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2015/11/19

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  • 久 津 海 岸

    萱 海に出るため、国道から分岐した細道を歩く。左手に 水路が流れている。対岸には荒れた植物群落が広がり、 岸の近くに鬱蒼とした萱の茂みがある。初夏には緑一色 だった萱の茂みは、秋を迎えて枯れた黄褐色を増やし、 暗がりの奥に密生する茎から、緑の混じった細長い葉を 多方向に枝垂らせている。空を向いて伸びる薄茶色の穂 を掠めて、ハクセキレイが下流へ飛んで行った。視線を 戻すと、萱の茂みがじっと私を見ていた。 夏蜜柑 海へ続く道はカーブしていて、両側に数軒の農家が畑 を挟んで並んでいる。畑には夏蜜柑の木が並び、端の方 には実を付けた甘柿の木、他の一角ではキウイが棚に葉 を茂らせている。夏蜜柑はみな横広…

  • 海 鵜

    港を望む小さな緑地 棕櫚の並木の間の ベンチに座って煙草を一服 突然 手前の海上に 全身が真っ黒な鳥が降りて来て 沖に向かってスイーと泳ぐと ジャボン! 海中に潜ってしまった 長い首 あれは海鵜だろうか 魚を咥えて浮上して来るかな? 一分二分と待ったけど上がって来ない 五分経っても海は静かなままだ 対岸の桟橋にフェリーが着いた 白い鳥が視界を二度横切り 岸壁に繋がれた小型船の手摺りから 灰色の鳥が飛び立った もう十分近く経つ 諦めて近くのレストランに入った スマホで検索すると ウラジオストク沖の暗い海上に 魚を咥えた海鵜が浮かんでいた

  • 詩( 未分類 目次)

    首長竜 探り吹き ( 中国新聞 H28/1/25掲載) ちょっぴり 知らない街 キリギリス 散歩 或る日の光景 海鵜 耳鼻科の名医 幸福論 首長竜 子供の頃 ぼくは信じていた 何処か遠いところに 黒い湖があって そこには首長竜が棲んでいる (お父さん 黒い湖はどこにあるの?) ぼくが尋ねても お父さんは何も答えずに 毎日山へ働きに出て行った ぼくは地図帳を開いて 湖を見つけては黒く塗り潰した 霧に覆われた湖面から 首長竜が水飛沫を上げて首をもたげる そんな想像をして 夜になるとすぐに眠った 真夜中にふと目覚めると 窓から首長竜が覗いている なんだか寂しそうな眼 (お父さん ゆうべ首長竜がきたよ…

  • 詩集 日々に遅れて ( 未完)

    普通の空 受付 写真 街 日々に遅れて 会社をたたむ 遠雷 泥 普通の空 仕事場のドアを開けると 早く来て掃除をしている筈の君がいない 代わりに卵がひとつ床に転がっていた とうとう君は卵になってしまったのか 私には何も言ってくれなかった 淡いピンク色をした卵を 手のひらで包むと生あたたかい 君が見ている夢の温度なんだろう 私は軒下の燕の巣の中に 卵になった君をそっと置いた いつか君は雛になって 燕として成長して 今日とあまり代わり映えのしない 普通の空へ飛んで行くのだろう それが君の夢だったから その時が来れば やっぱり私は泣くのだろうか 空は普通の空なのに 受付 砂浜に受付のデスクが ぽつん…

  • 詩集 多島海より ( 未完)

    天牛と島の少年 ( 国文祭京都2011入選作品) おとめ ( 国文祭おかやま2010 入選作品) 金柑 祖母の記憶( 県文祭2013広島市教育委員会賞) 夢 記 憶( 県文祭2012広島市長賞) 巡礼歌 グラウンド・ゼロ 友人 蛇 ( 国文祭あきた2014 入選作品) 病院 潮騒 シジミ蝶 ( 県文祭ひろしま2014入選作品) かなしみを知らない ぬるい風 天牛と島の少年 ( 国文祭京都2011入選作品) てんぎゅうをとりにいこう きみがそう言った夏休みに ぼくらは残忍なハンターになる もくもくと青空に湧く入道雲 稚魚の群れが回遊する島の海を ぼくらは毎日飽きるほど泳いだ 陸に上がって濡れた体…

