プロフィールPROFILE

日々の便りさんのプロフィール

住所
秋葉区
出身
大田区

老若男女を問わず、人夫々に出逢いの縁が絆の始まりとなり、可愛く幼い”蒼い”恋・情熱的な”青い恋”・円熟した”緑の”恋を辿って、人生観を形成してゆくものと思慮する そんな我が人生を回顧しながら、つれずれなるままに、出合った人々の懐かしい想い出を私小説風にブログに記してみた

ブログタイトル
日々の便り
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/hansyoodll84
ブログ紹介文
男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。
更新頻度(1年)

99回 / 365日(平均1.9回/週)

ブログ村参加:2015/11/08

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ハンドル名
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日々の便りさんの新着記事

1件〜30件

  • 河のほとりで (37)

    大助と美代子は、渦潮に巻き込まれるように踊りの輪に自然にはいっていった。最初は、老人会員の地元の人と里帰りしている中高年の人達が菅笠をかぶり浴衣姿で、古くから地元に伝わる民謡調の流れる様な静かな踊りで祭りの雰囲気を醸し出していた。暫くすると若い人達が輪に入ると自然と笛や太鼓の音頭も、中高生の奏でる吹奏楽にあわせて、テンポが少しずつ早くなり、踊りの輪も二重三重となり交互に行き交う形に変わり、それがやがて若者中心となって、最近流行のニューダンスを取り入れた軽快な踊りとなっていった。勿論、踊り好きな中高年者も若者の輪の外側を取り巻くように一緒になって踊りが盛あがっていった。これは、雪深いこの地では、お正月に帰省する若者が年々少なくなり、必然的に、旧お盆が季節的に集い易く、懐かしい顔を合わせる唯一の機会となり、盆踊りが...河のほとりで(37)

  • 河のほとりで (36)

    悠々と流れる河の流れに身を晒し、自然の恩恵を思う存分楽しんで帰宅した理恵子達は、帰ると順番に風呂場で髪や身体を洗い流したあと、珠子は裏庭に臨んだ洋間でシュミーズ姿で理恵子に髪の手入れをしてもらっていた。大助は疲れたのか、或いは彼女達の下着姿が眩しく見えたのか、庭に面する洋間のソフアーに横たわり美代子と水泳などの雑談をして戯れていた。理恵子は、珠子の髪をいじりながら「浴衣姿には、髪を束ねて少しアップにした方が涼しそうで良いと思うゎ」と言いながらヘヤバンドで束ねて、ついでに、うなじを剃ってあげた。それを見ていた美代子も、理恵子に頼んで長い髪を分けて三つ編みにして後頭部に巻いてもらい、理恵子の赤い花の簪をつけてもらったあと、大助に「ネェ~、涼しそうで可愛いでしょう」と、鏡を見ながら嬉しそうに見せていた。大助は「少し大...河のほとりで(36)

  • 河のほとりで (35)

    よく晴れた日の昼下がり。大助は、健太郎が川海老を救う網の手入れをしている傍らで、みよう見真似で面白そうに手伝いをしているところに、美代子が母親のキャサリンと連れ立って大きな手提げ袋を持って訪ねてきた。美代子は大助を見つけると、キャサリンの手を振りほどいて彼のそばに行き「これ、お爺さんからのプレゼントだけど受けとってぇ」と言って、大助のために老医師の祖父が用意した盆踊りに着る法衣等が入った大きな袋を差し出して中を見せたあと、別の手提げ袋を少し開いて「これは、わたしの水着ョ」と言ってチョコット中身を見せて、これから二人で泳ぐのを楽しそうに肩をすぼめてクスッと笑っていた。キャサリンは、節子さんに対し挨拶のあと、診療所では話すことのない愚痴をこぼすように、田舎に暮らす様になってから、それまでの親子三人での新潟市内での生...河のほとりで(35)

  • 河のほとりで (34)

