんないとカッパ・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年最上川のほとりにすんでいたげんないは。背がでっかく、頑丈で力こぶも石みたいにもりあがっていたど。夜、せんべい布団にくるまって、壁の隙間からちらちらと光る星を眺めていたら、川のほうでコトラコトラと音がしたど。そっとおきて戸を少し開けてのぞくと、黒い影。よくみるとカッパ。げんないはしらんぷりしてねていたど。つぎの晩も、つぎの晩も、カッパがあがってきて、すぐそばまでくるようになり、雨降りの真っ暗な晩、カッパはびしょびしょにぬれた手で、げんないのしりごを、ひょえらっとおさえた。「つめでえ」と、げんないがおきあがると、カッパは、たたったあとは知って、チャポランと川の中にしずんでいった。「カッパのやつ、おらのしりごをねらっていやがる」と、...げんないとカッパ・・山形

  • ライオンとタカとアリになった男の子 ノルウェーのむかしばなし

    ライオンとタカとアリになった男の子/菱木晃子・文MARUU・絵/BL出版/2019年ある男の子が、お父さんが息をひきとるときに残してくれた、古びた剣と、すりきれたぬのきれ、わずかなパンくずをもって旅にでました。ライオンとタカと小さなアリの争いを解決した男の子は、ライオン、タカ、アリに変身する力を得て、タカになって、空へ舞い上がり、大きな湖をわたっていきました。やがて、お姫さまから、ふたりの姉のつぎに、トロルのもとに連れていかれることになることを聞いた男の子は、トロルの使いの竜を退治にでかけます。男の子は、九つの頭を持つ竜を退治しますが、お姫さまが、九つ頭のトロルにさらわれてしまいます。トロルがいる湖の真ん中の岩山にのりこむと、お姫さまの姉が、三つ頭のトロルのシラミをとっていました。もうひとりの姉は、六つ頭...ライオンとタカとアリになった男の子ノルウェーのむかしばなし

  • ふ・ふ・ふ

    ふ・ふ・ふ/作・梅田さとえ絵・多田ヒロシ/あかつき/2017年「ふ」からはじまる「ことば」が繰り返されます。ふくろうの「ふ」。ふうせんの「ふ」魔女が火を「ふ」くとふわーっふきこぼれよろけた魔女がねこを「ふんずけちゃって」ねこがにわとりをふんづけにわとりがかえるをふんづけそのかえるがお花をふんづけ・・・・・・あたりまえの言葉がなかったら?考えたこともない世界。意思疎通ができず、学ぶことも本を読む楽しみも、歌もなく、詩もうまれず歴史もなくなる!!”ふ”だけでなく五十音すべてで考えられそう。ふ・ふ・ふ

  • こんにちわ いぬ

    こんにちわいぬ/きたやまようこ・作/あかね書房/199年犬のじんべいが、「おれさんぽにいく。ゆうたついてこい。」といったかどうか?。”ゆうた”が、じんべいと散歩に行くと、おなじように犬を連れて散歩している人から声をかけられました。「かしこそうなだね。よくいうこときくだろう」「おさんぽさせるのたいへんね」「たくさんたべるでしょう。なにたべさせてるの」「いいいぬだね。うちのもなかなかだけど」・・・・・・「おおこわい。あっちにいこうね」いろいろ声をかけられ、ゆうたくんは、うれしかったり、戸惑ったり、がっかりしたり。そんなゆうたに、じんべいが一言。「ゆうたひとのいうことなんかきにするな。おれはおれだ。」犬好きの人には、犬の種類がよくわかっているようで、シベリアンハスキーといいます。巻末に犬を連れた作者の写真も。じ...こんにちわいぬ

  • ぐん太

    ぐん太/夢枕獏・文飯野和好・絵/小学館/2021年「荒れ地で、草も木もなんも生えねえ花もさかねえけものもいねえ。」のは、石の下にこええもんがすんどるからといわれていた夜泣き石。父っさまも、そのまた父っさまももちあげようとして、石の下敷きに。誰一人持ち上げられなかった夜泣き石。「ああもちあげてえなああの石を千年万年一億年もうごかねえあの石をよ」ぐん太は石を持ち上げようと決意します。毎日毎日稽古して村一番の力持ちになって、天をささえている巨人にも、山を三つも四つもひっぱる男にも負けなかったぐん太。それでも石は持ち上がらなった。あるとき死んだ父っさまが夢にでていいます。「なあぐん太よあの石は力だけじゃあもちあがらねえ泣いたことのねえやつにゃもちあがらねえときには負けたりもしてよほろほろ涙もながしてよそのくやしさ...ぐん太