  • 詩集 Coffee Shopの物語

    プレリュード 石狩挽歌 風と共に去りぬ 春のキャンペーン 牛 奈落へ 夏祭り あんた誰? 九官鳥 THE WIND BEGAN TO HOWL ドキがむねむね リーマン 大相撲珈琲場所 こんなところで 九月の雨 赤トンボ 『 トントラワルドの物語』 プレリュード 爽やかな初夏の朝 コーヒーショップの窓の外では スズメ達が噴水に集まって 小さな翼をシャンプーしている 音大行きのバス乗り場では 客はバスの屋上に梯子で登り ピアノを楽譜初見で弾かないと 乗せて行ってもらえないそうだ ラヴェル先生が入試用に作曲した 『プレリュード』を上手く弾けない人は スズメの冠婚葬祭のための祝い歌や レクイエムを補…

  • 詩集 美しい羽根 ( 未完)

    しゅりけん マラソン大会 一輪車 なわ跳び 熱気球試乗会 1 2 3 しゅりけん じゅうじか? ううん かざぐるま? ううん なにかのかざり? ううん なに? しゅりけん チラシを丸めた細い棒を二つ 十字形に組み合わせて セロテープをぐるぐる巻いてある 逃げるぼくに向かって えいっ きみは思いっ切り 自作のしゅりけんを投げ付ける ピューッと飛び上がって とんでもない方向に落ちて行った ぼくがしゅりけんを拾うと きみは大パニック 逃げまどう小さな背中に狙いを定めて えいっ 春には元気な小学一年生になれ 十二月の公園の日暮れ時 お目当てのイルミネーションが 木々に灯り始めた マラソン大会 一年生と…

  • 詩集 プロミネンス ( 未完)

    賛歌 プロミネンス 金属の目録 地の星 晩秋 鬼 遠く暗い街 あおい国 1 あおい国 2 発端 初夏 賛歌 ダダ漏れのDark Matter 鉛色の重力 街を歩いてもアスファルトに走る無数の亀裂 から滲み出てくる闇を見つめるだけだ ああ この皮膚がすべて剥がされても 感じているか? 動いている 動いてい る 闇の中を 蠢く者がいる おう 耳孔でウラン弾が爆ぜようとも 聴こえているか? 無限に遠く 無限 に近い 闇の中で 囁く者がいる 押し黙った孤独な獅子の心音を聴く どこか森閑とした場所で赤ん坊がむずがって いる 夜の木立の奥の 沈殿する闇の中に おまえは確かにいた 跳べ、戦慄へ、永い微睡みの…

  • 詩集 CATFISH BLUES ( 未完)

    CATFISH BLUES アバロン THE WIND BEGAN TO HOWL 遥かなるギターバトル CATFISH BLUES (おいらが鯰だったらいいのにな ディープ・ブルーの海を泳ぐんだ いい女はみんな おいらに釣り糸を垂れてくる おいらに釣り糸を垂れてくる) 作者不詳のキャットフィッシュ・ブルース。しょ うも無いことを歌っている。(鯰は淡水魚だし) でも、そのしょうも無さが好きなんだ。 (おいらが生まれる前のこと お袋が親父に言ったんだ 子供ができたよ たぶん男の子だよ どうせサノバガンになるだろうさ どうせサノバガンになるだろうさ ローリング・ストーンになるだろうさ) Son o…

  • 熱気球試乗会( 俳句・ 習作3)