    夕食後。理恵子と珠子は、涼風にのって流れてくる祭囃子の笛や太鼓の音に心を誘われて、節子が用意しておいてくれた浴衣で身を装い、大助は持参の浴衣を着て、三人は小砂利混じりの土の道を下駄で歩く感触を懐かしく感じながら、盆踊りの会場準備をしている鎮守様の境内へと散歩に出かけた。勿論、愛犬のポチもお供していた。理恵子達の浴衣は、薄い青地に小さい赤や白の花柄模様の入った、節子がお気に入りの布地で作ったもので、自分も模様の色は違うが同じものを用意したと言っていた。大助については、背丈がどれ位伸びているか判らず、丈を計ってから珠子と相談して着地を見つけ、帰るまでに用意すると言っていたが、彼は浴衣に余り興味がないのか、持参した浴衣に袖を通し「小母さん、僕、これで結構ですよ」「昨年、小母さんが作ってくれた、この豆絞りの浴衣が気に入...河のほとりで(34)

  • 河のほとりで (33)

    大助が、思わぬ歓迎を受けて愉快に遊んだあと、名残り惜しそうに美代子と別れて節子小母さんと帰宅したあと、美代子の家庭では夕食のテーブルを囲んで、老医師と長男の大学医師の正雄が晩酌をしていた。老医師が正雄に諭すように「お前にも日本人の血が半分流れておるが、キャサリンは仕方ないとしても、大助君にお土産を渡すのを失礼して、ワシは、恥ずかしい思いをしたよ」「もっと、土地の慣習を勉強してくれなければ、こんな田舎では評判が悪くなるよ」と渋い顔をして話すと、キャサリンはひたすら詫びていたが、正雄は「まぁまぁ、そのうちに自然と覚えるよ」とキャサリンをかばい老医師との仲を取り持っていた。美代子は、自分が母親に無理を言って強引に大助君を連れてきたことが、全ての原因であることに気ずき「お爺ちゃん、そんなに、お母さんを攻めないでぇ」「わ...河のほとりで(33)

  • 河のほとりで (32)

    美代子は、大助の話に束の間でも心が救われたのか、彼の指をいじりながら悪戯っぽく「わたし、この指の何番目かなぁ~」と、彼の表情をチラット見ながら呟やいて聞いた。大助は、彼女の真意を図りかねて黙っていたら、彼女は彼の小指を強く引っ張りながら「ネェ~大助君」「君、同級生か先輩の中に、心をときめかせるほどの好きなオンナノコがいるの?」「大助君なら、いても不思議ではないと思うけれども、わたし、時々、フッと気になることがあるので、教えてくれない?」と、大助は予期しないことを突然聞かれて返事に困ってしまい、咄嗟の思いつきで笑いながら「同級生や先輩にはいないよ」「しいて言えば、遊び相手の近所に住む小学校4年生のオンナノコかな」と、靴屋のタマコちゃんのことを思い出して答えると、彼女は「そのオンナノコ、大助君の恋人なの?」「一寸、...河のほとりで(32)

  • 河のほとりで (31)

    美代子は、大助を母屋の中央にある2階の十二畳の広い座敷に案内すると、広いテーブルの上に大きい地図を広げて、お菓子を食べながら、現在地と大助の住む東京の地図に赤ペンで印しを書き込み、互いに近隣の模様を楽しそうにお喋りしてていた。大助は、煌びやかな大きい仏壇と、床の間に飾ってある鎧兜や日本刀、西郷隆盛の銘のある掛け軸、それに、部屋の真ん中に敷かれた豪華な緑色の絨毯や唐草模様が漆塗りされた立派なテーブルに気を奪われて、田舎の旧家の素晴らしさに美代子の話も半ばうわの空で相手していた。美代子は、そんな大助の気持ちにお構いなく、彼の隣に寄り添う様に足を崩して座り直すと、7月の県下中学校の水泳大会で3位に入賞したことを話し始めたので、彼は彼女の差し出した腕を見て「道理で、良く陽に焼けているわ」と、彼女の腕をソット擦って言うと...河のほとりで(31)