  • ちいさいおなべ

    ちいさいおなべ/脚本・絵村田エミコ/童心社/2015年(8画面)はるちゃんのおうちの台所には、大きなお鍋、中ぐらいのお鍋、それから小さい小さいお鍋が並んでいます。一番大きなお鍋さんは、カレーやシチュー、スパゲッティーづくりに大活躍。味噌汁お鍋さんは、毎日使われ、おやすみする日はありません。それに比べて、ちいさなお鍋さんは、いつも台所の隅っこで、ひとりぼっち。ある日、おかあさんとはるちゃんが、小さなお鍋をみつけ、あかちゃん用のおかゆをつくりました。小さなお鍋は、小さいお口で、ぱくぱくぱく食べる赤ちゃんを見て、うれしさいっぱい。自分の居場所がないと思っていた小さなお鍋が、赤ちゃんのために活躍するのはしばらく続きそうです。見やすくて、鍋の表情もおすまししたり、びっくりしたり、汗を流したりと楽しい紙芝居です。ちいさいおなべ

  • 巨大な木の樽

    時々通る道に、巨大な木の樽を発見。今あまり作る人がいないという木樽。樽があった家は、建て替えられているようですが、この樽は、そのまま残されたようです。三人がかりほどある直径。何に使われていたのでしょうか。屋根があるので屋外に設置されていたのでしょうか?巨大な木の樽

  • もっかい!

    もっかい!/エミリー・グラヴェット・作福本友美子・訳/フレーベル/館2012年おやすみ前に、ドラゴンの子が、大好きな絵本をママに読んでもらいました。おわると、もっかい!の催促。ママが、「もうおはなしはおしまいです。」「つぎの日、もっかいよんであげるから」というともっかい!もっかい!「おやすみ」とおわらせ、ママが寝てしまうともっかい!もっかい!もっかい!ママがおきないので、もっかい!と、火を噴くと、絵本に本当の穴が開いてしまいます。ママも疲れているから同情しますが、これだけ「もっかい!」といわれると、読みがいがあります?。ママが読む絵本の内容が、だんだん変わっていくのですが、これがいけなかったのかなそれともママの気持ち?ママが読む絵本は、いままでいちどもねむったことのない赤いドラゴンのセドリックが主人公。セ...もっかい!

  • ルンペルシュテイルツヘン

    ルンペルシュティルツヘン/絵・ボールガルトン訳・乾佑美子/童話館/1994年だいぶ前に、覚えてみようと思った話ですが、「ルンペルシュティルツヘン」のほか、でてくる名前が、舌を噛むようであきらめてしまった話です。むかし、貧乏な粉屋が、「わたしにはむすめがひとりおりますが、このむすめは、わらをつむいで金にいたしますんで」と、自分を偉くみせようと、つい王さまにいいました。「たいしたわざだな」「わしがためしてやろう」と、王さまはむすめを城につれてくるようにいいます。王さまは、むすめが城にくると、わらでいっぱいになった部屋へむすめをつれていき、糸車と糸巻きをわたして、あすの朝まで、わらを紡いで、金にするよういいます。わらを金にするどうして?これは誰にもできそうにありません。しかし、昔話では、できないことはありません...ルンペルシュテイルツヘン

  • 赤いこん箱・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年おばあさんが、川で食器を洗っていると、川上から流れてきたのは赤いこん箱と白いこん箱。「赤いこん箱、こっちゃこい。白いこん箱、あっちゃいけ」というと、流れてきたのは赤いこん箱。白いこん箱は「あーん、あーん」と泣きながら流れてしまった。赤いこん箱には、めんこい子犬。大事にそだて、ある日、山へいき、「ここをほれ、カンコーカェン、あそこもほれ、カンコーカェン」というので宝物がでてきた。と、ここまで「花咲かじい」と、おなじ進行。灰をまいて、花が咲くのではなく、灰を畑にまきます。すると畑一面にヒョウ(スベリヒユ)がでました。ふたりでヒョウを食べると、じいさんの腹がはってきて、ちょっと腹に力を入れると、屁が出て「綾ちゅうちゅう錦さらさらごよ...赤いこん箱・・山形