    (朝の森) トンネルを抜けると森に熱気球 十月の地に繋がれた熱気球 熱気球巨大坊主が起き上がる 熱気球深海クラゲの傘の色 熱気球プカリと浮かぶ朝の森 (地上から) 熱気球試乗待つ親大あくび 熱気球あっちの空に紙ヒコーキ 熱気球知らぬ親父に手を振られ ゴンドラに乗る子供らの歓声よ 熱気球ゴンドラの美女絶叫中 風よ吹け気球傾け叫べ美女 熱気球に乗るのは嫌だ? みーちゃん… 子は嫌よ親が乗りたい熱気球 料金の元を取るまで帰らんぞ 熱気球じわりじわりと影が這う 降ろしてもゴンドラ揺れる熱気球 (試乗体験) ごねる子を拝んで乗せる熱気球 繋留のロープをほどけ熱気球 熱気球ふわりみーちゃんが笑った 熱気球…

  • 俳句・ 習作 2

    樹木 山桃の実のぶつぶつの舌ざわり 葛のつる川土手の樹を緊縛す 炎天や犬の尿に樹木立つ 昼の樹の葉叢の奥の星の夜 窓を叩き梢が夜を連れてきた 真夜中に性夢を覗く樹木かな 直立する銀河の星に樹木あり 海・岸壁・漁村 ずぶ濡れのダークマターの岸辺かな 風吹けば千変万化の海の皮膚 岸壁は地球の海を堰き止める 岸壁の童子かわはぎ釣りにけり きらきらと細魚釣られて白き手に 蝉の島ふりちんの童子泣き歩く 干し蛸や陽光に透く股七つ 干し蛸や漁村は火星の処刑場 インターネット 電網や大蛇は夜にとぐろ巻く 電網の古層を泳ぐ肺魚かな 電網を銀の細魚がすり抜ける 電網のどぶを飛び越え蠅がくる 関西弁(もう少し西の方…

  • 俳句・ 習作 1

    頭痛 倦怠が成層圏から降ってきた うっすらと頭痛呑み込むパスタかな 氷床の軋む音する頭痛かな 頭痛飛び地球を巡り海に墜つ 雨 生まれ落ちて何回目の雨の日か 雨音のなか遠ざかる人も無し 誰の忌か雨の浜辺に閉じる貝 雨だれが月の巌に響いてる 雨だれは生まれてポタリすぐに死ぬ 雨だれとじゃれるピエロのオルゴール 雨だれと振り子時計とピエロの子 雨の日や海底を這うクラーケン 雨の日に蠅がぶつかる潜望鏡 雷雲や巨大な足が都市を踏む 雨上がり海星は月に弓を引く 梨食えばからだの中を雨が降る ポラリス 君の香に渦巻きほどく銀河かな 北斗七星の右心室で鳴る四弦琴 シリウスの左心室で打つDTM 行く春やポラリス…

  • 散文 エッセイ誌 『 R』

    幾つかの死と ストーンズの映画を観に行く 振り出しに戻った話 ニッケ飴奇譚 ツリー・アドベンチャーと、その他若干のこと 幾つかの死と かつて、入院療養中にこんなことがあった。 私は結核で入院していたが、呆れたことに、 肺の病気を患っているというのに煙草を止め ないのであった。更に呆れたことに、病棟に は私の同類が他に何人もいるのだった。 療養所の早い朝食を終えると、病棟の西の 出口に一人、二人と顔を出し、ある者は短い 階段に腰を下ろし、ある者は地べたにしゃが み込んで、食後の一服というわけだ。 ある朝、私はいつものように食事を済ませ て西の出口に向かった。階段に腰を下ろし、 ポケットから煙草を…

  • Hatena Blog を始めました。

    utanpola ( ゆたんぽら ♂ )。 拙い詩の倉庫。推敲・改作・詩集の編集。 (作品が増えて行けばいいのですが) 詩作の他、趣味は読書、音楽、アートの鑑賞など。 タテ書きのテーマを作ってくださった nitro_idiot さんに感謝! と、テスト的に詩を三つくらい書きこんだだけで、 その後二年近く放置。 2015.11月にせっかく作ったんだからと再開。 まあ、ぼちぼちやって行きます。

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