  • 河のほとりで (30)

    中学2年生の美代子の家庭は、祖父が軍医上がりの、村に古くからある診療所である。彼女の父正雄は、父が南の外地インドネシアで終戦を迎えたとき、その外科技術をイギリスの軍医に見込まれてイギリスに渡り、ロンドン大学病院で外科学を助手として研修や私生活を助けてくれた、イギリスの婦人グレンと結婚して生まれた一人息子だが、戦後、一家で帰国して日本で医学を学び、現在、大学病院に外科医として勤務している。一方、母親のキャサリンは、診療所の老医師の妻グレンの姪で、イギリスの大学で薬学を勉強中に恋人が空軍士官としてイラクに派遣され戦死したが、その時、すでに恋人の胤を宿していて悲嘆にくれていたのを、老医師が妻グレン姉妹と相談して、生活環境を変えることが精神的に大事であると考え、日本に帰国する際同伴して来て、やがて生まれる子供は自分達が...河のほとりで(30)

  • 河のほとりで (29)

    例年になく全国的に酷暑が続く夏休み。昨晩から旅行の準備に余念のなかった大助は、翌朝、母親の孝子や姉の珠子から出発に当たって、旅先での注意を細々と言い聞かされ、何時ものこととはいえ、ここが我慢のしどころと馬の耳に念仏で心は旅先に思いをはせて、正座した足の痺れを我慢しながらも俯いて神妙に聞き、その都度、頭をコクリと垂れて頷いて返事をしていた。小言にも似た話が終わるやヤレヤレといった表情で立ち上がると、少し沈んだ思いでリュックを背負い玄関を出た途端タマコちゃんが見送りに来ていて、大助の表情を見て「ゲンキガナイミタイネムリシテユクコトナイワ」と彼女も冴えない顔つきで言ったので、彼は「そうかいま母さんと姉貴に文句を言われ気分が重いわ。お前しか心配してくれる人がいなくてチョット寂しいよ」と答えバイバイしながら、理恵子と珠子...河のほとりで(29)

  • 河のほとりで (28)

    大助が、部活の野球の練習をしているとき、担任の先生が家庭訪問に訪れ、母親が勤務で留守のため珠子が代わって懇談した。担任の教師は、彼はクラスでも男女や学年の区別なく、柔らかい人当たりから人気者で、生徒間のコミニュケーションも上手くとり、部活も熱心で特に指摘することはないが、来年は高校入試もあり、もう少し英語と数学の予習をする様にと言って帰られた。その日の夕方、大助は野球の練習に疲れて帰って来ると、シャワーで汗を流そうと風呂場に一目算に勢い良く飛び込んだところ、珠子が「コラッ!良く見て入って来いッ!」と湯船から立ち上がり、いきなり怒鳴り散らして桶で湯をかけたので、彼はビックリして浴室を飛び出たが、風呂から上がって来た珠子が「脱衣場を見れば判るでショッ!」「コノアワテモノガ」と言いながら、いきなり頭に拳骨を一発見舞っ...河のほとりで(28)

  • 河のほとりで (27)

    珠子は、月の光が薄明るく照らす理恵子の部屋で、誰にも話したこともない自分の性的経験とその苦悩を説明したが、それは、理恵子を充分に説得するものであった。珠子の説明によれば、断片的ではあるが彼女は、高校3年に進級した春。以前から、なんとなく温和で勉強のできる同級生の男子に親近感を覚えて自然とほとばしる感情で交際していた。或る秋の日の午後。帰校時に彼の自宅に誘われて遊びに行ったとき、無理やりに求められて身体を許してしまったが、勿論、そのときは、恋とか愛とかでなく、以前の親密な友情と言うのかしら、強いて言へば互いにその場の雰囲気に飲み込まれ初体験をしたわ。その後も、たまに誘われれば彼の家で興味半分のsexに戯れていたが、私達の場合、卒業すれば家庭環境から卒業後は別れることになるので、深い恋愛感情も芽生えず、ただ、お互い...河のほとりで(27)