  • まのいい りょうし

    まのいいりょうし/小沢正・文飯野和好・画/教育画劇/1996年同じタイトルの瀬田貞二、赤羽末吉版の絵本がありますが、最後に、ほんとにほんとにまがいい展開。飯野さんの絵も武骨な感じの猟師で圧倒されます。猟師なのに、鉄砲を撃っても、いちども獲物にあたったことがないどんべえさん。なぜかこの日は、大当たり。鉄砲の玉がとんでもない方向にとんだと思ったら、あっちこっちへはねかえったあげく、いのししのおしりにこつん。おこったいのししに追われ、木の上にのぼると、いのししは、木の根っこに頭をぶつけ、どたん。木のそばにふじつるをみつけ、いのししをしばろうとひっぱるとクリの実がぱらっぱらっら。袋に入らないほどクリの実を袋に入れて、川の丸木橋をわたりはじめて、川の中へぽちゃ-ん。川の中で、木の根っこのようなものにさわると、それは...まのいいりょうし

  • ぼくは びっくりマーク

    ぼくはびっくりマーク/作・エイミー・クラウス・ローゼンタール絵・トム・リヒテンヘルド訳・大友剛/ひさかたチャイルド/2023年ぼくって、みんなといっしょにいるとひとりだけめだっちゃう。ならんでいても、はしっこに立っていても。みんなとおなじようになるようにがんばってみても、やっぱりおなじ。なやんで、くるしんで、しょんぼり。にげだしたぼくは、かわったこにこえをかけられた。「なんさい?、すきないろは?たんじょうびはいつ?おなかすいた?えをかくのすき?いぬとねこのどっちがすき?たいようってしっている?・・・・」。この子から質問の連射。おもわずちょっとまって!かわった子にもういっかいやってくれる?といわれ「やあ!こんにちわ!わーい!ヤッホー!これはいいぞ!・・・」。ぼくはうまれてはじめてじゆうをしった。すぐみんなに...ぼくはびっくりマーク

  • カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所

    カメラにうつらなかった真実3人の写真家が見た日系人収容所/エリザベス・パードリッチ・文ローレン・タマキ・絵松波佐知子・訳/徳間書店/2022年1941年12月、日本軍が真珠湾を攻撃した三か月後の1942年2月9日、「大統領令9066号」が発令され、西海岸に住む12万人以上の日系人が、「集合センター」に移送されることになりました。「移送」されるということは収容されること。収容所から西海岸へ戻ることを許されたのは1945年。この間の収容所のようすを、3人の写真家が残した写真とイラストでたどります。大統領令がだされた当初から、収容所へ収容されるようすから、そこでの生活。写真家の一人ドロシア・ラングは、強制収容所が人道的に正しいことを証明する写真を残すために撮影を依頼されましたが、撮影を引き受けることで、いかに不...カメラにうつらなかった真実3人の写真家が見た日系人収容所

  • ぼうさんになった大どろぼう・新潟

    新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年普通の人の三倍も早く走れる足を持ち、どんなに頑丈な錠でも、釘一本であける”耳しろ”という大どろぼう。盗んだ金や宝物をたまに出して、にこにこ楽しんでいた。盗みだけでなく、人に怪我をさせたり、命を奪くことまで。そんな”耳しろ”が、この地域で一番大きな小倉の寺で、和尚が説教する日に、説教を聞きにくる中に大金持ちもいるに違いないと、お寺の縁の下にもぐりこんで、みんなが帰るのをまっていた。ところが、和尚の説教の声が、ひとりでに耳に入ってくる。生まれて初めての説教だったので、いちのまにか耳を傾けて、じっと聞き入ってしまった。ありがたい説教を聞いているうちに、いつのまにかぼろっぽろっと涙が流れてきた。説教がおわると、”耳しろ”は、和尚さんの前で手をつき、今...ぼうさんになった大どろぼう・新潟

  • ロバくんのみみ

    ロバくんのみみ/ロジャー・デュボアザン・作こみやゆう・訳/好学社/2019年ある日、ロバ君が、馬のパット君と小川で水を飲んでいたときのことです。水に映った自分をみて、パット君の耳が短くて素敵なのに、自分の耳は、長くてピンと立った耳がだらしないと思い込み、悲しくなって、何も食べられなくなりました。犬のヘクターくんに相談すると、耳は垂らしておくものと言われ、耳を垂らすと、ともだちは大笑い。子羊のファジーちゃんは、横といい、ヤギや牛、飼い主のジョーンズさんの耳も横についているといいます。こんどは、耳を横にすると、納屋の入り口の大きな釘にチクッ!と、ささってしまいます。おかあさんぶたのローザおくさんにいわれ、耳を前に向けてみますが・・・。すずめのダニエルくんから、「ロバならロバらしく、みみをピンとたててりゃいいの...ロバくんのみみ

  • とうさん とうさん いかがなものか?

