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日々の便り https://blog.goo.ne.jp/hansyoodll84

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

老若男女を問わず、人夫々に出逢いの縁が絆の始まりとなり、可愛く幼い”蒼い”恋・情熱的な”青い恋”・円熟した”緑の”恋を辿って、人生観を形成してゆくものと思慮する そんな我が人生を回顧しながら、つれずれなるままに、出合った人々の懐かしい想い出を私小説風にブログに記してみた

日々の便り
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秋葉区
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大田区
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2015/11/08

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  • 雪に戯れて (19)

    健ちゃん達は、大助を診療所に預けて宿に帰ると、早速、三人が手分けして知恵を絞り備え付けの大きい鍋に、持参の野菜や隣の商店から仕入れた豆腐やイトコンに、診療所から貰った解凍した熊の肉を入れて、チャンコ風な鍋の準備をし、炭火が赤々とともる広間の囲炉裏の吊り手にかけると、炊飯器にスイッチを入れて夕食の準備を終えると、浴衣に着替えて揃って温泉浴場にむかった真っ先に入った六助は、熱すぎる湯を浴場に用意されていた消防用のホースを利用して小川から流れる豊富な水で湯加減したあと、熱い源泉の落ち口に、蜜柑を入れてきた網袋に入れたワンカップの酒瓶を吊るし、缶ビールを窓外の雪の上に出して、大きい岩石に囲われた豪華な浴場で温泉気分を満喫しながら入った。健ちゃんが、ワンカップや缶ビールを見て「六助、お前は相変わらず機転がきくなぁ」...雪に戯れて(19)

  • 雪に戯れて (18)

    二人は、思いおもいに、各自がおかれている現実と未知の夢を話しあったあと、眠ろうとしたが共に眠つかれず、大助は「フ~ン僕は草食系か」と言いながら、美代子の首下から腕を抜き、痛む足を庇ってうつ伏せになり、仰向けになっている美代子の顔に頬を寄せて軽くキスをした。美代子は、静かにして目を閉じていたが、大助が顔を離すと薄目を開けて彼を見つめ、自分の期待に応えてくれないことに不満なのか、毛布の襟布に顔を隠して皮肉混じりに小声で「そうよ、草食系もいいとこょ」「アノネ~、同級生の中にはsexをしていると噂されている子もいるゎ」「大ちゃんは、手を触れようともせず、大器晩成型なのかもね」「女のわたしから、この様な話をすることは凄く恥ずかしく勇気がいることなのょ」と、つまらなそうに呟やいた。大助は、美代子の呟きに反応して、再び...雪に戯れて(18)

  • 雪に戯れて (17)

    美代子は、入院室にベットを二つ接して並べ枕元には氷嚢を提げて準備を終えると、彼女の行動に戸惑う大助に有無を言はせず無理矢理診察室から連れて来て寝かせると、朋子さんから渡された老医師が処方した安定剤と痛み止めの薬を飲ませた。彼女はそのあと大急ぎで浴室に行き汗を流すと急いで風呂から上がり、留守中のキャサリンの部屋に行き香水を無断で借用して首から胸に鏡を見ることもなく無茶苦茶に噴霧して入院室に戻ると、大助が目を閉じて静かにしている様子を見とどけると少しばかり安堵して、彼の横に用意したベットに入り、二人して額に氷嚢を当てて寝込んでしまった。部屋の入り口には、彼女の文字で『入室厳禁』と白いボール紙に赤色のサインペンで大きく書き、その横に小文字で『患者名城大助(病名裂傷・打撲)重症』と書き、その左に『同美代子(病名p...雪に戯れて(17)

  • 雪に戯れて (16)