  • 河のほとりで (26)

    理恵子は、風呂場から出ると織田君の視線を避けるように隣に腰掛けると、彼は呑んでいた缶ビールを差し出して「リーも、一口飲むかい」と言ったが、彼女は小声で「いらないゎ」と言って立ち上がり、持参してきた風呂敷包みからお弁当をテーブルに広げると、彼は「あぁ~旨そうだ!お腹も空いたね」「一緒に食べよう~ょ」と言いながら、海苔巻きをほおばり、彼女に「こんな暑い日は、食べて体力をつけないといけないよ」と言ってくれたが、理恵子は食欲がなく、缶コーヒーを開けて飲んだ。彼は食事しながら彼女の顔を見ることもなく、途切れ途切れに「切ない思いをさせてゴメンナ」「身体は、大丈夫か」「リーのことは、一生、面倒を見るから心配するなよ」「お互いに自分に忠実に生きるためにもね」等と言ってくれたが、理恵子は細い声で「モウソノオハナシハヤメマショウ」...河のほとりで(26)

  • 河のほとりで (25)

    日曜日の朝。今日も快晴で朝から陽ざしが照り映えて暑い一日になる様だ。理恵子は、珠子の手伝いを得て海苔巻きや稲荷寿司と焼肉にレタスとウインナーや卵焼きなどの惣菜を作ったあと、掃除用のスラックスやタオル等衣類を袋に入れると、水色のワンピースに着替え終わると、護衛役の大助を伴い三人で等々力に向かった。駅前商店街で彼の下着や洗剤などを買い、彼等は織田君が書いてくれた地図を頼りに歩んだが、成る程、学生や勤め人など単身者専用の似たような小さいワンルームの賃貸住宅が並んでおり、理恵子は探すのに大変だゎ。と、珠子と話ながら歩いていると、大助が「姉ちゃん達は、僕から離れてついてこいよ」「僕、先に行って見つけたら手招きするから」と言って先に行き、順番に表札を見ながら歩いていたが見つからず、見落としたかと思い、今度はゆっくりと後ずさ...河のほとりで(25)

  • 河のほとりで (24)

    梅雨明けの夏の陽光が容赦なく照りつける土曜日の昼下がり。理恵子は、織田君の家に明日伺えるとゆう嬉しさから心が弾み、久し振りに時々通う近くのテニスクラブに出掛け様としたところ、珠子も「わたしも一緒に連れて行って」と言われ、二人でラケットを持って出かけた。珠子は、常に運動をしている上に、運動神経も優れており、二人で渡り合ったが、彼女は長いことしていても息が上がらなかったが、理恵子は運動不足のせいか先にくたびれてしまい、2時間ほどして帰宅した。汗を流したあとは気分も爽快で、廊下の椅子に腰掛けて雑談を交わしていたところに、大助が野球の練習から疲れた素振りで帰ってきて、二人の傍に腰掛けて黙って二人の話を聞いていたが、理恵子が「列車の混雑しない10日ころ、田舎に帰る予定にしているんだけど」と言い出したら、大助は途端に元気を...河のほとりで(24)

  • 十五夜の名月に思いをよせて

    戦後、焼野原で小学校を終えて以後、食糧難・就職難・肺結核・など過酷な試練をなんとか潜り抜け、晩年に至や大腸癌に遭遇し医師に余命3ケ月と宣告されたが奇跡的にアノマリーで生き延びてきて、幸か不幸か判然としないまま86歳を迎えた。中秋の先日の宵、越後平野は珍しく晴れて、神々しい名月を”これが人生最後の十五夜か”と思いつつ手をあわせた。名月を拝してこんなに神妙な気持ちになったのも生まれて以来初めてだ。壮年時代アポロのニュウスを見て感動したが、その時は科学的な感動だけで、今回のように純粋に宗教的な感動に揺さぶられたのは、正に老いてゆく者の自然な宿命のなせる業と思った。「歴史は巡る」と言われるが、最近の時局ニュウスを新聞・TVで視聴するに①アメリカの保護主義優先②韓国の孤立的な民族主義③東欧の極右主義の台頭④中東の宗教的対...十五夜の名月に思いをよせて