    とうさんとうさんいかがなものか?/穂高順也・作西村敏雄・絵/あかね書房/2010年表紙はちょっとおしゃれな三人。裏表紙では、この三人がなにやらおどっています。というのも、今日はマーガレットのマーレンちゃんと蝶、アジサイのむらさきちゃんとでんでんむしの同時の結婚式!!!。マーガレットも、アジサイも花屋のとうさんの大事な花。蝶は、八百屋のとうさんの大事な菜っ葉についていたあおむし。でんでんむしは、石屋のとうさんの大事な石についていました。この三人のとうさん、店が連なってみんな仲良し。花屋のむすめはたいそうきだてもよく町の人気者。若者は、目をハートにして見つめていました。そこへ八百屋の菜っ葉と石屋の石が名乗りをあげて、「およめにほしいがいかがなものか?」と、とうさんが乗り出したのでした。そりゃあはなむこが菜っ葉...とうさんとうさんいかがなものか?

  • わがはいは のっぺらぼう

    わがはいはのっぺらぼう/富安陽子・文飯野和好・絵/童心社/2011年「わがはいはのっぺらぼうであーる」とはじまります。朝はすきなだけ寝坊し、歯磨きなんて不要とのっぺらぼうの気楽な一日。つるつるぴかぴかの顔が命ののっぺらぼうの朝は、まず、とくせいのヘチマすいで顔をよくあらい、とくせいのキュウリ・パック。そのあとは「のっぺらふで」一本をつかいメイクで化け放題。今日は、とぴっきりのべっぴんさん。かつらをかぶって着物を着こんで、帯を締め顔に描いた口で食事。大好物は、はんぺんステーキ、とうがんのスープ、キュウリのすのものとおぼろどうふ。それからマショマロ。おばけの仕事は人間を驚かすこと。そろそろ仕事の夕暮れ。町はずれのくらーい四つ辻で人間がやってくると顔の化粧を落としいち、にい、の「バアッ!」と飛び出すと「ギャー!...わがはいはのっぺらぼう

  • マララとイクバル

    マララとイクバル/ジャネット・ウインター・作道傳愛子・訳/岩崎書店/2015年パキスタンの小さな町で生まれたマララは、タリバンの兵士から「学校にいってはいけない」と警告をうけますが、教育を受ける権利があると、声をあげることをやめませんでした。そして、2012年10月9日、タリバンの兵士に撃たれてしまいます。イクバルは、親の12ドルの借金のため、4歳から、絨毯工場で働くことになりました。逃げられないように足は、鎖でつながれながら。夜、とぼとぼとかえりながら、壁にはった「債務労働」に反対する集会の知らせを見ました。債務労働が禁止され、借金もなくなったことを知ったイクバルは、学校にかよいはじめ、同じような目にあっている子どもたちのために声をあげました。パキスタン中の絨毯工場で、自由をよびかけたイクバルは、199...マララとイクバル

  • 鳥のみじいさん・・新潟

    新潟のむかし話/新潟県小学校図書館協議会編/日本標準/1976年各地に分布している話。正直で、働き者のおじいさんが、畑仕事をしているとき、大あくびしたひょうしに、小鳥が口に入ってしまう。しばらくすると、脇の下へ羽が生えてきたと。びっくりして、じいさんがひっぱってみるとあやツウツウこやツウツウごよのさかずきたべもうせばピピラピンのピーンと、とってもよい音を出したと。おおいそぎで、うちに帰って、ばあさんの見ている前で、もう一度、ひっぱってみるとまたおなじ声。これを聞いたばあさんが、「あしたは、とのさまが、この道をおとうりになるすけに、きかせてやろうそ」というので、おじいさんは、道端の大きな木に上って、とのさまがくるのをまっていたと。さきばらいのさむらいが、「何者だ」と、どなると、おじさんは、「日本一の歌うたい...鳥のみじいさん・・新潟

  • ともだちだーれ?

    ともだちだーれ?/脚本・得田之久絵・和歌山静子/童心社/2006年(8画面)傘さんのともだちだーれ?クレヨンさんのともだちだーれ?太鼓さんのともだちだれだかしっている?問いかけながら進んでいく紙芝居。最後は、全部横に広げていきます。”ばち”は小さい子だと、すぐに連想するのがむずかしいところでしょうか。絵はシンプルなので遠くから見ても目立ちそうです。保育園、幼稚園でいっぱいともだちができるといいな。ともだちだーれ?