    健ちゃんが、美代子を連れて校庭裏の駐車場に辿りつくと、先着の六助以下の者達がスキーを脱いで車の前に整列して待っていたが、彼は寅太達三人に対し「ヨシッ!今日のことを忘れずに、家に帰って除雪でも何でもいいから人に喜ばれることをしろ」「それが、お前達が今出来る最善の償いだ」「さぁ元気を出して行けっ!今日のことは決して人には言うなよ」と言って返したら、寅太達は「ハイッ」と元気良く返事し、大助と美代子に黙って頭を下げて謝ると、興奮している美代子は彼等に目もくれず、大助の腕を取って一緒に車に乗り込んでしまった。健ちゃんは、美代子に携帯を渡し「これから、君の診療所に大助の傷の手当てに行くので連絡してくれ」と頼むと、彼女は大助のズボンから滲んでいる血を見て喧嘩を思いだしたのか、再び、取り乱して泣き出してしまい、健ちゃん達...雪に戯れて(16)

  • 雪に戯れて (15)

    健ちゃんは、雪の上に蹲っている三人を見て、懸命に応援している六助に対し語気鋭く「奴等を起こせ!」と言うや、彼は手際よく、倒れている三人を順次、雪を顔に擦り付け片っ端から尻を蹴り上げて無理矢理起こすと、いかにも海上自衛隊出身らしく、きびきびした命令調で「お前等、肩を丸めて姿勢が悪いっ!」「学校で正しい姿勢を教わっていないのか!」と気合をかけて、彼等の前で自ら<キオツケッ!。ヤスメッ!>と号令を発しながら模範を示して実行させ、疲労困憊している彼らを渋々ながらも横隊に並ばせると、健ちゃんに対し威勢の良い寒空に響き渡る声で「整列、終わりっ!」と叫んで挙手の敬礼をすると、健ちゃんは彼等の前に仁王立ちして拳を握り締め「お前等、不服があったら俺に向かって来い、幾らでも相手をしてやる。その代わり段々と厳しくなることを覚悟...雪に戯れて(15)

  • 雪に戯れて (14)

    大助と美代子は、互いに滑降に熱中し話掛けることもなく懸命に滑降と登坂を繰り返して、炭焼き小屋の近くまで辿りつくと流石に疲れて、彼女が振り返って「疲れたわぁ~、ねぇ~少し休んで行きましょうよ」と言い出して、二人はスキーで雪を踏みしめたあとスキーを雪中に立て、健ちゃん達の声が聞こえる遥か彼方を見ると、小屋に向かって来るのが見えたので、二人は白と赤色の帽子を頭上でグルグル廻して居場所を教えたら「スグユクゾ~」と遠くで叫んでいるのが聞こえた。二人は小屋の前の窪地を踏み固めて腰を降ろすと、彼女は膝を揃えて立ててしゃがみ、両足を投げ出している大助の右側に擦り寄り、彼の右腕を手繰り寄せて内緒話をするかの様に、顔を近ずけて「ネェ~、どうしても聞きたいのだけれど、大ちゃんって、お手紙書くの苦手なの?」「何時下さるのかと、来...雪に戯れて(14)

  • 雪に戯れて (13)

    圧雪され滑りやすい道路の両側には除雪された雪が高く積まれ、山肌に沿い眼下に流れる川幅の広い川に沿う様に細い道が続き、運転中の健ちゃんが後ろを振り向くこともなく「まだ、大分先なの?」と声を掛けたところ、美代子が「もう少し行くとバスがUターンする駐車場があるわ」と、大助とのお喋りをやめて答えた。ほどなくして、除雪された雪が壁の様に積み上げられた広い場所に到着して、皆が車から降りて頂上を見上げると、想像していた以上に丘陵は広く急斜面や平地を織り交ぜて高く、美代子が「右上に細長く灰色に見える校舎がわたしの通う中学校なの」「私の家は校舎の近くだゎ」「頂上の真ん中辺りにポツント見える小屋が炭焼き小屋ょ。今は正月休みが終わって皆都会に帰りスキーをする人が少ないゎ」と地形などを説明していたが、健ちゃんが「これは登るのに大...雪に戯れて(13)

  • 雪に戯れて (12)