  • 河のほとりで (23)

    理恵子は、帰宅後シャワーを浴びたあと浴衣を着て居間に入ると、病院から帰宅していた小母の孝子と珠子や大助が、彼女を待ちかねていたかの様に、大助がアイスコーヒーを飲みながらニコヤカナ笑顔で「ドライブは楽しかった?。何処まで行ったの」と聞いたので「二子多摩川よ。都会に住んでいることを忘れさせてくれるほど景色の眺めがよく周辺も静かで、川の流れもゆったりとしていて、川原の芝生も柔らかく、大ちゃんのお陰で、とっても素晴い一日を過ごさせていただき、言葉で表現できないほど、気分が晴々としたドライブだったヮ」「こんなに楽しい日が過ごせるなら、今まで思い悩んでいたことが、何んだったのかと不思議なくらいだヮ」と、半ば興奮気味に話すと、孝子小母さんが「わたしも、遠い昔、看護師になるなめ、これからどうなるのかと不安な気持ちで、わたしより...河のほとりで(23)

  • 河のほとりで (22)

    理恵子は、普段は胸に留めていた織田君に対する不満や愚痴を言ったあと、これだけは聞いてはいけないと常に考えていたことも、織田君に話をしているうちに、寂寞感と現在と将来に対する不安感がない交ぜになって、どうしても聞いておきたい一念にかられ、心の中ではその様なことが無いことを祈りつつも、彼の顔を見ずに震えるように小声で、思いきって「あなた、女の人の肌に触れたことがあるの?」「若し、あったとしても、この体格ですもの、私、あなたを攻めないヮ」と、彼の腕に両手でしがみつく様にして身を寄せて聞いてしまった。織田君は、黙って時折遠くを見ながら聞いていたが、彼女の話が終わったころを見計らって、黒く輝いた瞳で彼女の顔を見つめ、今まで見たこともない厳しい顔をして、ゆっくりと諭す様に「リーも、僕の現在の境遇を知っているだろう」「それな...河のほとりで(22)

  • 河のほとりで (21)

    織田君は、玄関先で珠子さんが用意した冷えた緑茶を美味しそうに口に含むと、一息おいて近況を簡単に話したあと、ころあいをみて「ヨシッ行くか」と言って立ち上がり、玄関前で黒塗りの大型オートバイにまたがると、理恵子がリュックを背負い出てきて、大助から足の乗せ場や掴まるところを教えられて後部に乗車したが、彼が理恵子の服装等を見て、いかにもドライブに似合う姿なのを意外に思い「ヘルメットやJパン姿が案外似合うなぁ~」「何時、準備したんだ」と感心した様に言うので、彼女は「これ全部、大助君に準備して貰ったのョ」と答えると、彼は大助にお礼を言って、珠子達に見送られて爆音を残して出発した。街中を走行中は、スピードも上げずに慣れた運転で家並みを過ぎて行き、彼女も初めて乗る割りに怖いとも思わなかったが、程なくして多摩堤通りに出ると、交通...河のほとりで(21)

  • 河のほとりで (20)

    織田君が迎えに来ると約束の日曜日の朝は、晴れていて日中はかなり暑くなりそうだが、風は穏やかでドライブには快適な日和であり、理恵子は胸をときめかせて待っていた。なにしろ上京後初めてのデートあり、昨夜から彼の近況についての話題や愚痴等取り留めもないことを、あれこれ考えて満足に眠れなかった。その日の朝、大助は居間でゴロンと寝ころんで雑誌を見ていたら、姉の珠子が険しい顔つきでジレッタそうな声で「大助ッ!理恵子さんの支度を一体どうしてあげれば良いの。昨日あれほど頼んでいおいたのに・・」と、理恵子のドライブ用の服装について催促されるや、彼は読んでいた雑誌を放り投げて、慌て「コワ~イ姉ちゃんのためならエ~ットコラッ」と、皮肉混じりに答えて、自転車に乗りリュックサックを肩にかけて肉屋の健ちゃんの店に一目散に向かった。健ちゃんは...河のほとりで(20)