  • まっくろ

    まっくろ/作・高崎拓馬/絵・黒井健/講談社/2021年まったく最後が想像できませんでした。これだけびっくりする最後も珍しい。先生が「こころにうかんだことをかいてみましょう」と言うと、ひとりだけ画用紙を真っ黒に塗りつぶしている男の子がいました。先生がこまった顔をして、「ちゃんとしたえをかきなさい」と言いますが、男の子はやめません。みんなが描き終わってもまだひとり、画用紙に黒を塗りつぶしていく男の子。家に帰っても、朝になっても、休みになっても、男の子は、画用紙を真っ黒に塗りつづけ、大人はみんな心配顔。保健室でも書き続ける男の子。ともだちもみんな心配顔。それでも手を止めなかった男の子。やがて、男の子は黒い画用紙を体育館にならべはじめます。よくよくみると、画用紙はすべてが黒だけではなく、白い部分もありました。なら...まっくろ

  • やかましい!、ありがたいこってす!

    やかましい!/アン・マグバガン・作シムズ・タバック・絵木坂涼・訳/フレーベル館/2008年この「やかましい!」と、次の「ありがたいこってす!」は、おなじシュチュエーションで、出版社の説明にはありませんが、ユダヤの民話がもとのようです。ある日、ちいさな古い家に一人で住むひげもじゃのおじいさんは、ベッドがキーキーし、外では、葉っぱが風に揺れて屋根をひゅんひゅんこすり、やかんがしゅー!と、音を立てるのに、気分がイライラ。「やかましい」を何とかしようと、村一番の物知り博士のところにいくと、「ウシといっしょにくらしなさい」とのご宣託。おじいさんがウシを家に連れて行くとウシはモーモー。「ちっともかわらん」と、また博士のところへ行くと、こんどは、ロバと暮らしなさいという。博士は、なにを企んでいるのやら。次はヒツジ、ニワ...やかましい!、ありがたいこってす!

  • ママー、ポケット!

    ママー、ポケット!/デヴィット・エズラ・シュタイン・作ふしみみさを・訳/光村教育図書/2018年おもわず、ほっこりします。赤ちゃんカンガルーのジョーイは、ある日、ママのポケットからはじめて外へとびだしました。草原のほうへピョンピョンと二回はねると、はじめてみるハチにであいびっくり仰天。「ママー、ポケット!」と、ママのポケットへ逆戻り。でもすぐにまた、ジョーイは外へ出たくなり三回はねたところで、はじめてみるウサギにあって、またママのポケットへ。でもすぐにまた、ジョーイは外へ出たくなり四回はねたところで・・。そして、またまた外に出て、であったのが、カンガルーの子。ふたりは、「ママー、ポケット!」と、ママのポケットに入ろうとしますが「あれ、ちょっとまって!」「・・もしかしてきみもこわかったの?」と、顔を見合わせ...ママー、ポケット!

  • ぐうず・・佐賀

    佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年「ぐうず」とは聞きなれない言葉。佐賀で「石ガメ」のこと。話は、正直なおじいさんと、よくばりじいさんがでてきて、「花咲か爺」に似ているが、結末が異なる。正月をひかえて、どうして年をとろうか思案していたじいさんが、川の水をじっとながめていると、「アワでっしょう。米でっしょう。」という声。よくよくみると、石と石の間に、いっぴきのかわいらしい石ガメが首をだす。ぐうずをつれて家に帰ると、ぐうずは、「うすのなかにわたしば入れて、きねでついてみてくんさい」という。びっくりしたおじいさんが「お前のいのちは、大丈夫かい」と聞くと、ぐうずは、かわいらしい声で、「心配いらん。まあついでみてください。」と、なんべんもいう。おじいさんが、ふしぎな気持ちで、うすを...ぐうず・・佐賀

  • くものすおやぶん とりものちょう

    くものすおやぶんとりものちょう/秋山あゆ子/福音館書店/2005年(初出2003年)春爛漫の虫の町は、桜の花が真っ盛り。お菓子の「ありがたや」に、盗人からの予告状。「こんやくらのなかのおかしをちょうだいするかくればね」「よしっ、おいらにまかせな」と、くものすおやぶんの出番。蔵にぐるぐるくものすをはって盗人を捕まえようとまちかまえるおにぐものあみぞうと、はえとりのぴょんきち。よもだいぶふけたころ、まっしろいくもが、どんどん近づいて蔵に体当たりすると蔵の中へ。蔵の中へとびこんでみると・・・。江戸時代の街を思わせる風景。日本橋の賑わいから、商店の並び、建物から部屋の中の小物まで見どころがいっぱい。俯瞰する江戸の町は、一緒に屋根に上っているよう。そこで繰り広げられる捕り物劇。くものすおやぶんはクモ、お菓子屋はアリ...くものすおやぶんとりものちょう