    地図や旅の案内書にも記載されていない、飯豊山麓にただずむ、こじんまりした村営の宿に到着すると、彼等の自動車の音を聞きつけて外に出てきた宿を預かるお婆さんは、カヤの柵と板で頑丈に雪囲いされた入り口でニコニコと笑みを浮かべて彼等を出迎え、事務室脇の控え室に案内して皆にお茶を出すと「この時期はお客さんもなく、夕方、部落の人達数人が風呂に入りに来て、帰りに当番の男の人が風呂場を掃除して行く以外に、お客さんはおりませんので、ゆっくり遊んでいってください」「あなた達が来られることは、村の指導者である山上先生の娘さんから聞いておりましたので・・」「一人娘の理恵子さんも、この春には東京の美容学校を卒業して村に帰って来るそうで、親御さんも楽しみにしておりますわ」「この温泉は、それこそ湯量が豊富で勿論掛け流しですが温度が高く...雪に戯れて(12)

  • 雪に戯れて (11)

    商店街恒例の正月初売りの日。八百屋の長男で大学卒業後、親の後を継いで仕事に一生懸命に励む昭二は、毎年正月は大勢の人出で店が賑やかになることを予想して、珠子にレジ係りを、大助には配達を担当してもらうことを臨時に頼んで、相変わらず店頭で威勢のよい掛け声でお客さんを呼び込んでいた。一方、通りを挟んで昭二の店と向き合っている精肉店の健太は、八百屋の人だかりを時々羨ましげに見ながら、両親と三人で黙々と精肉と揚げ物の仕事をしていた。健太は、自衛隊の降下部隊出身で、背丈も高く体は鍛え抜かれて頑丈で、見るからに頼り甲斐があり、夜間は公民館で青少年達に空手を指導している。年齢は昭二より2歳上で、普段、兄弟の様に親しく付き合っているが、町内の青年達を巧みに纏め、人の面倒見の良さは天性のものがあり、商店街の若者の間でも信頼感は...雪に戯れて(11)

  • 雪に戯れて (10)

    美代子は、お爺さんと話し終えると、今度は両親に対し御節料理を食べる箸を丁寧に置いて伏し目がちに「わたし、どうしても理解出来ないんだけれども、キリストには父がいないのに、マリア様は聖霊に感じておはらみになった。と、書物で読んだことがあるが・・」「これって、不思議よネ」「想像妊娠って、本当にあるのかしら」「わたし、学校で生物の時間に30歳位のお腹の大きい女の先生に対し質問したら、宗教的な問題は別の時間にお話いたしましょう。と、先生は顔を赤らめて恥ずかしそうに、ていよく断わられてしまったが・・」「その時、クラスの男子生徒の声で、俺が後から実地に教えてあげるよ。と、声を上げると、皆が大笑いしてクラスが騒々しくなって授業にならず、隣の教室から保健体育の男の先生が飛び込んできて、怖い顔をして大声で騒ぎを収めたことがあ...雪に戯れて(10)

  • 雪に戯れて (9)

    美代子は、おせち料理が豪華に並べられたテーブルを家族で囲み美味しそうに食べながら、お爺さんや両親に対して、彼女なりに自分が上京した後に気になることを話したところお爺さんとキャサリンは、彼女が改まって言い出したことを、一寸、いぶかしげな目で見て強張った顔で聞いていた。父の正雄は、返事に少しとまどったが、直ぐに「美代子も、精神的に立派に成長したね」「お父さんは、そんなつもりは全然なかったが、美代子の言うことは良く判ったよ。心配しないで勉強しなさいね」と、少し照れ笑いしながら答えていた。キャサリンは、数日前、化粧中に鏡に映った二人の顔の相似性について思いがけないことを、彼女が口にしたことを思い出して、また、同じことを言い出すのかと気が気でなかった。一方、老医師は、最近、彼女が急に大人びいて来たので、近い将来に、...雪に戯れて(9)

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