  • 河のほとりで (19)

    夏休み。小雨上がりの昼さがり。涼風が心地よく流れる庭の芝生で、大助は廊下にラジオのカセットを用意して「佐渡おけさ」のCDを流して、タマコちゃんを相手に盆踊りの練習をしていた。彼は、素足になり手拭を頬かぶりして鼻の前で結び浴衣の尻を帯に挟んで、まるでドジョウ掬いの踊りのように曲に合わせて、思いつきのまま自己流の時々片足をケンケンする様に上げて、二・三歩おきにタマコちゃんと両手を合わせ、その際、背丈の低いタマコちゃんに合わせるように腰を前かがみにすると、その滑稽な姿にタマコちゃんが面白がってキャァ~キャァ~と笑い声を上げて、真似をしながら嬉しそうに相手をし、二人ともご機嫌で遊んでいた。彼にしてみれば、昨年の夏休みに、理恵子の里に遊びに行ったとき、丁度、村の盆踊りの最中で、促されて踊りの輪に入れて貰ったが、他の人達の...河のほとりで(19)

  • 河のほとりで (18)

    地方より一月早い都会のお盆も近ずいて来た、残暑の夕食後。近所の鎮守様の祭礼に夕涼みかたがた、孝子小母さんに誘われて理恵子と珠子が連れ立って、孝子が仕立てた揃いの水玉模様の浴衣姿で桐下駄を履いて団扇を手にお詣りに出かけたが、大助は気がむかないのか浴衣を着るのを嫌がり半袖のYシャツに運動ズボンの普段着のまま三人の後ろにノコノコと足取りも重そうに付いて行った。大助は、後ろから見た姉達の浴衣姿も満更でないと、その漂う艶気に心を奪われ、彼女達の浴衣の下からチラチラと覗く下駄履きのかかとの清潔感に、時々、目を移しながら歩んで行くと、参道脇に露天を出していた八百屋の昭ちゃんと肉屋の健ちゃんが口を揃えて「大助ッ!お宮詣りか?」「普段、遊んでいるばかりいるので、来年の高校入試は、幾らカミサマでもシャジを投げてしまうんでないか」と...河のほとりで(18)

  • 河のほとりで (17)

    理恵子達三人が、上京後の近況を語り合ったあと、奈津子が「アァ~ラ、色々お話しをしていたらお腹が空いてきたヮ」「近所に、こじんまりしていて綺麗なお店があるので、案内しますので行かない?」と言い出すと、江梨子は「わたし、洋食よりありきたりの和食の方がいいヮ」と返事したが、その理由について、彼女は近い将来一緒になる小島君のために、少しでも喜んでもらえる料理のことを考えると、本当は時間を都合して料理学校に通えばよいのだが、会社の同僚の奥さんから、自分達は共稼ぎなので時間と経費を節約して、毎日会社の社食に出されるお昼のお惣菜を記録しておいて参考にしているが、お陰で何とか彼にも満足して貰える献立を覚えた。貴女も、日々の日常生活の中で切角の機会を利用されてはどうかしら?。結講、学校では得られ難い貴重な勉強になっている。と、教...河のほとりで(17)

  • 河のほとりで (16)