  • てんのくぎをうちにいった はりっこ

    てんのくぎをうちにいったはりっこ/かんざわとしこ・作ほりうちせいいち・絵/福音館書店/2003年(1985年初出)親をなくしたハリネズミのはりっこは、クマおばあちゃんにそだてられました。はりっこは、おばあちゃんが歌う天の釘をうつ歌が大好きでした。昔、大空がおなべをふせたように、かかっていいたころ、その空は、天の釘でささえられていました。はしごをよじのぼり天の釘をうったのは、クマのかじ屋の大男、クマばあちゃんの、ひいひいじいさま。はりっこは木に登るのがだいすきで、木にのぼっては、空をみていました。昼間は明るい丸天井で、天の釘は見えませんでしたが、はりっこの耳には、かじ屋のハンマーの音がたったいま歌っているように聞こえていました。とんてんかんてんとんてんかんとんてんかんてんとんてんかんある晩、ぎいーと、なにか...てんのくぎをうちにいったはりっこ

  • おたんじょうび まだかな

    おたんじょうびまだかな/ジュリー・フォリアーノ・文クリスチャン・ロビンソン・絵よしいかずみ・訳/化学同人/2022年「あといくつねたらおたんじょうびになるのかな」「明日かな、もしかしたら冬かな、それとも春かな?」。お誕生日にほしいもの。こうまがいいな。ネックレスもいいな。げんきなにわとりがいいかもね。ポーンとはねるボールもいいね。チョコレートたっぷりケーキにそうそくだって。おばあちゃん、キリンさん、ナマケモノくんにおさかなさんみんなみんなだいかんげい。お誕生日に呼ばれたら、どんな服装で?どんなプレゼントをもっていくかなあ?。きょうはあの子の誕生日。あといくつねたら?あしたのゆめをみてあさがきた!きょうはわたしの誕生日。お誕生日が待ち遠しい子の気持ちが、縦長の絵本にぎゅっうとつまっています。誕生日当日は、キ...おたんじょうびまだかな

  • そばの茎はなぜ赤い・・佐賀

    佐賀のむかし話/佐賀県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1977年天から鎖が落ちてくる話で、類似の話も多い。二人の兄弟が留守番しているところに、やまんばがやってきて、なにかうまいものを食わせろと脅かす。気のきいたあんちゃんが「なんにも食うもんはなか」と、いうと、それなら兄弟を食べると、大きな口をあけてせまったので、ふたりはびっくりして裏の柿の木によじ登る。やまんばが、どうして柿の木に登ったかと聞くと、あんちゃんは、足の裏に油ばつけてのぼったという。やまんばが、足の裏にどっさり油をつけてのぼろうとするが、足がつるつるして、のぼれない。弟が、木に、きずつけてのぼれと正直に話すと、やまんばは、木にきずをつけてのぼりはじめ、だんだん二人にちかづく。あんちゃんは、こりゃいかんと思って「天道さん、天道さん、鉄の鎖...そばの茎はなぜ赤い・・佐賀

  • のいちごつみ

    のいちごつみ/さとうわきこ/福音館書店/2015年(2010年初出)おいしいジャムを作ろうと、ばばばあちゃんはのいちごつみに出かけました。「いまとらなくってどうする」と、味見。いちごが、かごいっぱい。ぽかぽか陽気に誘われひと眠り。おなかをすかした動物たちがやってきて、ジャムになるまえに、一粒と、食べはじめたら、あれあれ、いちごはどんどんなくなって、残ったのは七粒。「これだけじゃ、いちごジャムできないよ」と、みんながいうと、ばばばあちゃん、のこりのいちごをパクリ。そして、「あしたまたみんなでとりにいけばいいよ。のいちごつみもたのしいよ」と、平気ないつものばばばあちゃん。次の日、ちゃーんとみんなでのいちごつみです。「ふたついちごにこにこたべよう」「ななついちごなかなかとまらぬ」「やっついちごやっぱいうまい」と...のいちごつみ

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