健ちゃんが、美代子を連れて校庭裏の駐車場に辿りつくと、先着の六助以下の者達がスキーを脱いで車の前に整列して待っていたが、彼は寅太達三人に対し「ヨシッ!今日のことを忘れずに、家に帰って除雪でも何でもいいから人に喜ばれることをしろ」「それが、お前達が今出来る最善の償いだ」「さぁ元気を出して行けっ!今日のことは決して人には言うなよ」と言って返したら、寅太達は「ハイッ」と元気良く返事し、大助と美代子に黙って頭を下げて謝ると、興奮している美代子は彼等に目もくれず、大助の腕を取って一緒に車に乗り込んでしまった。健ちゃんは、美代子に携帯を渡し「これから、君の診療所に大助の傷の手当てに行くので連絡してくれ」と頼むと、彼女は大助のズボンから滲んでいる血を見て喧嘩を思いだしたのか、再び、取り乱して泣き出してしまい、健ちゃん達...雪に戯れて(16)