    江梨子から、二人姉妹の長女として家を継ぐ宿命に置かれた苦悩を聞かされ、思わぬ難問を打ち明けられた奈津子は「そうなの~、資産家の子として経済的に恵まれていると客観的には羨ましく思えたが、世の中金銭だけでは解決出来ないこともあるのねェ~。貴女の悩みはよく判ったヮ」と、彼女の立場に同情したあと、如何にも奈津子らしく、瞬時に彼女の遭遇している現実の苦悩を察して「貴女には、いま時間が最も大切ョ」。”時が解決する”と言う諺があるが、いまは精一杯、青春を楽しむことョ」と励ましたが、江梨子は少し正直に話して迷惑をかけてしまったかと思いながらも、この際、先行きのことも話して今迄通り友達関係を続けたい思いから、家庭の事情について更に詳しく話しを続けた。母親や友子は「妊娠したら、さっさと会社を退職して帰って来なさい。それが上京する際...河のほとりで(16)

  • 河のほとりで (15)

    奈津子は、二人が上京以来3ヶ月ぶりに訪ねて来たことを待ちかねていた様に、理恵子のことは江梨子に任せて、台所でアイスコーヒーやら水菓子を用意して部屋に戻ると「田舎と違い、コンクリートの街は蒸し暑つさが事の外感じられるわネ」「こんな日は田舎が恋しくなるゎ」と言ってエアコンをを弱めにつけて座ると「貴女達、お土産なんて無理すること無かったのに・・」と礼を言いつつも、早速、「戴きましょうヨ」と包装紙を解き「アラッ!果物もいいわネ」と言って、遠慮気味に少し堅くなっている二人の気持ちをやわらげてから、二人に対しまるで姉さんらしい語り口で「皆が、病気もせずに逢えたことが、何よりの幸せネ。慣れない土地での緊張感やストレスは、それぞれにあったでしょうが・・」と、同級生時代からのリーダー格らしく、頭脳明晰なところもあるが、二人の先頭...河のほとりで(15)

  • 河のほとりで (14)

    何時もは賑やかに食卓を囲む城家の夕食後。大助は何故かおとなしく疲れた様子で横たわってTVでサッカーを夢中で見ていると、電話の呼び出しに出た珠子が「大ちゃん靴屋の彼女から電話だよ」「なんだか声が、元気ないみたいだったゎ」と告げたので、大助は「姉ちゃん彼女だなんて人聞きの悪い言いかたは止めてくれよ。勝手に遊びに来る友達でしかないんだから・・」と、少し不満げに返事をして億劫そうに立ち上がり電話に出ると、タマコがいきなり興奮した声で「大ちゃんこのお手紙ナニヨッ!意味がゼーンゼンワカラナイヮ」「でも、お爺ちゃんに見せたら、大助も英語で手紙を書く様になったか、たいしたもんだ。と、感心していたゎ」と言った後、彼女は手紙を巡り家庭内の様子について、お爺さんに意味を聞いたら、全然、ワカラン。と言って、そばにいたお祖母ちゃんに手紙...河のほとりで(14)

  • 河のほとりで (13)

    霧雨のけぶる土曜日の昼下がり。帰校後、大助は中間試験を何とか終わり、ヤレヤレの思いで廊下で一人昼食後の牛乳を飲んでいると、タマコが訪ねて来た。大助の様子を見ると「大ちゃん、寂びしそうな、お昼ご飯ネェ~」と言いながら後片付けをしてくれて、椅子に座るや「わたしの、お手紙読んでくれた?」と、早速、感想を求めて来たので、大助は「ウ~ン夕べ読んだよ」と、物憂げに答えると、タマちゃんは「なによ、そんな元気のない返事をして・・」「試験が思う様にいかなかったの?」「それとも、何か、大ちゃんの気にいらぬことでもあったの?」と、少し気落ちした顔つきで聞き返すので、大助は彼女に無理に理恵子さんの靴の修理を頼んだ手前、これはシマッタと思い「僕、試験勉強の合間に読んだが、タマちゃんらしい可愛い文章だったよ」「返事を書かなければ、タマちゃ...河のほとりで(13)

  • 河のほとりで (12)

    初夏の爽やかな風と陽ざしが、柔らかい濃緑の芝生に流れて照り映えている夕方。大助は、鉢巻をして鞄を枕に横たわり、中間試験に備えて英語の教科書を開いて復習していたところへ、庭先の垣根を音も無く開いて、タマコちゃんが「大ちゃん、いたぁ~」と声をかけながら、涼しげな水色のミニスカート姿で、手には愛用の布袋と漫画本と、それに靴箱を入れたビニール袋を提げてやって来た。彼女は、大ちゃんの脇に足を横に崩して座ると、彼の読んでいる教科書を覗き込んで「アラッ今日は本当の英語の本なのネ」「今度はお姉ちゃんに見られても叱られないわネ。よかった~」と言いながら、早速、漫画本に挟んだ白い封筒を出して大助の顔の上に差出し、恥ずかしそうに俯き加減に「ハイッ!約束通りお手紙を書いてきたヮ」「夕べ遅くまでかかって、お母さんに見つからないように書い...河のほとりで(12)

  • 河のほとりで (11)

    珠子は、腹這いになり興味深々と雑誌を読んでいた大助に忍び足で近寄ると「大ちゃん、何の本を読んでいるの?」と優しく聞くと、大助は慌てて雑誌を腹の下に隠して顔を上げもせず「姉ちゃん、勉強の邪魔をしないでくれよ」と不機嫌に返事をするばかりで、珠子の求めも無視して、腹の下に隠した雑誌を出そうとせず必死に隠し、何度尋ねてもなしのつぶてで嫌がるので、彼女は益々不審感を抱き業を煮やして実力行使で、大助の背中にスカート姿のまま馬乗りになり何とか雑誌を取りだそうとしたが、大助の頑強な抵抗で取りだせず、二人は遂に取組合になり、一度は大助の背中の反動で足を広げたまま仰向けにかえされたが、再度、本気になって襲いかかり、やっとの思いで雑誌を取り上げて見れば、若い女性の水着姿のグラビア集で「大助!何が勉強だね。こんな下らない雑誌ばかり見て...河のほとりで(11)

  • 河のほとりで (10)

    初夏の香りを含んだ風が、庭の梢から柔らかく流れてきて心地よく肌に触れる土曜日の午後。二階の自室で、理恵子と珠子は二人して髪型の雑誌のグラビヤ写真を見ながら互いの顔と似合う髪型の話を楽しげに語りあっていた。理恵子は「珠子さんは、わたしと同じように面長なので、やはり長い髪を自然に流しておいた方が似合うと思うわ」「丸型の人は、思いきりカットして軽くカールした方が可愛いかもネ」と、鏡に向かいしきりに髪をいじり試行していた。話の途中、理恵子が今度の休日に一緒に上京した人達と逢うことになっているんだが、大事にしてきたパンプスの底が傷んでしまったので、これから近所のミツワ靴店に行って来たいと言い出したので、珠子は「理恵ちゃん、あすこのお店は駄目ヨッ」と反対した。それと言うのも、以前、彼女が修理に行った際、職人のお爺さんに足元...河のほとりで(10)

  • 河のほとりで (9)

    大助は、肉屋を気分良く出ると、健ちゃんのサービスが嬉しかったとみえて、理恵子に笑みを漏らしながら「次は何を買うの?」と聞くと、理恵子が「お野菜を買いたいわ」と答えると、夕刻時で買い物客で混雑する商店街の人混みを、何時の間にか理恵子の左手を握って引く様にして空いている左手で巧みに対面して来る人を掻き分ける様にして、八百屋さんの前まで来ると、町野球のコーチをしている店員の昭ちゃんが「オ~イッ大助!俺の店には寄らないのか?」と恥ずかしくなる様な大声を掛けてきたので、大助は「今日は、僕にとっては大事なお客さんを案内しているので、特別にサービスをしてくれるかい?」「ダメなら、よその親切な店に行くよ」と、笑いながらも冗談交じりに返事をすると、昭ちゃんは「いま、健ちゃんの店に寄っただろう、俺、ちゃんと見ていたぞ。何故、俺の店...河のほとりで(9)

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